[336]春爛漫のなか退院。しかし、「コロナ禍」でいつもとまったく違う春。今後、日本はひどいことになる。 |
2020年 4月 11日(土曜日) 16:38 |
今日(4月11日)、センター南「昭和大学横浜市北部病院」を退院して家に戻った。入院したのが3月27日だから、約2週間(16日間)、病院で過ごしたことになる。 胸部と脚の手術の傷跡はまだまだ痛く、あと1カ月ぐらいしなければ普通には動けないだろう。 女子医大に、心臓カテーテル検査のために入院したのが、3月17日。結果は思いもよらぬ、「最悪」で、心臓の冠動脈が3本とも詰まっていた。自覚症状がなかったため、ただただびっくりするほかなかったが、すぐ頭に浮かんだのが、冠動脈バイパス手術。冠動脈バイパス手術といえば南淵明宏医師以外にいない。即座に、富家孝先生に連絡して、南渕氏のスケジュールをもらい、4月4日のオペが決まった。 が、その後、南渕氏から電話があり、「早いほうがいい。3月30日にオペができるのですぐに入ってください」ということで、3月27日に入院したのだった。
手術日前日の3月29日の日曜日は、なんと雪。都心では積雪1センチを記録し、3月下旬の積雪は32年ぶりだとニュースは伝えていた。病院8階のデイルームから、降りしきる雪を見ていると、本当に不思議な気分になった。娘はNYに取り残され、ロックダウンのなかほぼ監禁状態で暮らしている。私は入院。家内は、コロナのため、身内とはいえ、手術日以外の面会は禁じられている。家族バラバラだ。
手術が終わって気がついたのは、当日の夜7時ごろ。 以後、4日間、集中治療室で寝たまま過ごした。多くのチュープ、点滴、酸素吸入器などに繋がれて生かされていると、いまの医学のすごさを思わずにいられなかった。左右両方の脚が約30センチ切られ、そこから静脈が取り出されて冠動脈に移植された。南渕氏は、この手術に関して日本の第一人者だ。 手術後、家内は、心筋梗塞の跡があったと南渕氏から聞かされたという。自覚症状はなかったが、すでに心筋梗塞を起こしていて、そのときは他の血管により虚血が回避されていたようだ。
一般病棟に戻って、リハビリを続けるなか、4月7日夜、安倍首相の「緊急事態宣言」をテレビで見た。連日のコロナ禍報道のなか、どう言うのか注目したが、がっかりもいいところだった。 いつもながら、彼の言葉には力がない。原稿を読み上げているだけだ。内閣官房の一部スタッフと内容を示し合わせ、それに沿ってスピーチする。この緊急時でさえこれだ。だから、短いフレーズが一つもない。ともかく、なにもかも長すぎる。有名なルーズベルトの「われわれが恐れなければならないのは恐れることそのものである」を、ルーズベルトの言葉だと言わずに使ったのには、本当に呆れた。 この夜、なによりも心を洗われたのは、夜空に輝くスーパームーンだった。
「緊急事態」宣言後、日本の感染者数は、それに合わせるように急増した。毎日、過去最高と報道されたが、検査数が増えたのだから当然だ。つまり、これまで、検査を絞って明るみに出なかった潜在感染者が顕在化しただけである。 それにしても「検査数の増大は医療崩壊を招くから必要ない」「日本なりに独自にうまくやっている」と言ってきた政権擁護派論者たちは、どう答えるのだろうか。 また、「重大局面」「持ちこたえている」と言ってきた専門家会議と政府は、この事態をどう言い繕うのだろうか。ここまでの経緯をみれば、日本の現状は「人災」だと結論できる。
もっと早く、手を打っていればこんなことにならなかった。今後、事態はさらに悪化するだろう。中国が立ち直り、欧州やアメリカがピークアウトしていくなか、日本だけが取り残される。最悪の未来が予測される。 自宅に戻り、窓から外を見ると、もう桜は散り、葉桜になろうとしている。この後、風光る季節がやってくるだろうが、私はコロナ禍がなくとも、家に閉じ籠ったままで、夏まで過ごすことになる。 |
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