17/12/27●漫画単行本の売り上げが激減、前年比で12%減 |
12月26日付の東京新聞が「漫画単行本が激減 電子コミック穴埋め」という記事を載せている。これは、出版科学研究所の調査データに基づく記事で、2017年の出版物推定販売金額が約1兆3700億円まで落ち込み、ピーク時の1996年の約52%まで縮小するなかで、漫画単行本の落ち込みが際立っているというものだ。 実際のところ、漫画単行本(コミックス)の売り上げは前年比約12%で、二桁台の落ち込みはこれまでなかった。もちろん大ヒットに恵まれなかったことも大きいが、読者の「紙離れ」がもっとも影響していると思える。 もちろん、以前からコミック誌は大幅に部数を落としており、その穴埋めをコミックスがしてきたわけだが、今後はそれも無理と思える数字だ。 今回の調査では、雑誌(漫画単行本を含む)は前年比約10%減の約6600億円、書籍は同約3%減の約7150億円となっている。雑誌は20年連続、書籍は11年連続の前年割れである。 なお、東京新聞の記事のタイトルは、「電子コミック穴埋め」となっているが、いくら電子版(デジタル)が主流になろうと、紙の売り上げの穴埋めはできない。電子書籍は紙の書籍とはまったく別物で、いずれ市場の伸びも止まるからだ。 |