12/01/25●雑誌販売ついに1兆円割れ。2011年は史上最大の落ち込み 印刷
2011年の書籍・雑誌の推定販売額(電子書籍を除く)が、1月25日、出版科学研究所から発表された。それによると、前年比3.8%減の1兆8042億円で、なんとか1兆8000億円台を維持したが、7年連続の前年割れとなった。

 とくに雑誌の落ち込みはひどく、6.6%減の9844億円と過去最大となり、1984年以来27年ぶりに1兆円を割り込んだ。その原因として、大手メディアは「東日本大震災と節電の影響で娯楽・レジャー誌の部数が減ったことに加え、スマートフォンの普及で若者の雑誌離れが加速した」(読売新聞)と書いている。たしかにそうだが、東日本大震災の影響はそれほどでもなく、デジタル化による影響の方が顕著だ。したがって、今年はさらに落ち込むのは確実だろう。

 雑誌の販売額は、統計が始まった1950年から増え続け、1997年には1兆5644億円とピークに達した。その後、毎年減少し14年連続で前年を下回ってきた。また、書籍の販売額は8198億円で前年比0.2%減。こちらはなんとか前年並みを維持したが、今年は電子書籍化がさらに進みそうで、雑誌と同じく大きく落ち込むだろう。