2017年9月7日●新刊『永久属国論』(さくら舎)発売 |
私の新著『永久属国論−憲法・サンフランシスコ平和条約・日米安保の本質』(さくら舎・刊)が、9月7日に発売されました。本書は、私がどうしても書き残しておきたかった日本の近代史、とくに戦後史に関する本です。 それは、一言で言えば「日本とはなにか?どういう国なのか?」ということです。日本人なら、みな同じような国家観を持ち、同じような歴史認識を持っているはずですが、実際はそうなっていません。 憲法改正をめぐる動きを見ると、これははっきりします。
改憲派(右派)と護憲派(左派)の論理はまったくかみ合わず、議論にもなりません。つまり、右も左も、現在の日本がどんな国か? どんな歴史のもとにいまがあるのか? まるでわかっていないのです。 たとえば、あまりにシンプルな話、日本は主権を持つ独立国ではありません。アメリカの従属国家、つまり「属国」(dependency)です。それなのに、サンフランシスコ平和条約で再独立したと歴史の授業で教えられたので、みなそう思っているのです。 これは、“美しき誤解”です。 さらに、左派が守ろうとする憲法は、「平和憲法」と呼ばれていますが、その平和はアメリカのための平和であって、日本のための平和ではありません。それなのに、護憲派はアメリカがつくった憲法を守り抜こうとするのです。誤解もここまで行くと、宗教です。
また、右派の人々は、アメリカがつくった憲法を改正すれば独立できると思っているようです。しかし、独立国家でない日本がそんなことをしてもほぼ無意味です。 なぜなら、憲法は国内でしか効力がないので、その上にくる国際条約を改正しなければ、独立などできないからです。つまり、これも“美しき誤解”なのです。 本書は、これらの“美しき誤解”を解くために書いたものです。本書を読んでいただければ、わかりますが、日本が近代独立国家だったのは1902年から1945年までの、たった43年間だけです。その後の日本は、独立国家ではありません。 この厳然たる事実を知って、それに基づいて未来を構築しなければ、日本はいつまでも漂流し続けるだけです。中国、北朝鮮によって、日本の安全と平和が脅かされているいま、私たちはここで、自分たちの国がどんな国で、どんな状況にあるのかはっきりと知る必要があるのではないでしょうか?
【Amazon】永久属国論 ―憲法・サンフランシスコ平和条約・日米安保の本質 ■本書の構成・目次 第1章 アメリカの属国 第2章 日本国憲法成立の深層 |