[342]コロナ感染拡大を止める最良の方法は「天皇のおことば」。日本はそういう国。 |
2020年 7月 22日(水曜日) 14:16 |
毎日、報道を見ているが、日本がこれほど情けない国だったのかと、ため息ばかりが出る。怒りがこみあげてくる。
保健所はいまだに検査結果をFAX、電話で報告している。成田空港での検閲では、ゾーニングがされず、ダンボール仕切りが使われている。ありえないことだ。 なんといっても、PCR検査数が超絶に少ない。しかも、個人でするとなると2万円以上かかる。NYでは誰もが検査をタダで受けられるようにし、ロックダウンを続けた結果、ようやく新規感染者数が減ってきた。それでも、飲食店の店内営業再開は見送られた。 いまの日本の役所の状況を見ていると、20年以上前の中国の田舎の役所にいるのかと、わが目を疑う。
これまで、いろいろな国で病院に行ったが、つくづく日本の病院、医療システムは素晴らしいと思う。欧米では、一部の病院は素晴らしいが、街の診療所などは、日本の町医者以下だ。日本の場合、病院は一部を除きフリーアクセス。中小の病院でもすぐにCTなどの最新の検査をしてくれる。医者、看護師の質も、世界トップレベルだ。 その結果、今回のコロナでも死者数が少ないと、私は考えている。「ファクターX」はまだ解明されていないが、医療の質もその一つであるのは間違いないと思う。
小池百合子・東京都知事には腹が立つ。いまや、メーガン妃に匹敵する“嫌われ方”だ。毎日、マイクの前で涼しい顔で感染者数を「今日は----と報告を受けています」と発表するだけで、すべて丸投げ、なにもしていない。しかも、全部、ほかの誰かのせいにする。都の組織、保健所の連携がうまくいかない、国がなにもしてくれない、夜の街が悪い------こんなことは、誰でも言えるだろう。 そして昨日は、「23~26日の4連休は不要不急の外出を控えるようにお願いします」と、全部、都民に押し付けた。 「ステイホーム週間」「東京アラート」と言っていた口からは、いまや新語は出てこない。“歌を忘れたカナリア”(=思考停止)状態になった。
もちろん、最悪は、この国のトップ安倍晋三首相だ。6月17日に国会を閉じてしまってから、1回も記者会見をせず、国会の閉会中審査にも出席していない。 ぶらさがり会見もほとんどせず、「Go Toトラベル」が東京を除外して始まったことについて、今日(22日)の午前中になって、やっとこう述べただけだ。
「とにかく、3密を避けるなど、感染予防を徹底していただく、国民の皆様のご協力をいただきながら、慎重に経済活動を再開していく、その方針に変わりはありません。同時にですね、感染予防徹底していく。また、重症化を防いでいく。そのために、高齢者施設の検査を徹底的に行っていくなどですね。専門家の皆様のご意見をいただきながら、判断していきたいと思っています」
「感染予防を徹底していく」「専門家の意見を聞いて判断する」。この数カ月、まったく同じことしか言っていない。完全に思考が停止しており、“コロナ放置”以外、なにをしていいのかわからなくなっているとしか思えない。 コロナ禍で、得意の「バラマキ外遊」ができず、支持率も急降下。本当に人前に出たくないのだろう。しかし、首相1人が「ステイホーム」しているだけでは、感染は止まらない。
安倍首相と対照的なのが、トランプだ。間違った言動ばかりしているとはいえ、毎日、人前には出るわ、ツイッターはやるわ、フォックステレビのインタビューに出るわ、テレビ支持者集会をやるわ、やりたい放題やっている。 そして、とうとう21日からは、3カ月も止めていたコロナ対策記者会見を再開した。すると、その席で驚くべきことが起こった。
なんと、トランプは「状況はよくなる前におそらく悪くなる。言いたくないがこれが現実だ」と言い、楽観論を否定したのである。
ただし、これをCNNのクリス・クオモは、「用意された原稿を読んだだけ」と批判した。たしかに、トランプは自分の言葉ではなく、用意された原稿を読んでいた。安倍首相と同じだ。「それでもそういう原稿を読もうとしたことは評価できる」と、クオモは続けた。
トランプはマスク着用についても「好き嫌いにかかわらず効果がある」と原稿どおりに発言し、ポケットからマスクを取り出してみせた。いまだに、マスク論争をしているアメリカのバカぶりは嘆かわしいが、トランプがマスクを認めたことで、今後、コロナ対策は大きく変わる可能性がある。 ただし、この会見に、アンソニー・ファウチやデボラ・バークスは姿を見せなかった。アメリカ政府は、日本政府と同じく、コロナに対してはまったく無能だ。
そこで考える。コロナの感染拡大を止めることは簡単ではないかと。再度ロックダウンすればいいだけからだ。ともかく、人の接触をなくす。人々は家にとどまり、外出してはいけない。そうすれば感染は確実に止まる。 現在、これができないのは、法的問題があるうえ、経済と社会が崩壊してしまう可能性があるからだ。だから、自粛要請という「お願い」になる。しかし、もはや「自粛要請」では人々は動かない。なぜなら、それを言うトップ、小池百合子、安倍晋三などを、国民がまったく信頼していないからだ。信頼できない人間がなにを言おうと、人々は聞く耳を持たない。
ただし、日本には唯一、人々が従い、それが実行できる方法がある。天皇が「おことば」(勅語)を出すことだ。もし、天皇がテレビやネットで、「どうかみなさん、うちに止まってください。国民はいまひとつになって、この危機を乗り越えなければなりません」と言ったら、日本人は必ず従うだろう。 日本とはそういう国だ。あの東日本大震災のときも、震災から1週間後、天皇(現上皇)は、テレビで「おことば」を述べられた。これで、騒然としていた雰囲気は一気に変わり、国民は勇気を持って復興に邁進するようになった。
コロナを歴史的な国難とすれば、これ以外、日本国民が助かる方法はないのではないか。私はそう思う。もはや、政府や行政がなにをしても効果はない。 |
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