11/01/05●やはり電子雑誌は普及しないのか、米では軒並み部数減に! 印刷

 アメリカのウェブメディア「SAI: Silicon Alley Insider」の記事「 CHART OF THE DAY: iPad Magazine Sales Tank」によると、「iPad」向けの電子雑誌は、軒並み部数を落としている。このデータの提供者は、Women's Wear Daily (WWD)のJohn Koblin氏。

 ここでは、『Vanity Fair』『Glamour』『GQ』『WIRED』の4つのデジタル雑誌について、過去半年の販売推移を紹介している。グラフを見ればわかるように、「iPad」リリースと同時に配信されるようになった『GQ』は2010年11月の販売数が1万1000冊。5月から10 月にかけての販売平均が1万3000冊を大きく下回った。

 また、『Vanity Fair』も11月の販売数は8700冊で、同8月の平均値の1万500冊から比べれば大きく落ち込んでいる。ひどいのは、9月からスタートした『Glamour』で毎月20%ずつダウンして11月で2775冊。これではビジネスに成り得ない状況だ。

        

  アメリカの雑誌の販売部数は、業界団体のABC (Audit Bureau of Circulations) がデータをまとめているが、電子雑誌(とくに「iPad」向けの電子雑誌)は、App Storeを通じて販売される「アプリ」だから、ABCでは把握できない。したがって、WWDのようなところのデータがないとその実態はつかめない。しかし、鳴り物入りで登場した電子雑誌がここまでひどいとは驚きだ。

 今後もこの傾向が続けば、電子雑誌は壊滅するかもしれない。そうならないためには、「iPad」がさらに普及し、アンドロイドタブレットも売れなければならない。ともかく、こうした電子書籍向けの端末の母数が増えなければ部数上昇は期待できない。