[422]もう年末。この3カ月で日本も世界もまったく不透明に!もう見ているだけしかない。 |
2023年 12月 19日(火曜日) 18:33 |
ブログを更新しないうちに月日は過ぎ行き、もう年末。前回更新時が9月だったから、月日がたつのは本当に早い。先週末、私は71歳になった。 この歳になると、残りの人生を考え、未来のことなどどうでもよくなるが、いまの日本、世界情勢を見ていると、本当に心配というか、いやーな気分になる。こんな世界で、今後、私の娘、孫はどう生きていくのだろうか? 「うちのビジネスは順調ですが、いまはなにかやるような時ではないですね。社員たちにも、来年は世界がどうなっていくか見るだけにして、新しいことはなにもするなと言っています」 と言うのは、今日、帝国ホテルで久しぶりに会った、ロンドンでビジネスを展開する日本人社長。彼は、年に2回は日本に来るが、来るたびに日本の行く末が心配だと言う。
今日も、朝から、新聞、テレビでは、「裏金」「政治とカネ」報道の洪水が続いている。「パーティ券」「キックバック」「中抜き」などという言葉が踊っている。事件発覚以来、メディアはウケに入り、時を得たとばかり、岸田政権、自民党の不正を追及し、正義の斧を振りかざしている。 このままいくと、自民党安倍派は解体され、自民党自体も大変革を迫られる。もう、岸田政権は持たず、年が明ければ間もなく総辞職に追い込まれると、盛んに「観測報道」が繰り返されている。なにしろ、岸田政権の支持率は20%台に突入し、完全な危険水域に入っている。 しかし、岸田内閣が倒れようと、万が一野党が政権を取ろうと、日本は変わらないだろう。私はそう思っている。
いまになって批判続出となった安倍政権だが、結局、以下の問題はどうなっただろう。なんらかの解決、決着はあっただろうか? ・森友学園問題・加計学園問題・桜を見る会問題・旧統一教会問題・伊藤詩織さん事件での容疑者逮捕揉み消し問題・日本学術会議の任命拒否問題・東京五輪汚職事件--------。 日本人は「忘れやすい」と言われるが、メディアも同じで、いっとき大騒ぎするだけ。ことの本質、解決、決着に関しては、じつはどうでもよいのだ。メディアには、政治家と同じように、正義感、使命感などない。メディア経営者が気にするのは、自社の売り上げ、業績だけである。
この国には四季がある。そのため、すべての出来事は、季節と同じように移り変わるものと考えて、一つの話題が終わると次の話題へと移っていく。それが繰り返されるだけだ。 そうした見方から言うと、今回の「政治とカネ」問題も、いずれ風化する。そうして、混沌状況が深まるだけで、それがだらだら続いて生き、それが日常になるだけだろう。
この状況は、世界も同じだ。相変わらず、北朝鮮はミサイルを撃ちまくっているし、中国はバブル崩壊にもかかわらず、台湾武力併合をする姿勢を崩していない。 ウクライナ戦争は終わりなき泥沼に突入した。そんななか、イスラエル・ハマス戦争が起こり、毎日、多くのパレスチナ人が殺されている。ここに及んでも降伏しないハマスは狂信集団と言うほかない。 どちらの戦争においても、アメリカは立ち往生している。 かつての冷戦時代、そして冷戦後のアメリカ1極時代のような「あるべき秩序」のなかで世界は動かなくなってしまったことが、いまの混乱を招いている。
12月7日の英BBCの報道は衝撃的だった。 『6カ月前に始まったウクライナの反転攻勢の一環で兵士の数も武器の数もロシア軍に劣る……「地獄」の前線、ウクライナ兵がBBCに証言』という記事は、もはやウクライナの勝利などありえないという現実を端的に伝えていた。 アメリカの世界覇権の低下を見て、抜け目なく動き出しているのが、「グローバルサウス」(Global South)と呼ばれるようになった一群の国々である。 「米中新冷戦」「欧米vs.ロシア」という構図ができ上がった世界で、彼らはいま、アメリカ覇権から抜け出し、中国、ロシアともうまくやって、自国を繁栄させていこうとしている。コウモリ国家集団である。 そして、「アメリカの裏庭」(American backyard)と言われてきた中南米を見ると、なんと反米左翼政権が続々と誕生している。メキシコ、ニカラグア、コロンビア、ベネズエラ、ボリビア、アルゼンチン、ホンジュラス、ペルー、チリと、軒並み左派政権となり、中南米最大の人口(2億1400万人)と経済力を誇るブラジルでも左翼政権が誕生してしまい、グローバルサウス は勢いづいている。 最悪なのは、アメリカの分断が進んで、収拾がつかなくなっていることだ。いまのアメリカは、「共和党州」(レッドステート)と「民主党州」(ブルーステート)では、まったく別の国である。アメリカの分断は、民主党州、とくに「聖域都市」(サンクチュアリシティ:sanctuary city)に信じられないほどの荒廃をもたらしている。街は不法移民で溢れ、万引きが横行するNYやサンフランシスコに、今までのように行く気は起こらない。もし、このまま来年、トランプ再選などということになったら、アメリカも世界もさらに混乱する。
地球温暖化による気候変動も、猛威を増している。 今後の人類の運命を決めるといってもいい「COP28」(第28回国連気候変動枠組条約の締約国会議)は、11月30日から12月13日まで、UAEのドバイで開催されたが、案の定、紛糾し、大きな進展はなかった。化石燃料のフェードアウト(段階的削減)は、結局、曖昧な決着で終わった。それにしても、日本政府は温暖化対策を真剣に取り組んでいない。 私の寿命がどこまであるかはわからない。ただ、このままでは、10年後はもっと状況は悪化しているだろう。死んだ後の世界を見ることはできないが、たとえば今世紀半ば2050年までには、なんとか明るい未来を展望できるように、日本も世界も動いてほしい。 |
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