• ホーム&サイト
  • 時事ブログ
  • メディアNEWS
  • 仕事の記録
  • メルマガ
  • 外食日誌
  • G1予想
  • 問い合わせ

山田順プライベートサイト

A ROAD TO HEAVEN
Home [194] 小野田寛郎さんの死去でアクセス数激増。40年前のお風呂場での話。

All Menu(すべてのメニュー)

  • Home & Commentary(「私の視点」時事ブログ/随時更新)
  • About the Site(このサイトについて)
  • Profile(プロフィール)
  • Media News Selection(メディア業界ニュース)
  • Works(仕事の記録)
  • Mail Magazine(メルマガ:未来地図)
  • Regulars(連載記事/時々更新)
  • Special Articles(特別記事)
  • Works Archive(著作、記事の紹介および一部公開)
  • Horse Race(G1予想、競馬エッセイ)
  • Memories of My Father(作家・津田信アーカイブ)
  • Eating-out Diary(外食日誌)
  • 問い合わせはこちら

Link

  • リンク集

Designed by:
SiteGround web hosting Joomla Templates
[194] 小野田寛郎さんの死去でアクセス数激増。40年前のお風呂場での話。
2014年 1月 24日(金曜日) 01:46

先週からこのサイトのアクセス数が激増している。いまはおさまったが、一時は1日で1万を超えた。最初はなにが起こったのかわからなかったが、すぐに小野田寛郎さんが亡くなられたからだとわかった。

 私の父・津田信は、1974年に小野田寛郎さんがルバング島から帰還したとき、『週刊現代』のアンカーをしていて、その縁で小野田さんの手記のゴーストライターとなり、『週刊現代』に「わがルバング島の30年戦争」(のちに講談社から出版された)を連載した。そして、それから3年後、小野田手記は小野田さんが話したとおりに書いたものではないことを、『幻想の英雄』という本で明らかにした。

 

 当時、私は大学生で、世間が小野田さんの帰還に大騒ぎをしているのは知っていたが、まさか父親が手記を代筆しているとは知らなかった。もとより、「最後の日本兵」と言われてもピンと来なかった。

 それが、あるとき、父から頼まれて「着替えを持ってきてほしい」ということで、一気に小野田さんが身近な存在になった。というのは、父は手記を書くために、小野田さんと共同生活をしていたからだ。

 小野田手記はメディアの争奪戦となり、獲得した講談社は、ほかのメディアの目を逃れるため、小野田さんを野間家(講談社の社主)の別邸(静岡県伊東市)に隔離した。そこで、『週刊現代』の担当者と父が共同生活をしながら、小野田さんから話を聞いていたのだ。

「着替えを持ってきてほしい」と父が言ったのは、最初、共同生活がそんなに長くなるとは思わなかったからだった。

 

 父から頼まれた着替えを入れたバッグを持って東海道線に乗り、伊東に向かった。野間別邸は広い庭を持つ昔ながらの木造洋館で、その一室に小野田さんはいた。私は、庭に面した応接室で初めて小野田さんに会った。痩せていて、思ったより小柄な人だというのが第一印象だった。

 このときのことを書くと長くなるので、印象に残ったことだけ書くと、小野田さんは世間が騒いでいるような人ではなかったということだ。戦争がどうのこうの、帝国軍人がどうのこうのという話は抜きにして、私には単なる「気が小さいおじさん」にしか思えなかった。

 なぜなら、この夜、私は小野田さんと一緒に風呂に入り、彼の背中を流しながら話をしたからだ。

 

 私はおそるおそる聞いた。「小野田さん、戦争が終わったのを知っていたんですか?」

 すると、小野田さんは、なにかに怯えているような目つきになり、「そうだ」とぽつりと言った。私はこのとき、ただ、「やっぱり」と思っただけだった。それから、小野田さんは湯船につかりながら、突然、持っていた銃の話をしてくれた。「坊主、銃というのはこうやって構えて、こうやって撃つんだ」みたいな話だった。

 あとから知ったが、小野田さんは戦後、ルバング島で生き残った仲間と住民を襲い、食料を奪いながら生きてきた。村人を何人か射殺している。銃は肌身離さず持っていた。だから、戦争が終わっていたのを知っていても、報復が恐くてジャングルを出られなかった。ただ、最後に残った仲間の小塚一等兵がフィリピン警察軍に殺されたので、観念したのだろう。

(つまり、元上官の任務解除命令、フィリピン軍に投降などの一連の儀式は、フィクションの上に成りたっていたと言える)

 

 いまから40年も前の話で、当時の私は、小野田さんが話したことの意味はよくわからなかった。ただ、いま亡くなられて思うのは、「戦争は人の運命を狂わせる」ということだけだ。いまだに、日本は首相の靖国参拝問題などで、半世紀以上前の戦争を引きずっている。

 小野田さんが亡くなってから、ネットに書き込まれた若い世代の意見を読んだ。また、彼を戦前の強い日本人、誇り高き軍人の象徴と捉えている識者の追悼コメントや追悼記事も読んだ。そうして、なぜかしっくりこない気持ちを、今日も抱えている。

 

What's New(最近の更新)

  • [421]ジャニーズ問題はいつまで続くのか? 誰も彼もが不誠実でいいのか?
  • [420]9月になっても猛暑は続く。まさに「エンドレスサマー」
  • 23/08/05●出版市場の崩壊が加速。今後も書店の閉店ラッシュは続く
  • [419]猛暑到来。インバウンドは戻ったが中国人は戻らない
  • 23/07/26●2023年上半期の出版市場規模は前年同期比3.7%減の8024億円
  • メルマガ[667] インバウンド回復の大誤算。なぜ中国人は戻って来ないのか?
  • 23/07/14●「もう百科事典はつくれない」という記事に納得 
  • [418]もはや熱帯。連日の猛暑に「地球温暖化」を確信。梅雨という季節は消滅した。
  • メルマガ[676] 岐路に立つバイデン・アメリカ。学生ローン」「人種優遇」停止で経済失速も?
  • メルマガ[675] 認知症の進行を遅らせるFDA承認の「レカネマブ」は夢の新薬か?
  • 23/07/02●「町の本屋さんを元気にして日本の文化を守る議員連盟」とういう時代錯誤集団
  • 23/07/02●講談社No.3常務が辞任。その理由は女性蔑視、LGBT蔑視発言
  • 23/07/01●5月の出版販売は前年比7.7%減
  • 2023年6月28日●新著『地球温暖化敗戦 日本経済の絶望未来』(ベストブック)7月7日発売
  • 2023年6月28日●新著『地球温暖化敗戦 日本経済の絶望未来』(ベストブック)7月7日発売
  • メルマガ[674] 「プリゴジンの乱」の行方は?日本の報道ではわからないロシアの現実
  • 2023年6月20日●ABEMA テレビの報道番組「ABEMA Prime」に出演
  • G1予想[359]第63回 宝塚記念(2023年6月25日)
  • [417]もうパーティは終わりでは?「日経平均3万5000円」「解散なし」
  • メルマガ[672] 中国デカップリングは日本を確実に貧しくする。耐えられるのか、日本経済?
  • 23/06/10●集英社のAIグラドル写真集」が突然販売終了。なにが問題か?
  • メルマガ[671] 日本外交が見事にハマった「グローバルサウス」支援という時代錯誤
  • 23/06/01●『週刊朝日』5月30日発売号で101年に幕
  • メルマガ[670] 食料危機は本当なのか?食料自給率38%を煽る日本政府の欺瞞
  • G1予想[358]第72回 安田記念(2023年6月4日)
  • 23/05/29●ダイヤモンド・ビッグ社、マキノ出版---コロナ倒産相次ぐ
  • [外食Diary]ロンハーマンCAFE
  • [416]相撲とダービーの土日の終わりに思う、なにもかも未消化、未解決のまま過ぎ行く日々。
  • [外食Diary]大相撲5月場所
  • G1予想[357]第90回 日本ダービー(2023年5月28日)

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

 

「出版大崩壊」著者インタビュー

山田順プライベートサイト, supported by tanken.com, advertized by sanhaku.com

© JUN YAMADA All Rights Reserved.