12/06/21●楽天が電子書籍端末「Kobo」を7月下旬に発売、アマゾンに先手も? 印刷

6月21日付の朝日新聞によると、楽天が、7月下旬に電子書籍端末「Kobo」を発売し、本格的な電子書籍ビジネスに乗り出すという。 「Kobo」の販売価格は同機能の先行機種(1万5000円~2万円程度)よりも安い1万円前後を予定しているが、さらに下げる可能性もあるとしている。 また、年内にも、他の電子書店並みの5万点程度の品ぞろえを目指すという。

  すでにアマゾンは、年内に「日本版キンドル」のサービス開始時期を明らかにしているが、楽天は「Kobo」という自社端末を手に入れたことで、アマゾンに先んじようとしている。朝日記事では、三木谷社長が、販売価格に関して「価格破壊するつもりはない」としながらも、アマゾンを意識して「日本企業として負けるわけにはいかない」と語っている。

 

  楽天はすでに巨大なインターネット通販市場を持っているだけに、電子書籍ビジネスに参戦すれば圧倒的に有利な立場にある。ただし、ハードルは、日本の紙市場がアメリカと違って強固な流通市場を形成していること。そのため、デジタルコンテンツだからといって容易に価格破壊できないことにある。端末が安く、点数が揃ったとしても、それだけではアマゾンに勝てるとは言えない。