G1予想[104]第54回宝塚記念(2013年6月23日) |
2013年 6月 20日(木曜日) 11:28 |
ローゼンケーニッヒの単とジェンティルドンナの単4歳3強、ジェンティルドンナ、フェノーメノ、ゴールドシップの対決。この3頭以外はほぼ圏外。かろうじて武豊騎乗もあって、トーセンラーがどこまで食い込むか、という下馬評である。結局、メディアも評論家もいろいろなことは言っているようでも、結論はこれに尽きている。本当に、これほど定型化、パターン化した予想はないだろう。レース自体は面白いと思うが、事前の予想レースはまったくつまらない。 ただ、私自身は、3強とは思っていない。ジェンティルドンナの1強だと思っている。この馬は、牝馬ながら抜けていると思っている。 ■ さて、実際のレースだが、シルポートが逃げると決まっているので、イメージしやすい。前走の安田記念でビリの18着惨敗だが、逃げ馬に着順は関係ない。 宝塚記念の逃げで思い出すのは、1992年、あっと驚く逃げ切りを決めたメジロパーマー、そして2008年に同じく逃げ切ったエイシンデピュティだ。もっと逃げ切りがあるように思ったが、この2例だけだから、シルポートの可能性は薄い。馬場、ペース次第でどこまで持つか、ということだろう。 つまり、逃げ切るとは考えづらい。となると、それなら買おうという人間が現れる。 ■ これまで長く競馬をやってきたが、馬券を買う人間は、ほぼ間違いなく「何らかの理由」を見つけ、自分を納得させて馬券を買っている。もし、ガチガチの本命馬を買うなら、買う理由は最強である。なにしろ実績は断然だし、専門家からメディアまで「この馬で間違いない」と言っているからだ。 競馬が面白いのは、買うための理由(データ)をそれこそ山のように提供してくれるからだろう。実績、調教、距離、血統、展開、騎手、馬場、過去の傾向など、挙げればキリがない。 馬券を買う人間は、これらのデータを組み合わせるか、またどれかに絞って買っている。 ■ 穴馬ばかり買うという人間もいる。穴馬の場合も、理由がいる。シルポートのような馬なら「逃げ切りがあるのでは」という大きな理由がある。雨が降れば、重馬場実績だけで、穴馬を狙うこともある。宝塚記念は梅雨時に行われ、今回も台風による大雨が降る可能性があるから、それを願っている人間もいるだろう。 もちろん、競馬それ自体と関係ない買い方もある。他人の予想に乗る。自分の誕生日の日付で買う。語呂合わせで買う。ラッキーカラーで買う。時事ネタで買うなどだ。2001年の有馬記念「マンハッタンカフェ、アメリカンボス」も、9.11(ナインイレブン)の年なので、「アメリカ馬券」という立派な理由があった。 ■ と、ここまで長々と書いてきたが、結局、「競馬とは理由探しだ」ということが言いたかっただけである。競馬ファンは、1週間(いやそれ以上)かけて、理由を探しているだけに過ぎない。これまで私は、的中したとき、「なぜ、それを買ったのか?」と聞かれて、理由を言えなかった人間を見たことがない。これは、枠番や馬番を勘違いして買ったケースも含めてだ。 というわけで、今回の宝塚記念は、ローゼンケーニッヒの単勝を買う。なぜと聞かれても答えられない。理由なしだからだ。理由なしで馬券を買う。これこそが、私の理想。じつは、本当のギャンブルとはこういうものではないか?と思っている。これは、 10年以上前から、ずっとそう思っている。 ■ ただし、ローゼンケーニッヒの10倍の額をジェンティルドンナの単勝に入れます。すいません、こちらは「この馬が最強と信じている」という理由があるからです。申し訳ありません。 ■ 第54回宝塚記念 (3歳上・GI・芝2200m・1着賞金13200万円) ( )内は性齢、騎手・調教師 |