[310]今後、中国はどうなる? 米中戦争の敗戦は初めから明らか。 |
2018年 10月 02日(火曜日) 14:30 |
台風24号が去って、晴天が戻ってきた。昨日の横浜は気温が30度を超えて真夏日となったが、今日は26、7度の予想。まさに、秋晴れの1日になりそうだ。 そんななか、いろいろなニュースがあったが、やはりいちばん気になるのが、今後、中国がどうなるかだ。NYダウも日経平均も最高値を更新して、トランプが仕掛けた「米中戦争」は、トランプの考えていることは別にして、アメリカでは党派を超えて歓迎されているようだ。
*なお、以下の内容は、「ヤフー個人」欄のコラムとダブリます。 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20181002-00099077/
9月27日のロイター記事「Trump's election meddling charge against China marks U.S. pressure campaign」(トランプ政権、中国向け「圧力戦略」が新局面入りか)によると、ワシントンでは、対中強硬派(China hawk)として知られるボルトン大統領補佐官が中心となって、貿易摩擦の枠を超え、サイバー活動や台湾、南シナ海の領有権問題なども含めて、中国に対して「より強硬な姿勢」(tougher approach)を取るようトランプ大統領を説得しているという。
これは、はっきり言って非常にいいことだ。トランプは、自分がしていることが単なる「貿易戦争」(trade war)で貿易赤字を解消することではなく、中国の覇権挑戦を潰すことだと、自覚せねばならない。 その意味で、「習近平とはもう友人でないかもしれない」(“Maybe he’s not anymore”)発言(国連総会後の記者会見)は、ドンピシャだった。
トランプは、どこからどう見ても史上最低の大統領だが、対中対決外交や知的所有権防衛に関しては史上最低ではない。この点では、史上最低のオバマのはるか上を行く。オバマには、アメリカが世界のリーダーであるという自覚がなかった。アメリカの宿命は、世界のルールをつくる唯一の覇権国(hegemon)であり続けるということだ。
『FT』の記事(9月23日)「US trade hawks seize their chance to reset China relations Latest tariffs look more like the start of a cold war than a trade war、by Rana Foroohar」(米国の通商タカ派、対中関係リセットの好機つかむ貿易戦争というより冷戦の始まり、企業は政治を超越できるのかbyラナ・フォルーハー)や『WSJ』の記事(9月27日)「An Economic Cold War Looms Between the U.S. and China、by Greg Ip」(米中の貿易摩擦、経済冷戦の様相に近づく米国の目的は交渉による解決ではなく米中を恒久的に切り離すことだとの見方もbyクレッグ・イップ)(9月27日)などを読めば、今回の米中戦争がまさに覇権戦争であることは明確だ。そして、この戦争の敗者は、中国ですでに確定している。
なにしろ、中国は食料もエネルギーも、そして技術もすべて海外に依存している。この点、戦前の日本と本当によく似ている。おそらく、このことは北京もわかっているはずなのに、メンツからこれを受け入れられない。1度決めた「中国製造2025」「一帯一路」などの看板を下ろせない。 となれば、ワシントンとの報復合戦を続けて、じょじょに衰退していくほかないだろう。慌てて、所得税を減税する、人民元を切り下げないなどと言い出したが、もう手遅れである。 衰退から逃れるには、体制を一新し、たとえば人民元を変動相場制にし、外資規制を撤廃するなど、大胆な改革をしなければならない。そうしなければ、アメリカの攻撃は止まらない。
『FT』記事にもあるように、今後、アメリカ企業は中国をサプライチェーンから切り離していくことになると思われる。ワシントンはアップルなどにそれを促していく。となれば、日本企業も、本腰を入れて中国から撤退すべきだろう。 日本はTPPが中国包囲網になるとして、これまでこれを推進してきた。しかし、ノーテンキなトランプに反故にされ、以後、復帰を説得できないでいる。それもあってか、安倍政権は今度は中国にヘッジをかけ、習近平の誘いにのって経済関係を再構築しようとしている。これは、最悪の選択だ。今月末の安倍訪中は、その意味で日本の今後に大きな意味を持つ。 この際、日本は中国をサポートしてはいけない。世界の貿易体制にタダ乗りして勢力を伸ばしてきた国と、これ以上、仲良くやろうなんて、けっしてやってはいけない。 |
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