18/04/01●楽天が取次3位の大阪屋栗田を買収、子会社に |
3月31日の日経新聞によると、楽天は出版取次3位の大阪屋栗田を買収し、子会社化するという。出資比率をこれまでの3割から5割超にして、ネットマーケティング技術を導入し、効率的な配本システムを構築していくという。 日経新聞は次のように書いている。 《楽天のネット書店と、大阪屋栗田が取引する2000以上の書店との連携を強化。書籍の返本率が4割に達する中、互いの購買履歴などを分析して販売予測の精度を高める。ネットとリアルの融合で、書籍販売の落ち込みに歯止めをかける狙いだ。》 《楽天は独自の需要予測システムを開発。どの書店でどんな本が売れたかを性別や年齢など属性ごとに分析する。購買データや共通ポイントの利用履歴などを基に、売れ筋を効率的に全国に配本する仕組みを作る。》
大阪屋栗田は2016年に、経営不振に陥った大阪屋栗田出版販売が経営統合して誕生し、楽天や講談社など6社から出資を受けていたが、業績の回復はまったく進まなかった。そのため、第三者割当増資を実施し、楽天、講談社、小学館、集英社とKADOKAWの大手4社が出資に応じることになっていたが、総額35億円のうち約20億円を楽天が出すことになった。 すでに、出版流通に占める取次というシステムは機能しなくなっている。なぜなら、取次も出版社も読者という顧客のデータを持っていないからだ。デジタル時代は、これではビジネスできない。今後、社名が変更され、「楽天取次」となって、どのように変貌していくのか注目される。 たとえば、最近、トイザラスが潰れたが、これはアマゾンを通して玩具を売るようになって、顧客データをすべて奪われてしまった結果だ。 |