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[317]統計偽装大本営発表:少しも変わらない日本
2019年 2月 11日(月曜日) 03:32

先週の土曜日の午後は、関東南部も大雪になるといった予想があったのに、降ったのは細雪。それも、小一時間ほど。あたり一面の雪景色を期待していたので、なにか、本当に虚しかった。

 雪が積もり、それが晴天の下に溶けていくのを見ると、世界が浄化されていくようなさわやかな気分になる。それを味わいたかった。

 

 それにしても、いまの国会はひどい。「統計偽装」問題は、国家的な危機だというのに、与党も官僚も、そして野党も真剣味がない。これでは、雪解けのように日本は浄化されないだろう。安倍政権は長期政権になったので、もうなにをやっても大丈夫と慢心しているし、野党は野党で、政局にすることしか考えていない。そして、官僚たちは官僚たちで、保身のために誤魔化しばかりやっている。

 

 「統計偽装」問題は、じつは本当に深刻な問題である。

 なにしろ、この問題をきっかけに、賃金上昇が“嘘”であったことが明らかになり、さらに、56ある国の基幹統計のうち全体の半数近い統計に誤りがあったことまで明らかになったからだ。しかも、この2月1日には、総務省が所管する「小売物価統計」まで不正調査があったことが判明している。

 

 もうこうなると、すべてが信じられない。アベノミクスは見せかけ、偽装だったと言われても否定できようがない。

 すでに、GDPの統計においても、指標の入れ替えによる操作が明らかになっている。アベノミクスのこの6年間で、GDPがわずかでも成長してきたというのは、“真っ赤な嘘”なのは明白だ。

 日本経済は、ゆるやかに衰退し、GDPも成長していなかったのである。すでに私は自著に書いたが、ドルベースで見れば、日本のGDPは縮小している。2013年には5兆ドル以上あったのに、いまは4兆8000億ドルぐらい。いくら円ベースで成長を見せかけても、ドル中心の世界経済から見れば、日本経済は縮小しているのだ。

 

 アベノミクスは政策と言えるシロモノではない。単に財政出動(税金のバラマキ)と量的緩和(お札を刷る)をやっただけ。しかも、緩和マネーは日銀にブタ済みされて、効果はほんのわずかだった。

 そんななかで、企業業績が良化したのは、円安と石油安のおかげだ。企業がイノベーションを起こし、生産性を向上させたからではない。企業もそれがわかっているから、賃金を上げられず、内部留保を確保してきたのである。

 

 それなのに、安倍首相は、ことあるごとにアベノミクスの効果を強調してきた。実感と離れた彼の言葉の数々。いつもそれに違和感を感じてきたが、「統計偽装」が明るみになったので、その理由がはっきりした。

 野党は安倍首相のことを「“嘘”つき」と言いたいのだろうが、それは当たっていない。彼自身が自分は“嘘”をついていると思っていないからだ。これは嘘つき以上に哀しいことだ。

 安倍首相は、自分の言葉に現実がついてくると思い込む、不思議な性格をしている。

 

 統計偽装が深刻なのは、これが経済ばかりか国家に対する「信用」を破壊ししてしまったことだ。いまだに、厚労省は修正値を出せないでいる。じつは、データが杜撰すぎて修正すらできないのではないか。

 日本は、“偽装国家”になってしまった。そんな国と、誰がまともに外交交渉をするだろうか?そんな国の市場に誰が投資するするだろうか?

 中国政府発表のGDP成長率を「疑わしい」と散々言ってきた日本のエコノミストは、この事態をどう言うのだろうか?日本も中国と変わらなかったのだ。

 この事態が続けば、今後、国民は国が発表することをすべて疑うようになるだろう。そして、国全体としての規律が乱れ、道徳心が失われていくだろう。

 

 すでに、こうした傾向は随所に現れている。

 ここ数年、日本では、大企業による偽装発覚事件が続いてきた。食品メーカーの食品偽装、電機メーカーの不適切会計、自動車メーカーの検査データ偽装、建設メーカーの耐震偽装など、まさに“嘘”のオンパレード状態になった。

 私たちは、モノやサービスを買うとき、常に疑って買わなければならないようになった。

「もり・かけ」問題にしても、政権が明らかに“嘘”と思われる発言を繰り返し、官僚がそれを“忖度”してデータや情報の隠蔽、偽装を重ねれば、民間がそれと同じことを繰り返すのは、言わば当然だろう。

 

 この構造は、戦前の「大本営発表」と同じだ。大本営は戦況が悪化しているのにもかかわらず、勝ってもいない戦争をさも勝っているかのような発表を繰り返した。戦果を捏造し続け、日本を決定的な破局に導いた。

 統計偽装の背景には、官僚による政権への“忖度”があったと言われる。しかし、それだけだろうか?なんの実績も上がっていない経済政策を、さも成果が上がっているように見せかけようとしたのは、いったい誰なのか?

 『大本営発表は生きている』(保阪正康・著、光文社新書、2004)には、当時の指導者たちがどのように戦果を捏造したのかが書かれている。彼らは、ある時点から、客観的事実を見ることをやめ、「神国日本」に逃げ込んだのだ。神国が負けるはずがない。よって、実際に日本軍が負け続けていることなどとても発表できないと、意図的に“虚”のなかに逃げ込んだ。

 恐ろしいのは、“虚”の発表を続けるうちに、それに麻痺してしまったことだ。

 

 安倍政権は6年以上も続く、長期政権となった。当初、アベノミクスは歓迎された。そのため、成果が上がっていないことを示す経済指標が上がってくると、これを隠そうとするようになった。そうして、いつの間にか統計数字まで偽装するようになり、そうすることに麻痺してしまったのだろう。

 安倍首相と取り巻きは、もはや“嘘”の世界の住人である。よって、アベノミクスが失敗していることなど、絶対認めないだろう。7月の参議院選挙の結果次第で、政局は大きく動くだろうが、彼自身が自分の失敗を認めることはありえないだろう。そういう性格をしているからだ。

 

 こんな状況なのに、メディアは「日本、すごーい」を繰り返している。テレビ番組を見ていると、事情を知らない外国人に「クールジャパン」と言ってもらって、自画自賛していることが、本当に目につく。なんで、こんなことを続けなければならないのか?

 日本は普通に見て、クールなところもいっぱいあるいい国である。わざわざ、日本を強調するのは、自信のなさの裏がしとしか思えない。しかし、そんなことを続けるうちに、現実に目が行かなくなり、日本経済はここまで劣化してしまった。

 

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