• ホーム&サイト
  • 時事ブログ
  • メディアNEWS
  • 仕事の記録
  • メルマガ
  • 外食日誌
  • G1予想
  • 問い合わせ

山田順プライベートサイト

A ROAD TO HEAVEN
Home [011]神楽坂の夜風と排出権取引のうさんん臭さ

All Menu(すべてのメニュー)

  • Home & Commentary(「私の視点」時事ブログ/随時更新)
  • About the Site(このサイトについて)
  • Profile(プロフィール)
  • Media News Selection(メディア業界ニュース)
  • Works(仕事の記録)
  • Mail Magazine(メルマガ:未来地図)
  • Regulars(連載記事/時々更新)
  • Special Articles(特別記事)
  • Works Archive(著作、記事の紹介および一部公開)
  • Horse Race(G1予想、競馬エッセイ)
  • Memories of My Father(作家・津田信アーカイブ)
  • Eating-out Diary(外食日誌)
  • 問い合わせはこちら

Link

  • リンク集

Designed by:
SiteGround web hosting Joomla Templates
[011]神楽坂の夜風と排出権取引のうさんん臭さ

2009年3月6日

 

世界不況でCO2の価格が急落している

 

 このブログの[002]に書いたように、環境問題の切り札とされる「排出権取引」というのは、相当うさん臭いものだ。なにしろ、CO2を出す権利をお金で買うのだから、まずもって、そんなものに値段をつけるのがどうかしている。
 しかも、CO2を出す量(排出量)は、あらかじめ割り当てられ、その枠の過不足分が売買される。こんなハンディキャップ取引が、まともな取引なわけがない。

 排出権取引は、2005年に、EUが域内に導入してからは、世界的なブームになり、オバマ米大統領の「グリーン・ニューディール」政策も、この排出権取引が目玉になっている。

 しかし、この排出権取引が、金融危機以後の大不況で、どうやら成り立たなくなる可能性が出てきた。

 2009年3月4日の朝日新聞の「環境は救世主か?」連載(中)は、「世界不況 CO2価格急落」というタイトルで、その模様を伝えている。ただ、記事の論調は、「地球温暖化問題の長期的な取り組みを遅らせる懸念も出ている」と、この現象を悲観的に捉えているのだからバカらしい。

 

世界中の工場が操業しなくなればCO2は出ない

 

 実際、CO2価格は、どんどん下がっている。
 2月29日のサンケイ新聞も「CO2排出枠価格、半年で4分の1に暴落 「買い時」も手を出せず?」という記事を載せていた。
 
《世界同時不況による実体経済の低迷で、地球温暖化対策の一環として国際的に取引されている二酸化炭素(CO2)の排出枠の価格が下げ止まらない。国際協力銀行(JBIC)などが公表している国内取引の1トン当たりの価格は、昨年7月の4000円弱をピークに下がり続け、今や1000円割れ目前と、ほぼ4分の1の水準にまで低下している。取引関係者からは「底が見えない」との悲観的な見方も出ている。》

 CO2の価格のピークは、原油価格が1バレル=147ドルに達した昨年7月だった。以後、ずっと下がり続けているのだ。これは欧州のほうがひどく、取引価格は昨年7月上旬の最高値に比べて、今年2月末時点で35%も下落している。

 なにしろ、世界同時不況で、いまは、ほぼすべてモノの生産が止まっている。自動車にいたっては、前年比で6割しか売れていない。こうなれば、世界中の工場が操業を半減させるか停止させるしかない。結果的に、輩出されるCO2の量は減るのは当然だ。



排出権取引は地球を救えない

 

 私は、地球環境がクリーンになることには賛成だが、温暖化を食い止めるためにCO2の排出を減らすという論理に、相当なうさん臭さを感じている。
 じつは、このうさん臭さを私以上に感じていた藤井耕一郎氏に、今度『排出権取引は地球を救えない』(光文社ペーパーバックス、3月20日刊)を書いてもらった。

 この本は、排出権だけにしぼって、延々とそのうさん臭さを暴いている。また、そもそも地球温暖化自体が、ここ数年では成立しなくなっていることも書いている。

 藤井氏とはかつて『幻の水素社会』という本もやった。当時、次世代のクリーンエネルギーとして水素がもてはやされていたが、そんなものはマヤカシだというが、この本のポイントだった。もちろん、まったく売れなかった。  

 

ある有名エコノミストが書いた排出権クズ原稿

 

 じつは、排出権取引が始まり、ゴアの『不都合な真実』が話題になった昨年の初め、ある原稿が私のところに持ち込まれた。それは、すでに何冊も著書がある有名なエコノミストが書いたもので、排出権取引の仕組みをていねいに解説したうえで、「これにより地球温暖化は防げる。わが国も一刻も早く排出権取引を始めるべきだ」と主張されていた。

 私は、これを読んで驚いた。こんなアホな原稿、うちの編集部で出せるかと思った。第一に、一流エコノミストともいうべき人間が、こうしたことになんの疑いを持っていないことに、唖然とした。もちろん、原稿はお引き取り願ったが、もちろん、別の出版社から出版され、そこそこに売れた。


 そんなこともあって、藤井さんには、彼の持ち味である「うさん臭さ」から排出権問題を書いてもらった。担当は小島くんで、この本が彼がペーパーバックスで担当する最後の本になった。

 

神楽坂の夜風が身にしみる

 

 3月2日、神楽坂のレストランで小島くんの送別会をやった。これまで、彼が担当した本の著者のうち、20人以上が来てくれた。この不況のなか、週初めの月曜、それも会費制にもかかわらず、こんなに集まってくれたのは、彼の人徳か?

 それはともかく、そのなかに、藤井耕一郎氏もいて、当然、今度の本の話になった。私が前記した、さるエコノミストの話をすると、「やはり山田さんて、バカですね」と彼は笑った。そして、自嘲気味にこう言った。
「私の本より、そういうストレートな本のほうがよほど売れるはずでしょう。そっちを取る選択のほうが編集者として正しいのでは」
 そばにいた翻訳家の徳川家広氏も、同じ意見だった。ただ、それは彼らのホンネではない。

 本は出す以上、売れなければならない。しかし、それだけが本を出す意義ではない。今回の藤井氏の本のサブタイトルは「環境問題でカモられる日本」である。排出権取引が、いかに日本にとってソンなゲームか克明に書いてある。
 ブームにのれば、この出版不況でも本はそこそこには売れる。最近は、オバマ演説集とか、経済、政治などのわかりやすい解説本ばかりだ。

 しかし、そんなことでいいのだろうか?

 送別会後、神楽坂の商店街を下りながら、夜風が身にしみた。3月になったのに、まったく春の気配が感じられないなか、2次会へと向かった。

 

What's New(最近の更新)

  • [452]イスラエル・イラン戦争---戦乱が続く世界を見て、じつはなにもわからない自分に慄然
  • [451]温暖化で気候は完全に変わった!今年は空梅雨で、このまま夏に
  • [450]東京湾を行き来する船を眺め、昔を思い、行日々を思い、行く末を思う。
  • 25/06/12●朝日新聞が土曜夕刊を中止。毎日新聞も追随
  • メルマガ[778] このままでは手遅れになる「愛子天皇」。「男系男子」にこだわると皇統は続かない!
  • 25/05/30●取次大手2社の決算が示すのは、本業の取次ビジネスの止まらぬ凋落
  • [449]リノベのため仮住まいに引っ越し。今夏はここで過ごすことに
  • 2025年5月29日●「Yahoo!ニュース」エキスパート欄への寄稿記事(2025年度)一覧
  • メルマガ[761]〜[777] 2024年12月〜2025年5月 全タイトル
  • 25/05/15●インプレスHDが上場を廃止し、出版部門を効率化
  • [448]とうとうトランプの相互関税が発表され、世界中が困惑、市場は大混乱!
  • [447]花冷えのなか、大岡川、赤煉瓦、山下公園、港が見える丘とお花見散歩
  • [446]ニュースはウクライナ停戦とトランプ関税ばかり。桜開花予想は横浜3月25日
  • [445]オレ様大統領トランプに世界中が振り回され、大混乱の日々が続いている
  • メルマガ[754]〜[760] 2024年12月〜2025年1月全8本
  • [外食Diary]MOKICHI 鎌倉
  • 25/02/01●昨日(1月31日)で、「夕刊フジ」と「東京中日スポーツ」が廃刊、デジタルに移行。
  • [外食Diary]八芳園(結婚披露宴)
  • [外食Diary]LUXE DINING HAPUNA(品川プリンスH)
  • 25/01/21●米テレビ局、大量リストラ。ソーシャルネットワーク発展の影響
  • 25/01/21●性加害タレント仲井正広が引退。フジテレビ、スポンサー離れで窮地が続く
  • [444]中居正広「性加害」&フジテレビ「女子アナ上納」スキャンダルで思うこと
  • 25/01/15●2025年、出版関連メディアはどうなる?
  • [443]ロサンゼルスで史上最悪の大火。「トランプ2.0」の年が始まった。
  • 2025年1月10日●地方紙のコラムを書いて約2年経過
  • [外食Diary]レッドロブスター
  • [外食Diary]ブラッセリー「フローラ」
  • [442]世界とは違う日本の正月。新暦でやる国はほぼ日本だけ
  • [外食Diary]清香園
  • 24/12/19●ソニーとKADOKAWAが資本業務提携契約を締結、筆頭株主に!

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

 

「出版大崩壊」著者インタビュー

山田順プライベートサイト, supported by tanken.com, advertized by sanhaku.com

© JUN YAMADA All Rights Reserved.