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競馬G1予想
G1予想[120]番外:2014年3月の重賞予想&回顧

 

  以下は、「KinKinテレビ」の「スマート競馬」に送った重賞予想とその回顧。ここにぜんぶ、収録しておきます。

 

■中山記念(2014年3月2日)予想

 天皇賞・秋を4馬身差の圧勝以来のジャスタウェイ、皐月賞馬ロゴタイプ、桜花賞馬アユサン、夏に重賞3連勝したトウケイヘイロー、金鯱賞を快勝したカレンミロティック、前走重賞勝ちのアルキメデス、ダイワファルコン、ヴェルデグリーン、昨年の覇者ナカヤマナイト、G1マイルCS2着のダイワマッジョーレ、オープン特別2連勝中のエアソミュールなど、例年になく豪華なメンバーがそろいました。

 こうなると、わくわくして予想にも熱が入るというところですが……。

 しかし、私がそんなことをしていたのは、はるか昔のこと。いまは500万下だろうと重賞だろうとどうでもよくなっています。本当に競馬が好きなら、こういった境地になることが大事です。重賞勝ち馬だろうと、500万下を走っている馬だろうと、みんなあなたの予想を裏切るために生まれてきたのですから、差別しないで心から愛してあげなければいけないのです。

 なぜなら、わくわくして予想しても、結局、あなたの本命馬はジャスタウェイになるに決まっているからです。そうでしょう。天皇賞のあの勝ち方を見れば、この馬が抜けていると、誰もが思うはずだからです。

 というわけで、買うのはジャスタウェイとはなんの関係もないアルキメデス。アルキメデスといえば、アルキメデスの法則。これは、なぜ重たい船が水に「浮く」のか?を解明したもの。物体が水に入ると、入った物体の体積の分だけ水が押し出される。だから「浮く」というわけです。

 馬券が負け続けて永遠に「浮かない」。そういう人は、アルキメデスにあやかって、今回「浮かせる」ことを考えましょう。ぜひ、アルキメデスを買ってください。

 よって、ここはアルキメデスから馬連総流し。これで、「浮上」間違いなしです。

■阪急杯(2014年3月2日)予想

  こちらも、けっこうなメンバーがそろっていますが、戦績からダノンシャークが一番人気になるでしょう。といっても、そんなことはどうでもいいわけで、ここでのキーポイントは、阪急杯が阪急電鉄の冠レースということです。JRAの重賞には鉄道会社の冠レースが多く、この阪急杯もその一つ。そこで、こうした鉄道会社の冠レースに多く出走している馬が中心になります。今回は、前4走で、鉄道会社の冠レースに2回以上出走している馬は1頭しかいません。京阪杯と阪神カップの両方に出たエピセアロームだけです。

 よって、この馬から馬連総流しです。

中山記念&阪急杯回顧

 今週もまたなんも反省していません。

 なんてったって、中山記念はジャスタウェイが勝ったのですから、結局、考える必要はなかったいうことです。この馬は、あの天皇賞からガラリ一変、最強馬になってしまったというわけです。

 で、2着はアルキメデス。いちおう馬連的中です。1点勝負なら、ジャスタウェイと思っていましたが、もしそんなことをして大「浮上」してしまったら、今後が思いやられます。

 阪急杯は、コパノリチャードでした。枠順がすべてですね。しかし、またコパノリチャードが1枠になることがあっても買ってはいけません。競馬は学習効果がもっとも薄い競技です。馬がなにを考えているのか、誰にもわからないのです。

 

■弥生賞(2014年3月9日)予想

 私はドバイに行ったことがありません。一度は行きたなと思っているのですが、泊るなら、なんといってもワンアンドオンリーの「The Palm」か「Royal Mirage」のどちらか。しかし、料金は1泊最低でも500ドル。なら、ここで、ワンアンドオンリーで勝負かと思ったわけですが、1番人気では、当てても沖縄がせいいっぱいでしょう。

 というわけで、今回はカラー馬券にします。

 先日のアカデミー賞を見ましたか? あんな黒人ばかりのアカデミー賞はいままでありませんでしたね。作品賞は『12 Years a Slave』が獲ったわけですが、これは黒人奴隷の物語。監督はグレナダの黒人でロンドン生まれのスティーヴ・マックイーン。主演はナイジェリア出身の英国黒人キウェテル・イジョフォー。助演女優賞にメキシコ国籍ケニア人のルピタ・ニョンゴが輝いたわけです。

 こうなると、買うのはブラックヘブンしかないわけです。前走は浦和のニュイヤーカップで4着負け。騎手は有年淳で、来るわけないのですが、「ブラックヘブン=黒人天国」だけに、買うしかありません。馬連総流しです。

弥生賞回顧

 ブラックヘブンが来たら、競馬はおしまいです。

 来なくてよかった。というか、勝負になりませんでしたね。すみやかに浦和に戻り、休養してほしいものです。

 さて、どう見てもワンアンドオンリーが強い。勝ったトゥザワールドより上でしょう。ということは、皐月賞は決まったようなもんです。ワンアンドオンリーとイスラボニータの1点、リゾート馬券です。カリブ海馬券と言ってもいいです。

 なんといっても、カリブ海のリゾート、バハマのナッソーには、「One&Onlyオーシャンクラブ」があります。そして、バハマはカリブ海の島のなかでも、美しい島、まさにイスラボニータだからです。

 というわけで、皐月賞はワンアンドオンリーとイスラボニータの1点を死ぬほど勝負して、バハマに行きましょう。いまから待ちどおしい「カリブの休日」。早く皐月賞、やってほしいぞ!

 

■フィリーズレビュー&中山牝馬S(2014年3月16日)予想

 どこに行ってしまったんだ、マレーシア航空MH370便? 南シナ海は魔の海なのか? 

 テロでなく空中分解のような大事故とすると、「ボーイング777」はかなりヤバい。全日空もJALもユナイテッドもみんなこの機体を使っている。しかも、私はスターアライアンスの会員なので、これまでにこの機体に何度も乗っている。今後も乗る。どうしたらいいんだ?

 ボーイングといえば、最新ジャンボ「787」は、就航以来しょっちゅうトラブルを起こしている。つい先日もJAL機が故障を起こした。だから、関係者は「787だけは乗ってはいけない」と言う。

 ところが今夜、娘はドイツに出かけるため、全日空のフランクフルト行きで、この「787」に乗る。羽田発、午前1時10分。もうじき、出かける。いま出かける用意をしている。心配でたまらない。

 というわけで競馬予想どころではない。

 それでも予想してしまうのが、競馬ファンの哀しいところで、買うとしたら当然だが、フィリーズレビュー&中山牝馬Sの両レースとも、「ボーイング777」から7枠総流しにするしかない。そして厚目は「MH370便」だから、当然3-7となる。

 しかし、こんな馬券を買っていいんだろうか? これで当たったらどうするんだ? みなさんはどうお考えですか? ともかく、娘は無事にドイツに着いてほしい。そうしたら、日曜は、この馬券で勝負する。

 それにしてもSTAP細胞は崩壊した。どうしたんだ小保方さん、世の中、左村河内氏ばかりなのか?

フィリーズレビュー&中山牝馬S回顧

 なんと中山牝馬Sは、7枠がきて的中です。しかも、厚目の3-7。こんなの当ててしまっていいのでしょうか? なにしろ、マレーシア航空「MH370便」は、まだ見つかっていないのです。ホント、どうなってしまったのでしょうか?

 さて、このような買い方は、大いにひんしゅくを買っています。しかし、誰もがやっている馬券購入のやり方と、やり方においてはまったく同じです。つまり、予想→検討→決定→馬券購入という流れは同じだからです。

 では、なにが違うのでしょうか?

 それは、予想→検討→決定という流れにおいて、使う材料がまったく違うということです。みなさんがやっているのは、競馬予想ですが、ぼくがやっているのは未来予想だということ。このことの意味をよくよく考えて、今週もまた外してください。ではでは。

 そうだ、忘れていました。娘は無事にドイツに着きました。いま、ライプチヒにいます。やはり、ボーング787はものすごく揺れたそうです。「もう乗りたくない」と言っていました。

 

 

■阪神大賞典&スプリングS(2014年3月23日)予想

阪神大賞典

 ここはゴールドシップに勝ってくださいというレースですね。2着は、4歳馬のバンデ、サトノノブレスの2頭という前売り人気ですが、こういうときは、前走有馬記念11着惨敗の古馬アドマイヤラクティが来るというのが、なんていうか、ボクが理解している競馬というものです。

 よって、今回は久しぶりに競馬予想をして、馬単1-8(ゴールドシップ、アドマイヤラクティ)の1点勝負をしてみます。これまでの経緯から、「いいのか、そんなんで!」という声が聞こえてきますが、まあ、こういうこともやります。

スプリングS

 さて、こちらは皐月賞トライアル。JRAのHPの確定枠順を見たところ、人気は、アジアエクスプレス、ベルキャニオン、ロサギガンティア、クラリティシチーの順。これまでの成績から、この順番になるのは至極当たり前で、面白くもなんともありませんね。ただ、「これまでの成績から」だけ考えると、前走京王杯2着のクインズハリジャンが11番人気、単勝100倍以上というのはなんか解せません。休養開けが嫌われたからでしょう。

 そこで、ここもまた哀しいかな、競馬予想をしてしまい、競馬好きのおっさんがよくやる「単なる大穴狙い」をやらかして、クインズハリジャンの単勝を買うことにします。「いいのか、そんなんで!」と言われても、来たら笑えます。

 ところで、クインズハリジャンの生産牧場兼馬主の「株式会社クィーンズ・ランチ」(北海道日高町)では、昨年夏に、騎乗員(フルタイム 正社員)の求人を出していました。ネットで見ると、仕事内容は・騎乗、・馬の出し入れ、馬引き、・馬の手入れ(ブラッシング等)、・給餌、寝草の交換、・朝飼、夜飼等・厩舎内外の清掃、・その他付帯する業務で、基本給170,000円~290,000円、燃料手当 10,000円~10,000円、合計180,000円~300,000円となっています。

 この辺の額が牧場で働く場合の相場なんでしょうか? 誰か詳しい方、教えてくれませんか?

 

松井政就くんの予想も収録

 阪神大賞典は、これを当てても外れても、虚しさしか残らない気がしていますので予想はスプリングSです。

 みんなアジアエクスプレスが強いとか、皐月に行くのかとかNHKマイルに向かうのかと、夢のあることを話していますが、このレースの過去5年の結果を見てください。

2009年 サンデーレーシング

2010年 社台RH

2011年 サンデーレーシング

2012年 社台RH

2013年 吉田照哉

 

 これはスプリングS1着馬の馬主です。全て社台関係者です。

 つまりこのレースは社台のためのレースだとわかります。馬は毎年変わっても馬主の勢力図は変わらないということがここからもわかります。というわけで、今年も社台系のロサギガンティアが来ることでしょう。

 馬券は、アジアエクスプレス・ロサギガンティア2頭軸3連複総流しです。

 

阪神大賞典&スプリングS回顧

 さっそくですが、競馬ってバカみたいに簡単ですね。

 ガハハ、阪神大賞典、馬単1点で当ててしまいました。こうなると、これからは本当に競馬予想をしようかと思うわけですが、絶対にやりません。やってはいけません。松井ちゃんのように、スプリングSを「社台の法則」で当てるほうが美しいのです。川端さん、予想、利口すぎます。もう少しおばかになったほうがいいと思いますが、どうでしょうか?

 

松井くんの回顧

 松井です。今日の感想です。

======

 くどいようですが、スプリングSは社台のためのレースなのです。何も考えず、社台の馬を買えば当たったはずです。これはもう何年も続けてしつこく言っているのですが、今年も3番人気だったということは、ぼくの予想など誰も読んでいないということでしょう。

 でもこれは喜ばしいことなのです。

 世の中ではみんな自分の意見を聞いてくれないと嘆いています。女性は、外では友達が自分の話を聞いてくれないと嘆き、家では夫が自分の話を聞いてくれないと嘆いています。でも、自分の話を聞いてくれないということは実は喜ばしいことなのです。なぜなら、好き勝手なことを言っても責任も取らなくてよいからです。

  さて来週は、イギリス人リチャード君の出る高松宮記念です。果たしてリチャード君は今どうしているのか。香港に引っ越したまではいいのですが、隣の部屋の中国人の詐欺に遭い、ほうほうのていでイギリスに逃げ帰ったというところまでは聞いています。

  というわけで、高松宮記念は、リチャード君の隣の馬に要注意ということを、今のうちから申し上げておきたいと思います。

では。

 
G1予想[119]フェブラリーS(2014年2月23日) PDF 印刷
2014年 2月 20日(木曜日) 01:15

ベストウォーリア、ソロルの1点勝負

 

 先週のジェンティルドンナの惨敗は哀しいものがあった。女王はずっと女王でいてほしかった。福永騎手もショックを隠せなかった。

 さて、フェブラリー Sでも、ショックはあるのだろうか?

 あるとしたら、ベルシャーザール、ホッコータルマエ、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズの4頭がまとめて負けたときだろう。今回はソチオリンピックの最終日と重なったので、これ以上、ショックは起こってほしくない。順当な結果で終わり、ドバイミーティングにつないでほしい。

 とはいえ、馬券のほうはショック馬券以外には興味はない。当然、この4頭などどうでもよく、買うのは4歳馬ベストウォーリアだ。このレースには前回1着馬が6頭出ており、ベストウォーリアはその1頭だが、前哨戦の中でもっとも格下のすばるSの勝ち馬である。相手も4歳馬で前回1着馬のソロル。この馬も格下のボルックスSの勝ち馬である。

 というわけで、格下の前哨戦を勝った4歳馬同士の馬連1点勝負。これが今回のフェブラリーSの馬券だ。

 フェブラリーステークスだから、2月で2枠勝負も考えた。また、オリンピック閉幕日なので、金メダル関連馬、羽生弓弦関連馬など考えてみたが、今回はバカバカしいと思って止めた。

 松井ちゃん書いているように、オリンピックも競馬も強い馬(人間)が勝つわけではない。今回のオリンピックでは、ジャンプ失敗、転倒を何度見ただろうか?

 

■以下は、松井政就氏の予想:2月19日の彼からのメール 

 

   松井です。

 週末が忙しいため、フェブラリーSの予想は今のうちに送っておきます。

 =====================================

 ダート交流G1無敵のホッコータルマエ、武豊で悲願を狙うワンダーアキュート、左回りでも圧巻の走りのニホンピロアワーズ、そしてジャパンカップダート覇者のベルシャザールと、有力馬がひしめきあうフェブラリーS。

 新聞各紙はその強みと弱みについて毎日報じていますが、上の4頭はどれも強さは似たようなもので、どの記事を読んでも、書いている本人が自分がいったい何を言っているかわからないような記事ばかりです。

 つまり、みんなどれが強いのか、本当はわからないのです。なのに理屈をこね回し、「どれが強いか」と言おうとしていること自体が間違いなのです。

 競馬はどれが強いかは関係ありません。どれが1着するかです。ダイユウサクを見てください。イングランディーレを見てください。ヘヴンリーロマンスを見てください。その馬が一番強くなかったことは明らかです。しかし「勝った馬が結果的に一番強かったのだ」という、まるで旧日本軍人のようなことを言うものですから、みんな勘違いしてしまうのです。そうではなく、「一番強いわけではないがレースでは勝った」とか「この馬が勝ったけど一番強いとはいえない」というのが正しいのであって、レースで1着することと馬の実力が上かどうかを混同するから、ややこしい話になるのです。

 つまり、事前にどの馬が強いかを議論することは時間の無駄で、他にもうやることが全くない暇人がやることなのです。

 というわけで、今回のフェブラリーSは、どの馬が勝つかを決める決定的なデータを元に買うことにします。

 その決定的データとは、今年が「冬期五輪」だということです。
 ジャパンカップダートの優勝馬は過去に何度もフェブラリーSに出ていますが、「直行」で勝てたのは過去10年でたった3回しかありません。そのうち2回が、何と「冬期五輪の年」なのです。

 というわけで、今年はジャパンカップダート優勝馬ベルシャザールが勝つ年です。もし勝てなかったとすれば、今回のソチが「五輪」ではなく「四輪」だったせいでしょう。開会式を見た人なら意味がわかるはずです。

 では行ってきます! 

 

■フェブラリーS、レース後の回顧(2月24日、kinkinTV用コメント)

 

  いつか田辺騎手は「やる」とは思っていたましたが、ここでやるとは?

 なんと単勝272.1倍で、しんがりの16番人気。しかも2分の1の抽選をクリア。さらにさらに、ドクターコパの馬。風水でもこの馬券は買えないでしょう。

 ただ、あの粘りを見ると、これが本当に大波乱なのか?と思うんですが、どうでしょうか? 本当は強いことを、周りも競馬記者も知らなかっただけではないのでしょうか?

 だから、「大波乱」ですまして、自分の目がおかしかった、取材が足りなかったと反省しないのです。これが、競馬マスコミですから、そういうのをいくら読んでも馬券は当たらないのです。

 そこでボクの反省ですが、今回予想をしたのは水曜日。この時点で、コパノリッキーくんが出走してくるかどうかわからなかったので、視野にも入っていませんでした。しかも、レース直前になっても、リッキーくんがいることさえ気づきませんでした。

 いちおう4歳馬同士の馬連1点しか買っていないので被害は少ないのですが、この馬が前走9着と、全出走馬のなかで前走最低着順、さらに隣のダノンカモンくんも同じく前走9着に気づくべきでした。

 この符号に気がつき、7枠総流しをした人間がいるのです。

 さらに、ダノンカモンは自分が来ないときは「隣を連れてくる(カモンする)」と信じている人間がいて、今回は、なんと両隣の2頭の1着、2着(ホッコータルマエ)ですから、この人間はいま消息が知れません。

 まあ、こういう人間たちはボクと同じで、1年1に回しか馬券は当たらないので、今後も無視していいでしょう。

 では、みなさんの健闘を、今週もお祈りします。

 

 
G1予想[118]番外:2014年1月の重賞予想まとめ PDF 印刷

 Kinkinテレビの番組『スマート競馬』に送った予想と回顧を、以下に採録。

■2014年競馬抱負

 年末、サンタバーバラで財布をなくし、茫然自失。すぐに、国際電話をしまくり、クレジットカードと銀行カードを無効に。現金は200ドルと5000円ほどの被害でしたが、財布は娘が最初のボーナスで買ってくれたものなので、その夜はショック死。

 よって、今年の抱負は、まず、この財布と同じもの(ボッテガ・ヴェネタ)を買うここと。ともかく、金杯は当てるしかないのです。

  財布をなくした後、飲んだくれています。みなさんのヒンシュクを買うために、写真を送ります。サンタバーバラカントリーのワイナリーには馬もいて、ワインはめちゃくちゃおいしい。夕暮れの景色は、マリブのズーマビーチのサンセット。ここからちょっと先にトム•クルーズの家があります。

 

■中山金杯(2014年1月5日)予想

 財布をなくしたので、当然、本命はユニバーサルバンク。宇宙銀行から総流しで、なくした財産を取り戻す。カネがなくなったので、ゼロスも魅力。主力はユニバーサルバンクとゼロスの馬連。

■中山金杯回顧(松井政就)

  松井です。

 山田さん、すみません。金杯(京都のほう)を当ててしまいました。でも、単に出目だけで予想したものなので影響は小さいです。

 金杯で1枠が出たのは吉兆です。食べ残しを使いまわした吉兆のことではありません。幸運の兆しの意味の吉兆です。

 ぼくの研究によれば、金杯で1枠が出たからには、シンザン記念は1枠か2枠がかなりの確率で出ることになりそうです。先に書いてしまうと週末に書くことがなくなりますが、シンザン記念はもう当たったも同然です。みんな、あまり深くかんがえず、ぜひ乗ってみてください。

 

■中山金杯(2014年1月5日)回顧

 オーシャンブルーが勝ったんですね。いま、起きて知りました。

 昨夜、家に帰り着いたのは午前2時。シカゴからの全日空で帰ったのですが、雪で出発が大幅遅れ。成田に着いたのは11時過ぎで、すでに空港は全便が到着を終えており、がらんとした状態。結局、全日空がチャーターしてくれたバスで横浜方面の乗客はとともに帰宅。即寝ました。

 アメリカ中西部から北東部は大寒波で、大変な新年でした。

 財布とカードがないので、お金なし。

 これから、うちにあるわずかな現金でなんか食料を買いに出かけ、その後、役所や銀行に紛失届け&再発行手続きに行きます。というわけで、ユニバーサルバンクは惨敗のようで、今年も銀行やお金とは縁がないようです。

 金杯を当てると、新年から気がゆるむのでろくなことはありませんよ。

 

■シンザン記念(2014年1月12日)予想

 今朝の日刊スポーツでは、キンキンとみどりさんの写真、キンケロシアター、

 稽古場ビルの写真も載っていますね。被害額54万円とか。で、この泥棒君におすすめしますが、54万円をミッキーアイルの単勝に全額入れることをオススメします。逃げ切り間違いなしです。

 アイルが逃げ切り、追走したウインフルブームがそのまま流れ込む。そこにモーリスが差してくる。たったこれだけのレースです。いまから、そんなVTRが目に浮かびます。こんな簡単なレースは年間をとおしても滅多にありません。「もってけ、泥棒!」です。

 というわけで、ボクが買うのは、地方馬2頭の馬連1点。ニシケンモノノフとカクシアジ、福永と岩田が乗っても、どちらかが最低人気になるでしょう。

 

■シンザン記念(2014年1月12日)回顧

 やはりミッキーくんが逃げ切りましたね。こんな超簡単な鉄板レース、年に何回もありません。

 これを勝負できないなら、馬券を当てるために買うのは止めたほうがいいでしょう。ボクの場合、十年以上前に止めました。

 なぜなら、当てるために馬券を買って本当に当たるのは年に数回しかないからです。ならば、はじめから当たらない馬券を買ったほうがいいのです。この理屈がわかってくると、競馬人生は佳境に入ります。というわけで、来週に続きます。

 

■京成杯(2014年1月19日)予想

 東京都知事選が最悪の展開になってきた。なぜなら、立候補者がすべてジジイである。細川護熙元首相は76歳。後期高齢者だ。そして、細川氏を押す小泉純一郎元首相は72歳。2020年の東京五輪のとき、はたして2人は健在なのだろうか? 舛添要一氏も65歳だから、オリンピックのときは70歳を超えている。ドクター中松にいたっては82歳である。

  脱原発だろうとなかろうと、政策なんてどうでもいい。ともかく、若い人がやってほしい。これでは、東京は完全なジジイタウンだ。オリンピックどころではない。絶望だ!

 さて、京成杯はうって変わって、明け3歳の若駒のレース。ジジイはいない。エアアンセムが人気だが、そこまで信用できるのだろうか? いずれにしても人気は、前走1着馬。ここは5頭が出走している。エアアンセムはその1頭。

 で、前走2着馬というと、これが3頭しかいない。ヴォルシェーブ、ディアデルレイ、ホルボッシュの3頭。

 というわけで、この3頭の馬連3点勝負に決めた。じつに簡単なレースですね。

  

■日経新春杯(2014年1月19日)予想

 じつは、年末、なくした財布が返ってくることになりました。なんと、先日、こんなメールが来たのです。

 Mr. Jun Yamada

 I am the owner of The Danish Mill Bakery in Solvang, Calif. We just back from our Christmas vacation and one of our waitress  told me she found your wallet on the floor when she was clean up. If you could get me a short description of you wallet and your address I will be more then happy to mail it back to you.

 Torben Petersen このメールアドレスは、スパムロボットから保護されています。アドレスを確認するにはJavaScriptを有効にして下さい

 メールの主は、ボクが12月29日の夕方、立ちよったソルバングという街にあるベーカリー&カフェのオーナー。ここでお茶を飲んだとき、落としたというわけでした。それをウエイトレスが見つけて取っておいてくれたのです。やったぜ! やはり、アメリカ人は信用できる。

 その後、このオーナーのピーターセンさんとメールのやり取りをして、来週、ついに財布が中身ごと戻ってくることになりました。航空便で届きます。 

 というわけで、ここは当然、アドマイヤフライトから総流し。財布が飛行機に乗って(フライト)で戻ってくるのですから、買うしかありません。

 

■京成杯&日経新春杯(2014年1月19日)回顧

 京成杯はプレイアンドリアル、日経新春杯はサトノノブレスが優勝。で、結果はというと、京成杯はカスリもせず、日経新春杯は2着のアドマイヤフライトから総流しをしたので的中でした。しかし、いわゆるトリガミです。

 トリガミというのは、投資額が回収額を下回る。つまり、結局ソンをしたということで、じつは、もっともやってはいけないことです。これなら、カスリもしないほうがいいのです。よく、「それでも当たったのだから」と言うかたがいますが、こういう考え方がもっとも危険ですね。なぜなら、トリガミはじつは全然ツイていないということだからです。

 みなさん、今年はトリガミだけはしないように気をつけましょう。そんなら、外れたほうが気持ちがいい。こういう境地に早く到達してください。

 ところで、トリガミとなまったく関係ない「タモガミ」氏が、ラジオNIKKEIのニュース番組「マーケットプレス」で、なんと8割以上の票を集め、断トツの1番人気になっています。いったい、これはなんなのか? 誰か教えてほしい。

 

■AJCC杯&東海S(2014年1月26日)予想

 ここのところ、なんかずっと気が晴れない。朝日新聞(23日付け)で都知事選の候補者全員の会見要旨を読んだが、どの候補も結局、オリンピックを目指してこの国をこうしたいと言っているだけで、わかりきったことばかり言っている。面白くもなんともない。誰がなってもジジイだから、将来は明るくない。

 そんななか、たった一人の若者、家入一真候補(35)だけは違った。

「もともとぼくは引きこもりで、スポーツがダメ。ぼくらみたいなスポーツがダメな奴らはリーダーになれない。だから、同じタイミングで“ウラ(裏)リンピック”やりたい」

 なんなんだ、この発言は。まるで次元が違う。彼はともかく、東京にいっぱいシェアハウスをつくりたいようだ。とはいえ、彼が当選するなんてことは天地がひっくり返ってもありえない。

 というわけで、今週の競馬も同じ。なにを買っていいかわからない。

 まあ、アメリカンジョッキークラブカップということで、アメリカンアンバサダ(駐日米国大使)のケネディ女史の発言でも頼りにしようかと思う。

 この人、お嬢様でまだ56歳というのに、肌はしわだらけなのが、すごく気になる。暮れは京都旅行、お正月は北海道のニセコでスキー三昧と日本を満喫中だが、イルカ大好きということが今回わかった。和歌山県太地町の「イルカの追い込み漁に反対します」とツイッターでやって、議論爆発だ。

 と長くなったが、追い込みが利かない中山で、追い込んでくるのはヴェルデグリーンである。有馬記念はオルフェーヴルと一緒にまくり気味に上がっていって、10着負け。今回も同じように3コーナーからまくり気味にいって、直線追い込むだろう。

「イルカの追い込み漁」には反対だが、「ヴェルデグリーンの追い込み」には賛成だ。で、ヴェルデグリーンから馬連総流し。

 東海ステークスは、太地町にちなんで、「太」がつく太宰が乗るナムラタイタンと、当然イルカは「浜」に引き上げるのだから、「浜」がつく浜中が乗るグレーププランデーの1点勝負。なんか、こじつけすぎかもしれない。

 田中マー君のヤンキース入り「7年間総額161億円」も気になる。ここからいくと、両レースとも枠連1-6、1-7、6-7の3点となる。まあ、これも押さえておこう。

 

■AJCC杯&東海S(2014年1月26日)回顧

 2レースとも的中です。まず、田中マー君馬券「7年間総額161億円」で、枠連1-6、1-7、6-7の3点を買ったら、東海Sは6-7 630円が来ました。

 AJCC杯の枠連は外れましたが、馬連の2-10、14,960円は的中です。なにしろ、ヴェルデグリーンから総流しです。「3コーナーからまくり気味にいって、直線追い込むだろう」と書いたはずですが、まさかその通りになって万馬券なんですから、笑うしかありませんね。

 これは、イルカ馬券(どこが?)。まあ、「イルカ追い込み漁」がなければ買わないわけですから、馬券を当てるのは、競馬にいくら詳しくなってもまったく意味がないということを、これでわかってもらえますか?

 このあとは、都知事選とソチ五輪ですが、こうなってくると、もうイベント馬券はやめです。といっても、高梨沙羅ちゃんだけは、絶叫応援をするので、サラ馬券だけは買うかもしれません。

 
G1予想[117]第有馬記念(2013年12月22日) PDF 印刷
2013年 12月 17日(火曜日) 00:10

クリスマス前の有馬記念だから
クリスマスカラー「グリーン」で勝負

 

 今年の有馬記念は、オルフェーヴルの引退レース。そのせいか、有力馬はことごとこく回避し、最後まで残っていたキズナも出走を取りやめて放牧に行ってしまった。残ったG1馬は、前走のジャパンカップで15着惨敗のゴールドシップ、エイシンフラッシュ、それにトーセンジョーダンだけ。

 これでは、「どうか有終の美を飾ってください」と言っているのと同じだ。

 しかも、オルフェーヴルの池江寿厩舎は、オルフェーヴルを含めて5頭出しだ。トーセンジョーダン、トゥザグローリー、ダノンバラード、ラブリーデイが、オルフェーヴルを負かしにいくだろうか? いくとしたら、外国人騎手ルメールが乗るトゥザグローリーだけだろう。

 

 というわけで、今年は黙って見ているのがいちばん。終わったら、勝ったオルフェーヴルに、「お疲れさん」と労をねぎらって言い、静かに1年間の競馬の幕を閉じるべきだ。

「終わりよければすべてよし」「1年の総決算」などという言葉に騙されて、ふだんより馬券を買い過ぎてしまうのは、競馬サークルの思うつぼだ。

 と言いつつ、気にかかることがある。

 それは、有馬記念史上、最大の番狂わせ、大穴を出したダイユウサクが、先日死んだことだ。ダイユウサクが勝ったあの年は、大変動の年だった。

 バブルが崩壊し、湾岸戦争が勃発し、雲仙普賢岳が噴火して火砕流で犠牲者が出た。証券金融不祥事が続発し、南アではアパルトヘイトが撤廃され、ソ連はついに崩壊した。そうして迎えた年の瀬だった。

 

 じつは、この年の夏、うちの娘は初めてハワイのサマースクールに行き、ハワイがすっかり気にいって、暮れも家族で行こうとになった。年末年始のハワイは、航空券やコンドの予約がなかなか取れない。それで、早めに行くことにしたら、出発が12月21日の土曜日になった。

 有馬記念は翌日である。当然、自分では馬券を買えない。それで、仕事仲間であり競馬仲間である川端光明氏に、馬券を頼むことになった。

「なにを買っていおけばいいの?」

「1−2(枠)の1点」

「1点だけ?」

「どう見てもメジロマックインーンは鉄板で、相手はナイスネイチャしかないでしょう」

「そうだろうね」

 ということで、私は川端氏に相当な勝負額を渡して、ハワイに行った。

 

 結果を知ったのは、翌日のハワイの日本語新聞「日刊サン」。当時はネットなんてないし、日系テレビのニュースも見逃していた。無料スタンドで新聞を取り、「有馬で大穴!ダイユウサクが勝利」の見出しに、超確信1点勝負がはずれたことを知り、目眩がした。新聞はくしゃくしゃにして、カピオラニビーチの入り口のゴミ箱に投げ捨てた。

 武豊のメジロマックインーンは、あの年、天皇賞秋を降着、ジャパンカップは4着に終わっていたが、メンバーから見れば間違いなく勝てる。ナイスネイチャは4歳馬(現3歳)だが、菊花賞4着の後、直前の鳴尾記念で古馬を一蹴していた。ほかは、ヤマニングローバル、プレクラスニー、カリブソング、メジロライアンなどが有力視されたが、相手はナイスネイチャしかいないと思っていた。

 

 ダイユウサクは直前のオープン、それもマイルを勝っただけだったから、15頭立ての14番人気。それが、内らち沿いをするすると抜け、脅威の末脚でマックイーンを差し切った。単勝は137.9倍もついた。

 ハワイに向かう飛行機のなかで、競馬新聞を何度も読み返したので、いまでも枠順、馬番まで覚えている。1枠1番がメジロマックイーン(武豊)、2枠5番がナイスネイチャ(松永昌)、ダイユウサク(熊沢)は5枠8番だった。2枠3番にヤマニングローバル(河内)、4枠6番にプレクラスニー(江田)、カリブソング(柴田政)とメジロライアン(横山典)は14番、15番でともに8枠に入っていた。

 

 私の馬券の買い方が変わったのは、たぶん、この有馬記念のあとからだと思う。それまでは、検討に検討を重ね、確信が持てる馬券を買っていた。オッズがどうであろうと、人気があろうとなかろうと、自分なりに予想して納得がいく馬券を買っていた。

 しかし、そういうことがだんだんバカバカしくなっていった。そうして、いまのような買い方になったのは、1995年の阪神大震災以後だ。あの年の有馬記念をマヤノトップガンが勝って以後、私は競馬をデータに基づいて予想するのをやめた。

 

 今年の有馬記念もあの1991年の有馬記念と同じように、オルフェーヴルが断然の人気になる。メジロマックイーンの単勝1.7倍を上回るのは間違いないだろう。どう考えても、メジロマックイーンより固い本命馬だ。

 しかし、当然だが、オルフェ−ヴルは1ミリも買わない。オルフェ−ヴルを買って、それで有馬記念の馬券を取って、「終わりよければすべてよし」と1年を締めくくれるだろうか? それなら、外れ馬券を買ったほうが、よほど意義がある。

 

 買うのはヴェルデグリーン。クリスマス前の有馬記念なので、クリスマスカラーのグリーンに的を絞る。ヴェルデもイタリア語でグリーンだから、この馬はグリーングリーンだ。

 クリスマスカラーと言えば、白と赤も必要。そこで、ヴェルデグリーンが入った枠(6枠=緑に入るのが最高)から、1枠(白)、3枠(赤)を厚目の、枠連総流し。

 続いてヴェルデグリーンから馬連総流し。厚目はカラー馬券で、ムーア騎手が乗るゴールドシップが最有力。グリーン—ゴールドの組み合わせだ。続いて、外国人騎手が乗るデムーロのエイシンフラッシュ、ルメールのトゥザグローリー。この2頭がもっとも恐い。

 

 さて、ダイユウサクが勝った有馬記念は12月22日だった。クリスマス前、こんなに早い有馬記念は珍しかった。今年も有馬記念は12月22日である。

  

《朝日杯回顧》キンキンテレビ「スマート競馬」コメント

 うーん、ベルカントはやはり撃沈しましたね。勝ったアジアエキスプレスですが、これは強い。この世代の最強馬の出現です。じつは、この馬を買おうかと思ったのですが、ボクの場合、買うとなると相手は当然テイエムキュウコーになる。エキスプレスならキュウコーに決まっているからです。しかし、キュウコーはなんとビリ16着。ホント、競馬はうまくできています。

 というわけで、オルフェーヴルが来ない、絶叫の有馬まであと1週間です。

 
G1予想[116]第65回朝日杯フューチュリティS(2013年12月15日) PDF 印刷
2013年 12月 12日(木曜日) 13:25
ベルカントから馬連、馬単、総流し

 

 今年は圧倒的に牝馬が強いので、このメンバーは完全に「二流男子」の集まり。しかも、抜けた馬もいない。2歳牡馬の「暮れのオープン特別」といった感じで、これがG1とは言い難い。

 だから、なにが勝ってもいいし、なにを買ってもいい。

 それなのに、またも人気はつくられている。地方から参戦で東スポ杯2着のプレイアンドリアル、デイリー杯2着のアトムが有力だと、どのメディアも同じような記事を載せている。そんなかで、紅一点、ベルカントも人気になっている。前走のファンタジーSは逃げて楽勝しているうえ、武豊がただ一つ勝っていないG1をこの馬で勝つのではないかと、話題性も十分だ。

 私の場合、こういうケースでは、ふつう、このような馬は買わない。これまで、武豊もほとんど買ってこなかったのだから、真っ先に外す。しかし、今回は買う。その理由は、調教師が角田晃一だからだ。

  

 角田は、武豊より1歳年下で、今年43歳。もう43歳かと、感慨深いものがある。彼がデビューしたのは平成元年。バブル経済のピークの年で、その年43勝した角田はいきなり最多勝利新人騎手になった。天才だと思った。

 以来、私は彼を買い続けた。同期の田中勝春も買い続けた。この2人は、競馬関係者に言わせると「生意気で言うことを聞かない」と、評判だったからだ。

 角田は田中勝春と違って、競馬とはなんの縁もない鳥取県の出身。競馬サークルに知人などいなかった。そんな環境から、自ら騎手になり、先輩の武豊に一泡ふかすレースを繰り返した。

 

 角田は人気薄の馬をよく持ってきては、穴をあけた。もちろん、シスタートウショウ、ノースフライト、フジキセキ、ジャングルポケットなどの名馬でG1を勝った。武豊は後輩の角田を評して、「いつも気がついたら後ろに角田がいる」と言ったことがある。

 ベルカントと武豊は、角田に調教師として初めて重賞制覇をもたらした。この朝日杯を勝てば、角田は晴れてG1調教師になる。現役時代を思うと、こんなコンビが誕生するとは想像もつかなかった。

 ベルカントから馬連、馬単、総流し。少なくともゴール前50メートルまでは先頭だろう。

 

《阪神ジュビナイル回顧》

 レッドリヴェールが勝って一番喜んだのは、五月みどりさんでは。レース前は、なぜか和田アキ子(ホウライアキコ)が話題になっていましたが、この馬は和田アキ子さんとはなんの関係もありません。しかし、レッドリヴェールは旧西川商事(東京サラブレットクラブ)の馬で、代表の西川哲氏(プロゴルファー)のパパは西川幸男氏(新栄プロ社長)、ママは五月みどりさんです。

 思うに、ハープスターとはツキの差ですね。やはり、いちばん強いのはハープスターで、上がり3Fは最速タイ33秒6。外に出せず、馬群のなかを突っ込んだ結果です。というわけで、競馬はいちばん強い馬が勝つわけではないのです。なのに、いちばん強いはどれ?と、予想するは、本当にもうやめましょう。そのうち、体をこわしますよ。

 香港ではロードカナロアが圧勝し引退。結局、今年はロードカナロアの年だった(年度代表馬になるから)ということになるでしょう。あとは、同じく引退するオルフェ―ヴルが来ない(?)有馬記念を待つだけです。今週の朝日杯は同世代女子に見放されたクズ男子レースで、競馬メディア的には盛り上がりませんが、じつは「見る価値十分」です。

 

 

 
G1予想[115]第65回阪神ジュベナイルフィリーズ(2013年12月8日) PDF 印刷
2013年 12月 06日(金曜日) 14:01

《JCダート回顧》

 

 以下、キンキンTVへのコメントです。

 

  やはり、ホッコータルマエは勝てませんでしたね。予想通りです。今回は当たらなくていいのです。当たらない馬券を買うことのほうが、当たる馬券(そんなもん、初めからわかるわけなし)を買うことより意義があるのです。何十年もやってくると、当たらないことでホッとし、感謝の気持ちさえ湧いてくるから、不思議です。

 たまには、夜空でも見上げてください。アイソン彗星は消えましたが、冬の星座オリオン座は凍てつく空に輝いています。馬鹿丸出しの5000万円領収書があんなちゃちいんですから、外れ馬券のほうがよっぽど美しいですよ。

 そういえば、日刊の山田準記者は、またやりました。競馬面の一面で、なんとエスポワールシチー本命。「引退戦、ラストランを飾る」というご祝儀予想を書いて、撃沈です。彼は、馬券をいかに外すか? その美学を知りません。

 ところで、有馬記念は「池江記念」になってしまうのでしょうか? 金鯱賞2着のラブリーデイ、4着のトゥザグローリー、10着のオーシャンブルーを出すと池江師は言ったそうです。とすると、オルフェーヴル、トーセンジョーダン、ダノンバラードにこの3頭を加えて計6頭。見ていられません。池江外しをするかないでしょう。オルフェーヴルが来ない有馬記念。なんか、いまから気持ちが落ち着きません。では、また。

 

《阪神ジュベナイルフィリーズ予想》

 

「秘密情報保護法」成立記念
ハープスターから馬体重が軽い順に5頭に流す

 

 今年の2歳女王決定戦は、例年とまったく違う。牡・牝混合の2歳重賞のうち、函館2歳S、新潟2歳S、札幌2歳S、小倉2歳S、デイリー杯2歳Sを勝った馬は、すべて牝馬なのだ。こんなことは、これまで1度もない。よって、ここは牝馬限定であっても、事実上の2歳最強馬決定戦だ。

 主役を担うのは、新潟2歳Sを異次元の末脚で制したハープスター。新潟2歳Sのレベルは高く、その後、2着のイスラボニータが東スポ杯2歳Sを、5着のマーブルカテドラルがアルテミスSを勝っている。これに続くのが、重賞2勝を含む3戦3勝のホウライアキコ。さらに、マーブルカテドラル、レッドリヴェールなどの重賞勝ち馬も有力だ。

 

 と、スポーツ紙に書いてあるような「当たり前」のことを書いてきたが、その同じ紙面に、今日は「秘密保護法案、今日にも強行成立」という大きな見出しが載っている。スポーツ紙でも大きく取り上げるほど、これは重大ニュースといことなのだろう。

 ともかく「民主主義の危機」と大騒ぎだ。多くの識者が「理解し難い」とコメントしている。

 で、私の考えを述べると、この社会ではどんな情報であろうと情報は公開されなければならない。そうでないと、民主主義はもとより、市場も成立しない。ギャンブルにおいてもそうである。

 市場では、常に情報がオープンにされていなければ、売買は成立しない。「情報の非対称」(ギャップ)があると、情報を持っているほうが一方的にトクするだけだからだ。これは、競馬においても同じだ。馬券を買うプレーヤーが、みな同じ情報の下に参加できなければ、馬券など誰も買わなくなる。

 一部の誰かが秘密情報を持っていて、それで勝ち馬がわかるとしたら、その情報が得られないプレーヤーはカモになるだけだ。

 

 現在のところ、馬券市場には「情報の非対称」はない。日本では競馬メディアが発達しているから、馬とそれにかかわる人間の情報は、ほとんどが公開されている。だから、プレ―ヤーは安心して馬券を買っている。

 一部に「極秘情報」をうたって、予想料を巻き上げる会社があるが、この世界に極秘情報はない。もし、あるなら、それを入手した人間は絶対に他人に教えない。

 というか、競馬において「極秘情報」なんてものは、初めからありえない。なぜなら、それが勝ち馬を教える情報だとしたら、そのレースは八百長が成立しているからだ。誰も未来はわからず、誰も勝ち馬がわかないから、競馬というギャンブルは成立している。

 というわけで、勝ち馬検討には、じつは情報などいらないのだ。 少なくとも、競馬の世界には「秘密保護法案」は必要ない。

 

 それなのに、今回もまたスポーツ紙をくまなく読んでしまった。なんと、「事前発表馬体重」までチェックしてしまったのだから、情けない。

 日本では、こんなことまで発表されるのだ。欧米の競馬では、馬体重が発表される例は少ない。まして、レース当日ではなく、事前に計った体重だ。このプラスマイナスで「太めですね」なんて解説が行われているのだから、日本は本当にすごい国だ。

 

 <馬名・馬体重・計量日・計量場所・前走馬体重>

 エクスペリエンス  387 12/4 美浦 386

 グランシェリー   496 12/5 栗東 492

 クリスマス     428 12/4 栗東 440

 スイートガーデン  486 12/5 美浦 494

 ダイヤモンドハイ  432 12/5 栗東 436

 トーセンシルエット 448 12/5 美浦 444

 ニホンピロアンバー 446 12/4 栗東 438

 ハープスター    486 12/5 栗東 474

 フォーエバーモア  460 12/4 美浦 458

 ホウライアキコ   448 12/5 栗東 444

 マーブルカテドラル 440 12/4 美浦 438

 マイネグラティア  428 12/4 美浦 420

 マジックタイム   457 12/5 美浦 458

 メイショウアサツユ 482 12/5 栗東 484

 モズハツコイ    456 12/4 栗東 454

 ヤマニンアリエッタ 496 12/5 栗東 494

 レーヴデトワール  456 12/5 栗東 456

 レッドリヴェール  416 12/5 栗東 426

 

 というわけで、やっと予想に入るが、やはりハープスターはすごい馬なんだろうとして、相手だけを決める。事前馬体重を見ると、486キロと前回より12キロ重いが、こんなことはどうでもいい。たぶん、すごさを見せつけて勝つだろう。

 そこで相手だが、当然、たった1頭の300キロ台の馬、エクスペリエンスが筆頭になる。つまり、馬体重が軽い順にハープスターから馬単で5頭に流してみる。というわけで、相手は以下の5頭だ。

  エクスペリエンス  387 

  レッドリヴェール  416 

  マイネグラティア  428 

  クリスマス     428

  ダイヤモンドハイ  432 

  

   牝馬はやはりスタイルがよくて、スリムなほうがいいですよね。

 
G1予想[114]第33回ジャパンカップダート(2013年12月1日) PDF 印刷
2013年 11月 28日(木曜日) 22:09
「特定秘密保護法」「マイナンバー法」を記念して、

ホッコータルマエから馬連2点で勝負

 

 先週の「ジャパンカップ」は、ジェンティルドンナの単勝と、馬単と馬連でジェンティルドンナ―デニムアンドルビーという史上初の牝馬ワンツー馬券を買ったので、完勝だった。こんなことは1年に1回しかない。

 そこで、現在もコメントを出している「キンキンTV」の「スマート競馬」に、次のようにメールでコメントを送った。

 

《ジャパンカップ回顧》

 日刊スポーツに山田準という記者がいる。私と同姓同名(私は順だが)なので気になる一人だ。彼はJC当時の朝刊の予想コラムでこう書いた。《ゴールドシップに自身の◎を打った。理由は2つ。「雰囲気」と「原点回帰」だ。今回は勝ちそうなムードがプンプンする》

 こうなると、もう死んだほうがいいだろう。彼は本当の競馬予想を知らない。

 それにしても、この史上最低、超スローで、1000万下の馬でも出せるタイムで勝つなんて、ジェンティルドンナはすごすぎる。しかし、有馬はスルーして来年はまたドバイというから、石坂調教師は頭がおかしいのではないか。

 2着デニムアンドルビーも有馬には出ない。3冠牝馬メイショウマンボも出ない。こうなると、オルフェーヴル、キズナの有馬記念になる。ところが、本当に恐いのは15着惨敗のゴールドシップだ。日刊スポーツ山田準記者はもう一度ゴールドに◎を打てるだろうか? 私は打つわけがないと思う。もし打ったなら、私は彼に対する見方を変える。いずれにせよ、有馬でゴールドは買いだろう。

 

■日本の競馬はお上がやる国営競馬

 

 というわけで、今回のJCは残念ながら的中してしまったので、「寂寥」を味わうことがなかった。そこで、今週は、なんとしても「寂寥」をタップリと味わいたい。というのは、本当にこの国はひどいことになってきたからだ。

 なんといってもひどいのは、26日の夜、「特定秘密保護法」(修正案)が衆院を通過したことだ。この法案は、メディアの活動を大きく妨げ、施行されれば、憲法が保障する国民の「知る権利」は著しく侵害される。

 一般競馬ファンは、そんなの政治の話、競馬とは関係ないと思っているかもしれないが、じつは、そうではない。日本の競馬は農林水産省が管理する「国営競馬」だから、公務員がやっているのと同じだ。つまり,競馬のことだって知らせたくないことは、秘密指定できるからだ。

 まさか、馬の情報が秘密指定されるなんてことはないが、競馬運営に関することは、ないとは言い切れない。

 

■私たちはみな12桁のナンバーになる

 

 そして、さらに恐ろしいのは、今年の5月に国会で成立した「マイナンバー法」だ。

「マイナンバー」制度というのは、国民一人ひとりに12桁の番号を割り当てて、氏名や住所、生年月日、所得、税金、年金などの個人情報を、その番号で一元管理するというものだ。かつて、これは国民背番号制度と言われていた。 

 この制度の導入によって、国は「納税、年金、医療などの手続きが簡素化される」と喧伝した。つまり、国民生活がより便利になるというわけだ。しかし、それと引き換えに、私たちが失うものは計り知れない。

 マイナンバー制度は2016年1月からスタートするが、そうなると、私たちはみな、番号になってしまう。ただの番号だ。馬だって、レースごとに枠番、馬番が変わるのに、マイナンバーでは一度決まった番号が一生続く。

 そして、この番号で、すべての情報が統合される。となると、たとえば、私がどのレースでどんな馬券をいくら買ったか、などということも、ネット投票していれば、国家に知られてしまうのだ。さらに、住民税や社会保険料を滞納しているのに、馬券を買っているなんてことも簡単にわかってしまうだろう。

 そんなことはありえないが、馬券で何百万円も儲けたら、すぐにその所得に課税される。なぜなら、銀行口座に記録が残っているので、税務署はそれを見ることが可能だからだ。

 

■すでにあなたは税務署に管理されている

 

 すでに国税庁はKSK(国税総合管理)というシステムを導入している。このシステムには、日本中の会社や個人の資産・所得に関する情報が蓄積されている。確定申告をしたことがある人なら、すでに納税者番号を持っていると思うが、現時点でも、この番号で私たちは管理されているのだ。 

 しかも、いまは半分以上の人間が「eタックス」といって、ネット申告している。これらは、すべてKSKに蓄積され、番号さえ打ち込めば、私たちのおカネに関することは税務署にすべて筒抜けになっているのだ。

 実際、税務署員に聞いてみると、彼らは目星をつけた納税者は、まずKSKによって調べている。

 このKSKには毎年提出される申告データばかりか、調査官が実際に見聞きしたこと、調査したことまで蓄積されている。

 これに、マイナンバー制度が加わるのだから、この先、なにが起こるかは簡単に想像がつくと思う。

 

■ギャンブルは「愚か者の税金」

 

 ところで、競馬はなんのために行なわれているか?と、考えたことがあるだろうか? 日本のような国営競馬では、その目的は徴税のためである。国民のおカネを合法的に巻き上げるためのシステムなのだ。

 これは、宝くじも同じで、こちらは、なんと購入代金の5割を税金で持っていかれる。そのため、宝くじは「愚か者の税金」と言われている。競馬はまだましだが、それでも25%が馬券購入した瞬間に引かれている。これは、投資の世界では期待値が75%ということだから、まともな投資家なら誰もやらない。

 なぜなら、もしこれが投資信託のような金融商品なら、買った瞬間に手数料25%を取られているのと同じだからだ。 

 結局、馬券も「愚か者の税金」であることには変わりない。

 しかも、今回のマイナンバー法と特定秘密保護法により、さらに私たちは「愚か者」扱いされるのだ。

 

■テルマエロマエが馬券のキーに!

 

 というわけで、本当に嫌な時代がやってきたと、私は思っているのですが、みなさんはどうお考えですか? 来年はいよいよ、消費税もアップし、馬券代の工面すら大変になります。いまから私は悩んでいます。

 まあ、どんな時代になろうと馬券を買うのが競馬ファンでしょうが、今後は、こうしたことも少しは考えてみませんか? 馬券を当てることが「愚か者」から脱出する道ではないのです。

 さてさて、ジャパンカップダートですが、今回は最終回。ホッコータルマエが1番人気確実。実績も問題ないので、ここからみんさん買うでしょう。したがって、今回こそ馬券を外して寂寥感を味わいので、私もここから買います。

 ところで、ホッコータルマエの名前の「タルマエ」を、今日までなぜか私は「テルマエ」と思い込んでいました。例の漫画の「テルマエロマエ」から取ったものだと思っていました。

 ホント、バカか? ちゃんと馬の表記を確認しろ! 

 で、確認したところ、タルマエは、なんと小樽市にある「樽前山」(タルマエヤマ)から取ったもの。テルマエとはなんにも関係ないというではありませんか?

 しかし、いまさら予想は変えられません。

 タルマエでなくテルマエと思い込んでいたので、相手は「テルマエロマエ」がローマ時代のお風呂ということでローマンレジェンド、続いてお風呂に入るときは下着を脱ぐのでパンツオンファイアの2点です。

 この2点を買って、初冬の寂寥感に浸りましょう。

 
G1予想[113]第33回ジャパンカップ(2013年11月24日) PDF 印刷
2013年 11月 19日(火曜日) 16:09
何事もなく静かに終わってほしい

 

「ジャパンカップ史上最低のメンツ」「これはメトロポリタンSか!」「これ、なんていうオープン特別?」などと、まったく盛り上がっていない国際G1がやってきた。女王ジェンティルドンナが勝ち、ゴールドシップ、エイシンフラッシュのG1馬2頭が続けば、秋の終わりの1日は静かに、「寂寥」(せきりょう)のなかに終わるだろう。

 今年はぜひ、そう願いたい。で、買うのはジェンティルドンナの単勝のみ。

 毎年、ジャパンカップの季節になると、24歳で夭折した詩人・立原道造を思い出す。立原道造の「のちのおもいに」によって、私は「寂寥」という言葉を初めて知った。高校生のころだ。

 寂寥とは、辞書では「気配がなく、寂しい感じがするさま。また、心が満たされず、寂しいさま」となっている。英語だと「loneliness」。秋から冬へ移る季節のなかで、ふと感じる寂しさは、まさにこれだ。

 競馬に負けて、ひとりでとぼとぼ帰る道。実際は人ごみのなかを歩いているというのに、まるでひとりぼっちのような寂寥感が襲ってくる。人生を虚しく感じる一瞬だ。

 競馬新聞ばかり読んでいないで、たまには、詩集を読んでみましょう。予想が確実に違ってきますよ。

 

 のちのおもひに (詩集『萱草に寄す』より)

 

 夢はいつもかへって行った 山の麓のさびしい村に

 水引草に風が立ち

 草ひばりのうたひやまない

 しづまりかへった午さがりの林道を

 

 うららかに青い空には陽がてり 火山は眠ってゐた

 ―そして私は

 見て来たものを 島々を 波を 日光月光を

 だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた…

 

 夢はそのさきには もうゆかない

 なにもかも 忘れ果てようとおもひ

 忘れつくしたことさへ 忘れてしまったときには

 

 夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう

 そして それは戸をあけて 寂寥のなかに

 星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう

 
G1予想[112]第30回マイルチャンピオンシップ(2013年11月17日) PDF 印刷
2013年 11月 15日(金曜日) 04:40

前走2桁着順馬4頭の組み合わせ

 

 下馬評では大混戦だ。有力馬として、ダノンシャーク、クラレント、トーセンラー、コパノリチャード、ダイワマッジョーレ、グランプリボスなどがあがっているが、どれが勝っても多分「ふーん」と言った感じになりそうで、なにかぐぐっと来るものがない。

 それより、来週のジャパンカップがひどいことになっている。なんと、外国馬はたった3頭、それも2戦級しか来ない。もはや、これでは「国際G1」とは言えない。さんざん、凱旋門賞をローカルG1と馬鹿にしてきたが、そんなこと言っていられなくなった。

 日本は、競馬もガラパゴス化してしまったようだ。

 

 この状況を改善する方法はいくつかある。思い切って時期をずらしてしまう、G1競走を連発してカーニバル開催にする、海外の馬主優遇策を打ち出す、外国産馬の関税を撤廃する、賞金を奮発して世界最高賞金レースにするなどだ。

 ただし、海外の馬主が招待されても日本に馬を連れてこないのは、競馬だけのせいではない。彼ら富裕層は、競馬だけのために日本に来ない。ほかの楽しみとセットになってなければ、わざわざ極東まで来ない。

 つまり、東京はそれだけ魅力のない街になってしまったわけだ。

 

 プライベートジェット専用の空港がない。魅力的なハイエンドホテルがない。カジノがない。近郊に魅力的なリゾートがない。この時期、日本では国際的なイベントがほかにない。これなら、ロンドン、パリ、ニューヨーク、カリブ海リゾート、ドバイ、アブダビ、シンガポールなどにいたほうが、よっぽどましだと、彼らは思っているはずだからだ。

 さらに言えば、東京に優良な投資物件があれば、彼らは来るかもしれない。

 

 というわけで、いまや日本は完全な衰退国家になってしまった。そんな衰退国家の古都・京都で行なわれる、大混戦G1。こういうときは、いつもどおり、もっとも単純な買い方をする。

 カレンブラックヒル、サクラゴスペル、サンレイレーザー、ダノンヨーヨーの4頭の組み合わせ馬連6点で勝負。なぜか? 前走2桁着順馬はこの4頭しかいないからだ。もし、1点ならカレンブラックヒルとサンレイレーザーだ。どちらも、前走14着と惨敗している。
 
G1予想[111]第38回エリザベス女王杯(2013年11月10日) PDF 印刷
2013年 11月 04日(月曜日) 00:56
馬連3-9と、枠は3枠から総流し

 

■みんなが「勝つだろうと思う」馬を買うのは無意味

 

 今年のエリザベス女王杯は、メイショウマンボ、
ヴィルシーナ、ホエールキャプチャが人気になっている。人気馬というのは「強くて勝つだろうと思われる馬」だから、フツーに考えると、ここから買うしかない。ということは、じつは馬券を考えて買っても意味がないということになる。

 なぜなら、みんなが「勝つだろうと思う馬」は、あなたも「勝つだろうと思う馬」だからだ。では、穴馬はどうかというと、みんなが「穴を開けるだろうと思う馬」は、あなたも「穴を開けるだろうと思う馬」だからだ。 

 こうして、馬券は評論家や競馬記者、スポーツ紙などが伝える情報を頼りに買う限り、考えるだけ無駄になる。では、どうしたらいいのか?

 それは、すべての情報を無視するか、あるいはまったく違う考えに基づいて買うことだ。

 というわけで、エリザベス女王杯には、エリザベス女王杯でしかできない買い方がある。それは、馬連3-9の1点勝負だ。あるいは、3枠からの枠連総流しでもいい。じつは、私はこれを毎年やってきている。

 

■「八百長か?」と大波紋となったサンスポ記事

 

 では、なんでこんな馬券を買っているのか?

 話は、1992年のエ女王杯当時にさかのぼる。この週、サンケイスポーツ紙の1面で「田原2着以上なら坊主頭になる」という衝撃的な見出しの記事が載った。このとき、田原成貴騎手が乗っていた馬は、サンエイサンキューである。

 つまり、この見出しからは、田原騎手がサンエイサンキューを故意に負かせるとう「八百長」をするように読み取れるため、大騒ぎになった。

 ちなみに、この記事を書いたのは、水戸正晴記者である。

 では、なんでこんな記事が出たのか?

 それは田原が、サンエイサンキューの体調が思わしくないのを知って、「こんな状態なのになぜ出走させるのか?」と疑問を感じていたからだ。それをテレビ取材で素直に述べたところ、水戸記者が聞きつけて、また聞きで記事を書いたのだ。

 この記事はその後、大きな波紋を巻き起こし、田原のサンスポ取材拒否などを経て、サンスポの対応に嫌気がさして告発した片山良三記者の解雇事件などにつながった。

 

■デビューから3連闘、その後、クラシック候補に

 

 それでは、サンエイサンキューという馬はどんな馬だったのだろうか?


 1989年4月7日生まれの葦毛の牝馬。生涯成績 17戦5勝 、獲得賞金 2億5895万5000円。主な勝鞍は、1992年のクイーンカップ、札幌記念だが、同年のオークスは2着で、エ女王杯は5着である。

 あとは、ネット(Wikipediaなど)で、詳しく見てもらえばわかるが、これほど過酷に走らされた馬は、過去にいない。なにしろ走った17戦は、たった1年半の出来事である。つまり、1カ月に1度以上は走っていたのだ。

 1991年7月の札幌での新馬戦で、4番人気2着でデビューしたサンエイサンキューは、折り返しの新馬戦を連闘で挑んで勝ち上がった。ふつう、これで間をあけるが、サンエイサンキューは、なんと3連闘で札幌3歳ステークスに出走。さすがに13着と敗退した。

 デビューからいきなり3連闘。こんな馬はありえない。

 あとで、馬主が資金難に陥っていたということがわかり、「サンエイサンキューの馬主は人間のクズ」とまで言われるが、馬自身はそんなことは知る由もない。その後も、サンエイサンキューは、徹底的にレースを使われる。それで、なんと暮れの阪神3歳牝馬ステークスをニシノフラワーの2着して一躍クラシック候補になった。

 

■ 休みなく走らされてエリザベス女王杯に出走

 

 普通、クラシック候補になれば、大事に使われるが、サンエイサンキューの場合そうはならなかった。ほとんど、すべての出走可能なレース、トライアル、本番を走らされた。驚くのは、年明けの2月のクイーンカップで優勝した後、皐月賞トライアル弥生賞に出走し、その後、桜花賞に出たことだ。

 はっきり言って、このローテーションは、キチガイ沙汰だ。

 それでも弥生賞7着、桜花賞6着だから、まともならサンエイサンキューはG1馬になれただろう。その証拠に、こんなローテーションでも、オークスで2着している。

 G1で2着しようと、サンエイサンキューに休みはない。夏も走った。当時、私は、7月の札幌記念の出走登録馬の中に彼女の名前を見て、なんか切なくて胸が痛んだのを覚えている。ところが、サンエイサンキューは札幌記念を勝ち、さらに函館記念(8着)にも出た。

 こうして秋を迎えたわけだが、当時のエリザベス女王杯は、いまと違って牝馬3冠の最終レースだった。

 

■有馬記念の直線でついに力尽きて骨折

 

 サンエイサンキューは、10月初旬のサファイアステークスを、まず勝った。ふつう、これでエ女王杯に臨む。しかし、トライアルのローズステークス(2着)にも出た。これでは、疲労蓄積で、本番に出ても勝負になるかどうかわからない。

 オークスから鞍上を任されていた田原騎手は、このローテーションに不満であり、実際、サンエイサンキューが橈骨に痛みを感じているのを察知していた。

 しかし、サンスポの記事は、この田原の真意をねじ曲げてしまった。八百長という言葉が一人歩きし、田原はエ女王杯後に騎乗を降ろされた。ちなみに、それでもサンエイサンキューは5着している。勝ったのはタケノベルベット。

 サンエイサンキューの話はこれだけでは終わらない。なんと、こんな状態にもかかわらず、有馬記念に強硬出走する。当たり前というか、ここまでやれば、いくら根性娘とはいえ壊れる。中山競馬場最後の直線で、ついに脚が上がらなくなってしまった。

 有馬記念当日、私は中山競馬場にいた。そして、15番人気メジロパーマーが逃げ切り、茫然自失となるなか、サンエイサンキューの故障をうつろな目で見ていた。

 右とう側手根骨複骨折。フツーなら間違いなく予後不良だが、馬主は復帰に執念を燃やし、5回も手術を繰り返した。そして、6度目の手術後、サンエイサンキューは心臓マヒを起こして死んだ。

 

■馬も壊れたが、田原騎手も人間として壊れた

 

 以上が、サンエイサンキューの物語である。

 毎年、エリザベス女王杯になると、私はこの物語を思い出す。すでに、田原成貴の姿は競馬界にはない。サンエイサンキューも壊れたが、田原も人間として壊れてしまった。

 2001年に銃刀法と覚せい剤取締法違反容疑で最初に逮捕されると、その後、何度も薬物所持、傷害などで逮捕された。競馬界の内幕を描いたエッセイなども発表したが、今年5月、加古川刑務所を出所してからの消息は知れない。

 はたして、いつになったらエ女王杯で、3-9は来るのだろうか?

 

 
G1予想[110]第148回天皇賞(2013年10月27日) PDF 印刷
2013年 10月 25日(金曜日) 18:14
ジェンティルドンナ(5枠)から8枠へ、5-8で乾杯!

 

  所用があって、先週から今週にかけて台北(タイペイ)に行っていた。小籠包をたらふく食べて、3キロも太ってしまった。そのため、いまダイエット中だ。台北の街は東京と違って活気に溢れている。今年から台湾は人民元取引を解禁。長く中国共産党と対立を続けてきた台湾にとって、これは大きな決断で、今後、台湾は人民元経済圏に組み込まれていく。

 銀行では、人民元預金が大人気で、台湾人はこぞって人民元預金を始めている。なにしろ、金利は3%もつく。しかも、人民元は今後もドルに対して切り上がっていくのは、確実だからだ。

 ところで、私が泊まっていた君品飯店(パレデシン・ホテル)には、同じ時期、韓国の女性アイドルグループ「A PINK」が、台湾ツアーのため宿泊中で、ホテルの玄関先にはファンの一軍がカメラ片手に24時間待機していた。ホテルを出るたびに、そのファンの前を通らなければならない。なんか、ちょっと恥ずかしい気分になった。やっぱり、若いっていい。

 

 そこで、やはり、天皇賞は「A PINK」にならってピンク、8枠からにしようと思って帰国した。もちろん、枠以上に注目は、女王ジェンティルドンナだ。それで、帰国便のなかで、スポーツ紙を広げ、次のように考えた。

 (1)ジェンティルが8枠に入れば、そこから総流し。厚目は、カラー馬券の法則からいって、オーシャンブルー(青)、ヴェルデグリーン(緑)、レッドスパーダ(赤)が入った枠だ。この3頭が、それぞれ4枠(青)、6枠(緑)、3枠(赤)に入れば鉄板ではないだろうか?

 とくに、ヴェルデグリーン担当の相沢厩舎の三野輪助手は、日刊スポーツの記事中で、当日は「緑の勝負パンツをはく」と言っていたのが、気になった。

 (2)では、ジェンティルが8枠以外の枠に入ったら、どうしようか?

 そのときは、ジェンティルの入った枠からやはり総流しして、8枠を厚目に買おう。もちろん、上記3頭の入った枠も厚目にしよう。

 

 というわけで、枠順発表を待った。

 ジェンティルは、8枠でなく、5枠に入った。となると、上記のパターン(2)でいく。つまり、ヴェルデグリーン、レッドスパーダが入った8枠を厚目、続いてオーシャンブルーが入った7枠を準厚目。もちろん、5枠から全枠を押さえる。それにしても、カラー馬3頭ともが、自分の色の枠に入らなかったのは、本当に残念だ。

 
G1予想[109]第74回菊花賞(2013年10月20日) PDF 印刷
2013年 10月 17日(木曜日) 02:18

馬連2-13、およびフルーキーから総流し

 

  木村拓哉主演の連続ドラマ『安堂ロイド』(TBS系、13日にスタート)の初回の平均視聴率が関東地区で19.2%、関西地区で16.9%(ビデオリサーチ調べ/以下同)というので、本気で驚いた。大ヒットした『半沢直樹』の後番組として大丈夫か?というムードの中、19.2%(関東)は及第点という評価のようだが、私としては「まさかの19.2%」である。

 なにしろ、大宣伝がやたらとウザかったうえ、このタイトルのアホさ加減に、日曜の夜に、こんなドラマにつき合えないと思っていたからだ。

 菊花賞が行なわれる今週の日曜日の夜、はたして第2回目がどんな視聴率になるのか?興味津々である。

 ■

 ところで、キムタクの役は、タイトルどおりアンドロイド。番宣コピーにあるように、《2113年からやってきたアンドロイド「ARXⅡ- 13」アールエックスセカンドサーティーン》である。

 となると、菊花賞はセカンドサーティーン=2-13の馬連1点勝負で決まりだろう。

 こんな簡単な菊花賞は、最近ではありえない。

 ■

 菊花賞は、3冠最終レース、距離3000メートルとあって、もっとも悩むレースである。春のクラシック実績馬を取るか、夏の上がり馬を取るか? また、長距離適正はどうか? など、考え出したらキリがない。それが、こんな簡単でいいのか?

 本来なら(昔の自分なら)、今年の菊花賞も、大いに悩まなければならない。

 皐月賞馬ロゴタイプは疲労のため、ダービー馬キズナは凱旋門賞4着直後で参戦していない。そのため、押し出されるかたちで、皐月賞、ダービーともに2着のエピファネイアが主役になっている。しかし、このエピファネイアには、距離の不安、折り合いの不安がある。そこで、皐月賞、ダービー勝ち馬不在の年は“春のクラシック不出走馬”が最近3回連続でVというデータが持ち出され、夏の上がり馬サトノノブレスなども人気を集めている。さあ、どうする?となるからだ。

 ■

 しかし、はっきり書くが、長年競馬をやってくると、こういう話題は、記者たちがこれまでどおりの慣習のなかで、「まあ、こんな話題でいいだろう」と書いているだけで、馬券にはなんの参考にもならないのがわかってしまう。もう、スポーツ紙の競馬欄のどんな記事を見ても、こういうふうにしか思えなくなったのだから、ある意味で哀しい。

 さて、これまでの経験から言うと、馬券にとってもっとも参考になるのは、馬の成績、レースの傾向など、競馬そのものとは関係ない話題のほうである。

  そこで、今回、この関係ない話題を探すと、たまたまフルーキーがエピファネイアと同厩舎同生産牧場馬だということがわかった。しかも、馬名の意味は「まぐれ当たり」である。これは買ってみるべきではないだろうか?

 というわけで、馬連2-13に加え、フルーキーから馬連総流しもやってみる。

 

 
G1予想[108]第18回秋華賞(2013年10月13日) PDF 印刷
2013年 10月 11日(金曜日) 14:08

ティアーモから総流しで絶叫!

 

■初めから筋書き通りのTPP交渉

 

  TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が年内妥結に向けて動いていると、各メディアが伝えている。10日のニュ―スでは、安倍首相が訪問先のブルネイで会見し、「年内妥結に向け、大きな流れをつくることができた」と語った。また、この直前、バリ島で開かれたAPECでは、「交渉が前進した」と各紙が伝えた。さらに、今朝(10月11日)の朝日新聞も、「聖域から除外220品目候補、TPPの重要品目」という記事を一面に掲載している。

 とすると、日本は大幅譲歩に踏み切ったことになる。というか、これは、予定通りの行動だ。「コメ、麦などの重要農産品5分野は絶対守る」というのは、ただの国内向けのポーズで、そんなことは初めからできるわけがないのだ。

 TPPに関しては、ここ2年間がいろいろと言われてきた。当初は反対の大合唱だった。それを見て、私は「どうかしている」と、ずっと思ってきた。だから、今回のことには全然驚かない。むしろ、5分野の加工品などに絞らず、全部キレイに撤廃してしまえばいいとさえ思っている。

「そんなことをしたら農家が続々と潰れる」というが、潰れた後、そこからまた新しい競争力のある農業を始めればいいだけだ。

 

■TPPでは競争馬の輸入関税が撤廃される

 

 と、競馬の予想なのに、なんでこんな話を始めたかというと、TPPは競馬にも大きくかかわっているからだ。よく知られているように、現在、競走馬の輸入にも関税がかかっている。その額、340万円である。TPPが妥結すると、この関税も撤廃されることになる。

 なにしろ、TPPはすべての障壁をなくすことを究極の目的としているからだ。

 競馬に関して言うと、競走馬(受胎牝馬も含む)の輸入関税撤廃だけではない。日本国内の全レースの外国馬への開放
、海外で認可された外国人馬主、調教師、騎手の参入なども含まれている。これは、条件付きの開放ではなく、無条件である。というのは、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドは日本馬や騎手を無条件で受け入れているからだ。

 つまり、TPPが妥結し、その中でこれらの項目が例外とされなければ、日本の競馬は大きく変わる。新馬戦や条件戦に、アメリカ産馬やオーストラリア産馬が出走し、それに各国の騎手が乗ったりする。馬主も多種多彩な顔ぶれとなり、レーシングプログラムも英語版が出る。なにしろ、全レースが国際競走なのだ。

 そうなると、馬主、騎手、厩舎から過去の成績など、国内だけではないから、予想の要素も増える。こんな楽しいことはない。

 

■農業だけを甘やかす理由なんてない

 

 と、私は一ファンとしてそう思うのに、競馬界におけるTPP問題の反応はまったく違う。輸入関税の撤廃問題だけに矮小化され、「海外から安い馬が入ってくれば、場産地の中小牧場はやっていけなくなる」ということだけが強調されている。

 つまり、ここでもTPPは反対なのだ。

 たしかに、TPP交渉参加国のかなで、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドは日本以上に競馬が盛んだ。そして、とくにオーストラリアとニュージーランドは、日本に比べて馬の価格が安いとされる。だから、馬主は日本で買うより、オーストラリアとニュージーランドで「走りそうな馬」を買う。そうなると、日本の牧場はやっていけなくなるというのだ。

 これは、たとえばコメ農家、サトウキビ農家などとまったく同じ反応だ。

 しかし、やっていけないなら、ほかの仕事をすればいい。サラリーマンはどんどんリストラされている。サムソンに負けた半導体メーカーは潰れ、パナソニック、ソニー、シャープなどは、不要社員は「追い出し部屋」に入れられている。なぜ、農業だけ、国が税金で守らねばならないのか?

 

■132億円が失われるという北海道庁の試算

 


 日本のTPP交渉参加が決まった後、北海道庁は競走馬の関税が撤廃の影響を試算した。それによると、道内の年間軽種馬生産額の約280億円は180億円に減少する。そうして、3000人の雇用が失われ、地域経済への影響は132億円に及ぶという。

 関税撤廃で輸入増加が懸念されるのが、「1000万円台の中堅馬」(道の担当者)だ。このクラスに関税がかからなければ「高額な優良馬以外の多くが米国産などに取って代わる」という。

 こうしたことを受けて、今年3月、同管内の生産農家約800戸でつくる日高軽種馬農協はTPP反対の決議を可決。木村貢組合長は「TPPで農家が減収になっても、コメなどのように国からの補填(ほてん)は受けられるのか…」と心配しているという。(以上、北海道新聞記事参照)

 

■やってみなければわからない日本馬のレベル

 

 たしかに、こうなる可能性はあるだろう。

 JRAのデータを見ると、昨年はアメリカとオーストラリアからは、128頭しか輸入されていない。その額は計19億円である。また、昨年末段階でJRAに登録する競走馬約5200頭のうち、外国産馬は141頭とわずか約3%で、地方競馬では1%にすぎない。

 だから、関税撤廃後は、これらは一時的に急増するだろう。

 ただし、いくら安い馬が海外から入ってきたとしても、走らなければ、馬主に経済的なメリットはない。つまり、北海道庁の試算は、初めから日本馬のほうがコストパフォーマンスが悪いとしているのだ。

 しかし、競馬なんてやってみなければどうなるかわからない。最初は、そうやって安い馬がどんどん入ってきたとしても、もし日本馬のほうが走れば、多少値段が高くても、馬主はそちらを取るようになる。

 最近の日本馬は、ヴィクトワールピサ、オルフェーヴルを見ればわかるように、国際レベルにあるから、これは本当にやってみないとわからない。

 さらに、もし本当に日本馬のレベルが高ければ(私はそう思っている)、国際競争力があると証明されるのだから、今度は輸出していけばいい。安い馬が入って来ると困るなんて言っているより、輸出できる馬をつくるほうがよほどポジティブだ。

 

■日本馬のレベルが高いなら状況は逆転

 

 また、国際的にみて、日本の競馬の賞金は高い。だから、日本で競走馬を持ち、日本で走らせようとする海外馬主も多くなる。北海道生産馬のレベルが高いとなれば、牧場を買収して牧場経営に乗り出す国際資本も出てくる。

 実際、ドバイのシェイク・モハメドは、すでに「ダーレー・ジャパンファーム」を設立し、2008年には、鵡川にあった西山牧場を買い取るなどして、日本での馬産を拡大している。

 ダーレー・ジャパンファームは、現在では、北海道内に7つの牧場を持っている。

 こうしたことを考えれば、輸入関税の撤廃がそんなに問題があることとは思えない。それより、340万円という関税を維持し続けると、せっかく国際レベルに達した日本生産馬のレベルが落ちる可能性がある。

 規制に守られ、欧米諸国より賞金が高いレースを続けていると、結局はガラパゴス化しかねない。

 

■向こうの馬の値段は本当に安いのか?

 

 では、オーストラリア、ニュージーランドなどは、本当に馬の価格が安いのだろうか? 以下、日本でも名前が知られているオーストラリア産の活躍馬をネット検索で調べたところ、確かに安い。

◎サイレントウィットネス-----セリ価格約500万円
(日本でもスプリンターズSを制覇、香港スプリント連覇。獲得賞金約9億4000万円)



◎ブラックキャビア-----セリ価格約1900万円
(無敗のまま25戦25勝で引退、獲得賞金約5億5000万円)

◎テイクオーバーターゲット-----セリ価格約11万円
(香港の名スプリンター、獲得賞金は約4億3000万円)



◎ロケットマン-----セリ価格約600万円
(ドバイゴールデンシャヒーン、同レース2着2回。獲得賞金約4億円)

 なんと、テイクオーバーターゲットは約11万円である。これで億を稼げば、馬主にとっては投資効果抜群だ。私の記憶では、国内のG1ホースではテイエムプリキュアの250万円が一番安いはずだ。たしか、テイエムオペラオーは1000万円だったと記憶している。

 

■「思案中」と言うある馬主の見方

 

 しかし、安い馬がすべて走るわけではない。競馬を投資と考えれば、費用対効果がどれほどあるかである。とすると、オーストラリアなどで数百万円〜1000万円クラスの馬が、日本の条件戦(500万円下、1000万円下)でコンスタントに走れるかどうかである。

 そこで、知り合いの馬主に聞いたら、こんな答が返ってきた。

「平均するとオーストラリア、ニュージーランドの馬の値段は日本より安い。日本のセリの場合、落札平均価格はセレクトセールが約3000万円。それ以外のセリ市では約1000万円。それが向こうは半分以下だ。

 だから、関税がないなら買おうと思うけど、いきなりは無理で、エージェントを通すことになるから、輸送量などと合わせて200万円ほどは費用を見なければならない。で、もし馬の価格が500万円で、日本で2、3勝できるなら、十分もとが取れると思う。

 ただし、日本ならサンデーサイレンスの大成功で、だいたいどの血統の馬が走るかわかるが、アメリカやオーストラリアの場合はわからない。とくにオーストラリアの場合、血統は独特だし、南半球だから育成時期のずれもある。この辺を考えると、購入してみたいとは思うが、ちょっと思案中だ」

 

■1000万円の馬と1億円の馬の違い

 

 日本の馬の価格は血統第一で、サンデーサイレンス全盛のときは、その子供は1億円はした。ディープインパクトは7000万円だったから、「安いほうだ」と言われた。

「馬主から見て投じられる金額にもよるが、たとえば、血統が悪い1000万円の馬と1億円の馬では、血統がいい1億円の馬のほうが、投資価値があると考える。それは、第一に活躍する確率が高く、その通り活躍すれば種牡馬として大きなリターンが得られるからだ。

 だから、血統が悪い1000万円の馬は、最低でもその額に見合った賞金と預託料などの費用を稼いでもらわねばならない。そういう馬が向こうにいるかだが、日本よりはいると言う人間が多いね」

 安い馬の中から走る馬を見つける。これは、長年、競馬に携わってきた人でも「なかなか難しい」と言う。たしかに、この確率が高ければ、馬主はビジネスとして成立する。

「それで成功しているのが、マイネルの岡田さんだ。ただ、あれはあの人だからできるわけで、それをオーストラリア産馬でできるかだね」

 

■投資、ビジネスとしての競走馬のコスト

 

 では、ここで、馬主の話から、実際に馬を持った場合、どれくらいのコストがかかり、このコストを回収するためにはなにが必要かを見てみたい。

 セリで1歳馬を1000万円で購入したとする。この場合、入厩するまでだいたい1年ほどかかるので、その費用はおよそ月30万円だという。つまり、1年で360万円。計1360万円だ。

 こうして2年目に厩舎に入ると、厩舎預託費がかかる。JRAの場合は、その費用は1頭あたり月に約60万円~80万円、地方競馬の場合は約20万円~30万円とされる。つまり、1年間預けると720万円~960万円である。そこで、この馬が怪我もなく7歳まで5年間現役を続けると仮定すると、3600〜4800万円かかる。

 そこで、この高いほうの4800万円を取り、前記の1360万円と合算すると、1歳から7歳までのコスト総額は6160万円となる。

 

■カネをバラまく至れり尽くせりの制度

 

 では、このコストをどうやって回収するのだろうか?

 これは、競馬に出走して出走手当、賞金を稼ぐこと以外にない。

 JRAの場合、賞金は5着までに入った馬に対して支払われる。この賞金は、馬主に80%、調教師に10%、厩舎の厩務員に5%、騎手に5%といったかたちで分配される。新馬戦の場合、1着700万円、2着280万円、3着180万円、4着110万円、5着70万円となっている。仮にこの馬が新馬戦で1着になると、賞金は700万円なので馬主には560万円が入ることになる。

 次に出走手当てだが、これはいくつかあり、まずは「出走奨励金」で、5着までに入らなくても、一般競争では8着まで、重賞競争だと10着までに入ればもらえる。6着なら1着賞金の7%、7着なら1着賞金の6%、8着なら1着賞金の5%、9着は1着賞金の3%、10着は1着賞金の2%と決められている。

 また、ます。レースに出走させると着順に関係なくもらえる「特別出走手当」というのがある。これは、重賞競争の場合は41万円、特別競争は38万5000円、1勝している馬のレースは37万円、1勝もしていない新馬・未勝利戦は35万円となっている。

 さらに、中央開催とされる東京競馬場、中山競馬場、京都競馬場で行われたレースに関しては、これらの金額に1万,000円を上乗せして支払われる。

 これ以外にも、「内国産場所有奨励賞」や「距離割増賞」、「父内国産馬奨励賞」などがあり、JRAの場合、ファンからのおカネを、まさにバラ巻いていると言える。こんな競馬は世界でも珍しく、日本は競馬関係者に至れり尽くせりの国だ。これなら、コスト回収は容易ではないかと思うが、そうでもないという。

 

■馬主はどうやって元を取るのか?

 

 知り合いの馬主が言う。

「元を取るという考えで行くと、月の厩舎預託費70万円を稼ぐには、月に2回レースに出走させれば出走手当だけで70万円を超えるので、これでランニングコストはカバーできるわけです。もし入賞すれば、これだけでプラスだ。

 しかし、そんな元気で丈夫な馬は少ない。休養期間もあるので、まあ、年間8〜10レースで御の字です。これで2、3勝してくれれば、その馬はパフォーマンスがよかったということになる」

 問題は、そんな馬ばかり何頭も持てないこと。出走すらできなかったり、1勝もできなかったりするわけで、その場合は当然、赤字。また、故障する馬も多く、馬主経済はそこまでうまくいくものでないという。

 

■セリに来る海外バイヤーが増えている

 

 というわけで、TPPの話に戻るが、価格の安いオーストラリア馬、アメリカ馬が、こうした制度の中でコストパフォーマンスがいいかどうかは、やはりやってみなければわからない。ただ、香港やシンガポールを見ると、日本でも十分通用するか、あるいは費用対効果の面では上かもしれないと言う。

 最近、日本産馬の活躍で、年々、北海道のセリに参加する海外バイヤーは増えているという。TPPが決まり、海外との取引が活発になれば、海外バイヤーはもっと増えるという見方もある。

 いずれにしても、TPPは今後の日本の競馬を大きく変えるだろう。そんな中で、オルフェーヴルを超える馬がどんどん出てくれれば、競馬はもっと面白くなる。

 

■では、最後に秋華賞の予想をすると

 

 昨年は、ジェンティルドンナで絶対だった。

 しかし、今年は中心が不在だ。それでも、オークス3着馬でトライアルのローズステークスを制したデニムアンドルビーがやはり1番手だ。ただ、この馬は後方一気というスタイルなので、前が崩れない傾向の秋華賞では危なっかしい。続くのは、オークス馬で2冠を狙うメイショウマンボ、それに上がり馬で武豊の乗るスマートレイアーだろう。

   と、当たり前のことを書いても、買うのはまったく違って、ティアーモだ。これも上がり馬だが、買う理由はそんなことではない。

 ヒデとロザンナの『愛の奇跡』が大好きだからだ。あの曲の中で、ロザンナが「ティアーモ ティアーモ ティアーモ、アモーレ、アモレミオー」と叫ぶのを忘れられない。ティアーモから馬単、馬連総流しだ。

 そう言えば、ヒデはいつもデニムをはいていたので、デニムアンドルビーの馬単、馬連は厚めに買うことにしよう。

 

第18回秋華賞

1-01 スマートレイアー       (牝3、武 豊・大久保龍志)

1-02 シャトーブランシュ      (牝3、北村友一・清水出美)

2-03 ティアーモ            (牝3、川田将雅・藤岡健一)

2-04 コレクターアイテム.     (牝3、秋山真一郎・須貝尚介)

3-05 セキショウ.           (牝3、吉田 豊・杉浦宏昭)

3-06 ウリウリ           (牝3、浜中 俊・藤原英昭)

4-07 トーセンソレイユ       (牝3、I.メンディザバル・池江泰寿)

4-08 マコトブリジャール       (牝3、柴田大知・鮫島一歩)

5-09 ノボリディアーナ.        (牝3、幸 英明・松永昌博)

5-10 サクラプレジール        (牝3、福永祐一・尾関知人)

6-11 リボントリコロール       (牝3、横山典弘・菊沢隆徳 )

6-12 エバーブロッサム.       (牝3、戸崎圭太・堀宣行)

7-13 リラコサージュ.         (牝3、池添謙一・藤原英昭)

7-14 デニムアンドルビー      (牝3、内田博幸・角居勝彦)

7-15 ビーナストリック.      (牝3、津村明秀・中野栄治)

8-16 メイショウマンボ.        (牝3、武幸四郎・飯田明弘)

8-17 ローブティサージュ      (牝3、岩田康誠・須貝尚介)

8-18 セレブリティモデル.     (牝3、松山弘平・牧田和弥)

 
G1予想[107]毎日王冠&京都大賞典+凱旋門賞(2013年10月6日) PDF 印刷
2013年 10月 07日(月曜日) 04:30

毎日王冠、京都大賞典(2013年10月6日)予想

  山田です。毎日王冠も京都大賞典も荒れないでしょう。実力馬が必ず勝ちます。で、日王冠は、コディ―ノとショウナンマイティの1点。京都大賞典はゴールドシップとトーセンラーの1点。これで間違いないでしょう。みなさん、どうか買ってください。 

 ボクですか?当然、この馬券は買いません。先週のスプリンターズS、ロードカナロアとハクサンムーンの1点で当てたので、2週連続、1点で当たる、しかも1番人気で当たるなんてことをしたら、競馬をやる(馬券を買う)資格を失ってしまいます。

 というわけで、毎日王冠は、最年長馬レッドスパーダから馬連総流し。京都大賞典も最年長馬ヒビケジンダイコから馬連総流し。その理由は、この2頭が、単に最年長馬7歳馬というだけ。これで来たら、卒倒でしょうね。

 

毎日王冠、京都大賞典、凱旋門賞(仏G1)の回顧

 まず、京都大賞典。来るわけがいない馬は本当に来なかった。ヒビケジンダイコはブービーのトレイルブレイザーから10馬身も離されたビリ。まあ、予想通りでひと安心です。一方の毎日王冠は、レッドスパーダが予想外の4着。かすりもしないことを願って買ったので、一瞬ひやりでした。

 やはり、年長者を敬って馬券を買う。そんなんで当たってはいけないのです。しかし、そのうち、当たることもあるかもしれません。実際、過去に何度もあった。

 よって、反省などしないのですが、言いたいことはあります。

 

 今週は、2回、悲鳴を聞く結果になりましたね。1回目は、京都大賞典でゴールドシップの大負け(約2馬身)。2回目は、凱旋門賞でオルフェーヴルの大負け(約5馬身)。どちらも、本当に大負け、完敗です。これで事前予想なんて、まったくあてにならないことがよくわかったと思います。この2つのレースで、悲鳴をあげた人間は、ギャンブルは止めたほうがいいと思います。

 単なるファンに徹して、馬券は買わないことをおすすめします。もし、それでも買いたいなら、みんなの競馬的予想はしないことです。するだけ時間の無駄です。

 

 しかし、凱旋門賞でオルフェが負けたからといって、泣きますか? フランスからの中継に芸人をつかって、負けたらレポートもできない醜態を見せて、バカバカしくないですか?

 池江調教師のほうが「力は出し切ったと思います。凱旋門賞はやはり重い扉でした。ヨーロッパの層の厚さをまざまざと見せられた感じです。また、強い馬を育てて勝つまで挑戦したい」と言ったように、よほど冷静でした。このコメントの重要な点は「ヨーロッパの層の厚さ」と言った点にあります。世界ではありません。それなのに、バカ芸人、およびタレント、メディアまで「世界はすごい。世界の壁は厚い」なんて言うのですから、やってられません。

 

 凱旋門賞はこれで3年連続、軽量牝馬が勝ったわけです。2011デインドリーム、2012ソレミア、2013トレヴ。ちなみに、トレヴはオルフェより5kg軽い。つまり、世界最強馬決定戦ではないのです。こんなレースに、日本本最強馬を送り込んでも意味がありません。本気で日本調教馬に勝ってもらいたいなら、たとえばダイワスカーレットのような牝馬を3歳の時点で送り込むべきです。

 しかし、カタール人はしっかりしている。トレヴが古馬初対戦だったヴェルメイユ賞を勝って4連勝した時点で、カタール人富豪のJoaan Bin Hamad Al Thani 氏がしっかり購入しているわけですから。

 このレースで、ボクがほかに注目していたのは、南米最強馬ブラジルのゴーイングサムウェア。やはり、見せ場もなく9着だったので、欧州の洋芝では、他地域の芝に慣れた馬は不利なのです。この目に見えないハンデがある限り、凱旋門賞は欧州馬場での最強馬決定戦であり、そこで勝っても日本で種牡馬にするなら、意味なしでしょう。もっとも、勝ってアラブ人に高く売りつけるのなら、今後も挑戦する意味はありますが。

 

 というわけで、来週からは競馬で悲鳴を上げ、なおかつ泣いたりしないようにしてください。悲鳴を上げたり、泣いたりするのは、「まさか勝つなんて」と、ありえないことが起こって、その馬券を握っているときだけにしてください。

 ほぼ全員が買っている馬が負けて、ほぼ全員がお通夜になるなんて、異常です。他のスポーツ競技なら別ですが、これは競馬。ギャンブルですよ。

 優勝劣敗とういスポーツをやっているのは、馬券を買えない騎手、調教師などと、馬主です。彼らは馬券から利益を得ているわけではありません。だから、勝つために努力しているのです。

 しかし、私たちは馬券を当てないと、生活に響くのです。それなのに、負ける人気馬、実力が断然だと思われている馬を買ってしまう。どうか、この哀しい習性を早急に改めてください。お願いします。

 
G1予想[106]第47回スプリンターズステークス (2013年9月29日) PDF 印刷
2013年 9月 28日(土曜日) 03:30

  いよいよ、秋のG1戦線が始まった。来週には、凱旋門賞がひかえている。はたして、オルフェーヴルは勝つのだろうか? 勝てば、その後、有馬記念に出走して今年を締めくくるわけだから、今年のG1戦線は、いやおうなしに盛り上がる。

 そこで、まず、私自身の予想のスタンス、競馬に対する考えをまとめておきたい。この欄で何度か書いているように、競馬予想は当てるためにやるものではない。いくら当てようと努力しても当てることは不可能だからだ。なぜそう言えるのか?

 以下、読んでほしい。

 

■なぜ予想は無意味か。投資と比較する

 

 ここでは、競馬を投資と考えてみよう。株と同じように馬券を買い、収益を上げられるかと考えてみよう。

 現在、投資の世界には、パッシブ投資とアクティブ投資の2通りのやり方がある。アクティブ投資というのは、いわゆるプロのファンドマネージャーが優良銘柄を選び、投資家はその選んだ銘柄に投資する。パッシブ投資では、初めから選ぶことを放棄(要するになにも考えない)し、ただ単に市場の平均(インデックス=世界全体の経済成長)に投資する。

 では、どちらが儲かるか? この答えは経済学では半世紀以上前に出ている。パッシブ投資である。なんにも考えないほうが、プロが考えた末に選んだ銘柄に投資するアクティブ投資を上回るのだ。もちろん、一時的にはパッシブがアクティブを下回ることもあるが、長期的には必ずパッシブが上回る。

 つまり、競馬も同じだ。考えるだけ無意味なのである。

 しかも、投資と違って、初めから25%の寺銭を取られているので、長くやればやるほど、予想して買おうとランダムに買おうと、的中と不適中を繰り返せば平均リターンは75%になる。要するに、予想は意味をなさない。

 

■データに基づいて検討すれば必ず答えは見つかる」はウソ

 

   では、こうした明白な事実がなにを物語るのだろうか?

 たとえば、競馬予想と学校の勉強と比較して見ると面白い。たとえば、学校では頭のいい子を集めた進学クラスは、当然、大学の受験合格率が高くなる。落ちこぼれクラスとなると、合格率はガクンと下がる。

 ところが、投資や競馬では、進学クラスと落ちこぼれクラスのリターン率は同じか、逆に落ちこぼれクラスのほうが上になってしまうのだ。そんなバカなと思うかたもいるだろうが、これは事実だ。

 つまり、このことから得られる教訓は、成績、血統、調子、騎手、コース適性などのデータをお勉強、検討し、じっくり予想するのは無意味ということ。まして、プロと言われる評論家、専門記者の見解を聞くことは、時間の無駄だ。彼ら予想家は、じつは、データなどなにも知らない素人、ド素人より、リターンで劣るのだ。

 じつはこれを証明する調査研究があるのだが、これを公表すると競馬メディアが成り立たなくなるので、いまのところ誰も公表していない。つまり、私たちは「専門家は素人よりすぐれている」「データに基づいて検討すれば必ず答えは見つかる」と、ありもしないこと信じているわけだ。

 

■人の意見を聞けば聞くほど、ドツボにはまる

 

 もう一つ。これも、競馬ファンが信じている、ありもしない思い込みだ。

 みんなの意見は案外正しい、という考え方がある。たとえば、ネットでの集合知や市場全体が出す結論は、少数の専門家が出す結論よりも正しいというものだ。競馬でも、本命になる馬は、多くのファンがそう結論した結果だ。それがオッズに反映される。

 しかし、そのオッズは本当に正しいと言えるのだろうか?

 「みんなの意見は正しい」となるためには、いろいろな見解を持った人が十分な数集まっていなければならない。集団に多様性が必要だ。同じような人間の集まりだったり、他人の意見に左右される人ばかりだったりでは、この考え方は成り立たない。

 そこで競馬だが、競馬サークルは同じような人ばかりで、みんな確信がもてない不安から他人の意見に左右されてばかりいる。したがって、この考え方は通用しない。競馬とは、人の意見を聞けば聞くほど、ドツボにはまるゲームだ。

 

■人間が勝手に「堅いレース」「荒れるレース」をつくっている

 

 テレビの競馬中継は100万年1日で、同じことを繰り返している。出演者(タレントと評論家)が、自分の予想を披露して、ああでもないこうでもないと言うだけ。その論法はいつも決まって「この馬を押します。そのワケは?」。これの繰り返しだ。

 しかし、その予想が当たること、外れることにワケなどない。

 前述したように、彼らがワケとする成績、血統、調子、騎手、コース適性などは、無意味だからだ。それなのに、こうしたデータがことごとく覆されて大穴が出たとき、全員、言葉を失って、こう言う。

 「荒れましたね」

  結局、人間が勝手に「堅いレース」「荒れるレース」をつくっているのだ。

 

■馬単でロードカナロア、ハクサンムーン、10-7の1点

 

 さてスプリンターズSだが、今回は、ロードカナロアで断然だろう。セントウルステークスで敗れたが、58キロで休み明け。今回は同斤量で、叩かれての上昇も見込める。となれば、ハクサンムーンを差し切れる。

 と、これが大方の見方だが、今回はこの大方の見方のとおり馬券を買う。

 つまり馬単で、ロードカナロア、ハクサンムーン、10-7の1点。

 考えるのが面倒なときは、大方の見方どおり買って負けるのが、もっとも正しい負け方ではないだろうか。自分で考えて負けると、やはり悔しいからだ。考えないで負ける。これが、いちばんすっきりする。

 すでに中秋の名月もすぎたので、ハクサンムーンは飛ぶだろう。

 

 第47回スプリンターズステークス(GI・芝1200m)

  1-1 グランプリボス(牡5、内田博幸・矢作芳人)

  1-2 フォーエバーマーク(牝5、村田一誠・矢野英一)

  2-3 アドマイヤセプター(牝5、四位洋文・橋田満)

  2-4 サンカルロ(牡7、吉田豊・大久保洋吉)

  3-5 マヤノリュウジン(牡6、池添謙一・庄野靖志)

  3-6 ドリームバレンチノ(牡6、松山弘平・加用正)

  4-7 ハクサンムーン(牡4、酒井学・西園正都)

  4-8 パドトロワ(牡6、勝浦正樹・鮫島一歩)

  5-9 サドンストーム(牡4、武豊・西浦勝一)

  5-10 ロードカナロア(牡5、岩田康誠・安田隆行)

  6-11 スギノエンデバー(牡5、蛯名正義・浅見秀一)

  6-12 アウトクラトール(牡8、伊藤工真・宮徹)

  7-13 サクラゴスペル(牡5、横山典弘・尾関知人)

  7-14 マイネルエテルネル(牡3、柴田大知・西園正都)

  8-15 マジンプロスパー(牡6、福永祐一・中尾秀正)

  8-16 シルクフォーチュン(牡7、戸崎圭太・藤沢則雄)

 
G1予想[105] 番外:2013年夏競馬の全予想を採録 PDF 印刷
2013年 9月 27日(金曜日) 19:30

  春の最終G1「宝塚記念」が終わってからも、ネット放送キンキンTVの番組「スマート競馬」に予想を送ってきた。毎週、金曜までに「予想」をメールで送り、レース後の週明け月曜日に「回顧」を送るというパターン。松井政就くんも同じパターンで送った。

 番組では森朝子さんと井口保子さんが、私たちの予想を紹介してくれた。以下、今年の夏、メールで送った私の予想のすべてを採録する。

 

■神戸新聞杯、オールカマー(2013年9月22日)予想

《神戸新聞杯》

 セントライト記念は500万下を勝ったばかりの馬が勝ちました。それで、春のクラシック路線に乗った馬より、秋の上がり馬だというムードになっています。しかし、エピファネイアは皐月賞、ダービーとも2着。ここでは、断然です。ここで3着までに入らなかったら、菊花賞に出ても通用するはずがありません。

 と書いてきて、ではなにを買うかといえば、トーセンハルカゼです。前走は新潟で3着完敗、しかもたった1頭の関東からの参加、秋なのに「ハルカゼ」。いったいなにを考えているんだ、という神戸新聞杯への出走ではないでしょうか。これだけ要素がそろったら、買うしか、ないでしょう。

 相手は、先日、女子大生が殺害されたトルコのカッパドキア。どちらもキングカメハメハ産駒。キングカメハメハ産駒はこの2頭しかいません。馬連1点勝負です。

《オールカマー》

 オールカマーだから何が来てもいいのです。でも、やはり、人気のダノンバラード、メイショウナルトなんかを買われることと思います。かつてボクに有馬記念を取らせてくれたオーシャンブルーも出ていますので、買われるといいかと思います。

 ただ、ボクは買いませんが。

 今回は、ハナズゴールとマイネルキッツの馬連1点勝負です。ハナちゃんは、たった1頭の4歳、しかも牝馬です。一方、マイネルはなんと10歳のジジイ馬。いつまで走るんだ、このジジイはと驚くばかりです。

 花盛りの乙女に引退引き延ばしジジイ。この組み合わせ、本当に怪しい気がしませんか?

★神戸新聞杯、オールカマー(2013年9月22日)回顧

 いま酔っぱらって、F1シンガポールグランプリを見ています。2、3分ですぐ終わる競馬より、面白いかも。

 さて、オールカマーですが、色でいくべきでした。ヴェルデグリーンですからね。色馬は、この馬とオーシャンブルーの2頭しかいませんでした。このオールカマーですが、この前オルフェーヴルが勝った仏フォア賞より、格上で、出走馬も格上。あのフォア賞はクズ馬しか出ていませんでした。フランス、ひどすぎる。

 神戸新聞はエピファネイアが抜けていましたね。あとは全部クズ馬。もし、エピファが菊花賞に出ないと、史上最低のクズ馬菊花賞になるでしょう。それでも、英セントレジャーよりましか。

 

■セントライト記念、ローズS(2013年9月15日、17日)予想

《ローズS》

 オークスの1、2、3着馬、メイショウマンボ、エバーブロッサム、デニムアンドルビーがそろって出走。もし、この3頭がそろって着外に沈めば、オークスはいったいなんだったのか?ということになる。オークスの「3歳女王決定戦」という価値は、その瞬間、消滅してしまう。

 まあ、一馬券購入者としては、そんなことはどうでもいいのだが、それでは困る方々もいるだろう。やはりG1はG1でなければならないと―—。

 しかし、やはり私は一馬券購入者。そんなことはどうでもいい。

 というわけで、ここはオークスの最低着順馬17着のレッドオーヴァルを頭にして、馬連総流しということにしてみた。どうだろうか?

《セントライト記念(2013年9月17日)》

 今週、徹底的にアタマを使いたくないなら、買い方は超カンタンだ。田中マー君のプロ野球新記録21連勝。バレンティンのホームラン新記録56号おめでとうということで、枠連で1−6、5−6の2点勝負と、もう答えは決まっている。というわけで、ここは素直に、枠連で1−2、5−6の2点勝負でいいんでは。

  

■京王杯AH&セントウルS(2013年9月8日)予想

 みなさん、早いですが、以下、ボクの予想を送ります。

 今週は競馬よりオリンピックです。まあ、日曜の朝には結果が出るので、競馬には影響しません。しかし、ボクの場合は違います。現在、イスタンブールを本命にして、目いっぱいいっていますから、東京になったら、日曜日は具合を悪くして寝込んでいるでしょう。競馬なんかできるはずがありません。


   現在、英国の「オッズチェッカー」によると、東京は8対13(約1.62倍)で、断然の1番人気。2番人気はイスタンブールで10対3(約4.3倍)、3番人気がマドリードで4対1(5.0倍)です。

 

  しかし、東京の1番人気はブックメーカーの「釣り」でしょう。1番人気の倍率を低くし、あたかも大本命のように見せて、賭け金アップを狙っているのです。

で、過去2回を見ると、前回はシカゴが1.72倍で断然の1番人気。リオデジャネイロ3.25倍、東京8.0倍、マドリード12.0倍で、2番人気リオデジャネイロの勝ち。前々回は、パリが1番人気で1.25倍、ロンドンが2番人気で3.75倍、3番人気ニューヨーク13.0倍、4番人気マドリード34.0倍、5番人気モスクワ101倍で、ロンドンの勝ち。

 

   いずれも2番人気が勝っています。というわけで、今回も2番人気のイスタンブールというわけです。



 さて、京王杯ですが、イスタンブールとはなんの関係もない横山親子、ルナとレオアクティブの1点勝負です。ルナが逃げ切り、レオが差して2着。まあ、逆でもいいので馬連で。

続いて、セントウルSですが、ここは、3歳牝馬、最軽量52キロの浜中ローガンサファイアの一発。相手はやはりロードカナロアでしょう。ロードカナロア厚めに、馬連総流し。

   ではみなさん、イスタンブールで会いましょう。

★京王杯AH&セントウルS(2013年9月9日回顧)

 オリンピック開催地も、競馬も、外しました。なにも言うことなしです。茫然自失です。ただ、東京になったことは喜んでいます。

 うちの娘は、夏休みでフィンランド、スウェーデンに行っていて、昨夜パリ経由でJALで帰ってきましたが、機内アナウンスで流れると、みんなバンザイと叫んだそうです。

 これで、あと7年間、がんばって生き抜き、生涯2回目の自国開催オリンピックを見ようという気になりました。ちなみに、前回は国立競技場で、「つぶらや、頑張れ!」と叫び、日の丸を振りました。小学6年生でした。

 

■新潟記念、小倉2歳S(2013年9月1日)予想

 今回の新潟記念は、ハンデ戦とはいえ、実績で勝るトレイルブレイザーが1番人気確実だ。続くのがエクスペディション、ダコールなどだろう。上がり馬のニューダイナスティも人気を集めそうだ。

 しかし、ポイントはなんといっても、藤圭子の飛び降り自殺の衝撃が覚めないことにある。人生とはなんでこんな哀しくつらいのだろうか?

 結局、「15、16、17と私の人生暗かった」のが、一時期、明るくなったのに、また最後は暗くなってしまったということなのか? そうではない。

 彼女は、あのときの「もし」がなければ、別の人生を送っていたのだ。じつはワイドショーでも週刊誌にも取り上げられていない彼女の心の傷は、1980年の夏の出来事にある。ニューヨークに渡り、新居を借り、家具をそろえて、日本から来る新進作家を待っていた。しかし、彼は来なかった。この悲恋が、すべてを狂わせたのだと、私は思っている。

 というわけで、新潟記念は「15、16、17と私の人生暗かった」を晴らすために、1−5、1−6、1−7の枠連3点で勝負する。

 もちろん、ほかのレース、小倉3歳、函館3歳も全部同じ、枠連勝負だ。

★新潟記念(2013年9月2日)回顧

 今回は、以下、ボクが書くことを、よく心に刻んでください。

 久しぶりに、テレビの競馬中継を見ました。そして、いま、がっくりきています。100万年前と、なにも変わっていないからです。出演者(あえて名前を書かない。ようするにタレントと評論家)が、自分の予想を披露して、ああでもないこうでもないと言うだけだからです。

 「この馬を押します。そのワケは?」この論法の繰り返しです。

 さて、今日の新潟記念はハンデ戦です。これは、定量戦とは違う予想でのぞむのが、「競馬の常識」です。なぜなら、ハンデがついているということは、どの馬も1着になれるということだからです。それなのに、出演者は、「新潟が得意」「コース実績がある」などと言っている。これは、アタマからハンデキャッパーを馬鹿にし、このレースそのものを否定している考え方です。しかし、このことに誰も気がついていない。聞いていて、こちらのアタマがおかしくなりました。

 勝ったのは誰も予想に挙げていなかったコスモネモシン。

 全員、言葉を失いました。結局、「新潟記念は荒れるんですね」「大波乱なんですね」と言うだけ。そんなわけがない。これは、荒れたわけでも、大波乱でもないのです。

 大荒れ、大波乱は予想者のアタマの足りなさのほうで、レースのほうはハンデ戦として当然の結果のわけです。繰り返します、これはハンデ戦です。どの馬が勝ってもいいのです。そのように、ハンデキャッパーがつくったレースです。

 というわけで、今後、みなさん、ハンデ戦だけは、予想の仕方を変えてください。「コース実績」とか「前回着順」とかで考えるのは、レースそのものの否定です。もし、競馬ファンと自任するなら、これほどレースを冒涜している予想はないわけで、それではファンとは言えませんよ。せめて、誕生日で買う、時事ニュースで買う、サイコロを転がして買う、ゴロ合わせで買うなどしてください。

 ところで、最後に書きますが、今回の正解は、回数で買うです。今回の新潟記念は、第49回でした。これは、馬連4-9の1点でとれます。これで、なんと20,450円です。もう、自分のアタマで考えるのをやめましょう。

 

■北九州記念、札幌記念(2013年8月18日)予想

 みんなの意見は案外正しい、という考え方があります。ネットでの集合値や市場全体が出す結論は、少数の専門家が出す結論よりも正しいというものです。しかし、そうなるためには、いろいろな見解を持った人が十分な数集まっていなければなりません。同じような人間の集まりだったり、他人の意見に左右される人ばかりだったりでは、この考え方は成り立ちません。

 そこで競馬ですが、競馬サークルは同じような人ばかりで、みんな確信がもてない不安から他人の意見に左右されてばかりいます。したがって、この考え方は通用しません。人の意見を聞けば聞くほど、ドツボにはまります。

 というわけで、ここはロゴタイプ。みんながそう言っているからではありません。

 母の名前がステレオタイプだからです。ステレオタイプとは「型にはまった考え方」「固定観念」といったところ。私がもっとも嫌いなことです。

 その母が生んだ子供が「ロゴタイプ」。血統と名前から、これほど「未来を感じさせない」馬はいません。こんな馬がなぜG1を2つも勝ったのでしょうか。

 というわけで、ロゴタイプの単と、馬単、馬連で総流しです。

(以下は、松井政就くんの予想)

 ぼくは今、毎朝「あまちゃん」を見て、毎晩「エヴァンゲリオン」を見ています。こんな生活をもうかれこれ3ヶ月続けていますが、いったんやり始めると、その2つがないと一日が始まらず、一日が終わりません。

 その日何か驚くことがあると「じぇじぇじぇ!」と言い、嫌なことがあると「ATフィールド!」と言ってはねのけています。知らない人には何のことかわからないと思いますが、この一言で、ぐだぐだモヤモヤしたことが、スッキリ解決してしまうのです。丁度いま松屋銀座でエヴァンゲリオン展をやっていますので、是非見に行ってみてください。ATフィールドの意味がわかります。知っていると知らないとでは、じぇじぇじぇ!に並びます。

 というわけで、札幌記念は武豊に任せトウケイヘイローから総流し。北九州記念は3-7、3-8、4-7、4-8、7-8、8-8の6点とします。

★北九州記念、札幌記念(2013年8月19日)回顧

 函館で行なわれた札幌記念は、やはり函館記念だった!

 函館記念の結果:1、トウケイヘイロー 2、アンコイルド 3、アスカクリチャン

 札幌記念の結果:1、トウケイヘイロー 2、アスカクリチャン 3、アンコイルド

 つまり、2、3着が入れかわっただけです。ようするに、予想しても仕方ないといことでしょう。なんも考えず、すでに答えが出ている函館記念を、今回も買えばよかったわけです。やはり、暑いので、考えるのは、やめましょう。

 

■関屋記念(2013年8月11日)予想

 日本中、灼熱地獄です。関屋記念は、熱帯で競馬をするようなもので、馬のことを考えたら、やるべきではないですね。夏競馬は、ぜんぶ、北海道でやるべきです。馬がかわいそうなら、馬の代わりにラクダ競走でも、ボクはかまいませんが。

 さて、これだけ暑いと、頭がまわりません。で、いちばんシンプルな方法で予想です。それは、色。

 今回の出走馬で、色を持っているのは、ドナウブルーとレッドスパーダの2頭。青と赤。この2頭の馬連と、枠の青と赤、つまり3−4を買いましょう。

この2頭が、青枠(4)、赤枠(3)に入れば鉄板です。

  松井ちゃん、枠予想にして、失礼。

★関屋記念(2013年8月12 日)回顧

 山田の今回の予想、枠は完敗です。ただ、レッドスパーダ、ドナウブルーの1点勝負は、ゴール前50メートルまではぴたりでしたね。よって、反省などないのですが、それにしても暑すぎます。このまま日本は熱帯になってしまうのか?

 さて、8月15日の終戦記念日が近づきましたが、本当の終戦記念日は9月2日です。

  この日、戦艦ミズーリで降伏文書の調印が行なわれました。これが、本当の終戦です。8月15日は単に、天皇が降伏すると放送した日です。よって、今週は2−9の1点勝負でいきませんか?

 

■アイビスサマーダッシュ、クイーンS(2013年7月28日)予想

 今回は、本質的なことをちょっと長めに書いておきますので、よく考えてください。

   なぜ、競馬予想は無意味か、データで考えても意味がないか、その理由です。

 投資の世界には、パッシブ投資とアクティブ投資があります。アクティブではプロのファンドマネージャーが優良銘柄を選んで投資します。パッシブでは、なにも考えずに、市場の平均(インデックス=世界全体の経済成長)に投資します。

 では、どちらが儲かるでしょうか? この答えは経済学では半世紀以上前に出ています。パッシブ投資です。なんにも考えないほうが、プロのアクティブ投資を上回るのです。パッシブがアクティブを下回ることもありますが、長期的には同じか上回るのです。

 競馬も同じです。

 投資と違って、初めから25%の寺銭を取られているので、長くやればやるほど、予想して買おうとランダムに買おうと、平均リターンは75%になるのです。これは、学校の勉強とはまったく違う話です。学校では頭のいい子を集めた進学クラスは受験合格率が高くなります。しかし、落ちこぼれクラスとなると合格率はひどいものです。

 ところが、投資や競馬では、進学クラスと落ちこぼれクラスのリターン率は同じか、逆に落ちこぼれクラスのほうが上になるのです。

 で、このことからの教訓は、成績、血統、調子、騎手、コース適性などのデータをお勉強、検討し、じっくり予想するのは無意味ということです。まして、プロと言われる評論家、専門記者の見解を聞くことは、時間の無駄です。素人、ド素人より、リターンで劣るからです。

 これを証明する調査研究がありますが、これを公表すると競馬メディアが成り立たなくなるので、いまのところ誰も公表していません。つまり、私たちは「専門家は素人よりすぐれている」「データに基づいて検討すれば必ず答えは見つかる」と、ありもしないこと信じているのです。

 この思い込みを、どうか、みなさん捨ててほしいと思います。

 ボクが、なんでこんな予想しているかと、今日まで不思議に思われたかもしれません。

「変わっているわね」と思われたかもしれません。

   同じく、松井クンの予想も、そう思われたでしょう。しかし、オーソドックと言われる予想のほうが、じつは間違っているのです。ボクや松井クンのがやっている予想のほうが、はるかに経済合理性、理屈に合っているのです。というわけで、今日までこのことは言いませんでしたが、ここでよく考えてみてください。

 では、アイビスサマーDですが、ここは、プリンセスメモリーから総流しです。なんていったって、キャサリン妃が王子さまを生んだのです。プリンセスが来るに決まっています。

  プリンセスにはティアラがつきものなので、本線はビラゴーティアラです。

 続いて函館クイーンSですが、ここはデープ産駒2頭、マルセリーナ、キャトルフィーユの1点勝負です。2頭出しの種牡馬はディープだけなので、この1点だけに絞りました。 

 みなさん、くれぐれもプロに騙されないようにしましょう。 

★アイビスサマーダッシュ、クイーンS(2013年7月29日)回顧

 函館クイーンSですが、来たのはファルブラブ産駒2頭。アイムユアーズ、スピードリッパーでした。ディープ産駒2頭でなく、ファルブラブ2頭だったわけです。ファルブラブ産駒が2頭出ているなんて知りませんでした。なにしろ、昨日から新聞を見ていない。

 新潟アイビスですが、ハクサンムーンが勝ったので、さっき外に出て空を見たら、月はやはり半月より欠けている状態。先週は満月だったのに。満月なら買おうと思っていたのですが、まあこんなもんです。

 プリンセスは子供(王子)を連れて実家に帰ったので、やはり買うべきではなかったということでしょう。というわけで、今週は夏休みですね。

 

■中京記念(2013年7月21日)予想

 山田です。今週、番組は休みと聞いていますが、惰性で予想しました。また、松井ちゃんの予想を知りたいので、松井ちゃんもメールお願いします。では、私の予想を送ります。絶対、参考にしないでください。

  中京記念は簡単です。枠で1−6の1点か、小牧騎手シャイニーホークからの総流しです。

 中京地区では、これまで大きな合戦が2回ありました。一つは、1600年9月15日の関ヶ原。よって、枠は1−6です。もう一つは、1584年の小牧•長久手の合戦。よって、小牧騎手から総流しとなるわけです。ちなみに、中京記念は圧倒的に1枠が出るレースです。

 

■函館記念(2013年7月14日)予想

 函館記念は、今年いちばん簡単な「お子ちゃまレース」です。4歳馬、エアソミュール、トウケイヘイロー、サトノギャラントの3頭立てです。よって、予想する意味がありません。偏差値35でも的中できます。猛暑なので、頭を使うのはやめましょう。

   今週の朗報は、ジェンティルドンナが凱旋門賞を止めたことです。あと、「騎手の一分」で藤田騎手が言っていることは、大方は正しいのですが、エージェント制については、どうかなと思います。結局、強い馬に乗らせてもらえなければ勝てないと言っているだけです。弱い馬でも勝ってみろよ!と、声を大にして言いたい!

★函館記念(2013年7月15日)回顧

 トウケイヘイローの逃げ切り、2着もアンコイルド、4歳馬の行ったきり、でしたね。洋芝で直線が短いのだから、追い込めません。サトノギャラントは外を回り、やはりと届きませんでしたね。

 というわけで、おこちゃまレースでも、展開を考えなければいけないというわけです。しかし、展開というのはレースが始まってみないとわからないわけで、

考えるだけ無駄でしょう。

 というわけで、今週は、選挙当日に、灼熱のなかで、中京記念。馬も騎手も、やってられないでしょう。選挙と違って、大波乱か?

 

■七夕賞(2013年7月7日)予想

 では、ボクも今週忙しいので、いま時間があるうちに送ります。

 七夕賞は、最近、財政が日本国並みに逼迫しているので、「ユニバーサルバンク」(宇宙銀行)から、入金狙いです。七夕の日なので、相手本線は、「空」を見上げて「タムロスカイ」、月が出てたら「ニシノメイゲツ」、「夢」がかなえば「マックスドリーム」の3頭。

 それ以外は、馬連で総流しです。では、松井ちゃん、イタリアに行ったら古都ボローニャに行き、トスカーナのワインで飲んだくれてください。

 ★七夕賞(2013年7月8日)回顧

 梅雨が明けて、一気に猛暑になってしまい、これでは馬もやっていられないでしょう。

   この夏の競馬は、大変です。福島はシンガポールより暑いですよ。

 さて、七夕賞ですが、勝ったマイネルラクリマと柴田大地騎手を賞賛する声がありますが、騎手はいいとして、馬の方はくず馬にすぎません。もう一度追いかけると、えらい目にあいますよ。いずれにしも、ミキティの子供の父親は誰なのか?それがわからないと、今週の函館記念は予想ができません。

 では、また。

 

■ラジオNIKKEI賞、CBC賞(2013年6月30日)予想

《ラジオNIKKEI賞》

 いま、クールジャパンがさかんに言われています。成長戦略の一つです。よって、ここはカシノピカチュ。ピカチュは、かつて海外で大ヒットした日本コンテンツの代表です。馬連総流し。

《CBC賞》

 空前の大ヒット!「進撃の巨人」は2000万部を超えました。アニメもすごい。しかし、このメンバーに、エレンもミカサもいない。仕方がないので、巨人をあきらめ、魔人で妥協。マジンプロスパーから馬連総流し。

★ラジオNIKKEI賞、CBC賞回顧(2013年7月1日)

 両レースとも的中です。

 まあ、年に2回ぐらいの出来事なので、自慢したいところですが、予想に根拠がないので、書きようがありません。ただこれで、合理的な根拠がある予想をしても無駄だということは、わかっていただけたと思います。 

   マジンプロスパーは、進撃の巨人の代用ですし、カシノピカチュウはクールジャパンの使者です。だから、それがなんのだ?と言われても、答えようがありません。

   カシノピカチュウとケイアイチョウサンで馬連は4万馬券。思わず、吹き出してしまいました。これで、秋のG1まで20連敗は確定でしょう。

   というわけで、みなさん、競馬新聞、スポーツ紙、評論家予想には「答」が書いていないことを、思い知ってください。では、また。

 

★宝塚記念回顧(2013年6月24日)

 以下、宝塚記念をまともに反省してみました。

 こんなまともなこと、本来ならしないのですが、今日はじっくりレースを見ていたので、やってみます。なにしろ、ジェンティルドンナの1強と思っていたら、まったく違っていたので。

  ゴールドシップに3馬身差。しかも、2着ダノンバラードさえ交わせない。これでは、女王返上でしょうか? いやいや、やはり2分13秒台の決着なので、馬場がよくなかったと見るべきです。

 この時期、雨さえ降らなければ、オーバーシード採用の阪神でも、野芝がびっしり生えそろい、日本特有の高速馬場になります。ところが、今回は良とはいえかなり重かった。そんな馬場になったため、ジェンティルは切れなかったと見るべきです。フェノーメノも同じです。

 というわけで、この秋、舞台が代われば、ジェンティルとフェノーメノはまだやれます。東京の野芝の高速馬場なら、おそらくゴールドシップには負けないでしょう。

 ただし、この結果から見ると、ジェンティルは洋芝の欧州競馬に遠征すべきではありません。代わりにゴールドシップが行くべきです。ステイゴールド産駒は洋芝に強い。オルフェも凱旋門賞で惜敗2着するくらいなので、間違いないでしょう。

 しかし、ディープインパクト産駒は、洋芝がからっきしダメなようです。

 というわけで、暮れの有馬記念をいまから早々に予想すると、この時期、中山の野芝は枯れてオーバーシードの洋芝が馬場をおおっていますから、ジェンティルにはきつい。

   つまり順調なら、ここもゴールドシップとオルフェーヴルでしょう。

 ちなみに、函館は野芝をはがして全面洋芝にしたコースですから、函館で行かれる方は、それまでの中央馬場の成績は全部無視したほうがいいですね。

 

 
G1予想[104]第54回宝塚記念(2013年6月23日) PDF 印刷
2013年 6月 20日(木曜日) 11:28

 ローゼンケーニッヒの単とジェンティルドンナの単

 4歳3強、ジェンティルドンナ、フェノーメノ、ゴールドシップの対決。この3頭以外はほぼ圏外。かろうじて武豊騎乗もあって、トーセンラーがどこまで食い込むか、という下馬評である。結局、メディアも評論家もいろいろなことは言っているようでも、結論はこれに尽きている。本当に、これほど定型化、パターン化した予想はないだろう。レース自体は面白いと思うが、事前の予想レースはまったくつまらない。

 ただ、私自身は、3強とは思っていない。ジェンティルドンナの1強だと思っている。この馬は、牝馬ながら抜けていると思っている。

 ■

 さて、実際のレースだが、シルポートが逃げると決まっているので、イメージしやすい。前走の安田記念でビリの18着惨敗だが、逃げ馬に着順は関係ない。

 宝塚記念の逃げで思い出すのは、1992年、あっと驚く逃げ切りを決めたメジロパーマー、そして2008年に同じく逃げ切ったエイシンデピュティだ。もっと逃げ切りがあるように思ったが、この2例だけだから、シルポートの可能性は薄い。馬場、ペース次第でどこまで持つか、ということだろう。

 つまり、逃げ切るとは考えづらい。となると、それなら買おうという人間が現れる。

■

 これまで長く競馬をやってきたが、馬券を買う人間は、ほぼ間違いなく「何らかの理由」を見つけ、自分を納得させて馬券を買っている。もし、ガチガチの本命馬を買うなら、買う理由は最強である。なにしろ実績は断然だし、専門家からメディアまで「この馬で間違いない」と言っているからだ。

  競馬が面白いのは、買うための理由(データ)をそれこそ山のように提供してくれるからだろう。実績、調教、距離、血統、展開、騎手、馬場、過去の傾向など、挙げればキリがない。

 馬券を買う人間は、これらのデータを組み合わせるか、またどれかに絞って買っている。

■

 穴馬ばかり買うという人間もいる。穴馬の場合も、理由がいる。シルポートのような馬なら「逃げ切りがあるのでは」という大きな理由がある。雨が降れば、重馬場実績だけで、穴馬を狙うこともある。宝塚記念は梅雨時に行われ、今回も台風による大雨が降る可能性があるから、それを願っている人間もいるだろう。

  もちろん、競馬それ自体と関係ない買い方もある。他人の予想に乗る。自分の誕生日の日付で買う。語呂合わせで買う。ラッキーカラーで買う。時事ネタで買うなどだ。2001年の有馬記念「マンハッタンカフェ、アメリカンボス」も、9.11(ナインイレブン)の年なので、「アメリカ馬券」という立派な理由があった。

■

 と、ここまで長々と書いてきたが、結局、「競馬とは理由探しだ」ということが言いたかっただけである。競馬ファンは、1週間(いやそれ以上)かけて、理由を探しているだけに過ぎない。これまで私は、的中したとき、「なぜ、それを買ったのか?」と聞かれて、理由を言えなかった人間を見たことがない。これは、枠番や馬番を勘違いして買ったケースも含めてだ。

 というわけで、今回の宝塚記念は、ローゼンケーニッヒの単勝を買う。なぜと聞かれても答えられない。理由なしだからだ。理由なしで馬券を買う。これこそが、私の理想。じつは、本当のギャンブルとはこういうものではないか?と思っている。これは、 10年以上前から、ずっとそう思っている。

■

 ただし、ローゼンケーニッヒの10倍の額をジェンティルドンナの単勝に入れます。すいません、こちらは「この馬が最強と信じている」という理由があるからです。申し訳ありません。

■

 第54回宝塚記念 (3歳上・GI・芝2200m・1着賞金13200万円)

 ( )内は性齢、騎手・調教師
1-01 ヒットザターゲット.        (牡5、福永祐一・加藤敬二)
2-02 タニノエポレット.         (牡6、浜中  俊・村山明)
3-03 フェノーメノ             (牡4、蛯名正義・戸田博文)
4-04 ダノンバラード          (牡5、川田将雅・池江泰寿)
5-05 シルポート.            (牡8、酒井  学・西園正都)
6-06 トーセンラー         (牡5、武  豊  ・藤原英昭)
6-07 スマートギア         (牡8、松山弘平・佐山優)
7-08 ナカヤマナイト.        (牡5、柴田善臣・二ノ宮敬宇)
7-09 ローゼンケーニッヒ       (牡4、C.ウィリアムズ・橋口弘次郎)
8-10 ゴールドシップ.        (牡4、内田博幸・須貝尚介)
8-11 ジェンティルドンナ .       (牝4、岩田康誠・石坂正)

 
G1予想[103]第63回安田記念(2013年6月2日) PDF 印刷
2013年 5月 31日(金曜日) 23:50

ダークシャドウとカレンブラックヒルが本線

 

  橋下徹氏の「慰安婦」発言を、約2週間にわたって追いかけてきたが、どうやら、昨日の大阪市長問責決議の否決で幕引きになりそうだ。結局、自爆したってことなのだろうか。本当に、残念である。橋下氏には、自説を曲げず、ずっと発言を続けてほしかった。

  と思っていたら、今度は、ドワンゴ会長の川上量生氏の「日本では最下層の人間が全部ネットにぶら下がってる」発言があった。ただ、これもネットピープルを刺激しただけで終わりそうだ。彼は昨年11月にも「ネットは屑ばっかりだな」とツイッターで発言し、ネットピープルの憎悪を買った。

  橋下発言も川上発言も、おおむね事実である。ただ言ってはいけない事実である。

 ■

  ところで、先週のダービーで、武豊の時代はもう終わった、日本に「キズナ」が必要だったのは2年前の震災時でいまではない”とブログで切り捨てたら、なんと勝ってしまった。

  本当、世の中、先が読めなくなった。(自分だけか?)

  ただ、株価に関しては予想が当たった。というより、アベノミクスはバブルなのだから、当然、どこかで崩れる。そのときが、先週やってきた。なんと1000円以上の暴落だ。

  しかし、これを大方のエコノミストは「調整局面」と言った。しかし、ヘッジファンドはすでに日本株の手仕舞いに入ったのだから、「終わりの始まり」だ。そうブログに書いたら、昨日はまた700円という暴落になった。

  このまま下がり続ければ、じきにみんな気づくだろう。日本経済は、アベノミクスのような金融・財政政策だけでは復活しないと。

 ■

  安田記念は、こうしたムードのなかで行われる。今年のメンバーは豪華だ。G1のタイトルホルダーがそろった。そこで注目は、スプリントG1の王者ロードカナロアがマイルで通用するかどうかだろう。

 こうなると、過去データや血統データで、ああでもない、こうでもないと悩むファンがいる。さっき、ネットを見たが、川上氏言うところの「屑人間」たちが、案の定、そういうことを書きこんでいた。

  過去データも血統データも無視が、正しい競馬予想のあり方だ。いまや株を買っているのは人間ではない。コンピュータだ。コンピュータのアルゴリズム取引で、株は1000分の1秒単位で売買されている。競馬も同じだ。先週判決が出た「馬券脱税裁判」を見ればわかるように、馬券を買ったのは被告人ではない。コンピュータソフトだ。

  そんな時代に、私たちのような「屑人間」が、自分のアタマを使って馬券を買ってどうするのか? その結果は明らかだろう。

 ■

  よって、馬券は、コンピュータができない方法で買わなければならない。つまり、すべてのデータを無視することだ。というわけで、安田記念は、ダークシャドウとカレンブラックヒルの馬連が本線となる。これにナカヤマナイトを押さえてみる。その理由はあってないようなものだが、まあ、いまの世の中が「暗い」からだ。

  暗い=「ダーク」から、やがて真っ暗になるとして「ブラック」と「ナイト」を押さえる。こういうことです。

  明るくなると思う方は、たとえば、グロリアスデイズ、スマイルジャックなんかはどうだろうか?

 
G1予想[102]第80回日本ダービー(2013年5月26日) PDF 印刷
2013年 5月 23日(木曜日) 22:43

皐月賞と着順が入れ替わるだけ

 

 先週のオークスまで、今年のG1は例年になく荒れている。

 オークスは、最近の傾向として桜花賞上位組がそのまま来ることが多かったが、今回は桜花賞組とはいえ、二桁着順10着に敗れていたメイショウマンボが勝ち、着順上位馬はすべて消えた。

 私は、桜花賞でいちばん着順が悪かった馬16着のクラウンロゼから流したが、なんと今回も二桁着順、それもビリの18着に終わった。ただ、この馬は中間具合を悪くし、やっと出走にこぎつけたので、当然の結果だ。・

 それにしても、今回のオークスで、競馬予想において、前回の結果がいかに役立たないかがわかったと思う。私は、すでに10年以上前から、前回着順に限らず、成績、距離、血統、傾向など、あらゆる過去データを無視することにしてきた。

 ここで、毎回、前回と同じ結果になるゲームを想像してみてほしい。おそらくこれが3、4回繰り返された時点で、そのゲームには誰も参加しなくなるはずだ。なぜなら初めから結果がわかっているので、賭けが成立しなくなるからである。

 

 それなのに、なぜ、競馬ファンも評論家も過去データを重視し、毎回、同じことを繰り返すのだろうか? それは、人間というのが「過去にあったことは未来にも起こる」という誤った観念で生きているからだろう。

 ところが、未来はどんな過去とも違う。だからこそ未来なのであって、過去の繰り返しなら、それは未来ではない。

しかし、競馬ファンと評論家は、過去と違う未来になると、なんとひと言「荒れましたね」で終わりだ。

 こんなのは、競馬ではない。まして、ギャンブルとは呼べない。そんなことをするなら、データを分析することでちゃんとした答に行き着く「学問」「研究」「勉強」でもしていたほうがいい。

 日本人は、子供のころから受験勉強を強いられてきたので、競馬にも無意識にその方法を持ちこむ。過去問題をいくつも解いて、傾向と対策を練り、本番の試験に臨む。この習慣から抜けきれないので、競馬のレースも試験と同じと錯覚し、過去データを問題を解くための参考資料にしてしまう。

 

 さて、前置きが長くなったが、ダービーだ。

 過去と同じ未来になるなら、皐月賞の上位馬3頭、1着ロゴタイプ、2着エピファネイア、3着コディーノが来ることになる。そしてここに前走圧勝のキズナが加わる。この4頭が前走から見た人気馬だ。

 では、この4頭で決まるのだろうか?

 過去データから見ても、間違いなくそうなるだろう。

 

 で、私の結論だが、ここまで書いてきたことをすべて無にして、今回は過去と同じ未来が来ると予想する。なんだ、ふざけないでくれ!と言わないでほしい。たまには、私も、過去と同じ未来の馬券を買ってみたい。

  というのは、皐月賞はレコード、ハイレベルの争いだったからだ。そこで、たまには素直にその結果を信じてみようと思いたった。とはいえ、こんなことは年1回ぐらいしかやらない。

 というわけで、皐月賞路線でないキズナは切ることにした。この馬が来たら、未来は過去(皐月賞)と違ってしまう。それに、武豊の時代はもう終わっていると思う。また、これは決定的に重要で、日本に「キズナ」が必要だったのは2年前の震災時で、いまではない。

 

 こうして結論は、皐月賞上位馬3頭の争いとなる。

 ただ、皐月賞上位馬の着順は入れ替わるとみている。というのは、ロゴタイプは切れる足がないので、先に抜け出したエピファネイアを差せないだろうと思うからだ。エピファネイアとロゴタイプの皐月賞の着差は、わずか2分の1馬身。逆転可能である。

 エピファネイアの課題は折り合いだけで、2400メートルの東京なら折り合って先行し、直線で早めに抜け出すだろう。いまの東京コースは高速馬場で、圧倒的に先行差し馬が有利だ。

 問題はコディーノの乗り代わりだ。これには意図がある。ウィリアムズは先行型の騎手で、それに調教師が賭けたのだと思う。となると、エピファネイアの相手はこちらのほうだ。

 というわけで、エピファネイア―コディーノ―ロゴタイプの順になる。この3連単(9-8-2)と3連複(2-8-9)の2点しか買わない。

 

■第80回日本ダービー (3歳・GI・芝2400m・1着賞金2億円)

 1-01 キズナ            (牡3、武  豊  ・佐々木晶三)
 1-02 コディーノ             (牡3、Cウィリアムズ・藤沢和雄)
 2-03 アポロソニック         (牡3、勝浦正樹・堀井雅広)
 2-04 クラウンレガーロ        (牡3、三浦皇成・日吉正和)
 3-05 メイケイペガスター       (牡3、藤田伸二・木原一良)
 3-06 ラブリーデイ.          (牡3、川田将雅・池江泰寿)
 4-07 ヒラボクディープ        (牡3、蛯名正義・国枝栄)
 4-08 ロゴタイプ          (牡3、C.デムーロ ・田中剛)
 5-09 エピファネイア        (牡3、福永祐一・角居勝彦)
 5-10 タマモベストプレイ.      (牡3、和田竜二・南井克巳)
 6-11 テイエムイナズマ.      (牡3、幸  英明・福島信晴)
 6-12 サムソンズプライド.     (牡3、田辺裕信・杉浦宏昭)
 7-13 マイネルホウオウ       (牡3、柴田大知・畠山吉宏)
 7-14 アクションスター       (牡3、戸崎圭太・音無秀孝)
 7-15 フラムドグロワール     (牡3、北村宏司・藤沢和雄)
 8-16 ペプチドアマゾン      (牡3、藤岡康太・吉村圭司)
 8-17 レッドレイヴン.         (牡3、内田博幸・藤沢和雄)
 8-18 ミヤジタイガ            (牡3、松山弘平・岩元市三)

 
G1予想[101]第74回オークス(2013年5月19日) PDF 印刷
2013年 5月 16日(木曜日) 23:42

桜花賞16着惨敗のクラウンロゼから

 

今回の桜花賞馬の最大の焦点は、馬より騎手。桜花賞馬アユサンが、主戦の丸山元気騎手に手綱が戻ること。そして、そのアユサンを桜花賞で勝利に導いたクリスチャン・デムーロ騎手が、なんと2着のレッドオーヴァルに乗ることだ。

も し、デムーロ騎手が勝ち、アユサンが負ければ、丸山騎手のショックははかりしれない。アユサンは、東京コースで新馬戦を勝ち、アルテミスSも2着している ので、コース実績に不安はない。また、近年の桜花賞馬はオークスでも実績を残している。そんなわけで、おそらくアユサン1番人気になるだろうが、そうなれ ば、丸山騎手のプレッシャーは頂点に達する。

  2年前の夏、函館競馬に行ったとき、ファンと騎手の集いで、丸山騎手、丹内騎手、古川騎手の若手3騎手と記念写真を撮らせてもらった。そのとき、丸山騎手と固く握手した。その思い出があるから、アユサンには勝ってもらいたい。

ただ、そんなことと、私の馬券の買い方は関連しない。関連させてもいいが、それではポリシーに反する。で、今回はなにを買うかというと、クラウンロゼ(6枠11番)だ。ここから、桜花賞出走馬8頭とフローラSの勝馬デニムアンドルビーの計9頭に馬連で流す。

厚目は、トーセンソレイユ(8枠18番)、ローブティサージュ(5枠9番)の2頭。

なぜ、こんな買い方をするかというと、クラウンロゼは桜花賞出走組のうち、もっとも着順が悪い16着だからだ。厚目の2頭も、それぞれ7着、5着と着順が悪い。

つまり、桜花賞の着順の悪い順に買うわけだ。こんな買い方は、ほぼ誰もしないと思うので、今回はこの方法を採用してみた。桜花賞惨敗の二桁着順馬がオークスを勝つ。そんなことが過去にあったかどうか? 残念ながら、知らない。

  

 丸山、古川、丹内の3騎手との記念写真(函館競馬場、2011年6月)

  第74回オークス (3歳・牝・GI・芝2400m・1着賞金9700万円)

 

   1-01 レッドオーヴァル    (牝3、C.デムーロ ・安田隆行)
   1-02 ブリュネット.         (牝3、和田竜二・千田輝彦)
   2-03 メイショウマンボ.    (牝3、武幸四郎・飯田明弘)
   2-04 アユサン.          (牝3、丸山元気・手塚貴久)
   3-05 デニムアンドルビー.   (牝3、内田博幸・角居勝彦)
   3-06 サクラプレジール.  . (牝3、横山典弘・尾関知人)
   4-07 ティアーモ         (牝3、藤岡佑介・藤岡健一)
   4-08 ブリリアントアスク     (牝3、武士沢友治・伊藤正徳)
   5-09 ローブティサージュ .   (牝3、岩田康誠・須貝尚介)
   5-10 リラコサージュ.     (牝3、柴田善臣・藤原英昭)
   6-11 クラウンロゼ.      (牝3、三浦皇成・天間昭一)
   6-12 フロアクラフト        (牝3、松山弘平・西園正都)
   7-13 エバーブロッサム     (牝3、戸崎圭太・堀宣行)
   7-14 プリンセスジャック   (牝3、福永祐一・加用正)
   7-15 セレブリティモデル.   (牝3、田中勝春・牧田和弥)
   8-16 クロフネサプライズ. . (牝3、武  豊  ・田所秀孝)
   8-17 スイートサルサ      (牝3、蛯名正義・菊川正達)
   8-18 トーセンソレイユ .     (牝3、C.ウィリアムズ・池江泰寿)

 

 
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