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    Welcome to My  Website

 このサイトは、山田順の個人的なウェブサイトです。コンテンツの一部は情報発信のために書いていますが、ほとんどは個人的な記録の蓄積を目的としています。

 *このサイトのイラストは、「海の素材屋」(http://uminosozaiya.com/)のフリー素材を使わせてもらっています。素晴らしいイラストをありがとう。 
 

  以下のブログとは別にメールマガジン(有料)を発行しています。

 こちらから→http://foomii.com/00065

  

 また、YAHOO!ニュース「個人」欄でコラムを書いています。

  こちらから→http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamad

  

 産経新聞運営のサイト『IRONNA』 でもコラムを書いています。

  こちらから→https://ironna.jp/blogger/97

 

最新刊3冊

   

『米中冷戦 中国必敗の結末』(MdN)https://books.mdn.co.jp/books/3219403034/
『コロナショック』(MdN新書)

 https://www.amazon.co.jp/gp/product/4295200077?pf_rd_r

『コロナ敗戦後の世界』 (MdN新書) 

https://www.amazon.co.jp/コロナ敗戦後の世界-MdN新書-山田-順/dp/4295200913/ref=sr_1_2?dchild=1&qid=1606968867&s=books&sr=1-2 

 

近著4冊

  

永久属国論(さくら舎)www.amazon.co.jp/o/ASIN/4865811176/hnzk-22

東京「近未来」年表 (さくら舎) https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865811773

希望の地としての新興アジア-私たちが失ったものがそこにある(実務教育出版)

地方創生の罠-イースト新書(イーストプレス)

隠れ増税(青春出版)https://www.amazon.co.jp/dp/4413045114

    

 

主な近著4冊

 →日本人はなぜ世界での存在感を失っているのか (SB新書)

→円安亡国-ドルで見る日本経済の真実(文春新書)

→日本が2度勝っていた大東亜 ・太平洋戦争(ヒカルランド)

→「中国の夢」は100年たっても実現しない(PHP研究所)

       

 

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[303]なぜフィンランドはギャンブル大国なのか? 同じギャンブル大国・日本とのギャップを思う
2018年 5月 31日(木曜日) 01:43

連日、気温が20度以上で快晴という「異常気象」が続くなか(5月としては59年ぶりとか)、田舎町のKannus(カンヌス)郊外で、草競馬のトラックを見つけたので立ち寄った。フィンランドでは、競馬と言えば「ハーネス」(harness:繋駕速歩競走)である。

 

 トラック脇のミニ厩舎に厩務員と馬(サラブレッドではなくハーネス用のフィンランド馬)が1頭いたので、近づいて話してみると、調教師はスウエーデンに出かけていて、この馬(3歳コルト)を預けられているとか。

「日本の競馬はどんな競馬か?」と聞かれたので、「サラブレッドの競走だ」と言うと、「そうではないハーネスかジョッキーレースか?」と言うので、「ジョッキーレースのみでハーネスはない」と答えた。

「これから、何周か調教する」と言うので、しばらくその様子を見せてもらった。馬を繋駕に繋ぎ、コースに出ると、速歩(トロット)で軽快にトラックを回っていく。広いコースにたった1頭だけ。北の大地ののんびりとした田園風景をしばらく堪能した。

 

 ハーネスは、フィンランド中で行われていて、Kannusの近辺ではYlivieska市(ユリヴィエスカ)とOulu市(オウル)に競馬場がある。首都Helsinki(ヘルシンキ)では、郊外のEspoo市(エスポー)に、フィンランド一のVermo(ベルモ)競馬場があり、この白夜の夏シーズンは、毎週競馬が開催されている。

 こちらに来て驚いたのは、福祉国家、教育国家、IT大国といったイメージとは相容れない「ギャンブル大国」としてのフィンランドの姿だ。

 

   

 

 なにしろ、ヘルシンキ中央駅の構内にスロットマシンが置かれていて、現金(ユーロのコイン)を入れてプレイができる。駅を出ると、左側の広場を挟んでカジノの「CASINO HELSINKI」が営業している。 

 さらに、スーパーマーケット、KIOSKI(コンビニ)にもスロットのマシンが置かれ、どこでも市民がギャンブルを楽しんでいる。もちろん、バーに行ってもマシンは置かれている。

 さらに、KIOSKIでは「ユーロジャックポット」という「lotto」やそのほか各種の「lotto」(宝くじ)、サッカーくじの「toto」から競馬の馬券まで、なんでもかんでも売っているし、ネットでも購入できる。

 まさに、福祉大国はギャンブル大国でもあるのだ。

 

   

 

 世界指折りの福祉国家、しかも1人あたりのGDP(2017年)が約4万6000ドルと日本(約3万8000ドル)をはるかにしのぎ、国連の「世界幸福度ランキング」(2018年3月発表)で世界一の国の国民が、なぜ、こんなにギャンブルに熱中しているのだろうか?

 ちなみに、日本はこの幸福度ランキングで51位と、完全に低迷している。

 

 フィンランドに行って驚くのは、やはり税金の高さだ。日本の消費税にあたる「VAT」(付加価値税)は24%だから、たとえばマリメッコで1万円の服を買えば1万2400円になってしまう(旅行者は免税申請すればVATは免除される)。もちろん、軽減税率があり、医療費、学費は無料で、本、薬などは10%、食料品は14%である。ただし、アルコールは29.9%で、タバコにいたっては81.3%だから、とんでもない高さではないだろうか。

 もちろん、所得税、住民税も高い。住民税は日本の場合10%だが、フィンランドでは20%。こうした結果、フィンランドの国民負担率は約65%に達しているのに、なぜか国民は不満を持っていない。

 

 

 これはおそらく、税金の使途の透明度が高いからだ。普通なら、所得の半分以上を国に持っていかれれば反乱が起こる。しかし、フィンランドは、政治家の汚職が世界一少ない国であり、税金の使途は政治家と役人が国民の目にみえるようなかたちで決められ、常に発表されている。

 首相のオトモダチが補助金をたっぷりもらって、教育者でもないのに大学をつくるなどということが起こりようがないのだ。また、公共事業に関する税金を政治家とゼネコンが山分けする“ハコモノ行政”もない。

 つまり、こんな国だと、国民は心置きなくギャンブルが楽しめるのではないだろうか。

 

 というのは、ギャンブルの収益は社会に還元されるのが、原則であるからだ。フィンランドではこれが徹底されていて、たとえばRAY(フィンランド・スロットマシン協会)というギャンブル運営組織は、その収益金のほとんどを、障害者、ホームレス、退役軍人といった人々の健康福祉のための支援資金に充てている。前記した草競馬のレーストラックがあるカンヌスにも、こうした資金で建てられた退役軍人の引退後のホームがある。

 要するに、スロットをやったり、「lotto」を買ったりして負けても(ほぼ間違いなく負ける)、その負けたおおカネが福祉に役立っているなら、負けても意義があると、フィンランド国民は納得しているのだ。

 

 ひるがえって日本はどうか? 

 日本はフィンランド以上のギャンブル大国である。競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、toto、パチンコと、メニューは盛りだくさんである。ところが、大きく違っている点がある。

 

 日本でも宝くじや競馬の収益の一部は、フィンランドと同じく社会還元されている。宝くじの場合、収益全体の約40%が発売元の都道府県などに回され、高齢化少子化対策、教育及び社会福祉施設の建設改修などの公共事業に使われている。しかし、その実態はよくわからない。役人が勝手に予算化してバラまいている可能性がある。

 また、競馬の場合、たとえば私たちが馬券を100円買うと、還元されるのは75円であり、25円のうち10円が国庫に納付される。この国庫納付金は4分の3相当額を畜産振興事業に、4分の1相当額を社会福祉事業に充当すると法律で定められているが、本当にそうなっているのかどうかは確かめられていない。

 

 また、日本最大のギャンブル「パチンコ」は平均9割を還元しているとされるが、そもそもパチンコはギャンブルとして政府が認めていない。そのため、表向き現金に換金できない、いわゆる三店方式という形態になっているのだから、ここに不正が行われる余地が十分にある。

 

 つまり、このような国では、気持ちよく負けられないのだ。ギャンブルは負けることを楽しむゲームである。そして、その負けが、社会のほかの人々に役に立ってこそ、やる意義がある。

 それなのに、この国では、赤字自治体の役人の給料の補填になったり、必要のないハコモノの建設に使われたり、成功するわけがない事業の助成金に使われたりと、プレーヤーはただの集金マシンとして扱われている。「宝くじは愚者の税金」という言葉があるが、まさにその通りである。

 それなのに、政府は性懲りもなく、IR法を成立させ、日本にカジノをつくり、新たな税収をもくろんでいる。カジノ事業者に対して約30%の「カジノ税」を課す方向というのだから、あきれてしまう。

 

 フィンランド人は貯金をしないという。将来不安がほとんどないからだ。リストラされても、病気をしても、離婚をしても、ちゃんとやっていける社会システムがつくられているからだ。それを維持するためにも、じつは、彼らはよく働いている。常に世界の最先端を走ることを心がけ、ハイテク産業では世界をリードし続けている。

 日本人もよく働いている。いくら残業をやめろと言っても、やめずに働いている。そうして、おカネを稼ぎ、将来不安のため貯金に励む。

 そしてとうとう、個人金融資産は、1831兆6564億円(2017年12月)に達した。ところが、その一方で「貯蓄なし世帯(2人以上)」は3割以上に上っている(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」)。

 個人金融資産というのは、政府が莫大な借金をかかえ、出口なき量的緩和を続けているから、あってもやがて吹き飛ぶ可能性のある資産である。

 

 とまあ、ここまで書いてみて、これほど社会のあり方と国民の生き方が違うので、同じギャンブル大国でも、フィンランド と日本は比べられない。イギリスともアメリカとも比べられない。しかし、カジノでも競馬でも、日本でベットすることはまったく気持ちのいいものではない。本当にバカらしく思えるのだが、どうだろうか?

 
G1予想[231]第85回日本ダービー(2018年5月27日)
2018年 5月 24日(木曜日) 13:28

世界最先端の街から

ステイフーリッシュの激走にベット

 

 皐月賞で人気馬が総崩れになったことで、今年のダービーの予想は一気に難しくなった。皐月賞までの勢力図が大きく変わってしまったからだ。 

 しかし、皐月賞を例外として、それまでの実績は実績なのだから、それでダービーを予想するべきだという見方がある。なぜなら、皐月賞には、出ていれば大本命になっていたダノンプレミアムが出ていなかったからだ。

 いや、そうはいっても、皐月賞の結果は結果、尊重すべきだという見方もある。なにしろ、勝ったエポカドーロは悠々と2馬身も抜け、稍重とはいえタイムもそこまで悪くなかったからだ。2、3着となったサンリヴァルもジェネラーレウーノもそれなりに強い競馬をしている。

 

 さあ、どうすればいいのか?

 人間の心理というのは面白い。馬券を買うとなると、2つの心理の間を揺れ動く。1つは「過去の実績による安心感」、もう1つは「未知への憧れ」だ。

 1つめから考えれば、皐月賞上位馬は当然、人気になる。また、皐月賞では敗れたが、1番人気になったワグネリアン、2番人気になったステルヴィオも捨てきれない。しかし、2つめから考えれば、皐月賞に出なかったダノンプレミアムは、今回、「未知への憧れ」に最適の馬だ。それまでの4戦4勝はパーフェクトとも言える圧勝で、距離さえこなせば死角はないと、誰もが思うからだ。

 というわけで、やはりダノンプレミアムが1番人気になるだろう。

 

 しかし、当然だが、私はダノンプレミアムも、ほかの有力馬も買わない。ダービーでそんなことはするのは無謀だという人間がいる。なぜなら、ダービーはまず間違いなく3番人気以内の馬が勝つからだ。

 以下、過去20年のデータは、まさにそれを示している。

 

 1番人気【11・3・3・3】、2番人気【3・2・0・15】、3番人気【5・5・3・7】、4番人気【0・1・1・18】、5番人気【0・5・0・15】、6〜9番人気【1・0・10・69】、10番人気以下【0・4・3・171】

 

 なんと過去20回のダービーのうち、19回が3番人気以内であり、例外は2010年のエイシンフラッシュ(7番人気)だけだ。驚くべきことに、過去30年までさかのぼってもこれは同じ。エイシンフラッシュというのは、グレード制が導入された1984年以降で、最低人気のダービーの勝ち馬なのだ。

 

 それなのに人気馬でない馬を買うのか?もちろん買う。それは、私の馬券の買い方が、馬券を買うレースのあるとき、どう生き、なにを考えていたかを、最大の基準としているからだ。  

 

 その日、その時は、一生のうち1回しかない。毎年、ダービーはあるが、いつの年のダービーもそれ1回きりである。それなのに、単に的中させたいだけで、過去データやメデイアの記事、予想家の予想を参考にして、それを基に馬券を買う。そんなことを毎年繰り返して、馬券を買ってきた。そうして、常に負け続けてきた。

 もちろん、的中させたことはしばしばあるが、トータルすれば負けだ。

 

 そこで、50歳を超えたぐらいから、私は、馬券の買い方を変えた。あらゆることから自由になって、馬券を買うことにした。そして、身の程知らずのおカネを賭けなくなった。

 過去データ、実績、タイム、血統、調教などどうでもいいのだ。もっと、どうでもいいのは予想家、競馬記者の予想だ。要するに、馬券的中をゴールとしないことに切り替えた。

 こうすると、負けてもダメージはなく、純粋に競馬を楽しめるようになった。相変わらず負け続けたが、すべては納得のうえだ。もちろん、大金を賭けて「これで勝負!」なんて言っていた若い時は懐かしいが、時の流れには逆らえない。

 

 今回買うのはステイフーリッシュである。

「ステイフーリッシュ」と言えば、誰もが、「あのスティーブ・ジョブズの伝説のスピーチですね」と答える。競馬を知らない人間なら、この答しかない。

 “Stay hungry, stay foolish”(いつでもお腹をすかしていろ、そしていつもバカでいろ)と、2005年6月、スタンフォード大学の卒業式で、ジョブズはこうスピーチを締めくくった。以来、この言葉は、起業を目指す世界の若者の「合言葉」になった。

 

 

 では、なぜステイフーリッシュなのか?

 それはいま、私がフィンランドのオウルに滞在しているからだ。よって、このブログは、この街の一画にあるホテルの一室で、外の景色を見ながら書いている。

 オウルは、フィンランドのシリコンバレーというところで、世界中からIT系の起業家、つまり将来のスティーブ・ジョブズが集まってきている。ここには、世界のITテクノロジーをリードするサイエンスセンター、オウル大学、ノキアのR&D拠点と、数百のスタートアップ企業がある。

  2020年から4Gは5Gに切り替わるとされるが、この「5G革命」の中心地が、オウルである。

 こうして、ステイフーリッシュを買うと決めると、この言葉は、起業家とともに馬券プレーヤーへのメッセージではないかと思うようになった。

 「いつもバカでいろ」。それで馬券を買えばいい。

 

 結論:5枠10番ステイフーリッシュから枠連、馬連、総流し。

  

 
[302]「森友・加計問題」が続くなか、静かに確実に進行していく日本の衰退
2018年 5月 16日(水曜日) 23:36

 この2カ月ほど、「米朝首脳会談」と「森友・加計問題」がどうなるのか?ということばかり追いかけてきた。この2つの問題はまったく別の話だが、毎日の展開を見ているだけで、本当にイライラが募る。

 しかし、どんなことをやっても「解」を得なければ、日本の未来は暗い。暗すぎる。ただでさえ、人口減社会で、ゆるやかに衰退していくこの国で、1人、意気軒昂に自己弁護をしている首相を見ると、なぜか哀れに思えてきて仕方がない。

 

 日本はあなたが考えるような「美しい国」ではない。アベノミクスが成功と言う根拠などどこにもないのに、「景気はよくなっている」と、毎年実質賃金が下がっている国民に向かって言い続けている神経を疑う。

 

 次は、2010年からのGDP(国内総生産)の推移を、GDP成長率、名目GDP(円ベース)、名目GDP(ドルベース)の3つで見たものだ。

 

2010年 4.19%  500兆円 5兆7001億ドル

2011年 −0.12%  491兆円   6兆1575億ドル

2012年 1.50%  495兆円 6兆2032億ドル

2013年 2.00%  503兆円 5兆1557億ドル

2014年 0.38%  514兆円 4兆8504億ドル

2015年 1.35%  532兆円 4兆3950億ドル

2016年 0.94%  538兆円 4兆9493億ドル

2017年 1.71%  546兆円 4兆8721億ドル

 

  アベノミクスが始まったのは、2013年である。「3本の矢」でデフレから脱却し、景気を回復させると、安倍首相は高らかに宣言した。そうして、この年の4月から、黒田日銀による「異次元緩和」が始まった。

 しかし、アベノミクスはGDPにはまったく効果はなかった。

 見ればわかるように、アベノミクスになってからのGDP成長率は2%を超えたことは1度もない。また、名目GDPは円ベースでは少しずつ増えてはいるものの、ドルベースでは減っている。つまり、ドルで見た場合の日本経済は、年々縮小している。

 

 

 いまや世界経済はデジタルエコノミーが主流になり、ネットをベースとする先端テクノロジー企業が全盛の世の中になった。しかし、過去10年、日本で先端テクノロジー企業は育ってきただろうか?中国では、アリババとテンセントが時価総額でトップ10入りしているが、日本企業はトップ50まで見ても1社もない。36位に旧来型の企業、トヨタがランクインしているだけだ。

 

 「森友・加計問題」は、政治家と官僚のモラル、倫理が地に落ちたことを示した。それが、公文書改ざんと国会での虚偽答弁、言い逃れである。これが罷りとおれば、この国に正義はなくなってしまう。

 ところが哀しいのは、官庁以前に、トップ企業で、データ改ざん事件が続出してきたことだ。データの改ざんが行われていたことが発覚した企業は5指に余る。東レ、日立、神戸製鋼、三菱マテリアル、スバル、日産-----、そして東芝は粉飾会計で会社が傾くまでトップは真実を隠蔽し続けた。

 

 これが、私たちが世界に誇れる日本の姿だろうか?

 この4月、日銀はとうとう「物価上昇率2%」の達成時期を言うのをやめてしまった。もう、あとは野となれ山となれというのだろう。もはや引き返せない量的緩和を続け、国に借金を重ねさせるために、いまだに国債を年間80兆円買い続けている。

 

 そんななか、トランプが「オレはすごいんだ」ということを世界とアメリカの有権者に見せつけるためにやっている政治と外交ショーに振り回される姿を見ていると、哀しみがいっそう募る。別に日本だけが蚊帳の外でなにが悪いのか?

 暴力と恐怖で国民を支配する国と、話し合う必要などない。

 

 それにしても、「森友・加計問題なんかやっている場合ではない。もっと重要なことがある」という人々の神経を疑う。それでは聞きたいが、この国のモラルや倫理が崩壊しようとしているのに、それよりもっと重要な問題とはなにか?

 そして、この問題を長引かせてきたのは誰なのか? メディア報道だけに乗っかって政局ばかりを狙う野党は本当に情けないが、それでもなお、政府・与党の対応は、国民を舐めている。

 

 そんなことを思っていたら、「ビジネスジャーナル」で江川紹子さんの記事を読んで、本当に感銘した。論点が明確で、問題点を端的に指摘しているこういう記事こそ、ジャーナリストの仕事だと思った。

 「森友・加計問題」に右も左もない。保守もリベラルもない。これは、人間性の問題である。

 

→江川紹子の「事件ウオッチ」第103回【柳瀬氏参考人招致】地に堕ちた公務員倫理――それでも支持率が下がらないのはなぜなのか

http://biz-journal.jp/2018/05/post_23334.html

 
[301]ばかばかしくて虚しい「日米首脳会談」。ポンペオ訪朝の衝撃
2018年 4月 20日(金曜日) 01:54

トランプの別宅、パームビーチの「「マール・ア・ラーゴ」での“濃密な2日間”(と日本のメディアが言う)が終わった。ディナーもランチもゴルフもあった会談だが、日本にとってはなんの成果も得られなかったことは明白だ。

 話題になったのは、初日、安倍首相がトランプと同じ柄のネクタイをしていたことだけ。貿易問題では、鉄鋼・アルミ関税の適用除外はしてもらえず、TPP復帰も相手にされず、さらに、FTA協議に入ることを呑まされたので、完全譲歩である。

 ただ、拉致問題は取り上げてもらい、米朝首脳会談でカリアゲ正恩に要請してもらえることになった。ただし、アメリカにとっては、拘束中のアメリカ人3人の解放が先で、それと合わせて「同じ人権問題」として議案に乗せるということに過ぎない。

 

 これでは、どう見ても「成果なし」だが、そう伝えないところが日本のメディアの悲しいところだ。また日本政府も、菅義偉官房長官が「「北朝鮮や経済で非常に率直で突っ込んだ意見交換ができた。極めて有意義だった」と言うように、立場上当然だが、これを認めない。いつでも、どんなときでも、日米首脳会談は「有意義かつ成果がある」ものなのだ。

 

 そこで、ここに大きな疑問があるので、そのことをどうしても書き留めておきたい。すでに「Yahoo個人」欄に書いたが、この首脳会談中に明らかになったマイク・ポンペオCIA長官の“極秘訪朝”である。

 トランプは、17日の『ワシントンポスト』紙の報道を受けるかたちで、18日、ツイッターで、こう述べた。

《Mike Pompeo met with Kim Jong Un in North Korea last week. Meeting went very smoothly and a good relationship was formed. Details of Summit are being worked out now. Denuclearization will be a great thing for World, but also for North Korea!》(マイク・ポンペオが先週、北朝鮮で金正恩と会った。会談はとてもなめらかに進んで、いい関係が築けた。首脳会談の詳細はいま調整中だ。非核化は世界にとっても、もちろん北朝鮮にとっても最高なことになるだろう) 

 私の疑問は、この事実をはたして日本政府は、事前に知らされていたのかどうかということだ。もし安倍首相が、ポンペオ訪朝を『ワシントンポスト』紙の報道で初めて知り、トランプ大統領のツイッターで確認したとしたら、これはとんでもないことだからだ。そうなると、日米同盟とはいったいなんなのか?と言いたくなる。

 解任されたティラーソン前国務長官は、自分の解任をトランプのツイッターで初めて知ったというのだから、その可能性はないとは言えない。実際、金正恩の訪中を日本政府はまったく知らされていなかった。

 

 ポルノ女優ストーミー・ダニエルズとの下半身スキャンダルとロシアゲートで追い詰められている史上最低の大統領に、いいようにあしらわれているとしたら、本当に悲しいとしか言いようがない。このまま行けば、11月の中間選挙で共和党は負けるだろう。そうなると、トランプは「弾劾」される可能性が高い。

 こんな人物に、極東の平和が委ねられ、日本はなにもできない。それなのに、国内で与野党が激しく争っている。ばかばかしくも、虚しくもある、日々刻々だ。

 
[300]「森友・加計学園問題」も深刻だが、アベノミクスの失敗も深刻。日本経済は本当におかしくなってきた。
2018年 4月 11日(水曜日) 16:04

森友・加計学園問題で新事実が次々飛び出し、安倍政権が持たない状況になってきた。それにしても、安倍総理も昭恵夫人もなぜこのような人々と親しく交際してきたのか?そして、なぜ取り巻く人々(官邸から各省庁まで)はみな、本当のことを言わないのか?

「総理案件」「総理夫人案件」だから、このようなことが起こったのは、関係性を証明する証拠がなくとも、ストーリーとしては、もはや明白になった。

 

■国家は民間オーナー会社と同じなのか?

 

 民間のオーナー会社で考えてみればいい。社長が「オレの友人だから」「家内がねえ」と言っただけで、なにが起こるか?直接命じなくとも、「よろしく」の一言で終わりだ。

 もちろん、なにも言わなくとも、また「よろしく」の一言がなくとも、物事は動く。これを「忖度」と言って日本独特のものなどと言っている人間がいるが、信じがたい。そんなものは欧米でも同じだからだ。これは「unspoken order」であるから、立派な命令だ。

 

 ただ、これは、民間のオーナー会社なら許される。会社は株主や従業員のものでなく、オーナー社長のものだからだ。しかし、民主主義国家はオーナー会社ではない。資産は国民のものだ。これが、森友・加計学園問題の本質で、このことをもっと明白に、テレビのコメンテーターたちは解説すべきだろう。与党の政治家も官僚も真剣に認識すべきだ。

 

「首相案件」などと官僚は言わない、「総理」と呼ぶと言っていた方がいたが、それがいったいなんの証明になるというのだろうか?意味としては同じではないか?

 

■ルールよりコネ、真実より嘘が強い国

 

 不思議なのは、「こんな大事な時期(予算審議、北朝鮮問題など)にこの問題にかまけていいのか?」という議論があることだ。どう考えても、森友・加計問題のほうが重要ではないか。なぜなら、この問題をこのまま放置しておけば、この社会は権力と結びついた人々が一方的にトクできる社会になってしまうからだ。さらに、いくら嘘をついても咎められない、むしろトクできるという社会になってしまう。

 ルールよりコネ、真実より嘘が強いなら、誰が真面目に働き、努力するのか?日本は「クローニー・キャピタリズム」の国なのか?それ以前に、嘘をついてはいけないという人間として最低限のモラルもない人々の国なのか?

 というようなことを思うこの頃だが、森友・加計学園問題も深刻だが、日本経済も深刻な状況になってきた。なにしろ、異次元緩和という「異常な状態」を、今後も続けないと持たないからだ。それを象徴するのが、森友・加計学園問題が騒がれているなかで、大きくは報道されなかった、いくつかの出来事だ。

 

 ■NY市場と大きく違ってきた東京市場

 

 まず、4月9日、東京の株価は先週末のNY株価が572ドルも下げたにもかかわらず、110円余り上げて約1カ月ぶりの高値を付けた。日経平均はNYダウのコピー相場である。すなわち、NYダウが下げれば連動して下げる。しかし、今回はそうはならなかった。なぜか?

 

 日曜日にトランプが、お得意のツイッターで、中国への制裁関税に関し「知財で取引は成立するだろう」と言ったので、貿易戦争に対する懸念が後退したからだと解説しているアナリストがいた。確かにそれもある。

 しかし、そんなことだけが理由ではない。単純な話、日銀が買い支えているから、東京の株価は大きく下がらないのだ。

 現在、東京市場のメインプレイヤーは日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの公的資金、それに外国人投資家である。とくに、外国人の売買は東証の売買代金の約7割を占めている。 

 

■日銀が「爆買い」で株価を支えている

 

 東証のデータを見ると、1〜3月を見ると、外国人は先物を含め8.7兆円を売り越している。また、財務省が発表した3月の対外対内証券投資(指定報告機関ベース)を見ると、外国人による日本への株式投資は、売りが買いを4兆416億円上回る「売り越し」で、比較可能な2014年1月以降で最大の売り越しを記録している。外国人は、昨年は「買い越し」だったが、今年は売りに転じている。

 この外国人の売りを日銀が買っている。日銀は3月だけで、ETFを過去最大規模の8333億円も買っている。

 

 つまり、外国人が売って、それを日銀が買っていることで、日本の株価はあまり下がらない。日経平均は、NYダウと比べると、年初来の下げ幅は小さい。2月初めにNY株の暴落に連れて下がったとき、2万円割れまで行くかと思われた日経平均は、依然として2万1000円台をキープしている。まさに、「官制相場」で、日銀が「爆買い」で株価を支えているのである。

  アベノミクスが始まって5年、日本の資本市場は大きく歪められてしまった。いまや日本は、中国に勝るとも劣らない国になってしまった。これでいいのだろうか?

 日銀はいまも、年間80兆円のペースで国債を購入し、3兆円〜6兆円のペースでETFを買い続けている。

 

■黒田総裁の異例の続投と経済指標の悪化

 

 こうしたなか、同じく4月9日に、日銀の黒田東彦総裁の再任2期目がスタートした。日銀総裁の任期は5年だが、再任は珍しく、今回の再任はなんと60年ぶりという異例の出来事である。

 黒田総裁は、安倍首相や麻生財務相と会談後、会見してこう述べた。

「政府との共同声明を堅持し、物価安定目標の実現を目指す」「強力な金融緩和を粘り強く続ける」「毎回の金融政策決定会合で、経済、物価情勢や金融市場を勘案し、適切に決定する」

 ようするに現状維持、このままバズーカ砲を打ち続けるということ。そうしなければ、日本経済はもたないのだ。

 

 実際のところ、経済指標は悪化している。内閣府が発表した3月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、近畿2府4県の現状判断指数(季節調整値)は、前月比0.6ポイント下がって50.1になった。好不況の分かれ目となる50や全国平均(48.9)は上回ったものの、悪化は3カ月連続である。

 オリンピックを控えた東京は、いまや日本全体の景気の指標にはならない。しかし、関西圏の指数は日本全体を反映すると考えられる。それが3カ月連続で下がっていることは、政府とメディアがいくら「いざなぎ景気を超える戦後最長の景気拡大」と言っても、それが単なる数字だけに過ぎないことを表している。

 4月2日に日銀が発表した3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)もよくない。大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス24で、前回調査(昨年12月)より2ポイント下がっていて、これは、じつに2年(8期)ぶりの「悪化」だった。景気が悪くなっていると感じている大企業が多いということである。

 

■トランプの「(日本の)そんな日々はもう終わり」発言

 

 このような状況のなか、来週、安倍首相は渡米し、“オレさまはすごく安定した天才”(a very stable genius)と思っているトランプとの首脳会談に臨む。

 これは、北朝鮮問題を見据えた重要な首脳会談とされるが、もう一つ、日本にとって大きな問題がある。自分の無知を誇りにしているトランプが勝手に決めた「鉄鋼・アルミ関税」の適用除外だ。

 

 ここで、思い出すのが、3月22日、鉄鋼・アルミ関税発効の前日、トランプのホワイトハウスでの発言だ。このトランプ発言を報道で知って、世耕弘成経済産業相は青ざめたという。

 トランプはなんと言ったのか、ここに記しておきたい。

 

《And I will say, the people we’re negotiating with ―smilingly, they really agree with us. I really believe they cannot believe they’ve gotten away with this for so long.》(もう一つ言ってやろうか。われわれの交渉相手はいつもニコニコしながらわれわれと合意する。しかし、ずっとごまかし続けられると信じているとしたら間違いだ)


《I’ll talk to Prime Minister Abe of Japan and others ―great guy, friend of mine ―and there will be a little smile on their face. And the smile is,“I can’t believe we’ve been able to take advantage of the United States for so long.”So those days are over.》

(日本の安倍首相とそのほかの人たちに言ってやろう------まあ、彼はグレートでオレの友人だがね。彼らはいつも微笑みを浮かべている。その微笑みは「こんなに長くアメリカを出し抜けると思ってなかった」っていう微笑みだね。でも、もうそんな日々は終りだ)

■アベノミクスで自由がなくなってしまった

 

 ここまでコケにされたら、普通は中国のように報復措置を発動させるしかないが、“ポチ外交”が染みついてしまった属国日本の首相にこれができるだろうか?

 それ以前に、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズとセックス(1回だけ)して、それを口外しないように13万ドルを支払ったという老人を、どうやって説得しようというのか? 

 

 ラストベルトの街で、朝からダイナーでクアーズのビールを飲み、ステーキをたいらげるプアホワイトのために制裁関税を思いつく“錆びついたアタマ”の持ち主に、いまさら自由貿易の大切さを熱弁しても、聞く耳を持たないだろう。

 

 アベノミクスになってから、日本は政治も経済も自由が束縛される、活気のない国になってしまった。異次元緩和で金融市場は抑圧され、本来の資本主義市場はなくなりつつある。このままでは、人口減が進むなかで、日本経済はますます衰退していくとしか思えない。

 

 別に低成長、あるいはイーブンでもかまわない。アベノミクスの3本の矢「金融緩和」「成長戦略」「財政出動」は本当に必要だったのか?

 そんな余計なことなどしないで、人口が減っているのだから、素直に縮小均衡に舵を取り、小さな国家を目指せば十分にやっていけただろうに、それをやろうとしなかった。政治家は、できもしない公約(経済成長、経済回復)を掲げ続けている。このままでは、いずれ大きなクラッシュがやってくる可能性が高い。

 
[299]その先の日本が見えない。佐川喚問後のこの国の空気について
2018年 3月 28日(水曜日) 22:42
佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が終わった。

「ゼロ回答」を見出しに掲げている新聞もあるが、彼が証言を拒否したことを丁寧につなげていけば、全体のストーリーはできたも同然だろう。拒否したこと、否定したことのほうが真実であるのは、誰にでもわかることだ。

 それにしてもなぜ、ここまで嘘をつき、彼はなにを守ろうとしているのだろうか? まだ60歳だけに、残りの人生は長い。その人生を汚名を着せられたまま生きていくことで、彼は本当にいいのだろうか? それとも、なにかの裏取引があり、残りの人生は約束されているのだろうか?

 

 いま言えることは、おそらくこのまま、この中途半端な状況が続いていき、安倍政権はじわじわと求心力を失っていくということだ。だから、国民としては、じっと様子を見続けるしかない。

 この国は空気の国であり、はっきりした空気が形成されない限り、何事も動かない。まだ、安倍内閣を倒していいのか、このまま継続させるのか、空気の流れができていない。与野党とも、どうしていいかわかっていない。

 なにしろ、森友問題以後の展望が誰にも見えていないのだから、ここは動きようがない。野党は、ともかく政局にして、安倍政権を倒せばいいと思っているようだが、それでは問題は解決しない。ただ、このままいくと、検察の捜査が日本の行く末を決めることになってしまう。これは非常にまずい。

 

 いずれにせよ、日本を取り巻く情勢は激しく動いている。これ以上、森友問題を続けるのは時間の無駄だ。そろそろ安倍政権とはなんだったのか?を総括すべきだろう。

 この5年間で、日本の経済力、国際社会におけるプレゼンスはいちじるしく低下した。単に円を擦りまくった量的緩和で、日本の金融はフリーズしてしまった。景気もよくならなかった。賃金は上がらなかった。

 そんななか、民間のがんばりがあるから、なんとか日本は持っている。与党だろうと野党だろうと、右だろうと左だろうと、日本の政治権力は、国民にとって害があるだけなことが、今度のことで判明した。国内で勢力争いしている場合ではない。官僚も同じで、省益を守り、政権に媚びて自分の地位を守るような国民無視の生き方をしている場合ではない。

 

 これを機会に、政治の力を徹底的に弱める国づくりをするほかないのではないか? そして、少なくとも、嘘のない、正義がまかりとおる国にしてほしい。

 佐川喚問後、「AERAdot.」に掲載された自民党の村上誠一郎衆院議員のコメントが、ほかのすべてのコメント、論評のなかで、もっとも胸を打った。なので、それを忘れないために、以下、転載してみたい。 

 

「安倍3選ない」「財務省が悪いじゃ正義ない」自民議員が佐川喚問後、激白 

(西岡千史2018.3.27 18:32)

 安倍首相も麻生財務相も、竹下(登・元首相)さんが予算通過と引き換えに退陣をしたように、大所高所の判断する時期にきた。これ以上長引けば、政治や行政に対する国民の不振がさらにつのる。そして、官僚たちに物理的なしわ寄せがいく。これ以上、あらゆる意味で犠牲者を出してはいけない。

 みんな原点に帰ってほしい。森友学園問題、加計学園問題、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題にしても、すべて安倍首相の心の友や後継者にしようとした人たちを人事や仕事で優遇したことで、問題が起きた。ところが、問題が起きると「財務省が悪い」「防衛省が悪い」「文科省が悪い」となる。そもそも、身から出たサビの問題に対して、最高責任者が責任をとらないのが最大の問題だ。

 今まで築き上げられてきた大蔵省や財務省の権威が失墜して、もはや取り返しがつかない事態だ。私が大蔵委員長をやっていた頃、大蔵省の接待疑惑があった。だが、今回の事件は全然次元が異なる。

 今回の公文書改ざんでは、財務省が1年間平気でウソをついていたということ。国会の軽視だ。国会の軽視とは、国民を軽視しているということだ。政治家や公務員が国民を軽視して、公僕といえるのか。

 佐川さんだって、優秀なんだからわかっているはずだ。その佐川さんがなぜ、背任罪や公文書偽造などの犯罪者になりかねない危険なことをやらざるをえなかったのか。そのことを明らかにしなければならない。

 佐川さんは、福島から刻苦勉励して財務省の役人になった。なのに、彼だけがすべてを抱え込んで「自分がすべてをやりました」と。これでいいのか。佐川さんの人生は何だったのか。どういう顔をして地元に帰れるのか。佐川さんだけを悪者にして、犯罪者にしていいのか。メディアも、もっと佐川さんの人生を考えてあげてほしい。

 政治や行政はジャスティス(正義)が必要。正義がなかったら、世の中が闇になる。このままでは財務省を筆頭に、日本の霞が関は解体する。自民党の支持率も下がる一方だ。(今年秋の自民党総裁選で)安倍3選はない。

 
[298]あまりに“哀しき”官僚人生。なぜ、モラルや倫理を捨ててまで、おバカな政治家、権力に従うのか?
2018年 3月 15日(木曜日) 21:57

「森友文書改ざん」騒動が続いている。今回の発端は3月2日の朝日新聞報道。以来、時間があればテレビのワイドショー報道を見続けてきたが、もっともポイントを押さえていたのは「ひるおび」ではないかと思う。

 ほかの番組は、全体像がつかめていず、司会者の技量不足、コメンテーターの偏りなどにより、要点を得ていない。その結果、この事件のストーリーが見えてこないからだ。

 

 いま、表に出ている官邸作成のストーリーと、本当のストーリーは全然違う。しかも、このストーリーの根底には、日本の組織が持つ致命的な欠陥、“ガラパゴスシステム”とも言うべき「終身雇用・年功序列」がある。そして、その前提の上にできた「内閣人事局」制度が、すべての元凶である。

 だからこのシステムを変えない限り問題は解決せず、ここで佐川・前国税庁長官、麻生財務大臣、安倍首相、そして安倍明恵夫人ことアッキーを“血祭り”にあげても問題は解決しない。

 なんで、国民の財産である国有地を、「右翼ビジネスは儲かりまっせー」と考えた“エセ教育者”籠池泰典氏にタダ同然で与えなければならなかったのか? 近畿財務局の人間も、財務省の人間も、いま本当に自分を恥じ、“哀しい”思いでいっぱいだろう。「忖度」などと言っているが、そんなことはありえない。あったというなら、それは「忖度したのではなく」、無理やり「忖度させられた」と言うべきだ。

 

 『NYタイムズ』紙ほか欧米メディアが“極右”(ultra-right)と呼ぶ「日本会議」には、本物の愛国者、保守人間もいるが、籠池氏のような“エセ保守”もいることを、首相もアッキーも知っていなかったのか?

 すべての発端は、2014年4月25日に、アッキーが森友学園を訪問し、園児たちのロボット化された“愛国挨拶”にナイーブに感涙してしまったことにある。このときの写真を見せびらかせ、権力との仲の良さをちらつかせ、籠池氏はまんまと払い下げ交渉に成功してしまったからだ。

 ここから、「却下するはずの案件」は「政治案件」になってしまった。さらに、同年の5月30日には、内閣人事局が設置され、官僚幹部の人事は官邸が握ることになった。

 

 要するに、もう1年以上も続いてきた「森友騒動」は“アッキード事件”であり、政官の一種の“組織病”なのである。首相夫人アッキーが登場したことで、首相の取り巻き、その下の官僚組織は、真実よりも「つじつま合わせ」「言い繕い」が最優先になってしまった。上には逆らわない。たとえ、筋が通らなくとも、法に触れようと、上の言うことに従う。

 これは、日本の組織特有の“風土病”と言い替えてもいい。本来なら、嘘をつくことは重大な犯罪、モラル、倫理に反するのに、これができてしまうのは、上が下の生殺与奪権を握っているからである。逆らったら、それで人生が終わりになってしまうシステムだからだ。

 それが、「終身雇用・年功序列」システムであり、民間ではもう成立しなくなってきたこのシステムは、官僚組織ではいまも強固に生き残り、その実権を官邸が握ったことで、本当におかしくなってしまった。

 

「終身雇用・年功序列」システムは、「嘘をつく」「人を欺く」=「偽装」の“源泉”である。これは、これまでこの国で起こった偽装事件を振り返ればわかる。

 つい先日も、神戸製鋼所のデータ改ざんが発覚したと思ったら、三菱マテリアルにも同様な問題が発覚、さらに日立製作所は国土交通省の認定に適合していないエレベーターを1万台超も設置していたことを発表した。

 さらに遡ると、日産自動車と三菱自動車による燃費不正事件や、自動車部品メーカーのタカタの欠陥エアバッグ事件がある。また、東芝の粉飾決算事件も、データを偽造して株主と投資家、世間を欺く行為だった。

 これらの偽装は、ほぼどれも組織ぐるみであり、上からの圧力がなかったら起こっていなかった。

 偽装事件はまだまだ、山とある。2001年に発覚した牛肉偽装事件に端を発する一連の「食品偽装事件」もデータの偽造だった。雪印の牛肉、ミートホープ、赤福餅、白い恋人、船場吉兆など、みな虚偽記載を行なっていた。

 さらに、2005年に発覚した「耐震構造計算書偽造事件」も同じだ。この事件は、裁判で A建築士の個人犯罪とされたが、そうではあるまい。しかも、それから10年たった後、今度は、旭化成建材のデータ改ざんが発覚した。

 偽装と言えば、あの「STAP細胞論文」もそうだ。しかも、STAP細胞事件では、本当に痛ましい自殺者まで出ている。

 

 いま、メディアと野党は、政府と財務省を追及することにやっきになっているが、このような日本の「風土病」をどうやってなくすかを、真剣に考えるべきだろう。なにしろ、この国では、食材、食品、鋼材、建築材、家、クルマ、企業決算書、研究論文など、ありとあらゆるものが偽装されているのだ。

 いったい誰が、上からの圧力がなければ、そんな馬鹿げたことをするだろうか?(自己利益のためにする例もあるが、それはわずかな例しかない)

「終身雇用・年功序列」システムの中で生きなければならない官僚の人生は、本当に“哀れ”だ。このシステムは、年齢による差別を前提としているので、能力・実績はまったく評価されない。役所では、入省年次が絶対で、その序列は終身続く。評価されるのは、「よく動く」「よく言うことをきく」「よく気がきく」だけだから、いくらプロの仕事をしようと、国民のために尽くそうと、給料は上がらず、昇進もできない。

 しかも、官僚の給料は、働き盛りの30代、40代のときに、民間の優良成長企業に比べたらはるかに安い。

                                               

 要するに、官僚というのは、なにがあってもじっと我慢する職業なのである。したがって、給料は「我慢料」であり、「滅私奉公料」であり、今回のケースでは「嘘つき料」だ。ただし、我慢をし続けると、雇用は終身保障され、人生の最終段階では大きな見返りがある。だから、みな我慢するようになっている。

 たとえば、佐川氏の場合、局長になったので給料は年間2200万円ほどになり、“上がり双六”としての国税庁長官をやれば退職金は約7000万円になる。そしてその後は、独法や息のかかった民間金融機関などに「天下り」し、さらに「わたり」を繰り返せば、数億円を稼げるようになっている。

 しかし、そのためには、人間性を殺し、モラル、倫理観を捨て、文書改ざんをやったうえ、嘘までつかなければならない。

 佐川氏に限らず、官僚、とくに財務省官僚はみなこの国のトップエリートであり、東大を出た優秀な人々だ。しかも、志(こころざし)を持って官僚になっている。それが、なぜ人生の後半になって、自分と同世代の“おバカ政治家”にこき使われ、さらに“おバカ野党”に人格攻撃までされなければならないのだろうか?

 

 佐川氏が故郷いわき市から東京に出て、東大入学を目指して必死に受験勉強していた1970年代の後半、安倍首相は、成蹊大学を卒業すると南カルフォルニア大学に“遊学”し、その後、1979年に神戸製鋼所に”コネ入社“している。そして、1982年に、当時外務大臣だった父・晋太郎の下で秘書官になった。同じ年、佐川氏は公務員試験を突破して、念願の大蔵省(当時)に入省している。

 それから、35年後、なぜ彼は、国会で虚偽答弁をし、公文書改ざんをしなければならなかったのか? いったい、誰のためにしたのか?

 佐川氏の上司、麻生太郎財務相は、佐川氏より一世代以上年上である。しかし、この「浪花節だよ人生は」及び「財閥御曹司」大臣は、1960年代に学習院大学を卒業すると、スタンフォード大学大学院、ロンドン大学政治経済学院に留学したことになっている。しかし、2007年以降の公式HPでは、海外留学歴は削除されている。留学ならぬ“遊学”時代は、日本から送られてくる漫画を楽しみにしていたという有名な話がある。

 この人物と首相に佐川氏は、国税庁長官就任にあたり「適材適所」と言われたのである。

 

 人間が能力で評価されず、「御奉公」で評価される「終身雇用・年功序列」システムは、一刻も早く改正されなければならない。そうしなければ、官僚はいつまでたっても国民のために働かず、“哀しき”下僕人生を続けるだろう。

 そして、日本の国力は、限りなく落ちていくだけだろう。国と国民のためを考えて行動している人々が、これほどまでに少なくなって、本当にこの国は大丈夫なのだろうか?

 
[297]「森友書き換え」「南北首脳会談」「習近平皇帝」「#Me Too」-----今年の春はとんでもない春?
2018年 3月 08日(木曜日) 01:01

やっと、春めいてきた。今週はまだ寒さが残るが、来週からは気温も上がり、春らしくなるという。しかし、今日までのことを思うと、これからやってくる春は“とんでない春”なりそうだ。そこで、時事雑感を以下、記しておきたい。

 まずは、なんといっても、「森友、書き換え問題」。永田町、霞ヶ関は大荒れだが、もはやここまでくると、日本の社会、組織は本当におかしい、腐ってしまったとしか言いようがない。嘘と誤魔化しがここまで横行していいのだろうか?

 すでに、佐川長官“サイレンス逃げ切り”問題に関しては、産経のウエブ「IRONNA」に寄稿した。

 [佐川長官が国税庁史上初の「偉業」を達成する日は近い]→http://ironna.jp/article/9091

 ここで言いたかったことは極めてシンプル。このままだと、大人たちは子供たちに「嘘をついてはいけません」と教えられなくなる。そんなことをすると、子供たちは大人になって、嘘をついたほうがトクできる。正直に生きるとバカをみると知って、深く絶望するからだ。“国民の奉仕者”であらねばならない官僚の人生は、すべての日本人のロールモデルでなければならない。

 

 書き換えも同じだ。そうして、真実を隠蔽する、誤魔化すほうがトクできる、そうするほうが正しいとなったら、この社会はどうなるのか?

 結局、嘘をついたら損をする。人生は失敗する。こういう社会、組織を構築しない限り、問題は解決しない。与党も野党もない。政局になろうと、安倍内閣が崩壊しようと、問題は解決しない。

 日本人はここで生き方を改めないと、中国人、韓国人を非難できないだろう。中国でも韓国でも歴史は捻じ曲げられ、真実よりも、何十回、何百回と繰り返される嘘が優先する。結局、日本も同じではないかと言われたら、答えようがない。

 

 続いて、北朝鮮。なんと、ロケット小僧の3代目が「非核化の可能性」を示唆したと大騒ぎだが、これはペテンに決まっている。よく考えてほしい、小僧は何一つ譲歩していない。このまま話し合って、最終的に首脳会談、経済封鎖解除→経済支援では、世界秩序は崩壊する。核を持って脅かせば、世界は従うとなれば、それはもはや自由世界ではない。

 本当にあるのか、南北首脳会談、そして米朝会談? そんなもの、やってはいけない。選択肢は武力による北の政権排除しかない。

 しかし、トランプはこれを決断できないだろう。彼にはこのままでは自由世界が崩壊するという認識がゼロだ。アメリカの世界覇権が消失するという認識もない。

 このとんでもない時代錯誤大統領は、保護関税を“おもちゃ”にしだした。日本も、この関税の餌食にされる。彼から、一刻も早く核のボタンとツイッターをとりあげてほしい!

 

 さらに中国。ロシアでプーチンが「4選」されるので、この先も“陰謀帝国”が続くと思ったら、今度は習近平が本当に「中国皇帝」になってしまった。これまでに人民共和国の憲法は25回書き換えられているが、今回の書き換えは、「終身国家主席」である。

 これで、2049年までに中華民族が偉大なる復興を遂げ、世界帝国になる「中国の夢」は永遠に続いていく。こんな迷惑な話はない。

 この件に関して本当に絶望的なのが、トランプが別宅のマールアラーゴの献金者へのスピーチで、「中国は偉大であり、習氏が偉大な紳士であることを忘れるべきではない。いまや終身の国家主席だ」と述べ、「習氏にはそれができた。素晴らしいと思う。われわれもいつかそれを試みるかもしれない」と続けたことだ。冗談にもなっていない。

『NYタイムズ』も『ワシントンポスト』も、「われわれの対中政策は失敗した」と言っている。また、英『エコノミスト』も「われわれは中国を見誤っていた。自由世界に引き入れたことは間違いだった」と言っている。

 このように、いまや世界中で自由世界の後退が続いている。この先、どうなっていくのか? 気が気ではなくなってきた。

 

 それなのに、自由世界でいま最大のムーブメントは、「#Me Too(ミー・トゥー)」運動だ。この間の平昌五輪のスノボ・ハーフパイプで、平野歩夢の金メダルを最後に吹っ飛ばしたショーン・ホワイトも「#Me Too」洗礼を受けていたのには驚いた。

 彼は、自身がやっていたバンド「Bad Things」の女性ドラマーから「勃起ペニス写真を送りつけてきた」「スカトロ動画を見るように強要された」「露出度の高い服を着ろと言われた」と、セクハラで訴えられていたのだ。ただし、この裁判は昨年示談で決着している。

 

 さて、今週の日曜からは、大相撲春場所が始まる。こちらも、昨年からずっと話題が引っ張られてきたが、今回は「あるのか貴ノ岩10連勝」「あるのか稀勢の里涙の復活orやっぱり引退」「白鵬、カチワリできず4連敗」なんてことが起こるだろうか?

 競馬もクラシックが始まる。しかし、こちらは波乱のない、安定した春になりそうだ。なぜなら、今年ほど中心馬が決まっている年は珍しいからだ。先週の弥生賞で牡馬はダノンプレミアム、チューリップ賞で牝馬はラッキーライラックが抜けていることがはっきりした。

 南北会談なんかより、はるかに、桜花賞、皐月賞が待ち遠しくなってきた。 

 
[296]小平奈緒1.20倍、羽生結弦2.25倍、渡部暁斗4.30倍-----平昌オリンピック注目選手のオッズ
2018年 2月 10日(土曜日) 12:15

平昌オリンピックが開幕した。昨日の報道を見るかぎり、まるで“平壌オリンピック”といった印象。美女応援団、三池淵管弦楽団、アイスホッケー女子統一チーム、金正恩の妹・金与正などの映像が繰り返し流れ、選手や競技はかすんでしまった。

 もちろん、今日からは競技に注目が集まる。そこで、以下、日本選手が出場する注目競技のオッズを書き留めておきたい。参照:「10Bet Japan」

                         

 まずは、金メダルが鉄板とされる女子スピードスケートの小平奈緒。500メートルでは1.20倍、1000メートルでは1.50倍で、いずれもダントツの1番人気になっている。1500メートルの高木美帆も1番人気で1.52倍。女子チームパシュートの日本も1番人気で1.20倍。この人気通りに決まれば、スピードスケート女子だけで日本は金を4つ取ることになる。

 次いで、日本人選手で1番人気になっているのが、ノルディック複合の渡部暁斗。ノーマルヒル、ラージヒルとも4.30倍。抜けた人気ではないので、ちょっとしたミスで人気に応えられないケースも考えられる。

 人気競技のフィギュアスケートでは、男子シングルの羽生結弦は、休養明けのため2番人気で2.25倍。なんと宇野昌磨が1番人気で2.00倍だ。ネイサン チェンは2.75倍で3番人気だが、4回転を4回以上決めれば逆転があるので、予断は許さない。
 女子の宮原知子は、ロシア2人が鉄板なので、メダル圏外の評価で16.00倍。

 金メダル期待競技のスノーボード男子ハーフパイプ の平野歩夢は3.00倍で2番人気。1番人気はショーン ホワイトで2.25倍。スノーボード女子ビッグエアの 岩渕麗楽倍は3番人気で4.25倍。1番人気はジュリア マリノで3.75倍、2番人気はアンナ ガッサーで3.85倍と、混戦だ。
 
今シーズンが始まる前は、高梨沙羅で鉄板と思えたスキージャンプ女子ノーマルヒル/HS109 は、W杯で7勝を挙げたノルウェーのマーレン・ルンビが1番人気で1.71倍。2番人気がカタリーナ アルトハウスで4.00倍。高梨はなんと4番人気8.00倍と人気を落としている。ちなみに伊藤有希は14.50倍。オッズと今シーズンの成績を見るかぎり高梨の金は期待できない。

 

平昌オリンピック・スピードスケート、女子500m

(18日、20時~)

   ・小平奈緒:1.20
 ・李相花(イ サンファ):4.50
 ・ブリタニー・ボウ:11.00
 ・郷亜里砂:17.00

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[295]いつかは来る「その日」、NYダウの666ドル安はまさに「その日」。調整ではない。
2018年 2月 04日(日曜日) 23:01

とうとう「その日」がやって来た。いつか確実にやって来ると誰もがわかっている「その日」だ。2月2日のNYダウの暴落は間違いなくそうだろう。

 先日のビットコインも同じ。上がったものは必ず下がる。上がって下がって、また上がって下がる。そうして押し目を繰り返して上げてきたが、今回は調整の下げではない。そう思っている人間、メディアも多いが、これはまさしくピークアウト。つまり、NYダウは天井を打ったのだと思う。そう確信できる。

 それで、いつもは株価のことなど記さないのに、記録しておくために書くことにした。

 2月2日、アマゾンを除いてほぼすべての株価が下落した。アルファベット(グーグル)、ビザ、メルク、ゴールドマン・サックス、ダウ・デュポンなど、優良株は軒並み下げ続け、2万5520ドルまで下がった。以下は、日経の記事。

 

《2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日ぶりに反落し、前日比665ドル75セント(2.5%)安の2万5520ドル96セントで終えた。下げ幅は2008年12月1日以来、9年2カ月ぶりの大きさ。市場予想を上回る米雇用統計を受けて米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識され、幅広い銘柄に売りが優勢となった。》(日経NQNニューヨーク=川内資子)

 

 なんと、NYダウは9年2カ月も上げてきたわけだ。9年前の2008年の年間株価は8776.39ドルだった。トランプが当選した1昨年は1万9762.60ドルだった。この後、どこまで下げていくのはわからない。当然、戻しもあるだろうが、もう2万6000ドル台に戻すことはないだろう。

 これで、明日、日本の株価はどうなるかだが、間違いなく下げる。下げるのは確実だ。問題はどこまで下げるかだ。

《日本株は米国株に比べ割高感に乏しい上、足元の円相場が円安ドル高傾向にあるため、平均株価はいったん下落したとしても戻りは速いとの声もある。》と書いている記事もあったが、そんなことはあるまい。日本の株価は公的資金によるPKOである。黒田日銀と5頭のクジラがどこまで支えるかにかかっている。

 いずれにしても、FRBは今年中にあと4回の利上げを想定している。それにつれ、世界中で金利が上がっていくはずだ。そうなれば、借入れコストは上がり、それに反して株価は崩落してくはずだ。

 
[294]白鵬、稀勢の里休場。このままだと国技も伝統も崩壊。それでいいのだろうか?
2018年 1月 19日(金曜日) 19:37

予想していたとおり、相撲が大変なことになってきた。「まさかここまで」という予想を超えた事態になっている。注射と談合がなくなり、ほぼすべてがガチンコ相撲となった。その影響で、照ノ富士、白鵬、稀勢の里が休場し、今後もさらに休場者が出るのは間違いない。とすると、相撲事態の存続が危ぶまれることになりかねない。

 いったい、どうなるのか?  

 以下は、6日目が終わった時点で、「Yahoo個人」欄に書いたコラム記事だが、ここに収録しておきたい。

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[293]「脱紙出版」「減書店」がどんどん進む2018年の出版界はどうなるのか?
2018年 1月 07日(日曜日) 03:04

2018年になったので、昨年の出版界を振り返り、今後、出版界がどうなっていくのかを考えてみることにした。まず、市場全体がどうなっているのか? 昨年暮れに出た出版科学研究所のデータによると、次のとおりだ。

 2017年の紙の出版物推定販売額は1兆3700億円。前年比にして6.9%減1009億円のマイナス(1〜11月実績からの推計)である。これはもちろん過去最大の落込みで、1996年をピークとして減少を続けてきた出版市場は、この20年で半減したことになった。

 内訳は、コミックス(漫画単行本)を含む雑誌が6600億円で、前年比10.0%減739億円のマイナス。書籍は7150億円で同3.0%減220億円のマイナスとなっている。

 

 なお、以上の数字は紙出版のみで、電子出版の数字は加味されていない。そこで、電子出版がどれくらいの市場規模かを示すと、これは上半期の数字しか出ていない。それによると、電子コミックが777億円で前年同期比22.7%増、電子書籍が140億円で同14.8%増、電子雑誌が112億円で同21.7%増となっていて、電子出版市場全体では1029億円で同21.5%増である。

 とすると、下半期も同じ成長率で推移したとすれば、2018年の電子出版市場は約2370億円となる。そこで、これを紙市場と合算すると、1兆6030億円ということになる。

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[292]やがてやって来るに違いない「世界を変える変換点」
2018年 1月 02日(火曜日) 09:16

年が明けたら、話題は「今年はどんな年?」一色になった。本当にどんな年になるのだろうか? 第二次北朝鮮戦争はあるのだろうか? 株式バブルは崩壊するのだろうか? 正直、わからない。

 これまで起こったことについては、池上彰さんのように解説することはできる。しかし、これから起きることに関しては、誰にもわからない。いまあるデータから、技術、経済、社会などが、今後どうなってくのかは、ある程度は予測できる。しかし、それを超える出来事に関しては、皆目、わからないと言っていい。

 

 最近では、未来は一つでなく、複数存在するという説もある。また、過去・現在・未来には順序がなく、同時に存在するという説もある。そもそも時間は存在しないというのだ。

 量子の世界では、時間の流れが一方通行ではなく、過去から未来、未来から過去へと流れるという。つまり、過去は現在、そして未来に影響を与えるが、未来も現在、過去に影響を与えるというのだ。

 となると、現在の私の行動は、未来の自分の決断に影響を受けていることになってしまう。そんなことがありえるのだろうか?

 

 いずれにせよ、未来はわからないほうが面白い。わからないからこそ、私たちは生きている。ただし、そう言い切ってしまうと身も蓋もないで、現時点で予測されている未来に関して述べておきたい。

 といっても、私の予測など意味がないので、2015年9月に世界経済フォーラムの「ソフトウェアと社会の未来に関するグローバル・アジェンダ・カウンシル(Global Agenda Council on The Future of Software and Society)」が発表したレポートを簡単にまとめておきたい。

 このレポートでは、現在、進行中の「第4次産業革命」(英語では「インダストリー4.0」)がもたらす近未来が予測され、21の「ティッピング・ポイント」(tipping point)が示されている。

 ティッピング・ポイントとは、「ある技術的変革が、突如、社会の主流を転換させてしまう瞬間」のこと。文字どおり、いままでの流れを、突然、ひっくり返してしまう「特異点」がティッピング・ポイントである。

 

 ティッピング・ポイントを理解するには、まず、「第4次産業革命」がなにかを知っておく必要がある。なぜ、現代が産業革命の「第4次」なのだろうか?

 「第1次産業革命」は、私たちがよく知っている産業革命で、これは「蒸気機関」という新しい動力が出現したことによって起こった。ここから、人類社会は機械化の時代に入っていく。続く「第2次産業革命」では、「電気」と「石油」によって大量生産が実現した。そして、「第3次産業革命」は、「コンピュータ」が登場して生産の自動化が進んできた。では「第4次産業革命」の主役はなんだろうか?

 それは、すべてのモノがインターネットにつながる「IoT」と、それをコントロールする「AI」だ。つまり、この「第4次」は、これまでと違って機械自身が革命を起こしていくのである。

 次が、世界経済フォーラムのレポートが示す「2025年までに起こり得る21のティッピング・ポイント」のグラフと一覧表だ。

 

 

 ここに挙げられた21項目の右側のパーセンテージは、この調査に参加した情報通信テクノロジー分野の専門家800人の回答者のうち、「そうなると思う」と回答した専門家の割合を示している。そこで、上から順に80%以上の主な項目を見ていくと、次のようになる。

 

・10%の人々が着ている服がインターネットに接続されている(91.2%)

・1兆個のセンサーが、イーターネットに接続されている(89.2%)

・米国で最初のロボット薬剤師が誕生する(86.5%)

・眼鏡の10%がインターネットに接続されている(85.5%)

・3Dプリンタによって自動車が生産されている(84.1%)

・政府がビッグデータのソースを使って国勢調査を行うようになっている(82.9%)

・人体にインプラントできる携帯電話が発売開始となる(81.7%)

・人口の90%がスマートフォンを使用している(80.7%)

 

 以上のことはもはや珍しいことではなく、一部では達成されているので、この予測はほぼ当たるだろう。では、80%以下ではどうだろうか? 目ぼしい項目を列記すると次のようになる。

 

・3Dプリンタによって生成された肝臓の初移植が行われる(76.4%)

・法人の会計監査の30%がAIによって行われている(75.4%)

・政府がブロックチェーンを介して最初に徴税を行う(73.1%)

・自家用車でなく、カーシェアリングによる移動や旅行が世界的に広がる(67.2%)

・人口が5万人を超える都市で信号機が廃止される(63.7%)

 

 これらの項目も、60%以上のものに関しては、ほぼ実現するだろうと思える。すでに会計ソフトが会計士に代わっているから、会社の会計監査をAIが行い、監査役がAIになってもおかしくはない。自動運転車は走行試験段階から実用段階に移っているので、実用化とともにカーシェアリングの時代がやってくるだろう。

 

 そこで、ティッピング・ポイントが示す未来を方向付けしてみると、流れは次の4点に絞れるのではないだろうか?

 

(1)AIロボットによる生産の完全オートメーション化

(2)人間と機械の融合によるサイボーグ化

(3)意思決定までAIが行うプロセスの導入

(4)すべてがネットでつながることで「所有」という概念が希薄化して「シェア」が主流となる

 

 はたして、このような流れに私たちはうまく適応できるのだろうか? また、以上を総合してみると、どう考えてもモノの生産、サービスに人間はあまり必要ではなくなる。

 つまり、第4次産業革命とは、「大失業時代」と言い換えることが可能だ。経済産業省の試算によると、AI関連の国内市場規模は2030年までに86兆円以上になると予測され、経営や商品企画の分野で136万人、製造・調達分野で262万人、管理部門で145万人が仕事を失うとされている。

 

 このような時代を目前にして、いま言えるのは、過去のどんなビジネスモデルも、サクセスストリーも無意味だということだ。さらに、これまでのような人間の労働をベースにした資本主義社会は終わらざるをえないということだ。

 機械がモノをつくり、サービスをやってくれる社会では、いままでのような資本主義は成り立たない。また、日本のような人口減社会では、これまでのシステムは成り立たず、成長を前提とした経済学も役に立たない。

 もちろん、社会は自律的に変わっていくに違いないが、その変化が早すぎると人々はついていけない。

 本当にどうなっていくのだろうか?  

 
[291]さよなら2017年、「重大ニュース」と「流行語」で回顧
2017年 12月 28日(木曜日) 00:10

今週の月曜日から、北日本は大寒波に見舞われ、大荒れの天気が続いている。そんななかで、今年は暮れていくことになったが、思えば今年は、“今年の漢字”に選ばれた「北」に象徴される1年だった。

 もちろん、この場合の「北」は、北朝鮮の「北」であり、まさに金正恩の北朝鮮に一喜一憂、翻弄され続けた1年だったと言えるだろう。日曜日の有馬記念をキタサンブラック(馬主・北島三郎)が勝ったことで、本当に「北」で記憶される2017年となった。

 そこで、「北の1年間」を、重大ニュースを記すことで、ここに記録しておきたいと思う。すでに、メルマガでも同じ内容を配信したが、このサイトにもアップしておくことにした。

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G1予想[219]第34回ホープフルステークス(2018年12月28日)
2017年 12月 26日(火曜日) 17:47
スターウォーズ馬券で宇宙の果てまで鉄板!

 

 今年の有馬記念の売り上げは前年を下回った。これまで、有馬記念がクリスマスイブの12月24日に行われたことは何度かあるが、いずれも売り上げが前年を下回っている。

 なぜか? それは、給料日前だからである。給料日後は財布の紐が緩む。それを狙って、ほとんどのビッグレースは月末に行われている。

 このように、日本の競馬はマーケティングに基づいて行われ、JRAは一般会社員層から税金を巻き上げることに貢献してきた。

 

 したがって、今年からホープフルステークスをG1に格上げして、有馬記念の後にもってきたのも、馬や競馬サークルの都合というより、JRAの都合である。なんとJRAは、有馬記念で大負けしたファンからさらにカネを巻き上げようというのだ。そうすれば、有馬記念の売り上げが多少落ちても問題はない。

 このJRAのマーケティングに付き合うと、年越し資金まで溶かしてしまう可能性がある。「ホープフル」(希望でいっぱい)など、冗談ではないだろう。

 JRAは本当にあざとい。

 このあざとさは、賞金にも表れている。昨年までG2のときのこのレースの1着賞金は6700万円だった。ところが今回G1に昇格したというのに、7000万円にすぎない。2着も2700万円→2800万円である。ちなみに大阪杯も今年からG1に昇格したが、こちらは1着賞金が6700万円→1億2000万円と大幅にアップしている。

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