• ホーム&サイト
  • 時事ブログ
  • メディアNEWS
  • 仕事の記録
  • メルマガ
  • 外食日誌
  • G1予想
  • 問い合わせ

山田順プライベートサイト

A ROAD TO HEAVEN
Home [293]「脱紙出版」「減書店」がどんどん進む2018年の出版界はどうなるのか?

All Menu(すべてのメニュー)

  • Home & Commentary(「私の視点」時事ブログ/随時更新)
  • About the Site(このサイトについて)
  • Profile(プロフィール)
  • Media News Selection(メディア業界ニュース)
  • Works(仕事の記録)
  • Mail Magazine(メルマガ:未来地図)
  • Regulars(連載記事/時々更新)
  • Special Articles(特別記事)
  • Works Archive(著作、記事の紹介および一部公開)
  • Horse Race(G1予想、競馬エッセイ)
  • Memories of My Father(作家・津田信アーカイブ)
  • Eating-out Diary(外食日誌)
  • 問い合わせはこちら

Link

  • リンク集

Designed by:
SiteGround web hosting Joomla Templates
[293]「脱紙出版」「減書店」がどんどん進む2018年の出版界はどうなるのか?
2018年 1月 07日(日曜日) 03:04

2018年になったので、昨年の出版界を振り返り、今後、出版界がどうなっていくのかを考えてみることにした。まず、市場全体がどうなっているのか? 昨年暮れに出た出版科学研究所のデータによると、次のとおりだ。

 2017年の紙の出版物推定販売額は1兆3700億円。前年比にして6.9%減1009億円のマイナス(1〜11月実績からの推計)である。これはもちろん過去最大の落込みで、1996年をピークとして減少を続けてきた出版市場は、この20年で半減したことになった。

 内訳は、コミックス(漫画単行本)を含む雑誌が6600億円で、前年比10.0%減739億円のマイナス。書籍は7150億円で同3.0%減220億円のマイナスとなっている。

 

 なお、以上の数字は紙出版のみで、電子出版の数字は加味されていない。そこで、電子出版がどれくらいの市場規模かを示すと、これは上半期の数字しか出ていない。それによると、電子コミックが777億円で前年同期比22.7%増、電子書籍が140億円で同14.8%増、電子雑誌が112億円で同21.7%増となっていて、電子出版市場全体では1029億円で同21.5%増である。

 とすると、下半期も同じ成長率で推移したとすれば、2018年の電子出版市場は約2370億円となる。そこで、これを紙市場と合算すると、1兆6030億円ということになる。

 

 この紙プラス電子を、業界は出版市場と捉えているが、はたしてそうだろうか? そんな捉え方をするから、デジタル化が進むなかで、出版社はスタンスを間違え続けてきたのではないだろうか?

 私としては、出版を紙と電子に分けるのは、もはや古いと考えている。デジタルメディアとしての電子出版は、すでに紙とはまったく違うものと捉えるべきだろう。

 紙を電子に置き換えることが電子出版ではないからだ。

 

 そういうわけで、2017年の出版界で特筆すべきことは、次の2点だ。1つは、紙のコミックスが前年比12%減とこれまでになく落ち込み、ついに販売額においては紙と電子が逆転してしまったことだ。日本の電子書籍市場は8割が漫画だから、今後コミックは紙ではなく、デジタルが主流になり、そのような出版(発信)をしていく傾向がますます強まるだろう。というか、じきに紙をほとんど捨て、デジタルのみで存在するようなかたちにしなければならない。

  なお、電子出版市場がますます拡大していくという見方があるが、それはコミックだけの話にすぎない。 

 特筆すべき点のもう1つは、雑誌の凋落がはっきりしたことだ。たとえば「文春砲」がいくらスクープ、スキャンダルをやろうと、「週刊文春」は部数を伸ばせない。すでに、多くの月刊誌、週刊誌、女性誌までも、読者のライフスタイルに合致しなくなり、部数減が止まらない。したがって、今後は休刊が相次ぎ、それとともに雑誌単位のウエブサイトも閉鎖に追い込まれるだろう。

 雑誌をウエブに移行して生き残りをはかるのは、もっとも愚かな選択だ。

 

 雑誌の凋落と同じように、文芸書、新書などの書籍も大幅な販売減に陥っている。この10年間で、書店店頭においての売上を落としているのは、減少率で見ると、文芸(43.8%減)がもっとも高く、次いで新書(39.1%減)、雑誌(36.7%減)、文庫(30.3%減)の順になっている。

 これは、書店数が減っているのだから、もはや回復できるわけがなく、ネット販売(アマゾンなど)でもカバーしきれない。

 日書連加盟書店数は2017年の下半期で109店減少し、3395店となった。書店数のピークは1986年で、約1万3000店。なんと1万店が消滅してしまったことになる。もはや、街に中小書店はないのだ。

 こうしたなか、店頭販売で唯一伸びたジャンルが児童書のため、児童書に力をいれている出版社は多い。しかし、昨年誕生した子供は100万人を割り98万人。すぐに頭打ちになるだろう。

 

 ともかく、いまや紙出版はとても持たないところまで追い込まれている。返本率は40%を超え、出版された雑誌、書籍の半分が返品として破棄される状況だ、これは、コンビニの食品破棄率と比べたら異常で、資源の無駄だ。

 この状況でわかるのは、もはや紙の本の流通システムは成り立たないということだろう。出版社はビジネスモデルを紙依存から大きく転換する瀬戸際に立たされている。

 こうしたなかで、業界の垣根を超えた合従連衡や提携が進んでいる。メディアドゥが出版デジタル機構を買収したり、CCCが徳間書店や主婦の友社を買収したりした。KADOKAWAはアシェットと合弁会社を設立した。

 しかし、こうした動きは、なにか悪あがきに思え、未来が見えてこない。

 

 アメリカでは、「出版界のAmazonを目指す」として「Publica」が仮想通貨取引所である香港「KuCoin」に上場し、PBL トークンを発行して 1億米ドルを調達したことが、大きな話題になった。「Publica」は仮想通貨によるクラウドファンディングによる、新しいかたちの出版プラットフォームを始めたわけだ。しかし、これが成功するとはとても思えない。

 出版は大きく捉えれば情報産業であり、紙だろうと電子だろうと、かたちはどうでもいいのである。いかに価値ある情報を集め、それをユーザーに提供できるかだ。

 今後、情報はすべてデジタルになる。2020年には通信は次世代の「5G」に移行する。映像はますます重要になる。それとともに文字もますます重要になるだろう。

 2018年は、「脱紙出版」「減書店」に向けて、出版そのものから流通も含めて、デジタルをどう構築していくかの転換点の年になるだろう。

 

What's New(最近の更新)

  • [452]イスラエル・イラン戦争---戦乱が続く世界を見て、じつはなにもわからない自分に慄然
  • [451]温暖化で気候は完全に変わった!今年は空梅雨で、このまま夏に
  • [450]東京湾を行き来する船を眺め、昔を思い、行日々を思い、行く末を思う。
  • 25/06/12●朝日新聞が土曜夕刊を中止。毎日新聞も追随
  • メルマガ[778] このままでは手遅れになる「愛子天皇」。「男系男子」にこだわると皇統は続かない!
  • 25/05/30●取次大手2社の決算が示すのは、本業の取次ビジネスの止まらぬ凋落
  • [449]リノベのため仮住まいに引っ越し。今夏はここで過ごすことに
  • 2025年5月29日●「Yahoo!ニュース」エキスパート欄への寄稿記事(2025年度)一覧
  • メルマガ[761]〜[777] 2024年12月〜2025年5月 全タイトル
  • 25/05/15●インプレスHDが上場を廃止し、出版部門を効率化
  • [448]とうとうトランプの相互関税が発表され、世界中が困惑、市場は大混乱!
  • [447]花冷えのなか、大岡川、赤煉瓦、山下公園、港が見える丘とお花見散歩
  • [446]ニュースはウクライナ停戦とトランプ関税ばかり。桜開花予想は横浜3月25日
  • [445]オレ様大統領トランプに世界中が振り回され、大混乱の日々が続いている
  • メルマガ[754]〜[760] 2024年12月〜2025年1月全8本
  • [外食Diary]MOKICHI 鎌倉
  • 25/02/01●昨日(1月31日)で、「夕刊フジ」と「東京中日スポーツ」が廃刊、デジタルに移行。
  • [外食Diary]八芳園(結婚披露宴)
  • [外食Diary]LUXE DINING HAPUNA(品川プリンスH)
  • 25/01/21●米テレビ局、大量リストラ。ソーシャルネットワーク発展の影響
  • 25/01/21●性加害タレント仲井正広が引退。フジテレビ、スポンサー離れで窮地が続く
  • [444]中居正広「性加害」&フジテレビ「女子アナ上納」スキャンダルで思うこと
  • 25/01/15●2025年、出版関連メディアはどうなる?
  • [443]ロサンゼルスで史上最悪の大火。「トランプ2.0」の年が始まった。
  • 2025年1月10日●地方紙のコラムを書いて約2年経過
  • [外食Diary]レッドロブスター
  • [外食Diary]ブラッセリー「フローラ」
  • [442]世界とは違う日本の正月。新暦でやる国はほぼ日本だけ
  • [外食Diary]清香園
  • 24/12/19●ソニーとKADOKAWAが資本業務提携契約を締結、筆頭株主に!

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

Ads on: Special HTML

 

「出版大崩壊」著者インタビュー

山田順プライベートサイト, supported by tanken.com, advertized by sanhaku.com

© JUN YAMADA All Rights Reserved.