[421]ジャニーズ問題はいつまで続くのか? 誰も彼もが不誠実でいいのか? |
2023年 9月 20日(水曜日) 23:31 |
今日のニュースは、ジャニーズ事務所が10月2日に新方針を発表し、事務所名の変更をする模様になったということ。また、TBSが人権尊重や救済策などを示した要望書を、13日に午前中にジャニーズ事務所に提出したということの2つが中心だ。 読売新聞配信記事「ジャニーズ性加害、TBS社長「『男性から男性』が人権侵害という認識乏しかった」(20日19時32分)はこう伝えている。
《TBSの佐々木卓社長(64)が20日、東京・赤坂の同局で定例会見を行い、故ジャニー喜多川元社長の性加害問題を巡り、ジャニーズ事務所へ要望書を渡したと報告した 佐々木社長は「(同事務所が)今後どう取り組んでいくのか厳しく注視していく」とした一方で、「契約の解除は最後の手段」として、所属タレントの番組への起用は継続する方針も示した。》 《一方、この問題の報道がこれまで不十分だった点について、佐々木社長は「男性から男性へのハラスメントが著しい人権侵害だという認識が乏しかった。さらに週刊誌が報じた芸能界のニュースを、芸能スキャンダルというふうにひとくくりに過小評価してしまうという判断ミスがあった」と認めた。 その上で「人権意識の乏しさ、芸能界のニュースに対する向き合い方を思い出すと、本当に恥ずかしいと思っている。報道機関としての役割を十分に果たせなかったことを深く反省する」と述べた。》
はっきり言って、この佐々木という社長は、全くどうしようもない男だ。この記事を読んで怒りさえ覚えた。なにが、いまさら要望書だ。人権尊重や救済策などのコンプライアンスを徹底しなければならないのは、自分自身(TBS)の方なのに、逆に、ジャニーズ事務所に対して、その対応を批判している。共犯者として、一緒に是正していくのが正しい選択だろうに。
ジャニーズ事務所が長い沈黙の後に記者会見を開いたのが、9月7日。 東山紀之(56)が新社長になったが、社長の藤島ジュリー(57)の引退はなく、株式も100パーセント保持したまま、単に「(ジャニーの性加害を)認識していた」と認めただけの会見だったため、その後、批判が続出した。 テレビ、新聞、スポーツ紙もいっせいに報道し始め、企業はジャニーズ起用CMを規約更新しないことになった。 こうした一連の流れを見ながら、私はかつて何度かジャニーズ事務所に足を運んだことを思い出さざるを得なかった。メリーさんに呼び出され、明け方まで事務所(昔の六本木にあったビル)のメリーさんの部屋で、延々と説教されたのはいつのことだった。マッチと明菜の交際記事で、メリーさんはマッチに不利なことを1行も書かせないという態度を崩さなかった。 ジャニー喜多川の性加害(なんでこんな言葉を使うのか。少年強姦=レイプである)は、もちろん知っていたが、そんな話をメリーさんにぶつけたことはない。そんなことをすればどうなるかは、芸能記事を担当し始めた時から知っていた。
そういえば、もう故人になってしまった肥留間正明が、多少関わっていたので、北公次の本が出る前に、その内容を知らされて「やっぱり」と思ったことがあった。文春が書くはるか前から、あの内容は、芸能ジャーナリズムにいた人間ならみな知っているのだ。 よって、私もまた、共犯者側と言えるので、とやかく、この問題を批判する資格はない。 ただ、いくらなんでも、もうみんな正直に、全部話してしまえばいいと思う。 以下、この問題の核心だけを、手短に書いておきたい。 (1)名乗り出た被害者の救済、タレントのCM契約の打ち切りによる取引停止、屋号変更などでは解決には程遠い。 (2)「タレントには罪はない」とする擁護論もあるが、これははっきり言って間違っている。罪は大ありだ。なぜなら、故ジャニー喜多川の小児性虐待(少年レイプ)は、現役タレントを含む周囲の容認、隠蔽がなければ成立しなかったからだ。つまり個人犯罪ではなく組織犯罪である (3)テレビ局を含めメディアの事務所への「忖度」が指摘されているが、これも間違っている。メディアは勝手に忖度したのではなく「癒着」「談合」し、事実を隠蔽した上に辞めたタレント、他事務所タレントを排除したので「独禁法違反」だ。 (4)以上のことから、事務所とともに全メディアが視聴者、読者に謝罪し、なぜこうなったかを検証番組、記事にし、そうしつつ、ジャニーズの全タレント(辞めジャニも含む)を一時的にせよ、メディアから追放する必要がある。
文春の裁判などではない。郷ひろみがジャニーズ事務所を飛び出したときに、その理由をみんな知っていたのだから、あのとき誰かが本当のことを報道すれば、今日のジャニーズ事務所はなかっただろう。 問題の本質的解決には、現役タレント及びメディアの真相告白が絶対に必要だ。そうでないと、世間はどんな措置も受け入れないし、許しはしないだろう。 これまで誰も真実を話していない。欧米では勇気ある「#Me Too」ムーブメントにより、真相解明は進み、再発防止への法的整備も実現した。6年前、「New York Times」がハーベイ・ワインスタインの性加害を暴露する記事を出すと、あっという間に事態は動き、ザ・ワインスタイン・カンパニーは消滅した。日本はなぜ不誠実がまかり通るのか。 |
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