11/01/05●パッケージメディアの衰退を象徴する、音楽CD販売も「付録商法」が主流に! 印刷

 パッケージメディアは年々衰退しているが、そのなかでも顕著なのが音楽CD。ダウンロード販売や配信サービスが主流になり、毎年10%以上の勢いでダウンしていて、「あと数年でゼロになるのは確実」と言われてきたが、昨年(2010年)は、この傾向に変化があった。

 というのは、音楽業界全体で見ると、昨年は、ダウンロード販売や配信サービスまでが軒並み不調になり、CDなどのパッケージ販売がわずかだが巻き返したからだ。その牽引車になったのがAKB48。

 ただし、CDのみではなく、いずれも「CD+α」商品である。たとえば「握手券付き」や「豪華特典DVD付き」など、女性ファッション誌と同じような「付録商法」が大当たりした。

 AKB48以外でも、関ジャニ∞がリリースしたアルバム『8UPPERS』(インペリアルレコード)には、約80分のメンバー出演のミュージックフィルムが封入された。また、浜崎あゆみの「CD+4枚組DVD+特製マグカップ+紅茶」という限定セットという前代未聞の商品も登場した。

 音楽業界と同じ道を、いま出版業界がたどっている。紙というパッケージだけでは売れないから、付録を付けた。そうしたら、付録目当てで売上げが上がった。CDの「+α」も同じことである。

 この先、CDも紙もいずれはなくなっていくが、そんななかで、これが最後のあがきということなのかもしれない。