20/06/06●「改正著作権法」が成立、来年1月から施行 |
漫画や書籍などの海賊版対策を強化する改正著作権法が2020年6月5日、参議院本会議で可決・成立した。2021年1月1日に施行する。同法では海賊版サイトにユーザーを誘導する「リーチサイト」の運営についても規制しているが、こちらの規制は今年10月1日から。 これまで違法ダウンロードの規制対象は音楽と映像のみだったが、今回の改正で規制対象を漫画や書籍、新聞、論文、ソフトウエアのプログラムなどすべて著作物に広がった。ただ、ポイントは、これまで問題視されてきた漫画の海賊版サイト。今回の改正では、海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」の運営が完全な違法となり、海賊版サイトにリンクを提供する行為は有罪の場合、3年以下の懲役か300万円以下の罰金、サイトを運営する行為は5年以下の懲役か500万円以下の罰金が科されることになった。 また、ユーザーも違法と知った上でダウンロードすると、悪質な場合は刑事罰が科される。刑事罰に問われるのは、正規版が有償で提供されている著作物を継続的にダウンロードした場合。起訴には著作権者の告訴が必要で、有罪なら2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。 この改正法案の成立を受けて、日本漫画家協会と出版広報センターは同日、「海賊版対策のための著作権法改正成立に関する共同声明」を発表した。 同声明では改正法を、「脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じない」バランスの取れたものとして評価したうえで、引き続き「法改正の趣旨や適切な運用に関する一般向けの普及・啓発活動を強化しつつ、正規版コンテンツであることを示すABJマークの利用促進など、海賊版撲滅に向けた様々な取り組み」に注力していくとしている |