11/04/26●デジタル教科書普及に向け、端末1000万台を2015年までに配布 印刷

教科書教材協議会(DiTT)の成果発表会が2011年4月25日開催され、その席で、3つの目標が明らかにされた。「デジタル教科書・教材の利用を全教科に拡大する」「超高速無線LANの校内整備率を100%にする」「すべての小中学生に1台ずつ、合計約1000万台の情報端末を配布する」――これを、政府目標の5年前倒しとなる2015年までに達成することを目指すという。

  なお、パネルディスカッションでは、ジャーナリストの田原総一朗氏が「なぜiPadは売れないのか」と質問。これに対して、東京学芸大学の客員教授・藤原和博氏が「iPadはまだ過渡期の存在である」と答える場面も。田原氏はさらに「私は紙の本も電子書籍も売っているけれど、電子書籍は売れない。なぜ?」と問うとDiTT副会長で慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏は、「まだ電子書籍の市場が出来上がっていない。デジタルで読むことの慣れについても時間が必要」と述べた。

  日本の電子書籍はまだ市場形成がされていない段階で、今後、その突破口となるのが、教科書のデジタル化ではないかと思われる。すでに、アメリカでは教育現場にアマゾンが「Kindle」を無償配布する動きも起こっている。