12/06/20●アマゾンのトップページにKindleで人気を獲得した女性作家が登場 印刷

現在、アメリカの「Amazon.com」にアクセスすると、いきなり同社CEOジェフ・ベゾス氏による女性作家の紹介・推薦文が現れる。これまで、こんなことはなかっただけに、驚かされる。

  紹介されているのは、ジェシカ・パークさんという、プリント版の出版界では無名の女性。彼女は、、Kindle向け個人電子書籍出版サービス 「Kindle Direct Publshing」を使って作品を発表したところ、最近、作品の『Flat-Out Love』がトップセラー入りを果たしたというのだ。これまでのパークさんは、さまざまな出版社に原稿を送ってはボツにされてきたが、ついに、アマゾンが用意したセルフパブリッシングサービス 「Kindle Direct Publshing」によって、作家として認知されたというのだ。

  

 この紹介文によると、現在、Kindle向け電子書籍トップ100のうち22作品はこのような無名の個人作家たちによる作品だという。アマゾンの電子書籍サービスが、こうした無名の作家を発掘し、メジャーにすることができることはわかっていた。しかし、ここまで露骨に「どうだ。みなさん、見てください」と言われると、首を傾げたくなる。

 作家と読者の間に編集者や出版社が入らないセルフ出版で、はたして作品のクオリティが保たれるのか? 電子書籍時代が進んでいくと、こうしたことが当たり前になるのか? そうした疑問に対する答が彼女の作品とはとても思えない。