[355]ついに「非常事態宣言」=「なんちゃってロックダウン」に! |
2021年 1月 06日(水曜日) 21:48 |
今日の東京都の感染者数は、1591人で過去最高を記録。神奈川県は591人で過去2番目を記録。ここまでの報道では、1日の発表としては初めて6000人を超えて、感染者数(陽性者数)は過去最多となった。もはや、感染拡大は止まらない状況だ。 これに政府はあたふたし、ついに「緊急事態宣言」をする運びになった。そこで、思うのが、同時流行すると言われていたインフルエンザはいったどうしてしまったのかということ。この観点から、「Yahoo!ニュース」の個人欄に、「インフルエンザとの比較」のコラム記事を出したところ、《医師、医療従事者、医療専門のジャーナリスト以外のオーサーが新型コロナウイルスに関連する医学的な内容を発信するのは禁止とする》の措置に抵触するので、非公開となってしまった。「Yahoo!ニュース」の「医師、医療従事者、医療専門のジャーナリストに限定する」という判断は正しいと思うが、今回の記事は医学的見地からのもではないので、以下、ここにアップしておくことにした。 「なんちゃって緊急事態宣言」で感染拡大は止まるのか?インフルエンザとコロナのグラフを比較してみた。とうとう「緊急事態宣言」が発出される。が、これでコロナな感染拡大が収束に向かうのだろうか? それにしても、今年はインフルエンザがまったく流行していない。そこで、コロナとインフルエンザを比較してみると-----。 ついこの間まで、政府は税金を投入して「Go toイート」という飲食店支援策を行っていた。しかし、感染拡大で「医療崩壊」が懸念されてきたので、ついに「緊急事態宣言」に追い込まれた。 一般的に「緊急事態」と言うと「ロックダウン」を意味するが、日本だけは違っていて、なんと、飲食店の営業時間短縮などに限定される措置という。つまり、「なんちゃってロックダウン」=「なんちゃって非常事態宣言」である。これでは、「医療崩壊」より先に「飲食店崩壊」になってしまうだろう。
かつて「8割おじさん」と呼ばれた西浦博・京都大学大学院教授は、飲食店の営業時間短縮などでは効果は期待できないとし、昨年4~5月の宣言時に近い厳しい対策をしても、東京の1日当たりの新規感染者数が100人以下に減るまでには約2カ月かかるだろうという試算を公表した。 そこで、思うのが、今年はインフルエンザがまったく流行していないことだ。これまでに報告された患者数は、例年に比べると圧倒的に少ない。
厚生労働省は、毎年、9月から翌年5月末までの間、1週間ごとにインフルエンザ患者の発生状況をまとめて公表している。それによると、9月1日を含む第36週から第50週(2020年12月7日~13日)の15週間の累積の患者数は、全国でたった383人。過去5年間の同期間の平均患者総数は約9万人だから、2020/21年シーズンの患者数は0.5%以下である。 新型コロナウイルス感染が拡大する東京都では、第50週1週間の患者数はたった4人だった。
そこで、以下、インフルエンザとコロナを、公開されているグラフによって比較してみた。私は、疫学、医学の専門家ではないので、こうしたことに意味があるのかどうかは解説できない。 ただ、これで言えるのは、インフルエンザもコロナも同じような流行曲線を描いていることだ。
次は、東京都の「感染症情報センター」のHPにある過去5シーズンのインフルエンザ患者報告数の推移グラフである。これを見ると、例年11月(第46週あたり)から患者数が増え始め、年が明けて急増し、1月後半(第3週あたり)にピークに達し、その後、じょじょに収束していくのがわかる。5月(第20週あたり)になるとほぼ収束し、夏から秋口にかけては発症者はほとんどいなくなる。
次は、「Yahoo!ニュース」の特設サイト「新型コロナウイルス感染症まとめ」にある、東京都の新規感染者数の推移グラフだ。2020年6月からの「第2波」と11月からの「第3波」の推移が表されているが、見てわかるのは、現在の「第3波」が、インフルエンザと同じような経過をたどってきたことだ。
すでに、コロナに関して「季節性」はほとんど言われなくなっている。真夏の南アフリカで変異種が出現し、感染拡大が止まらないのだから、「冬に流行する」という特性はないと思われる。 それでもなお、不思議なのは、なぜインフルエンザがほぼ壊滅し、コロナだけが感染拡大しているのかということ。この点を、専門家はきちんと解明してほしい。 すでに、英国は厳しいロックダウンに入った。この効果はいずれ出ると思うが、はたして日本の「なんちゃってロックダウン」=「なんちゃって非常事態宣言」で大丈夫だろうか? コロナがインフルと同じ経過をたどってほしいとするのは、「希望的観測」なのか。「8割おじさん」の試算が当たらないことを切に願う。 |
What's New(最近の更新)
- メルマガ[713] 大谷翔平スキャンダルでつくづく思う。日本はなぜスポーツベッティングを解禁しないのか?
- [427]桜開花に異常あり。温暖化は猛スピードで進んでいる。
- メルマガ[710] 日本の低賃金は低学歴が原因。教育を変えなければ日本は復活しない!
- 2024年4月2日●幻冬舎ゴールドオンラインで連載6回終了
- メルマガ[714] トランプもバイデンも結局同じか。 アメリカ覇権が後退し続ける混沌世界の到来
- 2024年3月30日●「Yahoo!ニュース」エキスパート欄に3本寄稿
- [外食Diary]エッセルンガ(ESSELUNGA)
- [外食Diary]エクシブ湯河原離宮ボールルーム
- [外食Diary]華暦(エクシブ湯河原離宮)
- [外食Diary]マレッタ(エクシブ湯河原離宮
- メルマガ[712] 郵便遅配、鉄道・バス路線縮小、スーパー閉店-----衰退・縮小ニッポンはどうなっていくのか?
- メルマガ[711] 米大統領選の最大の争点となった「移民問題」トランプ断然有利とされるが大波乱も!
- 24/03/11●書店はどんどん消滅!この10年間で764社が倒産や廃業
- 24/03/08●「Dr.スランプ」の漫画家・鳥山明さんの死は世界でも大報道。国内の低評価は異常。
- 24/03/07●経産省が書店支援の「書店振興プロジェクトチーム」設置という愚策を発表
- [426]大谷翔平の過剰報道はいつまで続くのか?
- [425]大河ドラマ『光る君へ』で、平安時代を見直すと驚くほど新鮮。猛暑と和歌の世界。
- メルマガ[709] 政治腐敗は極致、経済は衰退一方。なのに国家ブランドは世界一という不思議
- 24/02/26●2023年コミック市場は6937億円 前年比2.5%過去最大
- メルマガ[708] トランプNATO発言の背景:アメリカはローマ帝国と同じ道をたどるのか?
- [424]不景気なのに株価暴騰。政治も経済もメタメタなのに、なぜか、安閑とした日々が流れていく
- 24/02/09●ドラマ『セクシー田中さん』問題で、小学館の編集者一同が声明を発表
- メルマガ[707] まだまだ上がる株価。景気がよくないのに株価だけが上がる理由とは?
- 24/02/01●2023年の出版物推定販売金額はかろうじて1兆円を上回る
- 24/01/30●トップカルチャーの連結決算は売上高189億5300万円で前年比9.3%減
- [外食Diary]シードレスバー
- メルマガ[705] 暖冬で雪不足も、このまま春に。そして、10万年に1度の猛暑の夏がやって来る!
- メルマガ[702] 日本では「知らんけど」アメリカでは「Meh」選挙の形骸化で崩壊する民主主義
- メルマガ[703] あるのか初の女性大統領誕生。ニッキー・ヘイリーはトランプに勝てるのか?
- 24/01/15●松本人志スクープで「週刊文春」約45万部が完売。松本のタレント生命終焉