15/11/27●日販の中間決算が物語る「出版流通」の崩壊 |
日販が11月25日、第68期(4月~9月)中間決算の概要を発表した。それによると、グループ会社22社を含めた連結売上高は3051億7900万円(前年同期比3.6%減)。「書籍」「雑誌」「開発商品」の全3部門で前年実績を下回った。これは予想されたことだが、出版関係者にとって「ついに」と思わせたのが、本業である「出版取次事業」が営業損益ベースで赤字になっていたことだ。以下が、日販単体の「事業別損益内訳」である。 ・売上高:2399億1800万円(前年比171億5200万円減) ・営業損益:3億300万円の赤字(同4億4800万円減) ・経常損益:1億3300万円の赤字(同4億6400万円減) 昨年は大阪屋、今年は栗田と、業界3位と4位の取次が経営破綻したように、取次業は縮小均衡を求めても、もう利益を上げられなくなっている。書店数が減り、雑誌が年々売れなくなっているからだ。とくに日販の場合、ここ2年で日販帳合の書店の売り場が急激に減っている。 日本の出版取次業は、大量部数を出す雑誌流通が屋台骨だった。それが崩れ書店が減っているのだから、もはや立て直すのは無理だろう。取次も違う業態の利益を追求するしかなくなった。 |