12/07/18 ●日本雑誌協会も日経新聞の『週刊文春』広告拒否に抗議声明を! 印刷

このところ、スクープ、スキャンダルを連発している『週刊文春』だが、7月19日号で現場写真とともに「日経新聞社長と美人デスクのただならぬ関係」と題する記事を掲載したところ、日経側は新聞広告の掲載を拒否し、さらに記事を事実無根として文春を提訴した。当然、文春側も抗議したが、今度は日本雑誌協会(雑協)が日経に対して抗議声明をまとめた。

  雑協の人権・言論特別委員会は、7月17日、「日経新聞の強硬措置に強く抗議し、再びこうした事態を引き起こさない」ことを要求することを決定、声明を発表した。この声明で、今回の日経の問題を「言論機関としては異例な措置」と指摘し、新聞読者の情報アクセスの機会を失わせ、知る権利を一方的に奪い、「社会の公器を標榜する大 新聞が自らを否定するもの」と厳しく批判した。

  今回、『週刊文春』は、グラビアで「スクープ撮!日経新聞喜多恒雄社長マンションからご出勤の美人デスク」という記事を掲載、さらに活版でもその内実を記事化している。日経の喜多社長が激怒したのは、こうした「ただならぬ関係」を「情実人事」と書いたことと思われる。それにしても、社長といってもかつては経済部の敏腕記者であり、ジャーナリズムに携わっていたのだから、会社を盾にして自分を守ろうとする行為はどうかと思う。

  思い出すのは、2003年に起きた鶴田卓彦元社長の女性問題スキャンダルだ。あのときも今回と同じ構図で、「またか」と思う。私の死んだ父も日経の記者だったので、いまの日経を見ると昔の日経ではないので残念だ。かつて名社長と言われた故・円城寺次郎氏は、経済審議会会長などの公職も務め、叙勲の対象になった。しかし、本人は「新聞記者は勲章を欲しがってはならない」と、叙勲を辞退している。