12/02/03●『ニューヨーク・タイムズ』2011年通期決算で3年ぶり赤字に 印刷
『ニューヨーク・タイムズ』が2月2日に発表した2011年通期決算は、最終損益が3960万ドルの赤字(前年は1億770万ドルの黒字)、売上高は同3%減の23億2340万ドルだった。通年で赤字となるのは2008年以来3年ぶりのこと。

  新聞購読料収入は1.1%増だったが、広告収入が6.1%減と落ち込んだのが響いた。

  なお、同時に発表された2011年10~12月期決算は、純利益が前年同期比12%減の5890万ドル、売上高は同3%減の6億4290万ドルだった。

  ←KindleとNYT(写真:Business Insider)

  昨年3月、『ニューヨーク・タイムズ』は電子版の有料化に踏み切り、これで購読料収入は増加した。しかし、収入全体の半分超を占める広告収入の低下を補うまでには至っていない。電子版の有料会員数(電子書籍端末向けの配信サービスを含む)は、昨年末時点で約39万人とのことで、9月末時点と比べ、約6万6000人増加した。

  『ニューヨーク・タイムズ』では、昨年12月にCEOのジャネット・ロビンソン女史が退任したばかり。決算発表会見で、社主で現在暫定CEOのアーサー・サルツバーガー・ジュニア会長は、後任探しについて「まだ初期段階」との見方を示した。ロビンソン女史の退任は、デジタル版に全力注入するための路線変更が原因とされている。アナリストによると、デジタル化有料会員が50万人を超えれば、今後予想されるデジタル版のみの経営に、一定のメドがつくという。

  

   ↑NYTの信じがたい落ち込みは続く(出典:Business Insider)