12/07/25●文教堂が講談社など20社と「書籍買い切りの直取引」を発表  印刷

文教堂グループホールディングスは、今年度年内に、講談社など出版20社と取次会社を通さない直接取引を始めると発表した。当初は、自社で発掘した復刻本から始め、コミックや新刊本も視野に入れていくという。。

  日本の書籍の流通は、「委託制度」と呼ばれる返品が自由な取引制度と、出版社と取次が商品供給のイニシアティブを持つ「配本」という二つのシステムで成り立っている。これは、書店が商品を選んで仕入れるのではないので、売れないと、大量の返品が発生する。現在、返品率は書籍で40%以上、雑誌でも35%前後と非常に高く、この流通コストが利益を圧迫している。

 今回の文教堂の措置は、利益率の向上を目指したものだが、「完全買い切り」のため、もし売れないと逆にリスクは高まる。