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Home [009]スローライフなんかありえない。IT社会の悪夢

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[009]スローライフなんかありえない。IT社会の悪夢

2009年2月18日

昔だったら、同時に3つのことなどしなかった


 今回は、私のボヤキを書く。
 というか、なぜ、こんな社会になってしまったのだろうか? という、私の恨みつらみだ。

 それは、ひと言で言うと「忙しすぎる」ということ。もっと言うと、仕事と私生活、あるいは余暇の境目がないということ。どこまでが仕事で、どこまでが私生活なのかわからない、いまの生活に、私は本当に疲れ果てている。

 いま私は、自宅でこの原稿を書きながら、同時に何本かのメールに返事を書いている。日本は夜中だが、アメリカは昼間だから、ちょくちょくメールが入る。それを読みながら、気になる情報は、ネットで検索する。つまり、私は、同時に3つのことをしている。
 しかし、PCなどなかったころは、とっくにベッドに入って寝ていただろう。

 
いったい、私はどこにいるのだろうか?

 この生活は、昼間だと、もっと恐ろしい。会社のデスクでPCに向かい、原稿の編集をしながら、メールも書き、検索もしているところに、ケイタイに妻からの電話が入る。たとえば、それは今度の日曜日にある法事の相談で、ケイタイがなかった昔なら、妻はそんなことでいちいち電話してこなかった。
 と、それが終わると、今度は娘から企画書を直してほしいというメールが入り、パワーポイントの添付ファイルが送られてくる。

 もちろん、仕事は机の前だけではない。打ち合わせにも出かけるし、取材にも行く。しかし、その最中もネットワークに接続されているから、休めない。

 いったい、私はどこにいるのだろうか? 会社のデスクにはいるが、私は同時にどこか「別のところ」にも存在し、別のことをしている。これが、IT社会、ネットワーク社会の現実である。


ホワイトカラーがこれほど多忙な時代はない

 かつて、ファックスが登場したとき、本当に便利だと思った。そして、PC、ケイタイと時代は進んでさらに便利になった。いまや、電車や車に乗って原稿を取りに行く必要はないし、ちょっとした取材用件もメールですますことができる。

 しかし、PCとケイタイは、私の仕事を会社だけでは終わらせず、24時間にしてしまった。昔は、仕事は会社に置いて帰るものだった。だから、家に帰れば、子どもと遊び、家族で食事をしてくつろぐ時間があった。

 編集者は、ホワイトカラーに属す。会社に勤めている以上「会社人間」でもある。しかし、会社人間は、会社から一歩出れば会社人間から抜け出すことができた。しかし、いまは抜け出せない。これほど、ホワイトカラーが多忙だった時代はかってなかっただろう。

所得の多い人が低所得者より働いている

 ITが発達すると、生活は便利になり、仕事量は減って、代わりに余暇が増えると言われていた。そんな時代が、いまはなつかしい。コンピューターは、人間の代わりに面倒なことを、すべてやってくれるはずだったのではなかろうか?

 ITが発達したネッワーク社会では、ホワイトカラーは安まるヒマがない。常に、ネットワークの中にいるから、たとえば、休日に家族と過ごしていても、仕事に接続されていて、ケイタイは鳴るし、PCを開けばメールが届く。
 つまり、私たちはそこにいながら、どこか「別のところ」にもいる。

 現在は、労働史上初めて、ホワイトカラーがブルーカラーより長時間働く時代である。もっと言えば、所得の多い人が低所得者より働いている。
 しかし、所得の多い人は、ほとんどが衣食住からかけ離れた仕事に就いている。コンサルや弁護士、アナリスト、ファンドマネージャーなどは、目が回るほど忙しく働いているが、いったいなにを生産しているのだろうか?


いまやスローライフは意識してやるもの


 アメリカの統計を見ると、2006年は高所得者の27%が、1週間に50時間以上働いている。しかし、30年前の1979年は、15%に過ぎなかった。これは、日本も同じだろう。

 昭和30年代のレトロな映画が、いま、なぜ流行るのか? 「3丁目の夕陽」のような時代、サラリーマンは、会社に仕事を置いて帰宅した。居酒屋に寄っても、そこでケイタイでつかまえられることはなかった。サザエさん一家のような生活が、スタンダードだった。
 しかし、いまや、そんな家庭はどこにもない。

 ITが登場する前は、仕事も私生活もスローだった。スローライフなんて言葉はなかった。誰もそんなことは意識していなかったからだ。しかし、いまやスローライフは、意識してやらなければならない。


この現実はもう後戻りできない


 もちろん、すべてITのせいだとは言わない。しかし、ITの発達で人間の行動が変った結果、社会は大変化した。格差は拡大し、格差社会の最上位か最下位でないと、私生活はなくなってしまった。女性は家庭から仕事場にかり出され、専業主婦もほとんど死滅した。

 いまや自宅が会社化し、会社が自宅化しないと、仕事はできない。その典型例がグーグルだ。グーグル本社では、食事やドリンク類はすべて無料。ジムもスパもあり、バレーボールのコートなどの娯楽施設も完備。クリーニングのサービスもいつでも受けられる。

 しかし、日本の会社は、いまだにここまで変化していない。単に机を並べてPCが置いてあるだけである。これでは疲れるだけだ。会社という不便極まりない場所で、「別のどこか」につながれる生活。これが、いまの私たちの現実だ。

 世界同時不況だというのに、生活は変らない。リストラされた人たちには申し訳ないが、前より、はるかに忙しい。スローライフなんて夢のまた夢だ。
 そして、ひとつだけ言えるのは、こうした現実はもう後戻りできないということだ。

 

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