10/09/12●アメリカの新聞広告は第2四半期もマイナス。オンラインでもソーシャルメディアに追い抜かれる! 印刷

 アメリカの新聞の衰退は、もうどうにも止まらないようだ。最近、それを裏付ける2つのニュースがあったので、書き留めておきたい。
 まず、『WSJ』のオンライン記事で、「2Q Newspaper Advertising Falls 5.6%, Decrease Narrows On Year」(第2四半期の新聞広告の落ち込みは減ったが5.6%減)というのがあった。
    http://online.wsj.com/article/BT-CO-20100907-709385.html

 これは、NAA( Newspaper Association of America)から発表されたデータに基づく記事で、アメリカの新聞の経営基盤である新聞広告費が減り続けている現状をレポートしている。NAAによると、プリント(新聞紙)とオンラインを足した第2四半期(4〜6月)の全広告費が前年同期比5.55%減と、新聞業界はまたしてもマイナス成長から抜け出せなかった。

 アメリカの新聞では、2007年以降プリント広告費が急降下し始め、それとともに、全広告費(プリント広告+オンライン広告)も急降下。有力新聞社は、オンライン広告の成長に望みを託してきたが、それもうまく行っていない状況にあった。
 それでも、今年に入って景気も回復基調にあったから、せめて第2四半期ぐらいプラス成長に転じるのではとの淡い期待もあった。しかし、結果は、プリント広告費が前年同期比マイナス 7.62%、全広告費が同マイナス5.55%というのだ。

 ただ、オンライン広告費は、今年第1四半期に前年同期比4.90%増、第2四半期に同13.90%と、プラス成長に転じている。しかし、その額は、プリント広告に比べ少なすぎ、業績回復の牽引車になり得ていないのである。

 もう1つのニュースは、「『Gawker Media』と『Huffington Post』のビジター数が次々と新聞サイトを追い抜いた」というもの。ブログネットワークの『Gawker Media』、それにブログ新聞の『Huffington Post』は、ソーシャルメディアとして注目される2 大メディアだが、「comScore」の7月データ(月間ユニークビジター数)によると、『Gawker Media』および『Huffington Post』が、ニューヨークタイムスの『NYTimes.com』を除くすべての新聞サイトよりも多くの月間ユニークビジター数を得ていることがわかった。
http://www.theawl.com/2010/09/gawker-media-now-bigger-than-all-newspapers-online-except-one

 

  それを示すの上のグラフだ。
 2010年7月のユニークビジター数は『Huffington Post』2160万人、『Gawker Media』1890万人。『usatoday.com』や『washingtonpost.com』の有力サイトを引き離して、この2つのサイトが2位、3位に浮上している。さすがに『NYTimes.com』の首位は保たれているが、来年1月には有料化が決まっているだけに、どうなるかはわからない。