12/01/27●東芝が電子書籍市場に参戦、専用端末の2万円台での発売を発表! 印刷

東芝は1月26日都内で会見し、7型ワイドカラー液晶を搭載した電子書籍専用端末「BookPlace DB50」を発表した。発売は2月10日から。価格はオープンだが、店頭想定価格は2万2000円になる模様。無線LAN機能を搭載し、Webブラウジングやメールも行える。コンテンツは「BookLive」と東芝が共同で展開する「BookPlaceストア」で購入できるという。

  すでに電子書籍端末は各社出そろっているうえ、ほとんど売れていない。そんな状況だから、「いまになってなぜ? それも(汎用の)Androidタブレットだけでなく、電子書籍専用端末を投入するのか?」という疑問の声が上がった。

  これに対し東芝は、売れないのはコンテンツが充実していないからと考えたようで、「今後コンテンツ数の拡充を図り、2012年1月の時点で5万冊の蔵書数を2012年3月末に10万冊まで 拡大する予定」と、事業目標を発表。想定ターゲットに、ITリテラシーがそれほど高くはない30~40代男女を挙げた。

 ←電子書籍専用端末「BookPlace DB50」

  会見に臨んだデジタルプロダクツ&サービス社デジタルプロダクツ&サービス第一事業部の長嶋忠浩事業部長は、「月2冊以上本を読む読書好きは1500万人」という毎日新聞社のデータを基に東芝が試算した数字が「BookPlace DB50の具体的なターゲット」と説明、その1割に当たる150万人を2015年度までにBookPlaceの会員にしたいと述べた。

  日本の電機メーカーのガラパゴス化は、マーケットがわからず、さらに将来予測ができないところから来ている。東芝もまたこの罠にはまったようだ。電子書籍は、紙での読書好きがユーザーにはならない。紙とはまったく別の読書好きでないユーザーを獲得しないと成功しない。紙での読書好きが電子書籍の世界に入ってくるのは、紙がなくなるのが明確になってからだ。いまのところ、日本はそうなっていない。