11/10/30●『スティーブ・ジョブズ1』(講談社)の電子版が「高すぎる」の声。それでもダウンロード数は紙版の半数に! 印刷

公式の伝記として全世界で発売された『スティーブ・ジョブズ1』(講談社)が、紀伊國屋書店の電子書籍配信サービス「BookWebPlus」で、初日24日と25日で1584ダウンロードを記録したことがわかった。一方の紙版は、同じ2日間で計3377冊。電子版は紙版のほぼ半数に達したことになる。これは、紙と電子同時発売では異例のことだ。

  紙版と電子版の販売価格は同額の税込み1995円で、「電子版は高すぎる」という声があったが、出足は好調だった。ただし、これはスティーブ・ジョブズというカリスマの伝記という特殊な事情があるのは間違いない。読者も電子版を買う若者層が中心で、話題性もあって最初に飛びついたものと思われる。

  

 それにしても、発売後、「ボッタクリだ」という声がネットにあふれたのには、驚いた。こうした批判をするのは、本当は電子書籍など買わず、版権に対してリスペクトのない層だ。彼らは日本語版がなぜ1995円(上下2巻とも)で、アメリカ版が11.99ドル(=912円:全1巻)なのか、市場原理がわかっていない。

 そんなに安い方がいいというなら、アメリカ版のほうを買えばいい話である。標準語の英語ができないと、高いツケを払わされる。つまり、英語ができないことを、版元のボッタクリにすり替えて批判しているにすぎない。2ちゃんにも「英語読めない馬鹿が悪い」という書き込みがあった。

 ちなみに、各国のか価格は以下のとおり。

  アメリカ 電子書籍 11.99ドル=912円 ハードカバー 17.88ドル=1359円

  ドイツ 電子書籍 19.99ユーロ=2099円 ハードカバー 24.99ユーロ=2624円

  日本 電子書籍 3990円(上下巻とも1995円) ハードカバー 3990円