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    Welcome to My  Website

 このサイトは、山田順の個人的なウェブサイトです。コンテンツの一部は情報発信のために書いていますが、ほとんどは個人的な記録の蓄積を目的としています。

 *このサイトのイラストは、「海の素材屋」(http://uminosozaiya.com/)のフリー素材を使わせてもらっています。素晴らしいイラストをありがとう。 
 

  以下のブログとは別にメールマガジン(有料)を発行しています。

 こちらから→http://foomii.com/00065

  

 また、YAHOO!ニュース「個人」欄でコラムを書いています。

  こちらから→http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamad

  

 産経新聞運営のサイト『IRONNA』 でもコラムを書いています。

  こちらから→https://ironna.jp/blogger/97

 

最新刊3冊

   

『米中冷戦 中国必敗の結末』(MdN)https://books.mdn.co.jp/books/3219403034/
『コロナショック』(MdN新書)

 https://www.amazon.co.jp/gp/product/4295200077?pf_rd_r

『コロナ敗戦後の世界』 (MdN新書) 

https://www.amazon.co.jp/コロナ敗戦後の世界-MdN新書-山田-順/dp/4295200913/ref=sr_1_2?dchild=1&qid=1606968867&s=books&sr=1-2 

 

近著4冊

  

永久属国論(さくら舎)www.amazon.co.jp/o/ASIN/4865811176/hnzk-22

東京「近未来」年表 (さくら舎) https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865811773

希望の地としての新興アジア-私たちが失ったものがそこにある(実務教育出版)

地方創生の罠-イースト新書(イーストプレス)

隠れ増税(青春出版)https://www.amazon.co.jp/dp/4413045114

    

 

主な近著4冊

 →日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか (SB新書)

→円安亡国-ドルで見る日本経済の真実(文春新書)

→日本が2度勝っていた大東亜 ・太平洋戦争(ヒカルランド)

→「中国の夢」は100年たっても実現しない(PHP研究所)

       

 

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[358]諸外国はワクチン「接種」で、日本はワクチン「接種訓練」
2021年 1月 28日(木曜日) 11:37

連日、ワクチンの報道が続いている。昨年まで、メディアも専門家もワクチンの安全性に疑問を呈し、接種には懐疑的だった。ところが、いまや手のひらを返したように、「いいワクチンです」だから、その定見のなさが見苦しい。

 私は早くから、今回の遺伝子ワクチンに期待し、1日も早くと思ってきた。それは、mRNAワクチンは最先端の遺伝子工学に基づき、アメリカ政府がその威信と莫大な投資により開発したからだ。つまり、科学的な見地からではなく、政治的な見地から、そう確信してきた。

 

 昨日、厚労省が川崎市に命じて、市立看護短大の体育館でワクチンの集団接種訓練を行い、その様子がテレビ報道された。ワクチン提供側のファイザーも協力したが、想像通り時間も手間がかかる。これで、大丈夫だろうか?と正直思った。

 それにしても、欧米では接種が始まっている。イスラエルなど、すでにファイザーワクチンを人口の30パーセントに接種した。となると、あと1カ月でコロナは収束するだろう。アジアでも、あのミャンマーまでもが、中国とインドからの無償供与を受けて接種を始めている。

 それが、日本ではまだ訓練の段階で、接種開始は2月末と発表されている。しかも、優先順位があり、まず医療従事者からだが、それすらも大幅に遅れる可能性がある。河野大臣は先日の会見で、優先されるべき65歳以上の高齢者に関しても「最短で4月から」と言った。そのなかでも基礎疾患を持った者からになるので、結局、一般国民に接種されるのは夏になってからだろう。

 

 日本は訓練だけで、ワクチンそのものがないのだから、これはどうしようもない。ファイザー、モデルナ、アストロゼネカの3社と契約をしたと政府は言っているが、契約では供与は「年内に」となっているだけ。お人好しというか、危機感ゼロだ。

 アストロゼネカは、最大9000万回分を日本国内で生産すると、昨日の朝日新聞が報じた。ワクチンの原液はJCRファーマ(兵庫)がつくり、容器への充塡などの製品化は第一三共(東京)やKMバイオロジクス(熊本)などが担うという。ヤフコメを見ると、これに喜びのコメントがあふれているが、欧州でも供給が遅れているので、日本でやろうと間に合わないかもしれない。契約では、「年内に1億2000万本」という。

 

 コロナ禍が始まってから、日本が世界からどれだけ遅れているか痛感するようになった。本当に情けない。

 さっき、時事通信記事『呼び名は「ヨシ」「ジョー」 日米首脳、信頼構築目指す』に衝撃を受け、思わず、始めたばかりのフェイスブックに投稿した。 

[衝撃1]なぜガースーではないんだ?

[衝撃2]電話会談ではなく「電話連絡」である。

[衝撃3]宗主国の大統領をファーストネームで呼ぶのは儀礼に反しないか?

https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012800195&g=pol

 
[357]いったいいつハワイへ行ける? 気になるハワイのコロナ事情
2021年 1月 18日(月曜日) 14:38

本当にどれくらいハワイに行っていないだろうか? 

 スケジュールメモを見たら、7年前に久しぶりにホノルル経由でハワイ島を家族旅行したのが最後だった。それ以後は米本土ばかりに行っている。

 娘が小学校2年生のときから、夏の間はずっとワイキキで過ごした。家内と娘は、6月に学校が夏休みに入るとすぐにハワイに出かけ、娘はサマースクールに通った。

 小学生のときは、ダイヤモンドヘットそばの女子校「LA PIETRA Hawaii School for Girls」に、中学生のときは州政府そばの「St. Andrews Priory School」に通った。

 私は短い夏休みが取れるとすぐにハワイに行き、家内と娘と過ごした。20年以上前の話だ。サマースクールから帰ってきた娘と、ボディボードを抱えてカピオラニビーチに行くのが日課だった。青い空に白い雲。波間に揺られながら、空とダイヤモンドヘッドを眺めた。

「パパ、次の波は大きいよ」。いまも娘の声が聞こえる。

 

  2021年1月16日現在のハワイ州の新型コロナ感染者数は2万4223名(前日比+165)。1月5日には284名の今年最多を記録している。ハワイ州政府の統計を見ると、10月~12月の新規感染者数は1日50~80人前後。ただ、クリスマスのホリディシーズン後に跳ね上がり、その後、最近では100人以下に落ちている。

 かつて、現地の日系ローカルメディア「アロハストリート」を取材したことがあるが、ここのサイトでは「コロナ最新情報」を毎日のように更新している。私は、ハワイのことが気になって、ここのサイトや現地紙「ホノルル・アドバタイザー」のサイト、州政府の「ビジネス、経済、観光局」のサイトをよく見る。

  

 これらのサイトと報道を総合すると、ワイキキにはいま日本人の姿はほとんどない。アメリカ本土からの観光客は例年の4割ほど戻ってきているが、日本人はほぼゼロだという。

 「ビジネス、経済、観光局」のサイトによると、日本からのフライトでハワイ(全島計)に到着した訪問者は、次のようになっている。

 

 これらのサイトと報道を総合すると、ワイキキにはいま日本人の姿はほとんどない。アメリカ本土からの観光客は例年の4割ほど戻ってきているが、日本人はほぼゼロだという。

 「ビジネス、経済、観光局」のサイトによると、日本からのフライトでハワイ(全島計)に到着した訪問者は、次のようになっている。

 12月25日:231人

 12月26日:249人

 12月27日:57人

 12月28日125人 

 12月29日:163人

 12月30日:82人

 12月31日:128人

 2021年1月1日:109人

 1月2日:137人

 1月3日:117人

 1月4日:224人

 1月5日:57人

 1月10日:87人

 1月15日:180人

(ちなみに、2020年の年末年始は、1日平均8000〜1万人だった)

 これに比べて、アメリカ本土からの訪問者は、たとえばホリディシーズンの12月26日が1万4055人で、連日1万人を超えている。 

 

  ハワイは本土に比べたら感染者は少ない。そのうえ、本土が真冬なのだから、観光客はやって来る。しかも、出発前72時間以内の陰性照明さえ持ってくれば、到着後のクアランティは免除される。

 日本人も11月から同様の扱いを受けてクアランティが免除されることになったが、帰国後に14日間の「隔離」があるので、よほどの暇人でないと無理だ。

 しかも、フライトがほとんどない。全日空も日本航空も定期便は休止。アロハ航空も休止中だ。臨時便だけが飛んでいる。

 

 

 現在の日本の感染状況では、ハワイにいつ行けるようになるかはまったくわからない。ワクチン接種によって状況は変わるという見方があるが、日本に限っては、ワクチン接種は大幅に遅れそうだ。

 1月17日、 国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、バイデン次期大統領が掲げる就任後100日以内に国民にワクチン1億回分を投与する目標は「完全に達成可能だ」と述べたという。これを信じれば、アメリカは今後、急速に回復に向かうことになる。ただし、人口の半分が接種されるのには半年はかかるだろう。

 では、日本は? 1年はかかると思われる。

 

 ハワイでは、今月中に大規模なワクチン接種センターが2ヵ所オープンし、今月いっぱいで10万人、来月は15万人接種が行われるという。ハワイの人口は約140万人だから、1カ月に15万人のペースなら7月には人口の半分に達する。となれば、今年の夏にはハワイのほぼ感染が収束するだろう。しかし、日本人が今年の夏でも無理かもしれない。 

 
[356]ワクチン接種が受けられるのは今年の夏か?絶望ニッポン
2021年 1月 17日(日曜日) 00:20

コロナのパンデミックから私たちを救うのは、やはりワクチンしかないようだ。すでに欧米では接種が始まって1カ月が経つが、計画通りには進んでいない。アメリカは1カ月で2000万人接種を目指していたが、現在のところ、やっと1000万人を超えたという。

 この遅延に、バイデン新大統領は昨日の会見で、就任から最初の100日間で1億回の接種を目指すと強調した。しかし、いろいろなハードルがあり、目標通りにはいかないと思われる。

 欧州のほうも、昨日、ファイザー/ビオンテックが、一時的に出荷ペースを落とすことを表明した。

 

 そんななか、着々と接種が進んでいるのがイスラエルだ。ロイターの報道によると、すでに4人に1人が接種を受け、3月中旬までに人口の半数を超える見通しだという。

 英オックスフォード大の研究者らの統計によると、1月14日現在で、イスラエルの人口100人当たりの接種率はほぼ25%に達している。アラブ首長国連邦(UAE)が15%、バーレーンが6%で続き、英国は5%、米国は3%となっている。

 

 そこでやはり気になるのは、わが国の状況だ。

 ガースー政権は口だけだから、「2月末に開始」と言ってもまったく信用できない。なにしろ、接種するためのシステムづくりがまったくできていない。このワクチンは超低温保存が必要のうえ、「蜜」を防ぐための広いスペース、接種後の副反応確認のために15分以上止まるなど、インフルエンザのようにクリニックで簡単に済ませることができない。本当に、どうなるのか?と思っていたら、次のような報道があった。

 

「ワクチン接種、全国1万か所拠点に実施へ…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備」(読売オンライン:1月16日20:11配信)

 

《厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種を、全国約1万か所の医療機関などの「基本型接種施設」を拠点として実施する方針を決めた。各拠点には氷点下約75度でワクチンを保管できる超低温冷凍庫を配備、そこを起点に2~8度の冷蔵状態で診療所などに輸送し、多くの人に効率的に接種する体制を整える。

 2月下旬にも接種が始まる米製薬大手ファイザーのワクチンは、基本的に超低温で保管する必要があり、冷蔵での保管は最大5日間に限られる。厚労省は超低温冷凍庫を、2月末までに約1500台配る。6月末までに計約万1台を全市区町村に最低1台割り当て、基本型施設に位置づける。》

 

 なにをいまごろ決めているのか、遅すぎだろうということが、これでわかる。「2月末までに約1500台配る。6月末までに計約万1台」ということは、結局、一般国民がワクチンの接種を受けられるのは7月からということだ。

 いくらアメリカが遅いとはいえ、バイデンの言葉通りなら7月までには、人口の半分を終えているだろう。

 もうなにを言ってもどうしようもないが、本当に日本は情けない国になってしまった。絶望ニッポン!

 
[355]ついに「非常事態宣言」=「なんちゃってロックダウン」に!
2021年 1月 06日(水曜日) 21:48

今日の東京都の感染者数は、1591人で過去最高を記録。神奈川県は591人で過去2番目を記録。ここまでの報道では、1日の発表としては初めて6000人を超えて、感染者数(陽性者数)は過去最多となった。もはや、感染拡大は止まらない状況だ。

 これに政府はあたふたし、ついに「緊急事態宣言」をする運びになった。そこで、思うのが、同時流行すると言われていたインフルエンザはいったどうしてしまったのかということ。この観点から、「Yahoo!ニュース」の個人欄に、「インフルエンザとの比較」のコラム記事を出したところ、《医師、医療従事者、医療専門のジャーナリスト以外のオーサーが新型コロナウイルスに関連する医学的な内容を発信するのは禁止とする》の措置に抵触するので、非公開となってしまった。「Yahoo!ニュース」の「医師、医療従事者、医療専門のジャーナリストに限定する」という判断は正しいと思うが、今回の記事は医学的見地からのもではないので、以下、ここにアップしておくことにした。

「なんちゃって緊急事態宣言」で感染拡大は止まるのか?インフルエンザとコロナのグラフを比較してみた。

 とうとう「緊急事態宣言」が発出される。が、これでコロナな感染拡大が収束に向かうのだろうか? それにしても、今年はインフルエンザがまったく流行していない。そこで、コロナとインフルエンザを比較してみると-----。

 ついこの間まで、政府は税金を投入して「Go toイート」という飲食店支援策を行っていた。しかし、感染拡大で「医療崩壊」が懸念されてきたので、ついに「緊急事態宣言」に追い込まれた。

 一般的に「緊急事態」と言うと「ロックダウン」を意味するが、日本だけは違っていて、なんと、飲食店の営業時間短縮などに限定される措置という。つまり、「なんちゃってロックダウン」=「なんちゃって非常事態宣言」である。これでは、「医療崩壊」より先に「飲食店崩壊」になってしまうだろう。

 

 かつて「8割おじさん」と呼ばれた西浦博・京都大学大学院教授は、飲食店の営業時間短縮などでは効果は期待できないとし、昨年4~5月の宣言時に近い厳しい対策をしても、東京の1日当たりの新規感染者数が100人以下に減るまでには約2カ月かかるだろうという試算を公表した。

 そこで、思うのが、今年はインフルエンザがまったく流行していないことだ。これまでに報告された患者数は、例年に比べると圧倒的に少ない。

 

 厚生労働省は、毎年、9月から翌年5月末までの間、1週間ごとにインフルエンザ患者の発生状況をまとめて公表している。それによると、9月1日を含む第36週から第50週(2020年12月7日~13日)の15週間の累積の患者数は、全国でたった383人。過去5年間の同期間の平均患者総数は約9万人だから、2020/21年シーズンの患者数は0.5%以下である。

 新型コロナウイルス感染が拡大する東京都では、第50週1週間の患者数はたった4人だった。

 

 そこで、以下、インフルエンザとコロナを、公開されているグラフによって比較してみた。私は、疫学、医学の専門家ではないので、こうしたことに意味があるのかどうかは解説できない。

 ただ、これで言えるのは、インフルエンザもコロナも同じような流行曲線を描いていることだ。

 

 次は、東京都の「感染症情報センター」のHPにある過去5シーズンのインフルエンザ患者報告数の推移グラフである。これを見ると、例年11月(第46週あたり)から患者数が増え始め、年が明けて急増し、1月後半(第3週あたり)にピークに達し、その後、じょじょに収束していくのがわかる。5月(第20週あたり)になるとほぼ収束し、夏から秋口にかけては発症者はほとんどいなくなる。

 

    

 次は、「Yahoo!ニュース」の特設サイト「新型コロナウイルス感染症まとめ」にある、東京都の新規感染者数の推移グラフだ。2020年6月からの「第2波」と11月からの「第3波」の推移が表されているが、見てわかるのは、現在の「第3波」が、インフルエンザと同じような経過をたどってきたことだ。

     

 すでに、コロナに関して「季節性」はほとんど言われなくなっている。真夏の南アフリカで変異種が出現し、感染拡大が止まらないのだから、「冬に流行する」という特性はないと思われる。

 それでもなお、不思議なのは、なぜインフルエンザがほぼ壊滅し、コロナだけが感染拡大しているのかということ。この点を、専門家はきちんと解明してほしい。

 すでに、英国は厳しいロックダウンに入った。この効果はいずれ出ると思うが、はたして日本の「なんちゃってロックダウン」=「なんちゃって非常事態宣言」で大丈夫だろうか?

 コロナがインフルと同じ経過をたどってほしいとするのは、「希望的観測」なのか。「8割おじさん」の試算が当たらないことを切に願う。

 
[354]2020年の年の瀬に思う「鎌倉での日々」と「淡々と流れゆく日々」
2020年 12月 29日(火曜日) 23:52

いよいよ今年も終わろうとしている。しかし、今年はコロナ禍のため、年の瀬のあわただしさを感じない。季節は確実に進み、寒さは日毎に増しているというのに、ほぼ毎日家にいるため、冬の実感がない。

 窓から外を見下ろせば、木々は冬枯れているというのに、室内はエアコンが利いて暖かい。結局、原稿を書く以外は、本を読むかテレビを見るかネットサーフィンをするかで、毎日が淡々と過ぎていく。

 

 コロナ禍になってから、歴史本を徹底して読んできた。古代から幕末まで、もう一度、あやふやな知識を整理するため、手当たり次第に手を出しては読み散らかした。

 やはり、心惹かれるのは、卑弥呼の邪馬台国からヤマト王権の成立、倭の五王、聖徳太子と大化の改新、白村江の戦いを経て天智天武朝による日本国の成立までの物語だ。

「私たちはどこから来たのか?」「私たちは何者なのか?」「私たちはどこへ行こうとしているのか?」

 今日まで、この3つの答えを探す旅をずっとしてきて、いまだに明確な答えは見出せない。日本、日本人とはいったい何なのだろうか?

 

  鎌倉育ちだから、鎌倉時代にも限りなく興味がある。小学校、中学校を通して、教師に連れられ、市内の史跡巡りしたことをなつかしく思い出す。鎌倉五山を巡り、七口の切り通しを登った。夏は、いつも家のそばの腰越海岸で泳いだ。

 あまりに鎌倉がなつかしくなり、歴史書をいったん閉じて、吉田秋生の『海街Diary』を読み返した。漫画というより、これは珠玉の短編小説の連作で、鎌倉が舞台だけに、読みながらときどき目を閉じて、子供の頃に焼きついた光景を思い浮かべる。

 

 それにしても、吉田秋生という女性漫画家は素晴らしい。どんな青春を鎌倉で送ったのだろうか?こんなに心のうちに抒情、哀愁を持った作家は2人といない。鎌倉とそこで暮らす人々(かつて私もそうだった)への愛情に溢れている。私の父は作家だったので、西岸良平の『鎌倉物語』も好きだが、『海街Diary』のほうが心にしみる。

 

 何気ない日常が、じつはどんなに尊いか。淡々と流れゆく日々のなかに、どんな心象風景が隠されているのか。これは、そういう人生を送った人間でなければわからない。

 高校生のとき、父に愛人が2人いるのを知り、その一人に幼子がいて、ある日、突然、母がその子を鎌倉の家に連れ帰った。愛人がもう一人の愛人に子供がいるのを知って、自殺未遂したからだった。

 庭を駆けずり回る何も知らない子。この腹違いの弟といっしょに、私もかけずり回った。庭には紫陽花が咲いていた。この弟は、10年ほど前、春スキーに行って転落死した。

 

 母はその後、自律神経失調で倒れ、梅雨の間、しばらく寝込んだ。そのころ、付き合っていた同じ高校の1学年下の彼女には、すべてを話した。腰越海岸を歩き、江ノ島の向こうに沈む夕日を見た。その年の江ノ島の花火は、彼女を連れて、打ち上げ場所のそばの桟橋まで見に行った。花火大会が始まると、まさに真上に花火の大輪が咲いた。

 ところが、その後、破片が空からバラバラ落ちてきた。私は、あわてて彼女の手を引いて逃げた。周りの人たちもみな逃げた。

 これまでの人生で見た、いちばん哀しい花火だった。

 

 『海街Diary』を読み返しながら、百人一首の解説本も並行して読み返した。映画『海街Diary』では、末の妹・浅野すず役を広瀬すずが演じた。その広瀬すずは、映画『ちはやふる』では主人公の綾瀬千早役を演じた。だから、百人一首を読み返したというわけではなく、なぜか自然と手に取っていた。

 中学時代、百人一首を必死に暗記した。そうして、「競技かるた」で勝ち、同級生の女の子から「すごい」と言われたときは、天にも上る気持ちになった。

 初めて百人一首を読んで、歌の内容を知ったとき、ほとんどが男と女の恋の歌なのに、本当に驚いた。とくに「長からむ心も知らず黒髪の 乱れて今朝はものをこそ思へ」(待賢門院堀河)の歌の意味、その場面を知ったときは、男と女が何をするのかを想像して、心が高ぶった。

 

  百人一首の女性歌人のなかでは、やはり和泉式部が飛び抜けている。こんなに、女性が情熱的で、素直にありのままの恋心を表明できる、日本にそういう時代があったことに驚く。

 

「あらざらむ この世のほかの思ひ出に いまひとたびの逢ふこともがな」

「世の中に 恋てふ色はなけれども 深く身にしむ 物ぞありける」

「黒髪の 乱れも知らずうちふせば まづかきやりし 人ぞ恋しき」

「涙川 おなじ身よりはながるれど 恋をば消たぬものにぞありける」

 

 じつは、私は詩人になることを夢見ていた。中学時代は、詩を書き、短歌、俳句をつくり、毎月、旺文社の『中1、中2時代』と学研の『中1、中2コース』に投稿していた。そうして、毎月のように入選した。そのときの雑誌はしばらくとっていたが、いまはない。どこかにあるはずだが、探してみなければわからない。

 俳句で覚えているのは、次の2首。選者は石田波郷で、どちらも特選だった。

 

「初蝶や山路すれすれ登りゆく」

「ひっそりと春は暮れ行く火事の跡」

 

 後者の俳句は、実際の光景を詠んだものだ。

 私は、鶴岡八幡宮の脇にある横浜国大付属の生徒だった。付属小、付属中と9年間、江ノ電に乗って通った。1965年1月、小学6年生のとき、火事で校舎が焼けた。小学校、中学校の木造校舎と並んで、古い木造の大学(当時、学芸学部)の校舎と寮があったが、そこが火元だった。大学は全焼したが、小中学校は無事だった。あの頃、よく学生寮に遊びに行き、大学生の部屋の中に入らせてもらったが、どこも汚くてゴミ部屋のようだった。

 火事の後、1年ほどして新校舎が建つことになったが、それまでは焼け残っていた古い木造の校舎で授業があった。

 その校舎の階段脇の黒板に、私は、国語の教師の許可をえて、有名詩人の詩を白墨で書いた。

 

 そのなかで、私の心にいちばんしみたのが、『萱草に寄す』(立原道造)の、「はじめてのものに」と「のちのおもいに」だった。私は、この詩を暗記した。


「はじめてのものに」

 ささやかな地異は そのかたみに
 灰を降らした この村に ひとしきり
 灰はかなしい追憶のやうに 音立てて
 樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきつた

 その夜 月は明かつたが 私はひとと
 窓に凭れて語りあつた(その窓からは山の姿が見えた)
 部屋の隅々に 峡谷のやうに 光と
 よくひびく笑ひ声が溢れてゐた

 ――
人の心を知ることは……人の心とは……
 私は そのひとが蛾を追ふ手つきを あれは蛾を
 把へようとするのだらうか 何かいぶかしかつた

 いかな日にみねに灰の煙の立ち初めたか
 火の山の物語と……また幾夜さかは 果して夢に
 その夜習つたエリーザベトの物語を織つた

 

「のちのおもひに」

 夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
 水引草に風が立ち
 草ひばりのうたひやまない
 しづまりかへつた午さがりの林道を

 うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
 ――
そして私は
 見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
 だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……

 夢は そのさきには もうゆかない
 なにもかも 忘れ果てようとおもひ
 忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには

 夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
 そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
 星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう

 

 もう一編、忘れられない詩がある。大木実の「夜汽車」だ。最後の「何でもないあの人達なのに――」の一文がなにを意味しているのかは、大人になってしみじみとわかった。「人生は旅」というが、そのとおりだ。

 

 「夜汽車」      
 

 いつの旅であったろう
 となりあわせた女のひとが
 窓に向かって泣いていたのは
 その背なで安らかそうに幼児が眠っていたのは

 また いつの旅であったろう
 むかいあわせた老人が
 手紙をしめして行く先をたずね
 哀しい身のうえを語ったのは

 灯火(ともしび)も暗く すちいむも通わぬ
 田舎の小さな町から町へ行く終列車

 ああ あのひと達
 一時間ほどいっしょに過ごしただけなのに
 おそらく生涯 二度と会わないであろう
 何でもないあのひと達なのに――
       

 

 大人になって、「人生の旅」を重ねるにつれ、李白の詩が好きになった。中国に行き、悠久の大河・長江の流れを初めて見て、「峨眉山月歌」「黄鶴楼送孟浩然之広陵」の世界がわかった。酒を飲むようになって、気にいったのが「客中作」。南京には何度か行ったので、「金陵酒肆留別」も、その光景が浮かぶ。南京は、唐代に金陵(ジンリン)と呼ばれていた。

 

「峨眉山月歌」

 峨眉山月半輪秋  峨眉山月半輪の秋
 影入平羌江水流  影は平羌の江水に入りて流る
 夜發清溪向三峽  夜清溪を發して三峽に向ふ
 思君不見下渝州  君を思へども見えず渝州に下る 

 

「黄鶴楼送孟浩然之広陵」

 故人西辭黄鶴樓  故人西のかた黄鶴樓を辭し
 煙花三月下揚州  煙花三月 揚州に下る
 孤帆遠影碧空盡  孤帆の遠影 碧空に盡き
 惟見長江天際流  惟だ見る 長江の天際に流るるを

 

「客中作」

 蘭陵美酒鬱金香  蘭陵の美酒 鬱金香
 玉碗盛來琥珀光  玉碗に盛り来たる 琥珀の光
 但使主人能醉客  但だ主人をして能く客を醉はしむれば
 不知何處是他鄕  知らず 何れの處か是れ他鄕

 

「金陵酒肆留別」 

 白門柳花滿店香  白門の柳花 満店香し
 呉姫酒喚客嘗   呉姫 酒を圧して客を嘗めしむ
 金陵子弟來相送  金陵の子弟 来たりて相送り
 欲行不行各盡觴  行かんと欲して行かず 各觴を盡くす
 請君問取東流水  請う 君 問取せよ 東流の水に
 意與之誰短長   別意と之と誰か短長と

 

 結局、詩人にはなれなかったが、編集者、ジャーナリスト・作家と書く仕事を続け、いまもものを書いている。2020年は終わるが、はたして来年はどんな年になるのか? 歴史の流れから見れば、どうってことないない1年となり、淡々と日々が流れていってほしい。

 
[353]久しぶりに「流れ星」を見て想うこと
2020年 12月 17日(木曜日) 17:25

一昨夜、流れ星を見た。午後10時過ぎ、南西の空にあるオリオン座の脇をサッと流れて、一瞬で消えた。本当に久ぶりのことで、「あっ」と言う間もなかったが、晴れ晴れとした気分になった。

 

 ここ数年、12月の半ばは、誕生日なので、大磯プリンスに宿泊し、4Fのスパで、インフィニティプール、ジャグジーに入りながら、湘南の海の光景を見ている。一昨日は、夕日が箱根に沈むのを眺め、富士山がオレンジのシルエットのなかにじょじょに夜のとばりに包まれていくのを眺めた。

 右手に伊豆半島、正面に伊豆大島、左手に江ノ島と三浦半島。相模湾の景色は、中心の大磯から見るのがいちばんだ。

 

   

 

 そして、夜、ふたたび、スパに行き、今度は夜空をずっと見つめていた。小学生のころ、星座盤を買ってもらったとき、毎晩のように夜空を見上げて星座を探したことを思い出す。しかし、大人になってから、どれだけ夜空を見上げてきただろうか?

「満点の星」という言葉があるが、それを体験したのは数回しかない。それも、海外でのことだ。

 残念ながら、満点の星は大磯では無理だ。それでも、目を凝らせば、オリオン座やこいぬ座、おおいぬ座は確認でき、「冬の三角形」ペテルギウス、シリウス、プロテオンははっきり見える。

 ちょうど、いまは「ふたご座流星群」の時期で、そのせいか、流れ星を見ることができたのだろう。

 

 NHKの番組「コズミックフロント」は毎回見ている。先週来、「はぶさ2号」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰ったサンプルに注目が集まっている。また、昨日は、中国の月面探査機「嫦娥5号」がサンプル帰還に成功した。世界中で、ハビタブルゾーン内惑星の発見と探査が進んでいる。

「私たちはどこから来たのか。私たちは何ものなのか。私たちはどこへ行くのか」

 この答は、私が生きているうちには出ないだろう。しかし、星空を見るたびに、この問いが心に浮かぶ。

 人類の歴史、とくにいまのコロナ禍など、悠久の宇宙から見れば、一瞬の流れ星に過ぎない。
 
2020年12月3日●新刊『コロナ敗戦後の世界』(MdN新書)発売

私の新著『コロナ敗戦後の世界』(MdN新書、980円)が、12月4日に発売されます。前著『コロナショック』に続く第2弾で、コロナ禍によって今後、世界と日本がどうなっていくのかを展望しています。

 それは、日本に関して言えば「絶望未来」です。いまの日本は衰退を続けるだけで、明るい材料がなにもありません。そこに襲ってきたのが「コロナ禍」ですから、日本の衰退は加速します。

 

 いつも思うのは、いったい日本はどれほど敗戦を重ねればいいのだろうか?ということです。

 半導体敗戦」「家電敗戦」「液晶敗戦」「パソコン敗戦」「デジタル敗戦」「スマホ敗戦」など、挙げていけばきりがありません。今回の「コロナ敗戦」から、はたして立ち上がることができるのか? そのためになにができるのか?それをいま真剣に考えなければなりません。

 

Amazon『コロナ敗戦後の世界』 (MdN新書) 

https://www.amazon.co.jp/コロナ敗戦後の世界-MdN新書-山田-順/dp/4295200913/ref=sr_1_2?dchild=1&qid=1606968867&s=books&sr=1-2

  

 

 以下が、本書の「はじめに」と「目次」です。

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[352]冬到来。ワクチン開発でボロ負けの日本。このまま迷走を続けるだけなのか?
2020年 12月 02日(水曜日) 17:53

1カ月ほど静養の旅に出て、帰ってみたらすっかり冬になっていた。今日は1日雨降り。気温は10度までしか上がらなかった。まだ5時前だというのに、もう外は夜のとばりが降りている。

 石垣、沖縄、指宿、鹿児島、宮崎を回った。南の旅だったから、どこもまだ暖かく、石垣ではビーチで泳いだ。

 

 今日の東京の感染者数は、水曜日としては最高の500人。1カ月前、旅に出る前は、コロナ感染がここまで悪化するとは思わなかった。コロナより米大統領戦の結果に気を取られていた。まだ、トランプが騒いでいた。それがすっかりおとなしくなったので、今後、アメリカは大きく変わるだろう。

  

   

 それにしても、「Go Toトラベル」の混乱、迷走ぶりはひどい。私も利用したので批判するのはおこがましいが、どう考えてもコロナには逆効果だった。どこに行っても人出は多く、とくに人気の観光地はごったがえしていた。長期滞在した南のリゾート以外は、なんとなく落ち着かなかった。昨日、小池百合子と菅が会談し、東京の「Go Toトラベル」から、65歳高齢者と基礎疾患のある人間の除外が決まった。こんな愚策を決めるために東京と国のトップが会談するのだから、どうかしている。もう半年以上、この国は迷走を続けている。いったい、政府はどうしたいのだろうか?

 

  

 アメリカ、英国では、いよいよワクチンの投与が開始される。ファイザーとモデルナの2種のワクチンが認可される予定たが、なぜか、日本では懐疑的な見方が強い。メディアも専門家も「やってみないとわからない」と言っている。

 しかし、このワクチンは間違いなく効果がある。2社とも95%の効果を公表したが、そのとおりだろう。

 

 とくにモデルナは、「mRNA」(メッセンジャーRNA)ワクチンだけに、必ず成功するはずだ。

 モデルナは気鋭の生物学者デリック・ロッシが2010年に創業し、遺伝子情報を駆使した製薬開発を進めてきた新興企業にすぎない。そこに、ワクチンは安全保障にかかわる戦略物質という認識で、アメリカは大金を投じた。あのアンソニー・ファウチ博士も「効果は十分に期待できる」と断言している。

 

 ワクチン開発で、日本はボロ負けだ。いまだに、臨床試験(フェーズ3)までいっていない。ロシアや中国の見掛け倒しのワクチンよりひどい。たった600億円しか予算を投じなかったことに、政府の認識のなさがよく表れている。

 日本政府はファイザー、モデルナ、アストラゼネカから供給を受けることで合意したと発表しているが、どうなるかはわからない。

 

 ワクチン投与が順調に進めば、いずれコロナは政治課題ではなくなるだろう。アメリカは、ワクチン接種がある程度進んだ段階で、「コロナ克服」を宣言するだろう。もし、期待した効果がなかったとしても、そうして政治的な解決をはかるだろう。

 そのとき、日本はどうするのか? このままずるずると感染拡大を続け、ワクチンも届かないとなれば、最悪の2021年になりかねない。
 
[351]バイデン勝利も、トランプがぶち壊したアメリカの分断は続く
2020年 11月 06日(金曜日) 10:58

米大統領選がほぼ終わった。トランプが勝つには、現在残っているペンシルベニア(選挙人20)、ジョージア(16)、ノースカロライナ(15)を取ったうえ、もっとも票が遅れるとされるネバダ(6)も取らなければならない。つまり、ほぼバイデンで決したと見ていい。

 現在、CNNを見ているが、ジョージアでは残り1万8000票ほどで、ほとんどがアトランタ都市圏の票だから、バイデンがトランプをひっくり返す可能性が高い。そうなると、決まりだ。

 

 さきほど、トランプは会見を行い、「合法的な票を数えれば私は簡単に勝っている。違法な票を数えれば、彼らが選挙結果を盗むことになる。われわれは多くの鍵となる地域で大きく勝っている」と述べた。郵便投票は不正だと改めて主張したわけだが、元気がなかった。

 

 とはいえ、ここまでトランプが接戦に持ち込むとは思わなかった。世論調査とメディアの報道通り、バイデンが圧勝するものと思っていた。

 それが、当初は、トランプが勝つ勢いだった。少なくとも、フロリダ、テキサスを取ったときは、「ああ、これはトランプの勝ちだ」と思った。ところが、事前に予想された「レッド・ミラージュ」の展開となり、ウィスコンシン、ミシガンでバイデンが逆転、「ブルーシフト」となった。

  

 それにしても、開票状況を見ていると、アメリカは都市部と郊外、地方ではまったく違う。完全にデモクラッツとリパブリカンに分断されている。

 トランプ支持者は、都市部にはいない。アリゾナにしてもフェニックスと郊外、ジョージアにしてもアトランタ、サバンナと郊外、ペンシルバニアにしてもフィラデルフィア、ピッツバーグと郊外ではまったく違う。なぜ、ここまで違うのか、「都市部のインテリと郊外の庶民」と解説されても、そんなはずはないと思う。郊外住民、地方住民はインテリではないのか。

 

 それにしても、トランプの支持者の多さに驚く。世論調査は今回もまた機能しなかった。前回、2016年のとき、トランプの当選は予想外だったが、それでも、反エリート、むき出しの本音が、エスタブのヒラリーを嫌う人々に受け入れただろうと納得できた。マニュアル労働に従事し、郊外のダイナーで、クアーズを飲んでステーキを食べていれば、そういう気分になる。

 

 しかし、今回は違う。この4年間で、誰もがトランプがどんな人物か知った。完全な自己中オヤジで、ウソつき、女性蔑視、白人至上主義者で、難しいことは大嫌い、ディールで勝つことしか頭になく、逆らう人間はすぐにクビにする。これがわかったのに、アメリカ人の半分が投票した。しかも驚くべきことに、前回よりもラティーノと黒人の票は増えている。

 これでは、アメリカの分断は今後も続く。上院は民主党が逆転できなかったのだから、「ねじれ」で、バイデンはろくなことはできないだろう。

 もう、アメリカは元に戻らない。世界をリードする「ランドオブ・フリーダム」(自由な国)は消えた。

 
[350]左だから任命拒否。答はわかっているのに、騒ぐだけで終わり。政府とメディアの腐敗は進む。
2020年 10月 06日(火曜日) 21:06

日毎、日が短くなっていく。夕方5時になると、もうかなり暗い。カーテンを閉めながら、月日が過ぎ行く速さを思い知る。もっとゆっくり時間は流れてくれないものだろうか。

 明日から天気は崩れ、雨になる。南海上に台風14号があって、今週末にはやって来るという。

 

 ここのところ、最大のニュースは、トランプ大統領のコロナ感染だ。今日は、1日中、退院報道ばかりだった。

 まさか、アメリカ大統領がコロナに感染するとは? トランプのことだからありえるとは思っていたが、本当になってしまった。アメリカは本当にどうなってしまっているのか? いまや、ホワイトハウスがクラスターになっている。

 

 一方、この国では、菅・新首相のご祝儀報道が続いていたが、突如、日本学術会議の任命拒否問題が起こり、初めて菅内閣の政治姿勢が問われ出した。ワイドショーでもこの問題が取り上げられている。

 ただ、メディアが「なぜ6人を外したのか、説明する責任がある」と追及しても、答はわかっている。極左だからだ。政府や首相を非難した左翼学者を任命するのは腹立たしい。

 リベラルメディアは、要するに首相の口からそれを言わせたい。野党も同じだ。となれば、首相は絶対、そんな本当のことを言うわけがない。言ったら、今度は「学問の自由の侵害」「思想統制」と猛批判される。しかし、言ってしまっていいだろう。

  要するに、学術会議は政治的思想的に中立でないところがある。一部の学者はアカデミックとは程遠いところがある。そうはっきり言わないと、議論は、法的解釈の問題とか、ほかの方向にそれていく。

 

 いずれにしても、菅首相はなにか勘違いをしている。というか、国家権力の行使・運営、民主政治のあり方というものを、よくわかっていない。そういう教養がない。ただ、もっと最悪なのは、そういう人物だとわかっていて、「苦労人」「パンケーキおじさん」などと持ち上げたメディアだ。

 単なる保守オジサン、事務オジサンなら、それはそれでかまわない。そういう素顔を報道すればいい。しかし、そんなことするメディアはほとんどなかった。

 

 私が心底がっかりしたのは、わざわざ原宿の「Eggs'n Things」を選んで開かれたオフレコ懇談会に、のこのこ出席した記者たちだ。もはや、日本のメディアは政府の広報機関にすぎなくなった。

 こうなると、どんな政権が生まれようと、メディアは同じことを繰り返す。右だろうと、左だろうと、独裁だろうと、おかまいなしに権力に擦り寄り、国民のほうを向かなくなる。

 

 今回のことで、情けない極みは、任命拒否問題に答えるとして行った記者会見が、内閣記者会3社と組んだヤラセだったことだ。読売、日経、北海道新聞の3社の記者だけの「グループインタビュー」が、記者会見に仕立て上げられて報道された。

「法に則っている」「学問の自由とはまったく関係ない」「個別の人事に関することについてはコメントを控えたい」

 いちおうこれで、幕引きである。いつもそうだが、騒ぎ立てはするが、ツッコミはなく、尻すぼみで、やがて終了。これでは、政府もメディアも、腐敗が進むだけだ。

 
[349]菅首相“ご祝儀”“太鼓持ち”報道にうんざり。「いつもと違う秋」は深まっていくのか?
2020年 9月 29日(火曜日) 16:42

このところ、すっかり秋めいてきた。朝夕の風がいちだんと涼しくなり、日差しも弱まった。秋と言えば、十五夜だが、今年は10月1日。今週の木曜日だ。家内は、中華街の重慶飯店に月餅を買いにいくという。

 月を見ると、思い浮かぶのが、数々の和歌や漢詩だ。「天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも」(阿倍仲麻呂)は真っ先に浮かぶ。「月見ればちぢにものこそ悲しけれ わが身一つの秋にはあらねど」(大江千里)も浮かんでくる。さらに、紫式部の「めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに 雲がくれにし夜半の月かな」もいい。月は、人をなぜか切なくさせる。

 

 私は李白が大好きで、中国を旅したとき、長江を眺めながら「黄鶴楼送孟浩然之広陵」の詩句を繰り返し口にしたものだ。そうして、盛唐の時代の中国に思いをはせた。女帝・持統天皇は藤原京をつくり、同じく中国史上たった1人の女帝・則天武后に遣唐使を派遣し、国名を「倭」から「日本」にすることを承認させた。持統天皇にも、月を詠んだ歌がある。「北山に たなびく雲の 青雲の 星離り行き 月も離りて」。夫・天武天皇の崩御を悼んでの歌という。

 

 李白は月を詠んだ詩を多く残している。そのなかでもっとも有名なのは「月下独酌」だが、私は「峨眉山月歌」に心惹かれる。

 

 峨眉山月半輪秋(峨眉山月 半輪の秋)

 影入平羌江水流(影は平羌江の水に入りて流る)

 夜発清渓向三峡(夜清渓を発して三峡に向こう)

 思君不見下渝州(君を思えども見えず 渝州に下る)

 

  それにしても、菅義偉首相が誕生してから、常軌を逸した“ご祝儀”“太鼓持ち”報道が続いている。アベノミクスは失敗し、「失われた30年」が続くこの国に、容赦なく襲ってきたコロナ禍。それにより、デジタルを含めあらゆる分野で世界に遅れたことが明らかになり、経済崩壊は、いまも止まらない。

 そんな状況なのに、前政権を継承し、「携帯料金を下げる」「デジタル庁をつくる」ぐらいの政策しか打ち出せない老人を首相にしてしまった。日本には、本当にこれでいいのか? 真の改革者が必要なときではないのか。

 

 菅首相には大きなビジョン、改革の意思がない。日本をなんとかしようという心意気が感じられない。しかも、国際的にはまったく通用しない。日本をアピールできない。

 就任後、もっともがっかりしたのは、日米電話会談後の会見コメントだ。

 「大統領からは24時間いつでも何かあったら電話をして欲しいと。『テル』『テル』と、そういうことで一致した」

 いったい、これはなんなのだろうか。トランプにいつでも電話をかけてきていいと言われたことが嬉しいということなのか。それにしても「テルテル」はひどい。電話を英語で「テル」と言うと思っているとは。

 メディアもひどい。これは日米電話会談ではなく、宗主国アメリカの大統領への「電話連絡」による就任挨拶だ。電話会談ではなく電話連絡とすべきだ。

 

 今年は、コロナ禍で、国連総会がネットによるオンライン会議となった。各国首脳のスピーチは動画配信となった。

そこで、菅首相もスピーチ動画を配信したが、これが、情けなくなるほどひどい。事前収録なのだから、緊張することなく、的確にメッセージを発信できたはずなのに、通り一遍で、中身は空っぽだった。

 

 新型コロナの感染拡大を「人間の安全保障に対する危機だ」と述べ、「誰の健康も取り残さないという目標を掲げることが重要だ」と述べたが、これは2015年に国連で策定された「誰一人取り残さない」(No one will be left behind)のパクリ踏襲だ。そして、柄にもなく「SDGs」(持続可能な開発目標)という言葉も使ったが、まったく気持ちがこもっていない。

 最悪なのは、来年夏に延期された五輪の開催について、「人類が疫病に打ち勝った証し」という言葉を使ったことだ。

 今回は、スピーチライターの谷口氏が関わっていないのだろうか。当然だが、めぼしい欧米メディアでこのスピーチを記事にしたところはなかった。

  

  空っぽ国連演説(UNのサイトから)

 10月からは、「Go To トラベル」に東京も解禁される。「Go Toイート」も始まる。世の中、すっかりタガが緩み、危機感がなくなってしまったように感じる。しかし、経済を止めた影響は大きく、今後、不況は深刻化する。給付金や補助金、助成金、無利子無担保融資などをもらって株につぎ込んだ「困っていない人」と、同じものをもらって「やっとのことで生きている人」の差は開く一方だ。

 メディアは、なぜ、日本のリアルな姿に目を背け続けるのだろうか。

 

 アメリカでも、人気投資アプリ「Robinhood」(ロビンフッド)から「ロビンフッド現象」と名づけられた素人投資家の株投資がヒートアップしている。FRBは少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明し、あらゆる債券を買いまくっている。日銀も、ETFを買い続け、CPや社債まで買いまくっている。実体を反映しない偽りの市場のなかで、私たちはじわじわと追い詰められていく。

 
20/09/10●外国メディアにとって東京の存在感はもうなし。FCCJが解散検討という記事が

東京新聞に『外国特派員協会が昨夏、解散を検討 加入者半減、会費収入落ち込む』という記事が出たので驚いた。私は、日本外国特派員協会(FCCJ)の会員だから、こんな記事が出るのは、本当に寂しいものがある。

 すでに、今年7月、カルドン・アズハリ前会長が会員向けメッセージで、経営が行き詰っていることを訴えていた。FCCJの財務は、10年以上前から悪化しており、2年前に事務所とサロンを移転したときの経費もかさんだ。

 経営悪化の原因は、なによりも会員数の減少。1992年に約500人いた正会員は、今年8月時点で259人に半減している。なぜ、減少したのか? それは、日本の国際社会における価値、ニュースバリューの低下だ。アジアをカバーするには、北京、上海、ソウル、香港、シンガポールのほうが東京より重要になった。東京から撤退した欧米メディアは多い。

 もう一つ、財務悪化の原因は、経営が専門外の記者たちのボランティア活動にまかされ、プロがいなかったこと。そのため、漫然と運営されてきており、理事会では揉め事が続いた。

 東京新聞記事のなかで、会員の1人、ジャーナリストの神保哲生氏はこう言っている。

「会長をはじめ経営に携わる人は過半数が記者で、専門性のない社外取締役のようなもの。責任範囲も明確ではなく、根本的にガバナンスが緩い構造だ」

「サラリーマン記者では務まらない役職になっている。少なくとも会長には報酬を払い、経営の立て直しに責任を持たせるべきだろう」

 はたしてFCCJはどうなるのか? 経営の専門家を招き、規模を縮小しないと、解散せざるをえなくなるかもしれない。コロナ禍と心臓手術をしたこともあり、私は今年になって1度もFCCJに顔を出していない。

 
[348]誰も認めたくない日韓逆転。菅政権で経済はさらに悪化。絶望未来。
2020年 9月 09日(水曜日) 18:29

今週のメルマガに「日韓逆転」を書いて配信した。本当は、こんなことは書きたくなかった。なにしろ、日本が韓国より貧しくなる、国際的なランキンングで韓国より下になる。それは来年かもしれないのだから、情けないとしか言いようがない。

  しかし、これは、確実な未来だ。いや、もうほぼそうなっている。たとえば、IMFのデータで1人あたりのGDPを見れば、2019年は日本が4万0846ドルで世界26位、韓国が3万1430ドルで世界28位である。その差は8000ドル近くあるが、ここ10年の経済の成長率から見て逆転は目前だ。ただし、これは名目GDPの話なので、購買力平価で見ると、韓国はすでに日本を上回っている。実際、IMFの最新の数値では、2020年の購買力平価で見た1人あたりのGDPは日本が4万6827ドル、韓国が4万6452ドルだ(予測値)。

 

 衝撃的なのは、OECD(経済協力開発機構)のHPにある数字だ。「OECD per capita and productivity - most recent year」(1人あたりのGDPと労働生産性—最新年)より、日韓を抜き出して比較すると次のようになる。

 

 日本 41,501ドル  76,189ドル

 韓国   42,135ドル  81,071ドル

 

 なんと、1人あたりのGDPと労働生産性でも、すでに韓国が日本を上回っているのだ。ちなみに、他の国は以下のようになっている。

 

 アメリカ   62,852ドル 130,300ドル

 ドイツ      54,456ドル 100,655ドル

 フランス   46,242ドル   110,653ドル

 イギリス   46,885ドル    96,010ドル

 

 日本の生産性の低さは、これまでずっと問題視されてきた。しかし、いっこうに解消されない。韓国の生産性の低さも問題視されてきたが、それでも日本よりはマシである。

 日本の労働者は、世界のどの国の労働者よりも残業をしているにもかかわらず、付加価値を生み出せないでいる。つまり、いくら働いても報われない。それが、日本の労働者だ。

 端的に言って、いまの日本人は、韓国人より幸せではない。

 

 こんな現実があるのに、多くの日本人は、この現実を認めない。韓国経済が日本よりいい、韓国人のほうが日本人より豊かだなんて、そんなバカなことがあるかと思っている。慰安婦問題、徴用工問題、貿易問題などで「反日政策」を続ける文在寅(ムン・ジェイン)政権に対して、日本人は明らかに敵意を抱いている。そのため、韓国経済が落ち込んでいると聞くと喜び、親北政策が行き詰まっていると聞くと、また喜ぶ。現実が見えていれば喜んでいる場合ではないから、この心理は本当に哀しすぎる。

 

 コロナ禍で、日韓の差が明らかになった。日本では、保健所がファックスで感染者データを送っていたが、韓国ではアプリで感染者データを瞬時に把握できていた。ロックダウンも早かった。

 日本の対策は、いわば「人力対策」(アナログ)で、韓国の対応は「IT対策」(デジタル)だった。テレワークとオンライン授業においても、日本は韓国に遅れをとっていた。

 

 そのせいか、次の首相になるという菅義偉氏が、デジタル省の新設を言い出した。しかし、71歳でデジタルがなにかもわからない旧世代の人間が、デジタルトランスフォーメーションの指揮を執れるわけがない。

 本当に菅義偉氏が首相になるのだろうか? 日本は本当に、それでいいのだろうか?

 

 昨夜、テレビ朝日の「報道ステーション」とTBSの「NEWS23」に、自民党の総裁候補3人、石破茂氏、岸田文雄氏、菅義偉氏がそろって出演し、初めて論戦を行なった。そのなかで、アベノミクスの採点があった。 石破氏70点、岸田氏80、菅氏80点。

 これを見て、完全に脱力した。菅氏は安倍政権を継承すると言っているのだから80点をつけてニンマリしても構わない。しかし、石破氏70点、岸田氏80点はない。アベノミクスの7年8カ月、日本経済は欧米諸国以下の成長率しか達成できず、GDPはドルベースで減少した。日本は確実に貧しくなったのに、なぜ、70点、80点なのだろうか?

 どこからどう見ても、菅首相で日本経済がよくなるとは思えない。むしろ、間違った処方箋でさらに悪化、絶望未来となるだろう。

 

 

 日韓の歴史を振り返ると、これまでは常に日本が朝鮮半島より上で、すべてにおいて先んじていた。古代においては、倭国は広開土王の高句麗に何度か敗れたことがあるが、その後は、朝鮮の国家に敗れたことはない。白村江の戦いでは新羅・唐連合軍に敗れたが、これは新羅ではなく唐に敗れただけだ。

 

 時代は下って、元寇ではモンゴル・高麗の連合軍を撃退した。李氏朝鮮時代には、秀吉の朝鮮遠征があったが、これは明の征服を目指したものだから、李氏朝鮮軍は日本の敵ではなかった。明の援軍がなければ、秀吉は軍を引かなかっただろう。

 江戸時代、李氏朝鮮は通信使を江戸幕府に送り、清国と同じように日本に朝貢した。そして、近代史が始まると、先に西欧化した日本の明治政府は、渋る朝鮮を開国させ、その後、保護国とした。そうして1910年、日本は朝鮮を併合。以後、第二次大戦の終結まで、朝鮮半島は日本の領土だった。

 この歴史がついに終わるろうとしている。それも、日本の自滅で。こんなときが来るとは、夢にも思わなかった。

 
[347]なぜ、次期総理が菅義偉に?ワンポイントという「悪夢」
2020年 9月 01日(火曜日) 13:35

安倍晋三首相が退陣を表明したのが、先週の金曜(8月28日)。それからわずか4日。もう、次期総理は菅義偉官房長官で決まりだという。「悪夢」としか言いようがない。

 なんといっても、71歳。高齢である。しかも、対外的に通用しない。英語が話せない。地味すぎる。ただの実務派でビジョンなし。でも、自民党の各派閥の長老たちにとっては、もっとも担ぎやすいのだろう。

 来年9月の自民党総裁戦までのワンポイントだから、「菅さんでいい」というのだ。これは、ありえない選択だ。

 

 ワンポイントという考え方は、菅氏自身に対しても、国民に対しても、あまりにも失礼、舐めているとしか思えない。コロナ禍とそれによる経済恐慌、米中覇権戦争の渦中というこの「歴史的な難局」に、ワンポイントは必要ない。

 MLBでは、今シーズンから「投手は打者3人と対戦するか、イニング終了まで投げること」がルールで定められ、ワンポイントが禁止された。

 以上のこともあり、思いあまって、「Yahoo」個人欄に、さきほど原稿を寄稿した。以下がアドレス。

 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamadajun/20200901-00196140/

 

 さて、ここ数日で、コロナは収束に向かい始めたというムードになってきた、たしかに、新規感染者数は減っている。重症者数も死者数も増えない。それはそれでいいが、なぜ、ほとんど対策なしでこうなるのか、その理由がわからない。

 今日から9月。まだ残暑は続くだろうが、秋は確実にやって来る。しかし、「いつもと違う夏」に続いて「いつもと違う夏」になる。昨日、久しぶりに外出して、夏の終わりの逗子と鎌倉に出かけた。逗子マリーナにも材木座海岸にも、ほとんど人出はなく、いつもと違う「夏の終わり」を実感した。

 

 逗子マリーナ(左)材木座海岸から逗子マリーナを臨む(右)

 
[346]世界は混沌。もう元に戻ることはないのだろうか?
2020年 8月 27日(木曜日) 13:56

今日も夏空が広がり、残暑がきつい。

 コロナはここ数日、「ピークはすぎた」という見方が広まっている。アテにならない感染数のグラフを基にして、政府も専門家もメディアも、素人でさえわかる「見解」を垂れ流している。もっと科学的に、そして真剣にこの問題に立ち向かわなくていいのだろうか。この秋は、いったいどうなるのだろうか? 未来はまったくわからなくなってきた。

 

 以下、気になったニュースを書き留めておきたい。

 

■米大統領選が本格化:トランプ惨敗間違いなし

 

 民主党全国大会が終わり、共和党全国大会も最終日が明日。今日までの私の印象では、バイデンのスピーチは予想通りで、たいしたことはなかった。カマラ・ハリスの演説も期待はずれだった。しかし、共和党側のスピーチもたいしたことはない。大会に関してはどっっちもどっちといった感じだ。

 そのせいか、日本の専門家、メディアは、いまだ「接戦」としているが、それは前回読み間違えたことの後遺症だろう。今回は、間違いなくトランプの惨敗だ。相手は誰もでもいい。トランプでOKかノーサンキューかだけの選挙だ。プアホワイトもエバンジェリカルも、トランプには愛想が尽きている。

 

■またも黒人男性を警官が銃撃

 

 ウィスコンシン州ケノーシャでまたも同じ事件が繰り返された。ニュースで映像を何度も見たが、ひどすぎる。なんで、あの状況で7発も撃つのか、まったくわからない。しかも、その後の抗議デモで、今度は市民2人が「自警団」というライフル男に撃たれて死亡した。驚くのは、この事件で逮捕された容疑者が17歳の少年だったということ。アメリカの闇は深すぎる。

 

■ハワイが再びロックダウンに

 

 27日から、オアフ島全域が再びロックダウン(外出禁止)に入ることに。一時、解除されて観光が再開されて喜んだが、それもつかの間だった。がっかりである。

 ハワイでは先月後半から連日、新規感染者が100人以上確認され続けた。観光が主産業で人口140万人、米軍基地もいっぱい。これは、沖縄とほぼ同じだから、沖縄がこのまま収束に向かうとすると、ハワイとの違いがよくわからない。

 毎年いま頃は、そろそろ日本に帰らなくてはと、最後のビーチに出かけていた。もうそんな日は来ないのか?

 

■フィンランド、日本人入国制限を再開

 

 フィンランド政府は、8月24日より日本からフィンランドへの入国規制を再開した。せっかく、解除されていたのに、これでまた14日間の自主検疫が義務付けられた。日本は感染汚染国に格下げだ。情けない。

 そんななか、サンナ・マリンが、「1日6時間労働・週休3日制への移行」をまた強調した。これは、首相就任時の彼女の公約だから、もし実現したらすごいことだ。働きバチ国家・日本では考えられない方向に、この国は向かっている。

 

■NYのレストラン再開、来年持ち越し

 

 ニューヨークのデブラシオ市長は、24日の記者会見で、レストランやバーの店内飲食を来年まで許可しない可能性を示唆した。クオモ州知事も、同じことを示唆した。予定では、屋外飲食が終了する10月末以降、店内飲食を認める方向だったが、またも延長だ。ニューヨークと比べると、東京の緩さは別格だ。現在、ニューヨークの一流レストランは郊外に移動するか、郊外店を充実させている。

 マンハッタンが昔のようになるのは、いつのことか。

 毎朝、マジソンスケア近くのカフェで、行き交う人を見ながらコーヒーを飲んでいた。それをもう一度したいと思う。今度、ニューヨークに行けるのはいつだろうか?

 

■カリフォルニアの山火事、過去最大

 

 カリフォルニアの山火事は年中行事になってきた。今回、大きく報道されているのは、またもナパバレー周辺。ワイナリーがみな燃えてしまったらと思うとゾッとする。

 サンフランシスコよりロサンゼルスに知り合いも多く、気持ちがいっているので、ロスの状況が気になるが、今回は、チェリーバレー レイク・ヒューズ、サンタクララのほうが燃えているようだ。 2017年にはベンチュラで、去年はマリブの一部やゲッティセンターの周りなどが燃えた。ロサンゼルスにも2年ほど行っていない。今度、行けるのはいつか?

 *南部にハリケーン「ローラ」が接近している。CNNを見ていたら、「カテゴリー4」になり、この後、ポートアーサー付近に上陸するという。 

 

■米中覇権戦争激化:南シナ海緊迫

  24日、アメリカ政府は、南シナ海での人工島建設に関与した中国の企業や個人への制裁を発表した。現在、南シナ海では、「ニミッツ」(USS Nimitz、CVN-68)と「ロナルド・レーガン」(USS Ronald Reagan、CVN-76)の2つの空母打撃群が展開中だ。ところが、昨日、国防省の発表では、中国がこの空母打撃群の牽制のために、中距離弾道ミサイルを4発を発射したという。着弾地点は、パラセル諸島と海南島に挟まれた航行禁止海域。アメリカでは、「南シナ海戦争」が起こるというシナリオが囁かれている。 

 

■史上最高値目前になった株価

 

 26日のNY株式相場はまたも上昇。NYダウ2万8331ドルをつけた。2万9000ドル台、いや3万ドル台も見えてきた。すでにナスダック総合指数は4営業日連続の最高値更新。日経平均も2万3000円台をキープしている。

 もはや経済学は死に絶え、世界は市場経済ではなくなった。

 
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