[394]3年前の春、元号が「令和」に切り替わった。しかし、「美しい調和」の時代は訪れなかった。 |
2022年 4月 18日(月曜日) 22:13 |
足元では、モノがみな値上がりして、スタグフレーションが進展している。はたして、今後どうなっていくのかと思うと、暗い未来しか浮かばない。
そこで、コロナ禍になる前年、いまから3年前の2019年の春はどうだっかと思い返してみると、すっかり忘れていたことがあった。 それは、2019年4月1日から、年号が「平成」から「令和」に切り替わったことだ。この「令和」の2文字を掲げたのは、菅義偉官房長官(当時)だった。
安倍晋三首相(当時)は会見を開き、次のように述べた。 「新しい元号は令和であります。これは万葉集にある『初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す』との文言から引用したものであります」 へえ、これまでの漢籍とは違い、今回は万葉集が出典なのかと思って、説明を聞くと、首相はこう続けた。 「この令和には人々が美しく心を寄せ合うなかで、文化が生まれ育つという意味が込められております」 「文化を育み、自然の美しさを愛でることができる平和な日々に、心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ち溢れた新しい時代を国民の皆様と切り開いていく。新元号の決定にあたり、その決意を新たにしております」
その後、学者などの見解が発表されたが、「令」は「おきて」「命令」ではなく、「よい」という意味で、「和」は「調和」や「平和」を表しているとされた。つまり、「令和」とは、「美しい調和のとれた平和な時代」ということだった。 しかし、そんな時代が訪れただろうか?
コロナ禍が起こって、安倍晋三は逃げるように退陣し、後継者となった菅義偉は自分の言葉でモノを語れず、1年しか持たなかった。その後、「聞くことだけが得意」という岸田文雄が首相になったが、いまだになにをやっているのかわからない。 アベノミクスは虚構で、それを担いだメディアは「戦後最長の景気拡大」などと言ってきたが、いまは同じ口で、しゃあしゃあと「悪い円安」「インフレが止まりません」などと言っている。少子化による人口減という、日本が直面している最大の問題にまともに取り組もうとしない人々によって政治は運営され、日本は日々衰退を続けている。
そういえば、令和に年号が切り替わったとき、私と家内はニューヨークにいた。「今年は、こっちでお花見ができそうだ」と言って、ブルックリンのボタニックガーデン恒例の桜祭りがいつからだろうか?と新聞を見ていたら、日本が新元号に切り替わったという記事が出ていた。 『NYタイムズ』は「令和」を、「order and peace」と訳していた。これでは、「令」はやはり「おきて」「命令」ではないかと思っていたら、その後、日本政府が抗議したという報道があった。 「令はオーダーではない。誤訳である」ということで、日本政府が示したのが「beautiful harmony」(美しい調和)だった。いま思うと、本当に情けない話だ。
結局、「令和」は、「美しい調和」の時代にはならなかった。ここまで、災難、事故、不祥事、争乱が続くと、昔ならすぐに年号を変えただろう。もちろん、いまはそんなことはできない。 いまの政治は縁起や世相ではなく、科学でやらなければならない。しかし、この国は、単に縁起や世相だけで政治を行っている。
すでに、欧米はコロナ規制をやめ、空港検疫もなくなった。昨日、NYに行った人間は、JFKはもうなんのチェックもなく、コロナ以前と同じようにパスポートコントロール、カスタムを通過できたという。 それなのに日本は? いったいつまで「コロナ鎖国」を続けるのだろうか? すでに桜は散り、春は過ぎ行こうとしている。来年の花見のころ、世界はどうなっているのだろうか? |
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