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競馬G1予想
G1予想[081]第53回宝塚記念(2012年6月24日) PDF 印刷
2012年 6月 21日(木曜日) 02:47

オルフェーヴルの圧勝だろう。ただ買わない。

買うのは、枠連、馬単、馬連で5-8!

 

 天皇賞のときに書いたように、今年は、オルフェーヴルを1ミリも買わない。結果がどうなろうと、オルフェーヴルは出ていないものと考える。となると、中心は、香港で悲願のG1制覇を成し遂げたルーラーシップにするしかない。なにしろ、春の天皇賞馬ビートブラックはフロックという見方が大勢だし、2着のトーセンジョ―ダンは出走しないからだ。

 ルーラーシップを軸に、最強5歳世代のトゥザグローリー、フェデラリスト、エイシンフラッシュ、そして4歳2番手評価のウインバリアシオンとショウナンマイティを押さえれば、オルフェーヴルさえ来なければ、ほぼ当たると思える。

 しかし、そんなふうに買ってもなにも面白くない。馬券は外すことに意義があり、外して税金を納めることが、もっとも美しい行為だからだ。とすれば、今回は、「増税馬券」しかないと確信する。

 民主・自民・公明の合意が成立し、消費税増税が決まった以上、国民は、これに素直に従うしかないのだ。本当にバカバカしいが、これで日本はますます衰退していく。ならば、その記念に、5%から8%ということで、枠連、馬単、馬連で、5-8勝負だ!

 ちなみに総選挙といえば、先日「AKB総選挙」が行われ、本命の大島優子が10万票以上を獲得して圧勝した。以下がその選挙結果(トップ10)だが、この結果に宝塚記念のファン投票(トップ10)を重ね合わせると、AKB総選挙のほうが圧倒的に票数が多いので、国民的行事だったと言えるだろう(まあ、本気でそんなことは思っていないが)。

 ちなみに宝塚記念ファン投票1位オルフェーヴルの票数7万2253票は、AKB総選挙では3位にしか入れない。2位の渡辺麻友にわずかに届かないのだ。よって、やはりオルフェーヴルは来ないと、結論する。

  ただし、もしオルフェーヴルを買うなら、今回しかないのも事実だ。たった1回の不可解な敗戦で、競馬記者、予想家の多くがビビって、本命にしていない。こういうときは、最強馬は圧勝するというのが、競馬というものだ。

  本当に、競馬マスコミはいい加減だ。馬の見方など知りもしないくせに、さも知ったかのように、今回のオルフェーヴルについてあれこれ書いている。

  私は1ミリも買わないと決めたから買わないが、じつは圧勝してほしい。

 

■宝塚記念ファン投票結果

順位 馬名      得票数 性齢 厩舎

1位 オルフェーヴル   72,253 牡4 池江泰寿

2位 トーセンジョーダン 47,890 牡6 池江泰寿

3位 ルーラーシップ   46,755 牡5 角居勝彦

4位 エイシンフラッシュ 44,938 牡5 藤原英昭

5位 ウインバリアシオン 36,305 牡4 松永昌博

6位 トゥザグローリー  34,524 牡5 池江泰寿

7位 アーネストリー   31,391 牡7 佐々木晶三

8位 ローズキングダム  31,081 牡5 橋口弘次郎

9位 アパパネ      27,392 牝5 国枝栄

10位 ヒルノダムール   25,101 牡5 昆貢


■AKB総選挙「27thシングル選抜メンバー」結果

順位 名前 (所属・チーム) 得票数

1位 大島優子(AKB・K)   108,837

2位 渡辺麻友(AKB・B)  72,574

3位 柏木由紀(AKB・B)  71,076

4位 指原莉乃(AKB・A)  67,339

5位 篠田麻里子(AKB・A) 67,017

6位 高橋みなみ(AKB・A) 65,480

7位 小嶋陽菜(AKB・A)  54,483

8位 板野友美(AKB・K)  50,483

9位 松井珠理奈(SKE・S) 45,747

10位 松井玲奈(SKE・S)  42,030

 

2012年6月23日、追記

 今日、キンキンテレビ「スマート競馬」に出演し、 予想を追加した。春の総決算だけに、5-8の一本だけではさみしい。そこで、オルフェーヴルはやはり買わないとしても、これなら「あるだろう」とする1点を追加した。

 本命―フェデラリスト、対抗― トゥザグローリー、馬単12-15、馬連12-15を買ってみる。

 
G1予想[080]第62回安田記念(2012年6月3日) PDF 印刷
2012年 5月 29日(火曜日) 23:51

そんなバカな! 昨年と同じ

リアルインパクト、ストロングリターンの決着

 

 1994年の優勝馬ノースフライトは5番人気だった。この年は、前哨戦の京王杯スプリングCに外国馬が参戦可能になり、さっそくやってきた4頭が、上位を独占した。1着スキーパラダイス、2着ザイーテン、3着サイエダティ、4着ドルフィンストリート。この結果から、安田記念は外国馬が人気の中心になった。1番人気は、断然、武豊騎手のスキーパラダイス。ノースフライトは、阪神牝馬特別6馬身差圧勝、マイラーズカップをレコード勝ちしていたが、外国馬にはかなわないと、関係者もファンも思っていた。

  しかし、ノースフライトは角田晃一騎手の力強い手綱でゴール前鮮やかに抜け出した。2着にも日本馬、トーワダーリンが大外から追い込んだ。トーワダーリンは角田騎手と同期の田中勝治騎手の騎乗で超人気薄。馬連は万馬券となった。

  ゴール板を過ぎてから1コーナーを回り、さらに2コーナーから向こう正面に入ったところで、2頭の騎手は馬上で握手を交わした。この握手の光景はいまも忘れられない。

 

 今年は、日本馬に確固たる中心馬が見当たらない。そのため、香港所属馬2頭、グロリアスデイズ、ラッキーナインが人気を集めている。日本馬のなかでは、サダムパテックが押し出されて一番人気になりそうだ。

 ともかく、大混戦模様で、誰もが「穴が期待できる」と手広く買うはずだ。しかし、こういうときに限って、えてして人気サイドで決着するか、まったくのノーマークの馬が来る。

 

 そこで、リアルインパクト。なんと前走、マイラーズカップは最下位の18着。こんな着順から巻き返すなどとは「まさか」誰も考えないだろう。それに、鞍上は岩田。ダービーに続いてのG1を連覇なんて「まさか」ありえないと、誰もが思う。まして、岩田は今年は桜花賞も勝っている。さらに、リアルインパクトの父はディープインパクト。こちらも3週連続となるので、誰もが「まさか」と首をひねる。

  こうして、「まさか」が3つ重なるのは、この馬だけだ。ということで、絶好の狙い目。相手一番手は、ダービーもまた不発だった福永祐一のストロングリターン。もし、そんなことになれば、昨年とまったく同じ決着だ。

  それ以外では、香港馬2頭にも流すが、いちばん怖いのは、誰もが「まさか」逃げ切りはないだろうと思うシルポートだ。ともかく、リアルインパクトから馬単、馬連総流し。

 

 
G1予想[080]第79回ダービー:東京優駿(2012年5月27日) PDF 印刷
2012年 5月 23日(水曜日) 02:52

ワールドエースが大外一気!

 

 ダービーの思い出は尽きない。未来を託した数々の馬の名前が浮かんでは消える。最近では、ジャングルポケット。最近と言っても2001年のダービー馬だから、もう10年以上も前のことになる。鞍上は角田晃一。ジャングルポケットは3歳馬ながらジャパンカップも勝ち、この年の年度代表馬になった。

 ジャングルポケットのダービー制覇は、幻の三冠馬と呼ばれたフジキセキ(同馬主・同厩舎・同騎手)の念願を成就したものと、当時、話題になった。しかし、それよりも、私は角田の大ファンだったので、彼がやっとダービージョッキーになったことを喜んだ。ただ、同じく大ファンで、角田と同期の田中勝春はいまだにダービーを勝っていない。

  ジャングルポケットのダービーの勝ち方は鮮やかだった。皐月賞馬アグネスタキオンが屈腱炎を発症して戦線離脱したため1番人気になったが、実力勝ちと言っていい。2番人気になったクロフネは5着に沈み、2着にはダンツフレームが入った。

 

 競馬学校時代に癖馬ばかり乗らされた

 

 ジャングルポケットは気性の激しい馬だった。ダービー制覇時のウイニングランで大歓声を浴びると、頭を激しく上下させた。しかし、角田晃一は涼しい顔でなだめるそぶりも見せずに、スタンドの観客の方へ馬を進めた。

  角田は、もともと素質があり、デビュー時の1989年に43勝を挙げ、同年のJRA賞最多勝利新人騎手として表彰されている。乗り方は軽く、追い方は華麗で、私はデビュー時から彼のファンになった。

  デビュー3年目の1991年、角田はシスタートウショウに騎乗し桜花賞を制覇、GIジョッキーとなった。このとき、気性難のシスタートウショウを乗りこなせたことについて、彼は「競馬学校時代に癖馬ばかり乗らされた経験が生きた」と語った。つまり、ジャングルポケットは角田にぴったりの馬だった。

   

 ▲スタンド前でイヤイヤをするジャングルポケット(ダービー後のウイニングラン)

 

「皐月賞で躓き、大きく出遅れ」という共通点

 

   このジャングルポケットとワールドエースがダブる。ジャングルポケットは皐月賞でスタート直後大きく躓き、出遅れた。その結果、直線追い込むも3着だった。ワールドエースもスタートで躓き、福永祐一は落馬してもおかしくなかった。それを道中立て直し、直線は大外から追い込んで2着に敗れた。

  福永はまだダービーは勝っていない。牝馬のクラシックは桜花賞もオークスも勝っているが、ダービーは縁がない。角田も牝馬のクラシック、G1を多く勝ったので「牝馬の角田」と言われた時期があった。福永も「牝馬の福永」と言われてきた。ただ2人が違うのは、福永が栗東生まれの騎手2世で競馬界の出身であるのに対して、角田が鳥取生まれで競馬界とはなんの縁もない出身であることだ。

 

まともに走ればゴールドシップ以上であるのは間違いない

 

  ワールドエースがまともに走れば、重馬場で内を突いて抜け出したゴールドシップ以上であるのは間違いない。皐月賞でなにもかもうまくいったゴールドシップを買うのなら、まだ3着に負けたディープブリランテのほうがいい。

  皐月賞出走馬のレベルは高いが、皐月賞をスキップして毎日杯から直行のヒストリカルも相当な器だ。ワールドエースの相手一番は、この馬にする。あとは、ト-センホマレボシ。

   ◎ワールドエース

   〇ヒストリカル

   ▲ディープブリランテ

   △ゴールドシップ

   △トーセンホマレボシ

 
G1予想[079]第73回オークス(2012年5月20日) PDF 印刷
2012年 5月 16日(水曜日) 16:31

金環日食(エクリプス)にふさわしいサンシャイン 

  オークスになると、いろいろなことを思い出す。もっとも古い思い出は、1971年、重馬場を抜け出して勝ったカネヒムロ。史上最低体重384キロの小さな牝馬が、本命ナスノカオリを差し切った。岡部幸男G1初優勝の瞬間だった。この年の夏、ニクソンショックが起こり、1ドルは360円ではなくなった。ドルは兌換通貨ではなくなり、世界の金融体制は大きく変わった。

 ノアノハコブネは史上最低人気28頭立て21番人気で、1985年のオークスを勝った。異常なハイペースで、先行した馬が全部バテるなか、大外からまとめて交わして、ナカミアンゼリカに1馬身1/4差をつけ優勝した。この年の夏、御巣鷹山にJAL123便が墜落した。当時、週刊誌の現場にいたので、夏休み返上で取材・編集に追われた。

  カネヒムロもノアノハコブネもオークスを勝つためだけに生まれてきたような馬だ。実際、その後1勝もできずに引退している。

  今年はオークス翌日に金環日食がある。この日は、太陽と月と地球が一直線に並び、太陽が細いリング状に輝く様子(ダイヤモンドリング)が見られる。金環日食が日本で見られるのは1987年の沖縄以来25年ぶり、本州で見られるのは129年ぶり、東京で見られるのは173年ぶりという。

   

  となれば、オークスはサンシャインを買うしかない。日食前日の太陽、サンシャイン。ほかにふさわしい馬は見当たらない。サンシャインは桜花賞で10着に負けている。しかし、その前のエルフィンステークスの勝ち方は強かった。血統も長距離適性がある父ハーツクライで、母の父ビストレブルーは仏2400mG1勝ちがある。

  日食と言えば、英語は「エクリプス」。エクリプスはサラブレッドの始祖とされる英国の名馬で、日食の日に生まれたからエクリプスと命名されたという伝説がある。もし、サンシャインがオークスを勝てば、そのためだけに生まれてきた運命の馬となるだろう。

  サンシャインの単・複と馬連、馬単総流し。

 
G1予想[078]第7回ヴィクトリアマイル(2012年5月13日) PDF 印刷
2012年 5月 09日(水曜日) 01:33

キョウワジャンヌがフランスを救う!

  先週がインド、ガンジスだったので、今週はドナウブルー。美しき青いドナウ(ドナウ川)でやればいいのかもしれないが、やめた。今週はやはり、フランス・ショックだ。

 フランス大統領選挙は5月6日、決選投票が行われ、予想通り、現職のサルコジ氏が負け、左派最大野党の社会党フランソワ・オランド前第1書記(57)が初当選してしまった。これで、ギリシャ総選挙の結果と併せて、翌日から世界中で株価が急落した。

 フランンスもギリシャも有権者は財政規律路線に反発した。ようするに、これ以上、税金を払いたくない。ツケを払いたくない。払わせようとする政治家は選挙で落とすというのだ。これは、民主主義の末期症状で、いずれ政治が機能しなくなるかもしれない。

 とまあそれは別の話として、フランスという以上、買える馬は1頭しかいない。キョウワジャンヌ。ジャンヌはジャンヌ・ダルクのジャンヌ。フランスを救えるのは彼女しかいないということで、この馬の単・複と馬単、馬連総流し。

 今日はジャンヌだ!

 前回12着大敗と、出走全馬のなかでいちばん着順が悪いことも好材料。厚めの相手は、同じく着順が11着と悪いドナウブルー、10着のレディアルバローザ。前走着順の悪さでは7着のアパパネも上位に来る。牝馬は好調馬を狙えと言うが、そんなことをする意味がどこにあるのだろう?

 
G1予想[076]第144回天皇賞(春)(2012年4月29日) PDF 印刷 Eメール

オルフェーヴルは来ない

ゴールデンハインドの逃げ

 

 毎年、正月に、今年はどんな年になるのかを考える。そうして、いくつかのことを誓ってみるが、今年はいつもの年とまったく違った。それは、去年はあの東日本大震災があったからであり、私ごとでは妻がガンの手術を受けたということあったからだ。

  「今年は、去年とまったく違う年になってほしい」

  それが、私の願いであり、年が明けるとともに真っ先に思ったことだった。

 

  さて、競馬だが、去年はなんといってもオルフェーヴルに尽きた。3冠を楽勝したうえ、有馬記念も取って4冠馬になった。あの有馬記念での勝ち方は、並みいるG1馬をまとめて外から差し切ったのだから、史上最強とも言える勝ち方だった。

  となると、古馬になった今年は、さらに強くなり、まさにオルフェーヴルの時代になって当然だ。ところが、その最初のステップ、阪神大章典でオルフェーヴルは躓いた。

 

  話を戻して、今年の正月に誓ったことの一つに、「たとえなにがあろうとオルフェーヴルは1ミリも買わない」というのがある。これは、わざと競馬(馬券)で負けようという意味ではない。今年もまたオルフェーヴルの年になってしまうと、「今年は、去年とまったく違う年になってほしい」と願った意味がないからだ。

  東日本大震災の直後、ヴィクトワ―ルピサがドゥバイWCを勝ち、その後、オルフェーヴルが皐月賞、ダービーと連勝した。この記憶は、おそらく永遠に消えないだろう。それなのに、また、今年もオルフェーヴルが天皇賞、宝塚記念とG1を連勝したら、オルフェーヴルの年になってしまう。

  というわけで、今年、私はオルフェーヴルを馬券の対象から外す。なにがあっても、買わない。

 

  ふと、思う。オルフェーヴルのあのやんちゃな性格は直らないのではなかろうか? 馬はみな、気持ちのおもむくままに走りたいのだ。人間がつくったコーナーなんか曲がりたくないのだ。競走馬は訓練によってつくられ、コーナーを曲がり、鞭と手綱によって加速させられて走る。

  訓練が足りないということは、人間側の勝手な理屈で、馬にとっては訓練などしてほしくないのだ。コーナーが6つもある淀の3200メートルで、最後の坂を登って下って直線を向くまでに、オルフェーヴルが終わってしまう可能性はある。池添がどんなにうまく乗ろうと、当日のオルフェーヴルの気分次第だ。

  直線を向いたとき、「いつもと違う」「なぜなんだ?手ごたえがない」ということが起きないと、誰が言えるのだろうか?

  

  逃げ馬(逃げるという)ゴールデンハインドが本命。全馬がオルフェーヴルを意識して走る競馬で、ただ一頭、最初から最後までオルフェーヴルを視界に入れないで走る馬は、この馬だ。荻野琢真(オギタク)は、テイエムプリキュアがそうだったように、なにがなんでも逃げるしかない。

  ちなみに、荻野の同期には、浜中俊、藤岡康太、宮崎北斗、丸田恭介らがいる。私は、この世代が最強だと思っていて、地方開催で迷うと、宮崎北斗、丸田恭介の組み合わせしばしば買う。

  ゴールデンハインドの相手は、先行馬。ケイアイドウソジン、ナムラクレセント。そして、オルフェーヴルより前に位置するはずのトーセンジョ―ダン、ギュスターヴクライ。2連勝したがまったくの人気薄トウカイパラダイス。

 

  オルフェーヴルの誕生日は、5月14日。競走馬としては遅生まれである。それなのに、強さは並ではない。もしかしたら、日本競馬史上、最強馬かもしれない。オルフェーヴルが遅生まれなのには理由がある。

  それは、母親オリエンタルアートが、ディープインパクトとの交配に失敗したたからだ。不受胎がわかって、空胎を避けるために、急遽ステイゴールドと交配して生まれたのがオルフェーヴル。やんちゃな性格は、こうした生い立ちから来る生まれつきのものなのだろうか?

 

■ゴールデンハインドに関して

(通販フロムハンドのサイトから)

http://item.rakuten.co.jp/fromhands/cws160114/

 帆船「ゴールデンハインド」ってどんな船? 

ゴールデンハインドは16世紀後半、イギリス女王エリザベス1世の時代のガレオン型の帆船です。海賊だったフランシス・ドレーク(Drake)は、1577年にゴールデンハインドを旗艦に5隻の帆船を率いて大西洋を南西に向かいました。マゼラン海峡を経て太平洋に進出し、チリやペールー沿岸のスペインの植民地や財宝船を襲って、財宝を奪いました。
 その後太平洋を横断、インド洋から喜望峰を回り、マゼランの世界一周から 60年後の1580年にイギリスへと帰国しました。(この周航はマゼランに次ぐ世 界で2番目の周航で、イギリス人としては最初の周航者になりました) 5隻で出発した船団ですが地球を一周してイギリスに戻ったのはドレークの乗るゴールデンハインドだけでした。
 ドレークが本国に持ち帰った財宝は莫大なもので、当時のイギリスの国庫歳入よりも多かったと言われています。尚、彼はこの就航時に「ホーン岬」と「ドレーク海峡」を発見しています。ゴールデンハインド号は、現在、サンフランシスコに復元保存されています。

 

 
G1予想[077]第17回NHKマイルカップ(2012年5月6日) PDF 印刷
2012年 5月 02日(水曜日) 00:13

ガンジス中心、相手はカレンブラックヒル、ゴールデンムーン

この3頭がらみの馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単ぜんぶ買う

 

 オルフェーヴルは来ないと、完全ノーマーク。指名したのは逃げ馬ゴールデンハインド。しかし、ビートブラックは視野の外だった先週の天皇賞。なにより、石橋脩騎手があのような乗り方を考えていたとは、知るよしもなかった。メディアはいったい、なにを取材しているのだろう。レース前に、彼のコメントをキチンと取材したメディアは1社もなかった。

 さて、今週のNHKマイルカップは、ガンジスが中心。相手は、カレンブラックヒルとゴールデンムーンに決めた。この3頭の組み合わせを、馬単、馬連ワイド、3連複、3連単ぜんぶ買う。

 最近、イベント馬券という考え方になってきた。世の中の出来事、トレンド、私事、すべてを含めて、そのなかからピンと来たイベントから馬券を買ってみる。これまで、成績、調子、血統、展開など、およそデータと呼ばれるものはすべて無視してきたおで、この買い方がなぜかいちばんすっきりする。ともかく、この馬券予想の最大のテーマは、なんの論理的根拠のないことにお金を賭けられるか?だから、これでいいのではないだろうか。

 ガンジスを買うのは、今週、娘がインドに旅行にいっているから。たったそれだけの理由だ。そうしたら、今週、インドには、日本政府の主要閣僚、玄葉光一郎外務相、枝野幸男経済産業相、自見庄三郎金融担当相も行っていた。日本とインド両政府は4月30日、経済協力の強化を目指す「閣僚級経済対話」の初会合をニューデリー市内で開き、インフラ整備を含めた経済協力をさらに進めることで一致したのだ。なにをいまさら出遅れているのか?という感じだが、今後、ますますインドの時代になるのは間違いない。

   聖地バラナシのガンジス川(Wikipediaより)

  ガンジス川は、誰もが知っているインドの大河。ヒンディー語やサンスクリットではガンガーと呼び、ヒンドゥー教の川の女神の名前だ。そこで、インド関連馬を探すと、カレンブラックヒルのブラックヒルはネパール産の番犬の品種。ネパールはガンジスの源、ヒマラヤ山系。さらに、ゴールデンムーンは、ガンジス河を照らす黄金の月だ。この3頭で決まりだろう。

  また、次のスポニチに記事も味方する。

 【NHKマイルC】馬名の最初に濁点が大暴れ?

 NHKマイルCは近年、馬名の最初に濁点、半濁点の付いた馬が大暴れしている。07年ピンクカメオ(半濁点)から、昨年のグランプリボス(濁点)まで目 下5連勝中だ。08年は最初に濁点の付いた馬によるワンツースリー決着(ディープスカイ、ブラックシェル、ダノンゴーゴー)だった。今年、この好相性馬名を持つのはガンジス、ジャスタウェイ、ブライトラインだけ。単勝を狙うならこの3頭だ。

 

 
G1予想[075] 第72回皐月賞(2012年4月15日) PDF 印刷
2012年 4月 13日(金曜日) 12:54

皐月賞というよりディープインパクト記念

内枠アダムスピークから

 

 今週の最大のトピックは、北朝鮮によるミサイル発射。北のミサイルと言えば、ノドン、テポドンだから、スノードンはどうか。しかも騎手は、北村友一だと、kinkin.tvの「スマート競馬」では、予想してみた。しかし、ミサイルはわずか10分で空中爆発。もう語るのもバカバカしいので、スノードンは1ミリも買わない(もともと圏外の馬だが)ことにした。

 それにしても、見ればわかる張りぼてミサイルを脅威だとして、なぜ1カ月も空騒ぎをしてきたのだろうか? しかも、日本だけは発射確認できず、他国報道があってからやっと発表する始末だ。「詳細な内容についてはただいま分析中」「今後も情報収集に努める」などと言っても、日本にその能力はないのだから、報道を見るのもバカバカしいい。

 スノードンがダメならワールドエースという手もある。こちらはダルビッシュのデビュー次第と思っていた。しかし、勝ちはしたものの、初回に爆死寸前。これでは、とてもワールドエースとはとても言えないだろう。結局、今回は皐月賞という競馬のトピックに回帰してみたい。

 

 今回の最大のトピックは、ディープインパクト産駒の牡馬が、初のクラシックを勝つかどうか?だ。なにしろ、ディープブリランテ、ワールドエースをはじめとして5頭が出走する。ということは、今回の皐月賞は、皐月賞ではなく、「ディープインパクト記念」と考えるべきだ。

  5頭の産駒のうち、人気はディープブリランテ、ワールドエースの2頭。こういうときは、いちばん人気がない馬(ベールドインパクトかアーデントのどちらだろう?)か、いちばん内枠に入った馬(アダムスピーク)、いちばん外枠に入った馬(ワールドエース)を軸にして、産駒ぜんぶに流す。

  とりあえず、いちばん単純に、最内枠の1枠に入ったアダムスピークから流すことにしよう。あと、ディープ産駒5頭の単勝をぜんぶ買う。

  これで、ディープインパクト記念は完成だ。

  単勝2、5、6、7、9 

  馬連と馬単2-5、2-6、2-7、2-9

 枠連1-3、1-4、1-5

 

 ■第72回皐月賞(中山競馬場、2000m芝)■

 ( )内は性齢、騎手・調教師
1-01 モンストール.         (牡3、柴田善臣・尾関知人)
1-02 アダムスピーク       (牡3、N.ピンナ. ・石坂正)
2-03 トリップ              (牡3、田辺裕信・松田博資)
2-04 メイショウカドマツ .     (牡3、藤岡康太・藤岡健一)
3-05 アーデント          (牡3、藤田伸二・加藤征弘)
3-06 ディープブリランテ.     (牡3、岩田康誠・矢作芳人)
4-07 ベールドインパクト     (牡3、藤岡佑介・大久保龍志)
4-08 サトノギャラント        (牡3、横山典弘・藤沢和雄)
5-09 ワールドエース.     .(牡3、福永祐一・池江泰寿)
5-10 スノードン             (牡3、北村友一・安田隆行)
6-11 マイネルロブスト.      (牡3、武  豊  ・高橋裕)
6-12 フジマサエンペラー     (牡3、田中勝春・菊川正達)
7-13 シルバーウエイブ    (牡3、北村宏司・大江原哲)
7-14 ゴールドシップ        (牡3、内田博幸・須貝尚介)
7-15 コスモオオゾラ.       (牡3、柴田大知・高橋義博)
8-16 ゼロス.             (牡3、川田将雅・領家政蔵)
8-17 ロジメジャー.         (牡3、安藤勝己・古賀慎明)
8-18 グランデッツァ       (牡3、M.デムーロ ・平田修)

 

 
G1予想[074] 第72回桜花賞(2012 年4月7日) PDF 印刷

2012年 4月 07日(土曜日) 12:21

いちばん嫌いな冠馬名の馬

マイネエポナから馬連流し

 

  なんと、ハナズゴールが出走を回避した。洗い場の壁を蹴って、右後肢を負傷したからだという。痛がって脚もつけない状態だという。

  となると、逃げ馬のことを書いたので、「逃げもあり?」と斎藤調教師が言っているマイネエポナにすることにした。私は、冠名がついた馬名が嫌いで、とくにマイネル、マイネの馬はなんとなく好きになれない。ただ、好きな馬名の馬を買うのは誰でもできる。だから、今回は嫌いな馬名の馬を買う。

  18頭のなかで、嫌いな馬名の馬を挙げると、冠名がついたエイシンキンチェム、トーセンベニザク、オメガハートランド、メイショウスザンナ。それに、命名にセンスが感じられないイチオクノホシ、アイムユアーズだ。

  この5馬に、マイネルエポナから馬連流し。ちなみに、エポナはケルト神話の女神だ。

  なお、馬名から見ると、ジェンティルドンナ(=貴婦人)ダームドゥラック(=湖の貴婦人)の「貴婦人一点勝負」。ジョワドヴィーヴル(=生きる喜び:仏語)エピセアローム(=スパイシーな香り:仏語)の「フランス語一点勝負」もある。

 

ハナズゴールの単勝、馬単総流し

 2012年 4月 02日(月曜日) 21:30

  今週から、愛川欽也さんが始めたWEB放送局「キンキンテレビ」内の競馬番組に出ることになった。「キンキンテレビ」は、14年間続いたCS放送「朝日ニュースター パックインジャーナル」の終了を引き継いで、 ニューストークショー「パックインニュース」を流すためにつくられたWEB放送局で、競馬とはなんの関係もない。実際、愛川さんは競馬をやらない。

 それなのに、なんで競馬の番組ができたのだろうか?

  それは、「キンキン塾」代表の女優・森朝子さんと西原一郎氏が大の競馬好きだからだ。森朝子さんにいたっては、女性競馬ジャーナリストクラブの会員でもある。

  この森さんとの縁で出るしかなくなった(?)わけだが、ほかに、フリー編集者の川端光明氏(田端良彦)、ノンフィクション作家で競馬ライターの松井政就氏や、ときどき、女性として初めて競馬放送をやられた井口保子さん(女性競馬ジャーナリストクラブ会長)も加わる。ただ、番組などといっても、そこはWEB放送局。テレビのようなスタジオも台本もあるわけでなく、行き当たりばったりでいいから、各人の予想、競馬に関するエピソードを話していこうということになっている。なにしろ、予算ゼロ、手弁当でのスタートだ。

 


  さて、桜花賞である。

  今年の注目は、暮れの阪神JFを楽勝したジョワドヴィーヴル。前走のチューリップ賞では休み明けで伸びを欠いて3着たが、2009年優勝の姉ブエナビスタとの姉妹Vがかかっている。話題性ではこの馬がいちばんだ。ただ、そのチューリップ賞で外から突き抜けたハナズゴールは、ゴール前まだ余裕があっただけに、これまでの戦績から見れば、この馬が本当はいちばん強いのかもしれない。

  この2馬に続くのが、フィリーズレビューを制したアイムユアーズ、3連勝中のパララサルー、クイーンC優勝ヴィルシーナ。さらにチューリップ賞は4着だったがシンザン記念で男馬を退けて勝ったジェンティルドンナもいる。

  こう見てくると、今年の桜花賞は混戦模様かもしれない。

 

  桜花賞をテレビで初めて見たのは1970年、高校生のときだった。それまで私は競馬そのものを知らなかった。大人たちがやっているギャンブルで、最初に染まったのがマージャンで次が競馬だったが、競馬はそのシステムがよくわからなかった。しかも、馬券を買いに行かなければ参加できないのだから、最初は競馬新聞、スポーツ新聞を、ただ読むだけだった。読むといっても、読んでもよくわからないことがたくさんあった。

  1970年の桜花賞はタマミの逃げ切りだった。タマミという名前にもびっくりしたが、逃げ切りにも驚いた。というのは、それまで、脚質ということすら知らなかったからだ。「逃げってなに?」「差しってなに?」と、競馬を知っている友人に聞いたぐらいだ。

 そうして見た桜花賞、 タマミの逃げ切りは鮮やかだった。競馬というのは逃げて勝つものなんだと思ったぐらい、鮮やかだった。

 

  最近、桜花賞を逃げ切る馬が出ていない。あのダイワスカーレットにしても、最初から先頭を走っていたわけではない。好位から直線で早めに抜け出したもので、逃げ切りではない。タマミの後に、逃げ切りで思い出すのは、テスコガビーの圧巻の逃げ切りだ。桜花賞史上最大着差のレコードで、2着馬はテレビの画面にも映らなかった。ハギノトップレディの逃げも鮮やかっだった。今年のメンバーを見渡してみたが、絶対的な逃げ馬はいない。昔のように、新聞の馬柱欄に「脚質:逃げ」と書かれる馬は本当に少なくなった。

  と、こう書いてきたが、別に今回逃げ馬を買うわけではない。これを買うという理由が見つからないので、だらだら書いてきただけだ。別に買う理由などなんでもかまわないのだが、少しはあったほうがいい。完全なデタラメ買いでは、原稿が書けない…などと思いつつ、結局、ハナズゴールの単勝を買うことにした。そして、馬単で、ハナズゴールから総流しをしてみる。

 

  娘の親友にカナダ人で「ハナ」という名前の子がいる。彼女は、もうすぐバンクーバーに帰る。日本に留学して、その後5年間、日本で暮らしてきたが、故郷に戻るというので、娘はさみしがっている。桜花賞当日の日曜日は、娘はハナといっしょに「神楽坂をどり」(神楽坂芸技組合主催)を見に行くという。「もうこれが最後だから」と言う。ハナは神楽坂が大好きだ。

 

最終更新 2012年 4月 07日(土曜日) 12:25
 
G1予想[073] 第42回高松宮記念(2012 年3月25日) PDF 印刷
2012年 3月 22日(木曜日) 00:37

 馬券は物語(ストリー)を買う

 ロードカナロア、カレンチャンの1点勝負

 

 現在発売中の『文藝春秋NEXT』(2012年4月臨時増号)の「マネーの教科書」特集で、橘令氏が、こんなことを書いている。橘氏は、現代を「夢を語れなくなった時代」と言い、最近の金融危機による投資低迷について、こう述べるのだ。

 

 ≪株券という紙切れに価値があるのでなく、投資家は夢に対してお金を投じる。物語(ストーリー)がなくなってしまえば、証券会社は金融商品を売ることができない。金融危機の本質は夢の崩壊なのだ。

 日本では、もはや首相が国民に向かって夢を語ることはない。東日本大震災と福島原発事故のあと、私たちが聞かされるのは、財政の悪化、消費税増税、年金制度の危機といった暗い話ばかりだ。

 このようにして、国家にも市場にも夢を見ることができなくなって、私たちは家族とか恋人とか友だちかの身のまわりの小さな夢がすべてだと思い込むようになった。≫

 

 これは、投資の話だが、馬券購入も投資と考えるなら、競馬ファンもまた夢を買っているのである。橘氏の文章の言葉を代えてみれば、一目瞭然だ。 

 

≪馬券という紙切れに価値があるのでなく、競馬ファンは夢に対してお金を投じる。物語(ストーリー)がなくなってしまえば、競馬主催者は馬券を売ることができない。≫

 

 というわけで、今回あたりは、物語(ストーリー)を買ってみようと思い立った。この物語(ストーリー)に格好の馬がいる。カレンチャンとロードカナロアの2頭だ。まず、この2頭は、同じ厩舎(栗東・安田厩舎)の馬であり、担当厩務員も同じだ。

 その担当厩務員、岩本龍治助手(35)のインタビュー記事が、21日付の『日刊スポーツ』に載っている。それによると、岩本助手の父親の幸治さんもG1に担当馬を2頭出ししたことがあるという。1994年の阪神3歳牝馬ステークス(現阪神JF)に、エイシンバーリン(2番人気)とエイシンサンサン(5番人気)で、3、6着だったというのだ。

 

 厩務員の夢は、担当馬がG1を勝つことである。しかし、幸治さんはそれが果たせず、2009年に58歳という若さで、肺がんで亡くなってしまった。「父はG1を勝つには実力だけでなく運も必要と言っていた」と岩本助手。だから、去年の秋、カレンチャンがG1を勝つと、すぐに墓前に報告に行ったという。このカレンチャンに、今度はロードカナロアが加わった。そして、おそらく1、2番人気を分け合う。これこそ、ストリーだろう。

 

 これまでG1で、同厩舎の馬の1、2着(親子どんぶり)はあるが、それが同一厩務員ということはない。しかも、この2頭は、おそらく1、2番人気を分け合う。これこそ、ストリーだ。

 もう一つ。先週の阪神大賞典は、福永ギュスターブクライ、池添オルフェーヴルという順だった。今回も、ロードカナロアには福永、カレンチャンには池添が乗る。先週と同じことが、また起こる。

 ロードカナロア、カレンチャンの馬連1点勝負。

 

 
G1予想[072] 第29回フェブラリーステークス(2012年2月19日) PDF 印刷
2012年 2月 17日(金曜日) 13:11

初ダート馬は買ってはいけない

だから買う

 

  1997年にG1になったが、G1の華やかさをまったく感じないレースだ。やはり、厳冬のなかで行われるレースだからだろうか? ダートレースだからだろうか? それとも、圧倒的に人気サイドのレースだからだろうか? 多分、その全部だ。

  過去10年を見ると、1番人気が8勝を挙げている。やはり、堅い。今年はトランセン ドが断然の1番人気になる。このあと、ドバイワールドカップに行き、去年2着の雪辱を果たすのだから、勝ちきらなければダメだ。ジャパンカップダートを制 し、そのままここに直行のローテーションも去年と同じうえ、体調面も不安はない。逃げ切ってほしい。

  ただし、馬券ではトランセンドはまったく買わない。買うのは、初ダートに臨む、グラ ンプリボスとスマイルジャック。

 この2頭の馬連のみだ。

 その理由は、G1が初ダートになる馬は、芝の重賞勝ち馬だろうと、絶対に来ないからだ。これがダート競馬のジョーシキだ。 それに、2頭とも差し馬だから、トランセンドが逃げ切るレースでは、間違いなく届かない。だから、買うのだ。

 
G1予想[071] 第56回有馬記念(2011年12月25日) PDF 印刷
2011年 12月 21日(水曜日) 12:44

馬連と枠連で「1-6」を買って迎える2012年

 

  有馬記念は、いろいろな意味で「総決算レース」だ。暮れも押し迫った最後の日曜日、ファン投票で出走が決まった馬たちが、芝枯れの中山競馬場のターフを駆け抜ける。出走馬はみな、タイトルホルダーであり、その年活躍した馬たちだ。世代も性別も超え、最後のタイトルに向かって、4コーナーを回る。

  競馬ファンも、馬券の収支ばかりか、1年間の人生の総決算を、このレースに賭ける。今年はどんな年だったのか? そして来年はどんな年にしたいのか?

  こんなレースがあるのは、日本だけだ。

 

  今年の有馬記念はクリスマス当日になった。

  世間もメディアも「ブエナビスタとオルフェーヴルの対決」に湧いている。ブエナはファン投票1位で、ここが引退レース。それにだけに、昨年逃した悲願のグランプリVが成るかどうかに注目が集まっている。しかも、今年はなでしこジャパンの年だった。

  一方の三冠馬オルフェーヴルは、ジャパンカップを見送って万全の態勢での出走。最近の有馬では3歳世代が好成績を残しているだけに、4冠達成も夢ではない。

   しかし、この2頭が本当に来るかどうかは、誰にもわからない。今回は脇役になったが、出走馬はいずれも、過去に主役になった馬たちだ。ドバイWC勝ち馬ヴィクトワールピサ、天皇賞春の勝ち馬ヒルノダムール、宝塚記念の勝ち馬アーネストリー、天皇賞秋の勝ち馬トーセンジョーダン、どの馬にもドラマがあり、関係者、ファンの思いが託されている。

 

   私にとっての競馬は、最初は大人の世界への入り口だった。初めて競馬を知った10代後半、その年の有馬記を勝ったのはスピードシンボリだった。20代、社会人になってからの競馬は、サラリーマン生活の潤滑油だった。テンポイントとトウショウボーイでなにもない有馬が1年の締めくくりになった。結婚もし、子供生まれた30代、競馬は絶対本命に賭けるゲームになった。三冠馬シンボリルドルフは、難なく有馬を制した。人生がわかってきたように思えた40代半ば、なぜか競馬は哀しいゲームになった。阪神大震災があった年の暮れ、マヤノトップガンに絶叫した。

  そしていま、競馬は行くあてもない旅だ。年々歳々、競馬も人生も、どんどんわからなくなる。だから、成績、タイム、格、血統、調教、展開、新聞の予想……あらゆるファクターを無視することにした。

 

 今年の有馬は、ブエナビスタでもオルフェーヴルでもいい。ヴィクトワールピサでもかまわない。それぞれのストリーを完結させてほしい。ブエナは史上最強の牝馬として、なでしこジャパンが大活躍したこの年に、最後の栄光をつかんで引退してほしい。オルフェーヴルは三冠馬として、大震災からの復活の意味で、世代交代、主役交代で未来を切り拓いてほしい。ヴィクトワールピサは、大震災直後に日本馬として初めてドバイWCを勝ち、悲しい中での歓喜という、不思議な感動を与えてくれた。だから、もう一度有馬を勝って、今年を締めくくってほしい。

 今年の私は、文春から2冊本を出させてもらい、いまは小学館から来春出す本を書いている。こうして本を出せることは幸せだが、妻がガンになり、一時は未来が見えなくなった。なんとか、妻には早くたちなおってもらい、残された人生を娘と妻の3人で、精いっぱい生きていきたいと思っている。妻は、年内の再入院の予定が年明けにずれ、1月6日の再手術が決まった。

  だから、有馬は馬連と枠連で1-6を買う。これだけを買う。これは、予想ではない。

 

■枠順確定(12月23日)/有馬記念 2500m芝中山競馬場

   1-1 ブエナビスタ(牝5、岩田康誠・松田博資)
   2-2 ヴィクトワールピサ(牡4、M.デムーロ・角居勝彦)
   3-3 ヒルノダムール(牡4、藤田伸二・昆貢)
   3-4 ペルーサ(牡4、安藤勝己・藤沢和雄)
   4-5 エイシンフラッシュ(牡4、C.ルメール・藤原英昭)
   4-6 キングトップガン(牡8、柴田善臣・鮫島一歩)
   5-7 トゥザグローリー(牡4、福永祐一・池江泰寿)
   5-8 ローズキングダム(牡4、後藤浩輝・橋口弘次郎)
   6-9 オルフェーヴル(牡3、池添謙一・池江泰寿)
   6-10 トーセンジョーダン(牡5、C.ウィリアムズ・池江泰寿)
   7-11 ジャガーメイル(牡7、四位洋文・堀宣行)
   7-12 アーネストリー(牡6、佐藤哲三・佐々木晶三)
   8-13 レッドデイヴィス(セン3、武豊・音無秀孝)
   8-14 ルーラーシップ(牡4、I.メンディザバル・角居勝彦)

 

 
G1予想[070]朝日杯フューチュリティステークス(2011年12月18日) PDF 印刷
2011年 12月 14日(水曜日) 14:39

ドバイが救う日本競馬

スノードンの単・複と馬単・馬連総流し

 

  師走半ばとなり、「今年の10大ニュース」がマスコミに登場するようになった。JRA競馬もあと2週、朝日杯と有馬記念を残すだけとなった。この時期いつも思うが、なぜ、日本の競馬は律儀に1週間単位で行われ続けているのだろうか?

  サラリーマンは、週5日会社に行き、土、日を余暇で過ごす。競馬ファンの場合、この土、日の余暇が競馬になるから、1週間があっという間に過ぎる。そうして、毎年、気がつけば有馬記念。1年もあっという間に過ぎてしまう。

 

  人間は、いったん習慣化した生活を始めると、そこから逃れられない。そうなると、習慣内のことしか考えなくなり、ほかのことが目に入らない。サラリーマン競馬ファンの頭のなかは会社と競馬だけになる。これは、中毒と同じだ。

  日本のJRA競馬はこうしたサラリーマン競馬ファンが支えている。そのため、週間単位で、すべてが進んでいく。レースも調教もすべてこのスケジュールのなかで行われ、繰り返えされる。予想も同じで、過去の結果のなかから、同じような例を探すことばかりが行われる。

 

  「失われた20年」で、サラリーマンの給料は毎年低下し、そのサラリーマン自体が少なくなった。いまや非正規雇用者が雇用全体の3分の1に達している。なのに、相変わらず、JRA競馬は週単位で行われ、地方競馬は主にウィークデーに開催される。競馬は徴税システムの一部だから、JRAは主にサラリーマンから徴税し、地方競馬はサラリーマンでない自営業者、非正規雇用者から徴税していることになる。

 野田どうじょう政権は、重税路線に突っ走っているが、競馬ファンは「消費税増税」をどう考えているのだろうか?

 

 このような見地から競馬を見ると、過去データに基づく予想をするのがバカバカしく思えないだろうか? なぜ、大多数の人間と同じ結論を導いて、その馬券を買うのか? なんのために、毎週、同じ行為を繰り返すのか?

 馬券を買うという行為を、もう一度、根底から考え直さないと、来年もまた同じことの繰り返しで、年が過ぎていくだけだ。

 

 スノードンは、ダーレージャパンの生産馬で、ドバイのハムダン副首長の持ち馬。父はアドマイヤムーン、母のスノーリッジはアメリカのG1馬。フランスの凱旋門賞もそうだが、いまに、日本の競馬も中東のオイルマネーが入らなければ成り立たなくなる。ダーレージャパンは、これまで、日高を中心に、廃業に追い込まれた牧場や倒産寸前の牧場を次々と買収し、不況で苦しむ日本の馬産を救ってきた。もうそろそろJRAのG1を勝っていいだろう。

  スノードンの単・複と、馬単、馬連総流し。

 
G1予想[069]第63回阪神ジュベナイルフィリーズ (2011年12月11日) PDF 印刷
2011年 12月 10日(土曜日) 23:49

アナスタシアブルーが差し切る


  馬産地の日高では大不況が続いている。ここ数年で数百の中小牧場が廃業し、社台グループの寡占状態が顕著になっている。今回の出走馬も、半数が社台関係の馬だ。9番のナオミノユメから12番のジョワドヴィーヴルまで5頭連続で、ノーザンファーム生産馬が並んでいる。

  今年の冬の天候は安定し、晴天が続いている。今日(12月10日)も、空は晴れあがって、雲ひとつない。今日のNHKテレビは、「坂の上の雲、旅順総攻撃」の再放送をやっている。馬券の中心は、アナスタシアブルーだ。

  相手は、娘の友達になぜかナオミという子が多いので、隣枠のナオミノノユメ。天気のいい日には、風の歌がさわやかだから、大外枠サウンドオブハート。欧州もアメリカも不況で東洋の時代になりつつあるから、オリエントチャームの子ガーネットチャーム。

  この3馬に絞って、馬単、馬連を買う。

  アナスタシアブルーは、デビューの新馬戦のマイルを驚くような末脚で、2着に4馬身差をつけて圧勝した。大外から、まとめて差し切ってほしい。

 

   [第63回阪神ジュベナイルフィリーズ 1600M] 

   1-1 アンチュラス(牝2、川田将雅・安田隆行)
   1-2 エイシンキンチェム(牝2、和田竜二・高野友和)
   2-3 アラフネ(牝2、吉田隼人・高橋裕)
   2-4 マイネボヌール(牝2、酒井学・宮徹)
   3-5 ファインチョイス(牝2、岩田康誠・領家政蔵)
   3-6 スイートスズラン(牝2、川島信二・荒川義之)
   4-7 レディーメグネイト(牝2、飯田祐史・飯田明弘)
   4-8 イチオクノホシ(牝2、M.デムーロ・矢野英一)
   5-9 ナオミノユメ(牝2、北村友一・吉田直弘)
   5-10 アナスタシアブルー(牝2、藤岡康太・松田国英)
   6-11 アイムユアーズ(牝2、I.メンディザバル・手塚貴久)
   6-12 ラシンティランテ(牝2、藤岡佑介・友道康夫)
   7-13 ジョワドヴィーヴル(牝2、福永祐一・松田博資)
   7-14 プレノタート(牝2、佐藤哲三・牧浦充徳)
   7-15 トーセンベニザクラ(牝2、藤田伸二・柴崎勇)
   8-16 エピセアローム(牝2、浜中俊・石坂正)
   8-17 ガーネットチャーム(牝2、北村宏司・鹿戸雄一)
   8-18 サウンドオブハート(牝2、武豊・松山康久)

 
G1予想[068] 第12回ジャパンカップダート(2011年12月4日) PDF 印刷
2011年 11月 30日(水曜日) 20:15

JCダートでは牝馬は3着もなし。ならばミラクルレジェンドから


  とうとう師走になった。 凱旋門賞馬デインドリームが直線で散った先週のジャパンカップは、ブエナビスタが昨年の雪辱を果たして、秋競馬のフィナーレとしては、歴史に残るレースと なった。岩田騎手が涙ぐむとは思わなかっただけに、こちらもついついこみあげるものがあった。あとは、有馬記念で、なにが起こるか? それで、すべてが決まる。

  このあと何年かたって、今年を思い出すとき、東日本大震災といっしょに思い出す名馬はなにか?

  阪神大震災の年の有馬記念はマヤノトップガン、ジャパンカップはドイツ馬ランドだった。ちなみにダービーはタヤスツヨシで、今年の3冠馬オルフェーヴルのように、名馬は誕生していない。もちろん、ジャパンカップダートなど当時はなかった。

  今年のジャパンカップダートは、トランセンドとエスポワールシチーの一騎打ちと される。トランセンドは、昨年の優勝馬。今年はフェブラリーSを勝ち、その勢いでドバイWCでも2着した。そしてこの秋は、復帰初戦の南部杯を勝ち、前走 のJBCは2着に敗れたとはいえ、その強さは本物だ。エスポワールシチーは、一昨年の優勝馬。南部杯ではトランセンドに敗れたが、前走のみやこSを完勝し て、ここに出走する。

  どう見ても、一騎討ちで、どちらかが崩れることはあっても、両馬とも圏外に去るとは考え難い。

  したがって、馬券は、この両馬をはずす。

  買うのは4歳牝馬のミラクルレジェンド。

  これまでのジャパンカップダートでは、牝馬は1度も3着以内にきたことがないので、これを買うしかない。3連勝はしているが、前2走はいずれも牝馬限定戦。これでは、どう見ても着外だろうから、買ってみる。

  ミラクルレジェンドから馬連総流し。トランセンドとエスポワールシチーはあくまで抑えで、厚めは、ワンダーアキュート、ヤマニンキングリー、ダノンカモンの3頭。


 
G1予想[067] 第31回ジャパンカップ(2011年11月27日) PDF 印刷
2011年 11月 23日(水曜日) 04:02

シャレータの逃げ切り!差せるかデインドリーム

 

    

 

 毎年、ジャパンカップの週になるたびに、去りゆく秋への寂寥を感じてきた。しかし、今年は妙に暖かい。秋が深まって、やがて冬が来るという感じがしない。昔は、ジャパンカップ当日、競馬場に行くために家を出ると、ひやっとした冷気を感じて、思わず身が引き締まったものだ。

 こんな豪華なメンバーがそろったジャパンカップは過去にあっただろうか?

  なにしろ、凱旋門賞馬とドバイワールドカップ馬がそろって参戦する。欲を言えば、ここに、ブリダーズカップ・ターフを勝ったセントニコラスアービーと、エリザベス女王杯の勝馬スノーフェアリー、そして日本の三冠馬のオルフェーヴルがいてほしかった。もしそうなったら、どの馬を買っていいか、まったくわからなくなっただろう。

 

 では、予想。

  今回は、まっとうに考え、そのとおりに買ってみることにした。だから、おそらく当たるはずがないが、以下が、私なりのまっとうな考え方である。

  もし、凱旋門賞が世界一のレースとするなら、ここはどう考えても凱旋門賞馬デインドリームが勝たなければならない。なにしろ、凱旋門賞は2分24秒49のコースレコードで圧勝の5馬身差である。しかも、今回もまた、3歳牝馬の有利さで、53キロで出走できてしまう。絶対に外せない。

   ドバイワールドカップも世界一のレースである。とすれば、ヴィクトワールピサも外せない。しかし、休養明けだけに、割り引くしかない。とすると、デインドリームの相手になるのは、ヴィクトワールピサはもちろんだが、天皇賞組の1着のトーセンジョーダン、3着のペルーサ、4着のブエナビスタ、5着のトゥザグローリーが考えられる。

 

  しかし、デインドリームを負かすまでいくとは思えない。もし、デインドリームと同じ位置から、直線で差し切りを狙ったら、あの凱旋門賞で見せた足にかなうはずがないからだ。ブエナビスタでさえ、差し比べなら劣ると思える。

  となると、唯一デインドリームに勝てる馬は、デインドリームのはるか前を走る馬だ。凱旋門賞2着のシャレータは、単騎で逃げられる可能性がある。しかも、この馬も3歳牝馬なので、53キロで出走できる。すると、うまくいけば逃げ切りまである。この馬に賭けるしかないだろう。

 

  というわけで、まずシャレータの単勝を買う。次に馬単で、相手筆頭はデインドリーム。続いて、ヴィクトワールピサ、ブエナビスタ、トーセンジョーダン、ペルーサ、トゥザグローリー。もちろん、馬連でもこの馬単の組合せを押さえる。

  3連単、3連複も買いたいので、これは、シャレータ、デインドリーム、ブエナビスタ、牝馬3頭の組み合わせに絞ってみた。

 
G1予想[066] 第28回マイルチャンピオンシップ(2011年11月20日) PDF 印刷
2011年 11月 17日(木曜日) 23:33

エイシンアポロン、イモータルヴァース

ギリシャの神々の怒りが爆発!

 

 これまでの実績から見れば、イモータルヴァース(牝3)で鉄板だ。なにしろ、欧州No.1マイラーと呼べるゴルディコヴァ(BCマイル3連覇馬)を、8月のジャック・ル・マロワ賞で破っている。いまは便利な時代で、世界中のほとんどのレースがユーチューブにアップされているので、それでこのレースを見ると、イモータルヴァースの勝ち方は、欧州競馬としては常識破りだ。

 ドーヴィル競馬場の直線マイルコースで、イモータルヴァースは最後方から追い込んで勝っている。外ラチ沿いをグイグイ伸び、ゴルディコヴァには1馬身の差をつける完勝である。これなら、京都のマイルは、よほどの不利がなければ難なくこなせるだろう。

  Immortal Verse

 それにしても、フランス調教馬なのに、なぜ「Immortal Verse」という英語名なのだろう? Immortalは、「不死の」「不滅の」「永遠の」という意味でverseは韻を踏んだ「詩」。たぶん、両親からの連想で馬名をつけたのだろう。
 父のPivotal(ピヴォタル)Pivotalは「重要な」という意味。母のSide of Paradise(サイド・オブ•パラダイス:楽園のこちら側)は、スコット・フィッツジェラルドのデビュー作のタイトルだ。この馬の兄はラストタイクーンで、これもフィッツジェラルドの作品ノート『The Love of the Last Tycoon』から来ている。

 とすれば、Immortal Verse=「不滅の詩(うた)」は、こんなところで負けてはいけないだろう。

 と書いてみたが、本当に買うのはエイシンアポロンにした。というのは、今週は「飛ばし」が発覚したオリンパスの事件で、週刊誌、経済誌はもちきり。その前は、大王製紙の御曹司の不正使い込み事件、ギリシャの国債問題と、なぜか、「神」(紙)が連想される話題が多いからだ。オリンパスにしてもギリシャ国債にしても、神々は怒っているだろう。

 なら、ギリシャ神話のアポロンの神に、この世の悪を一掃してもらおう。本当は、もっと人気薄にしたいが、踏みとどまって、エイシンアポロンの単、複と、イモータルヴァースへの馬単、抑えの馬連。この4点に絞った。

 
G1予想[065]第36回エリザベス女王杯(2011年11月13日) PDF 印刷
2011年 11月 09日(水曜日) 01:08

 危機到来、イタリアを救え! イタリアンレッドとアヴェンチュラ

 それに、レーヴディソール

 

 

 

 ようやく秋も深まってきた。暖かい日が続いてきたが、ここにきてやっと朝晩の冷気を感じるようになってきた。

  ただ、今年の秋はいつもと違う秋だ。夏から秋にかけて家内が癌の手術で入院生活を送り、家に戻ってきてからは、見慣れた景色が違って見える。毎日なにげなくしていたことも、いつもと違ったように感じられる。

  仕事柄、多くの本、記事、文章を読むが、内容よりも文体が気になる。文体はその人の呼吸、体のリズムと同じだから、読んで「ああこの人は元気な人なんだ」「この人はどこか元気がないな」ということを、まず思ってしまう。

  おそらく、私の文体も変わったのではないかと思う。

  さて、競馬だが、これも以前とは違って感じられる。馬柱欄を見て、この馬はどんな運命のもとに生まれてきたのだろうか?ということを、まず思うようになった。10着6着2着などという成績より、その向こう側にある馬の運命を考える。厩舎、騎手、馬を取り巻く人間関係、他馬との関係などが気になる。

 

   と、とりとめのない話はここまでにして、エリザベス女王杯だ。今年のメンバーは目移りするほどで、これほどのメンバーがそろったことに正直驚く。ただ、これだけのメンバーがそろっても、有力馬は5、6頭。筆頭はやはり、昨年に続いての連覇がかかるスノーフェアリー(英国)だと思われる。なにしろ、凱旋門賞ではデインドリームの3着に追い込んでいる。さらに、もう1頭の外国馬ダンシングレイン(英国)も英国とドイツのオークスを制しており、この2頭はかなり強力だ。

   日本馬もすごい。秋華賞を制したばかりのアヴェンチュラ、悲願のG1タイトルを目指すホエールキャプチャ。去年の2歳女王、事実上の3歳最強牝馬レーヴディソール。そして、牝馬G1完全制覇を狙うアパパネ。さらに、重賞3連勝中のイタリアンレッド。どの馬が来てもおかしくない。

 

  で、ここからはいつもどおりにこんなことを考えた。

 

1、英国馬券:スノーフェアリーとダンシングレインの馬連1点。スノー(雪)とレイン(雨)という組み合わせもいい。

2、イタリア馬券:イタリアンレッドとアヴェンチュラ(イタリア語で「冒険」の意味)の馬連1点。欧州危機がイタリアまで及び、先週からイタリアの話題で持ちきりだ。もう1頭、レディアルバローザのアルバローザも「ばら色の夜明け」というイタリア語なので、この3頭で3連単、3連複を買ってもいい。

3、フランス馬券:サンテミリオンはフランスワイン、キョウワジャンヌのジャンヌはジャンヌ・ダルク、レーヴディソールはフランス語で「飛翔の夢」。この3頭の組み合わせの3連単、3連複もおもしろい。

4、北欧馬券:ワルキューレは北欧神話の戦の女神、グルヴェイグも北欧神話の女神だから、この馬連1点。

5、ハワイ馬券:アパパネはハワイに生息する赤い鳥。ハワイには鯨がやってくるので、ホエールキャプチャとの馬連1点。

 

  では、これのなかからどれを選ぼう。やはり、欧州の金融危機が気になるから、EU諸国に関係ある組み合わせがいい。となると、やはり、イタリア馬券にするしかない。イタリアンレッドとアヴェンチュラの馬連と馬単の表裏。

  ただ、同じEU圏のフランスも気になるので、ここではレーヴディソールを選ぶ。この馬が休養明けで勝てば、そういう運命のもとに生まれてきた本当の女王ということになるから、ここからイタリア関係馬2頭の組み合わせの馬連、馬単も買うことにする。

  今回、EU圏ではない英国の2頭は休んでいてほしい。

 
G1予想[064]第144回天皇賞(2011年10月30日) PDF 印刷
2011年 10月 26日(水曜日) 03:06

ブエナビスタからダークシャドウへの馬単1点のみ

 

  秋の天皇賞になると思い出すのは、やはり1989年のこと。

  この年ほど、いろんなことがあった年はなかった。まず、年明けに昭和天皇が崩御して、年号が平成に代わった。4月に消費税が導入されたが、この消費税導入で竹下内閣は倒れ、短命宇野宗祐内閣の後に、海部俊樹内閣が発足した。昭和の終焉を思わせたのは、6月に美空ひばりが亡くなったこと。そして、7月に宮崎勤幼女連続殺人事件が起こり、8月には礼宮さまが紀子さんとの婚約を発表。当時、私は『女性自身』の編集部でニュース記事や芸能記事を担当していたので、毎日のめまぐるしさに休む暇もなかった。

  世界情勢も大きく変化していた。5月には中国で天安門事件が起こり、ソ連ではペレストロイカが進んでいた。いま思えば日本のバブル経済はピークに達していて、その象徴的な出来事が、9月にソニーがコロムビア映画を買収したことだった。この後、11月にベルリンの壁が崩れ、年末に日本の株価は史上最高値の3万8915円を記録するが、秋の天皇賞の週を迎えた当時の私は、そんな未来を知るよしもなかった。

 

  この年の天皇賞の注目は、なんといってもオグリキャップとスーパークリークの対決。この2頭とも春シーズンを故障で休み、秋になってスーパークリークが京都大賞典を制して復活。オグリキャップはオールカマーを制して、続く毎日王冠で春の天皇賞・宝塚記念馬イナリワンと大接戦を演じて優勝した。

  こうして、第100回天皇賞がやってきたのだが、私は、当初からオグリキャップと心中と決めていたので、当日は目いっぱい応援した。このときは、南井騎手が乗っていた。

  1989年秋の天皇賞のゴール

  レースは、レジェンドテイオーが逃げ、スーパークリークは3番手、オグリキャップは7番手、イナリワンは後方に位置した。淡々とした流れで、そのまま直線に入り、残り400m地点で残りメジロアルダンがレジェンドテイオーを交わす。そうして、残り200mの地点でスーパークリークがこれを交わした。オグリはどこかと見ると、進路がとれずもがきながらも猛然と追い込んできた。

  しかし、スーパークリークには届かなかった。レース後、「あれだけは悔いが残る」と、南井騎手は悔しさいっぱいで記者の質問に答えた。オグリが2着にきたことで、いちおう馬券は当たった(当時は枠連)。

 

  驚いたのは、この後、オグリキャップがマイルチャンピオンシップに出走して優勝。その後、なんと連闘で翌週のジャパンカップに出走したことだ。こんな無謀なローテーションはありえないと、多くの専門家が批判した。

  しかし、このジャパンカップでも、私は目いっぱいオグリから馬券を勝った。しかし、驚異的なレコードで優勝したホーリックスはノーマーク。オグリが2着に追い込んできたというのに、馬券は外した。

  その後オグリキャップは、有馬記念にも出走した。しかし、秋6戦目とあって、さすがに疲労がたまっていて、イナリワンの5着に敗れた。平成に時代が代わった最初の秋を疾風のように駆け抜けたオグリキャップ。有馬記念の後、大きな脱力感に襲われたが、それでもオグリとともに1年は終わったと安堵した。そのときは、翌年から日本が「失われた20年」に突入するなんて、夢にも思わなかった。

  年号が代わろうと、そして世界が激変しようと、こうした日々は永遠に続くと思っていた。

  去年(2010年)の有馬記念のときのブエナビスタ

  今年は東日本大震災が起こり、そのうえ福島原発事故も起って、世の中はあの日本がピークだった1989年と比べると、はるかに重苦しく、暗い。世界も激変していて、アラブの春、欧州金融危機、ウォール街を占拠せよ、タイ大洪水と続いている。結局、すべてが変わっていくのであり、時代は待ってくれないのだと、つくづく思う。

  そんななかで3冠馬が誕生した後の天皇賞でなにを買ったらいいのだろう? 心情的には去年のジャパンカップ以来、追い込んでも追い込んでも届かないブエナビスタに勝ってほしい。ここでまた2着、3着以下に落ちたら、いったいなんのために走っているのかと、虚しさを感じてしまう。

  この競馬予想は、論理も感情も超越することを目的としているが、今回だけはブエナ心情馬券にすることにした。相手は、この暗い世の中を象徴するダークシャドウ。この馬単1点だけを買う。

 
G1予想[064]第72回菊花賞(2011年10月23日) PDF 印刷
2011年 10月 19日(水曜日) 01:36

オルフェーヴルの3冠は鉄板。

しかし、買うのはフェイトフルウォーとユニバーサルバンク

 

 ミスターシービーが菊花賞を勝って3冠馬になったとき、まさか翌年も3冠馬が誕生するとは思わなかった。しかも、シンボリルドルフは、シービーと違って、はじめから3冠馬になるために生まれてきたような馬で、まったく危なげなく菊花賞を勝った。ミスターシービー、シンボリルドルフ、そしてカツラギエースなどが活躍した1980年代の半ばが、いま思えば、競馬にもっとも熱中し、もっとも興奮した時代だった。

 それから、もう20年以上、四半世紀が経過した。この間、ナリタブライン、ディープインパクトと2頭の3冠馬が誕生し、今回オルフェーヴルが3冠馬になれば、私はこの目で5頭目の3冠馬を見ることになる。

 その日はもうすぐ。どこから見てもオルフェーヴルの3冠は鉄板に思える。むしろ、来そうもないのはウインバリアシオンだろう。

 

  思えば、競馬予想で鉄板馬を探したのも、ミスターシービー、シンボリルドルフの時代だ。あの頃、なにかと言えば「鉄板、鉄板」と口走っていた。そうして、どこから見ても鉄板なのに、その馬を外して無理やり穴狙いをする競馬仲間を、私は半ば軽蔑していた。しかし、やがて私は、鉄板馬を買わなくなった。というより、鉄板だと信じることが、虚しくなった。競馬も人生も、そういうものではないと思うようになった。

 

  『ギャロップ』の表紙もオルフェーヴルで「いざ3冠へ!」

 

  というわけで、ここ1カ月、世界を揺るがしている「ウォールストリートを占拠せよ」(OCCUPY WALL STREET)デモを考える。最近、日本のメディアはこれを「反格差デモ」と呼ぶようになった。私が、1%と99%、このどちらに属するかは明白だ。ほとんどの競馬ファンも99%に属するだろう。とすると、99%の人々はなにを買うのだろうか?

 間違いなくオルフェーヴル、鉄板馬だろう。なにしろ、損をしたくない。リスクを取りたくないというのが、多くの人間の心理だ。100人の人間がいたら99人はリスクを取りたがらない。しかし、成功するのはリスクを取る1%の人間だ。99%に属しながら、99%堅い馬を買うなら、それは一生99%の側に自分を置くということにつながる。

 

 フェイトフルウォーとユニバーサルバンクは、1%の可能性もない馬だ。しかも、それを買う理由は、ウォールストリートからの連想で、フェイトフルウォー(ウォール街のウォー)、ユニバーサルバンク(銀行のバンク)にある。こんなんで買うのだから、フツーの人間なら「どうかしている」と思うだろう。しかし、これが買えるようになると、競馬は全然違うゲームになる。

 フェイトフルウォーとユニバーサルバンクの単・複、この2頭の馬連の計5点。

 とはいえ、どこから見てもオルフェーヴルの3冠は鉄板だ。

 
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