アマゾンがついに本格的な出版社となる道を歩み始めた。8月16日、アマゾンは、この5月に立ち上げたアマゾン出版(Amazon Publishing)が、ベストセラーの『4時間』シリーズの著者で、日本でも知られるティモシー・フェリス氏（Timothy Ferriss）の次回作、“The 4-Hour Chef”（『4時間シェフ』）の版権を取得したことを発表した。『4時間シェフ』は、プリント版（紙書籍）はもちろんのこと、電子版、オーディオブック版でも製作され、発刊は2012年4月の予定という。

 　　Timothy Ferriss氏

  米出版界は、アマゾン出版が一流著者の出版権を獲得するのは困難と見ていたが、そうした見方はこの件で覆された。ティモシー・フェリス氏は、35ヵ国語に翻訳された大ベストセラー“The 4-Hour Workweek”(邦訳『「週4時間」だけ働く。』青志社、2011)の著者。「NYT」（ニューヨーク・タイムズ紙）のベストセラーリストの常連でもある。

  今回の契約は、版権エージェンシーの「LevelFiveMedia」のスティーブン・ハンセルマン氏が仲介した。「アマゾン出版と協力するという私の判断は、たんに出版社を選ぶということでなく、私自身が出版の未来をどのようなものとして考えるかの問題だった」とフェリス氏は述べている。