G1予想[213]第37回ジャパンカップ(2017年11月26日) |
2017年 11月 20日(月曜日) 23:04 |
馬ならレイデオロ。枠なら感謝祭で「7枠」
11月の最終週、ジャパンカップの週は、アメリカでは「感謝祭(サンクスギビング)ウィーク」だ。11月の第4木曜日と決まっている感謝祭は、今年は23日。この日から26日の日曜日までが連休となる。 日本のように国家の休日がやたらに多くないアメリカでは、この感謝祭ウィークに里帰りして、家族で七面鳥ディナーを食べることになっている。また、まとめて休暇をとって旅行に出かける若者も多い。 NYでは、恒例のメイシーズのパレードが行われ、おおいに盛り上がる。また、いつもの週なら、日曜と月曜にしか行われないNFLの試合が3試合行われる。 というわけで、こんな週は、競馬どころではない。
感謝祭の七面鳥料理を、日本でもつくったことがある。最近では売られるようになったが、かつては丸焼きできる七面鳥などどこにも売っていなかった。それで、麻布十番の外国人向けスーパー「日進」までわざわざ買いに行ったものだ。 うちは家族3人だから、七面鳥にスタッフィングをいっぱい詰めて焼くと、食べきれず、その後、食べ残しをターキーサンドなどにして何日間も食べることになる。このとき、肉はパサパサになって、本当に不味い。 また、七面鳥の肉そのものが美味しいものではないので、スタッフィングを工夫しなければならない。定番のスタッフィングに、りんご、オレンジなどの果物を切って入れ、各種のハーブで香りづけしたりする。 また、七面鳥の肉にかけるクランベリーソースも、工夫しないと不味い。これは、クランベリーを水やアップルサイダーなどと砂糖で煮込んでジャムのようにしたものだが、味つけに失敗すると悲惨だ。 さらに、七面鳥を焼くとたっぷり溜まる肉汁でつくるグレイビーソースもつくり方を工夫しないと美味しくない。 ともかく、アメリカの定番レシピ通りつくると、日本人の口には合わない。だいたい、七面鳥はニワトリと同じように農場の柵の中で大量に飼育されるので、肉そのものが美味くないのだ。それなのに、アメリカ人は七面鳥の肉が、豚肉や牛肉に比べてヘルシーだと信じている。
今年のジャパンカップの最大の注目は、現時点の日本最強馬キタサンブラックが昨年に続いて連覇を果たすどうかだろう。あるいは、今年のダービー馬レイデオロが古馬を打ち破るかどうかだ。この2頭以外では、サトノクラウン、シュヴァルグラン、ソウルスターリング、マカヒキなどが人気になるだろう。いずれにしても、すでにジャパンカップは国際レースではなくなり、近年は、日本馬による最強馬決定戦になっている。 もし、これが費用負担の招待競走でなければ、外国馬は1頭もこないだろう。
今回も外国馬はたった4頭だけだ。ドイツ2頭、アイルランド1頭、オーストラリア1頭。そのなかで、アイルランド馬でキングジョージ3着のアイダホが最上位だが、いくらオブライエン厩舎とはいえ、凱旋門賞8着、カナディアンインターナショナル4着では、完全に圏外だ。 豪州馬ブームタイムも、今年のコーフィールドカップの勝ち馬とはいえ、これが重賞初制覇で、前走のメルボルンカップは15着と惨敗しているので、通用しないだろう。 さらに、ドイツ馬のギニョールとイキートスの2頭だが、これはバイエルン大賞の1、2着馬。近年、ドイツ馬は、バイエルン大賞の施行日が11月1日に変更されて以来、ローテーションと賞金の魅力で、積極的にジャパンカップにやってくるようになった。 なにしろ、ドイツではG1ですら賞金は2000万円ほど。これに対して、ジャパンカップは5着以内に来なくとも、10着までは1000万円〜2000万円の賞金が出る。要するに、着が拾えればラッキーという考えだ。
東京競馬場の芝2400メートルは、世界の競馬の2400メートル戦では、ナンバーワンの舞台である。凱旋門賞のようなパワーを競う欧州の「田舎のG1」と違って、この距離における究極のスピード能力を試されるからだ。 したがって、スピードがなければ通用しないという事実がわかってしまい、ローテーション的に合わないとなってからは、“歴史と伝統”のある欧州馬はやって来なくなった。 実際、それまでのジャパンカップを見ると、このレースは凱旋門賞馬、キングジョージ馬の「墓場」と言っていい。私は何度も、凱旋門賞馬、キングジョージ馬が消える場面を見てきた。とくに若い頃は、欧州最強馬を世界最強馬と信じて、馬券で大損したものだ。 ちなみに、これまでの凱旋門賞馬は、トニービン、キャロルハウス、アーバンシー、エリシオ、モンジュー、バゴがやって来た。また、キングジョージ馬は、ベルメッツ、ペンタイア、ゴーラン、コンデュイットがやって来た。しかし、以上のすべての馬が負けている。また、両レースとも勝っているディラントーマスも2007年に来日したが、JRAの不手際(?)で出走できなかった。
というわけで、東京芝2400メートルという点で予想すると、一番手はレイデオロだろう。今年の3歳世代は強い。マイルCSも17年ぶりに皐月賞2着馬ペルシアンナイトが勝ち、アルゼンチン共和国杯もダービー2着馬スワーヴリチャードが勝った。ダービー馬レイデオロなら、キタサンブラックを差し切れるはずだ。また、オークス馬ソウルスターリングも軽量を活かせば、勝つまであるだろう。 したがって、予想して馬券を買うなら、レイデオロを軸に馬連、枠連を総流しし、厚めをソウルスターリングに絞る。3歳牡馬と牝馬のワンツーという、ジャパンカップ史上初めてのことが起こる。
さて、話を感謝祭に戻してみたい。 一つ、疑問に思うことがある。それは、英語では「ターキー」(turkey)なのに、なぜ日本ではこのトリを「七面鳥」と呼ぶのだろうか?ということだ。 そこで、 語源辞典を見てみると、このキジ科のトリは、興奮すると首のところに裸出した皮膚が赤、青、紫などに変化するので、「七色に変化する」ということで七面鳥と名付けられたのだという。初めて知った。 それでは、英語ではこのトリをなぜ、「ターキー」(トルコ)と言う国の名前で呼ぶのだろうか? 別に七面鳥はトルコ産のトリではない。 これも語源辞典を見ると、その原因はイギリス人が誤解したからだそうだ。そもそも、北アフリカ原産のホロホロ鳥というトリがいて、このトリはトルコを経由してヨーロッパに入ったので、トルコ原産のトリと思われ「ターキー」と呼ばれていたと言う。そこに、今度は新大陸から同じようなトリが入って来たので、まとめて「ターキー」と呼ぶようなったのだそうだ。要するに、トルコとはなんの関係もないということだ。
というわけで、今回のジャパンカップを馬ではなく買うなら、枠の「7枠」だ。「七面鳥」の「7枠」である。 ワインを飲み、たいして美味しくない七面鳥料理を1日かかりでつくって、それを食べながら、ジャパンカップをテレビ観戦する。そんなとき、馬のことなんか考えていられない。また、考えて外したら、それこそ気分が落ち込む。それなら、生まれて初めて、ジャパンカップを「7枠」から買ってみることにしてみたい。 もちろん「7枠」にレイデオロが入れば、言うことがない。 結論:レイデオロの単・複。レイデオロから馬連総流し。また、「7枠」から枠連総流し。
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