11/01/26●出版不況は加速する一方…2010年も2兆円割れ! 印刷

出版科学研究所が1月25日に明らかにしたところによると、2010年の出版物の推定販売額(電子書籍を除く)は1兆8748億円で、21年ぶりに2兆円台を割り込んだ2009年をさらに下回った。出版産業は長く「2兆円産業」と言われてきたが、これで14年連続の前年割れだ。

 書籍と雑誌を合わせた出版物全体の販売額は前年比608億円、3.1%減。なんと、1年間で約600億円も市場が縮小したことになる。この額は、宝島社や光文社などの中堅出版社なら、2社が市場から消えることに匹敵する。

 販売額の内訳を見ると、書籍の販売額は同3.3%減の8213億円。雑誌の販売額は、同3.0%減の1兆535億円。雑誌の休刊は216点と過去2番目に多く、創刊はたった110点である。

 出版科学研究所では「書籍は売れる本と売れない本の2極化が顕著。雑誌は新企画不足と休刊増加が響いた。電子書籍端末は普及が進まず、市場拡大は次年度に繰り越された」と分析しているが、今後、電子書籍を統計に繰り込んだとしても、人口減社会となった日本で市場の拡大があるなどということは夢物語だ。