[285]トランプのメディア批判が止まらないなか、現在のメディア状況についての一考 |
2017年 8月 08日(火曜日) 17:27 |
トランプ大統領は、夏休み中だというのに、8月7日、またもツイッターでメディア攻撃を行った。宿敵のニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が、ペンス副大統領が次の大統領選への出馬準備を進めていると報じたのが、よほどお気に召さなかったらしい。「NYTは無能」“failing @nytimes”とし、「NYTはどこまで落ち目なんだ」と、と太い指でタップしまくったのだ。 “How much longer will the failing nytimes, with its big losses and massive unfunded liability (and non-existent sources), remain in business?”
NYTは5日の土曜日に、ペンス副大統領が2020年の大統領選に向けて資金集めの組織を結成し、出馬準備を進めていると報じたが、この記事は、それほど目くじらをたてるような記事だろうか? もちろん、ペンス副大統領自身は「ばかげた記事だ」とし、「政権を分裂させようとするメディアの試みだ」と記事内容を否定したが、トランプが怒っても仕方ない。むしろ、夏休みなのだから、鷹揚と構えて、のんびりゴルフでもしていればいいではないか。ところが、この大統領は感情を抑えきれない。MSMを叩くことに快感を覚えているらしく、MSM6社を「24時間、フェイクニュースを流している」ともツイートした。 “Hard to believe that with 24/7 #Fake News on CNN, ABC, NBC, CBS, NYTIMES & WAPO, the Trump base is getting stronger!”
アメリカのこの状況に比べて、まったく逆なのが、日本のメディアと現政権だ。安倍首相は読売新聞をはじめとする“御用メディア”“お友達メディア”に守られ、トランプのようなMSM攻撃をする必要がない。 お食事とゴルフを楽しんでいればいいし、メディア対策費も潤沢にある。 その結果、政権批判をしているのは、反権力こそ正義だと信じ、そのために “捏造”もやってしまう朝日、毎日だけだ。 ひと昔前は、どのメディアも、自分たちの役割を「権力監視」「中立報道」「不偏不党」としてきた。しかし、ネットの進展によるブログ、SNS、ネットメディアの登場で、メディア空間は変わってしまった。旗色を鮮明にしないと、 誰もついてこないのだ。
いまや、ネットでは誰でも情報発信ができる。誰もが「言論の自由」の“恩恵”のもとに、真実や事実と関係なく、言いたい放題言えるし、右だろうと左だろうと、ヘイトスピーチだろうとおかまいなしにアップ、拡散できる。最近ではAIが発達し、人間ではないツイッターボットなどが、嘘か本当かわからないことを拡散している。 こうなると、既存メディアも、ローマ皇帝シーザーが言った「多くの人は見たいと欲することしか見ない」に従い、そういうニュースを提供するしかなくなってしまった。事実に基づくという、最後の砦まで崩れてしまったのだ。
その状況のなかで、トランプはツイッター大統領として、MSM攻撃を欠かさない。ここまで来ると、その姿勢に感心するしかない。トランプはたいしたものである。 それに比べたら、安倍首相は相変わらず、メディア幹部と“お食事会”を楽しんでいる。森友、加計問題も、本人としてはそれほどの大問題とは思っていないようだ。 こうなると、日米のMSMが置かれた状況が、まったく違っていることが、なにか不思議に思えてくる。別にNYTや CNNはリベラルだからトランプの批判報道をしているわけではない。トランプがアメリカ国民と世界にとって、災いしかもたらさないと確信しているから、そうしているはずだ。 はたして、この状況のどちらが国民にとっていいのか?よくわからない。
ただ、外野席にいる限り、日本のこの状況は昔よりはるかに面白い。毎日のようにテレビに出ている御用記者(政権事情通)が、いかに記者として堕落しているのか見るのは、本当に楽しいし、また、毎日のように政権に噛み付いている記者の記事を読むのも楽しい。 さらに、とんでもないネタを堀りおこしてくる週刊誌やネットメディアやツイート、ブログを読むのは、もっと楽しい。
それにしても、“国籍嘘つき党首”蓮舫はなぜ辞めてしまったのか? ”勘違い姫“稲田朋美防衛大臣はなぜ辞めてしまったのか? あそこまでやったのだから、 2人ともずっとやっていてほしかった。そうすれば、夏のネタ枯れは防げただろう。本当に惜しい。松居一代動画もいつの間にか終わってしまった。 「一線を超えていない」と意味不明なことを言い放った参議院議員の今井絵理子と神戸市議の橋本健市の新幹線ラブラブ動画は、衝撃度が低すぎた。見ていて哀しくなるだけだ。 こうなると、「このハゲ、違うだろう〜!」と絶叫した豊田真由子(さま)議員は、本当に惜しい。まだ、入院しているのだろうか?
ところで、斉藤由貴のダブル不倫の相手医師は、うちの近所のクリニックの医者だ。テレビを見ていたら、ベラベラとよくしゃべり、挙げ句の果てに「彼女(斉藤由貴)は私の作品です」なんて言っていた。一瞬、耳を疑ったが、本当に言っていた。 このような人間が、この先もどんどん出てくれば、メディアは活気づく。 もはや、高邁なメディア論などいらない。ただ、起こったこと、あったことをそのまま流し続けてくれれば、それでいい。それこそ、メディアのもっとも大きな役割だ。 |
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