09/10/06●コンデナストが大幅リストラ、雑誌4誌を廃刊 印刷

 10月5日、『WSJ』『NYT』などが伝えたところによると、コンデナスト社(Condé Nast Publications)は、発行雑誌4誌の廃刊を決め、編集者などの大幅なリストラに踏み切るという。
 一時は「雑誌王国」を謳歌していたコンデナスト社の凋落は、日本の出版業界にとっても他人事ではない。アメリカから周回遅れで、同じ事態が進行していくのは確実だからだ。

 コンデナストといえば、『ヴォーグ』(Vogue)、『コンデナスト・トラベラー』(Condé Nast Traveler)などが有名だが、今回、廃刊が決まったのは、1940年に創刊された老舗雑誌の『グルメ』(Gourmet)。高給レストランガイドとして、グルメには欠かせない雑誌もとうとうその幕を閉じることになった。さらに、結婚情報誌の『モダン・ブライド』(Modern Bride)や『エレガント・ブライド』(Elegant Bride)、育児雑誌の『クッキー』(Cookie)も廃刊する予定だという。

 これは、コンデナスト社のチャック・タウンゼンド最高経営責任者(CEO)が社員にあてたメモで明らかにされたといい、この廃刊で、約180人の雇用に影響が出るという。
 コンデナスト社の広報担当モーリー・パール氏は、7月にコンサルティング会社のマッキンゼーを起用し、雑誌資産や同社事業の点検を進めたと語っている。

 アメリカでは金融危機以後、雑誌の広告出稿が2割以上落ち込み、コンデナスが得意とする都市型の高級志向雑誌は、その落ち込みの影響をモロに受けている。
 そういえば、コンデナストパブリケーションズ・ジャパンが、今秋予定していた「グラマー(仮)」日本版の創刊は、今年の春に中止が決まった。テスト版をつくっていたにもかかわらず、本社のほうからNGが出たからだ。アメリカでは、3年以内に雑誌の数が3分の1まで減ると言われている。日本も、同じ道をたどると思うが、3年どころか来年中にもそうなるかもしれない。

 なお、今回のコンデナストの件に関しては、『NYT』の記事がいちばん詳しい。

 http://www.nytimes.com/2009/10/06/business/media/06gourmet.html

           

 廃刊が決まった『モダン・ブライド』と『グルメ』   まさかこの2誌はなくならないだろうが……